ソードアート・オンライン ~幻影の騎士~   作:ELS@花園メルン

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ソードアート・オンライン プログレッシブ 
2回目を見てまいりました。

やっぱり、何度見ても、SAOは面白いなって思う。


攻略組の不和と≪二刀流≫

アインクラッド 第56層 

 

 

迷宮区へ向かうためのクエストボスを倒す作戦会議を行っている俺たちだが、いつものごとく、攻略会議は揉めに揉めていた。

 

 

「だから!こちらの消耗を抑えるために、村の中にボスを誘い込むべきなんだ!」

 

 

片や、NPCはモンスターにタゲられるからそれを狙って、ボスを誘い込むべきだという強硬派。

 

 

「確かにNPCは時間が経つと復活するかもしれない!けれど、人の姿をした彼らが襲われるのをただ見てるわけにいくか!!」

 

 

もう片方は、ゲーム内とはいえ、人を襲わせるなんて行為はするべきではないという穏健派。

 

強硬派は主に血盟騎士団団員が主体となっていて、穏健派は聖竜連合団員が主体となっている。

正直、この世界で1年以上過ごしたこともあり、人がモンスターに襲われる姿なんてこれまで散々、目にしてきた。

好き好んで人が死ぬのなんて見たくない。だから俺も穏健派側の意見である。

けれど、俺もその中に混ざってしまったら、泥沼化してしまうのが正直、目に見えている。

 

 

…仕方ない。助け船でも出すか……。

 

 

俺は、揉めている奴らに聞こえるように大きく手を鳴らし、こちらに注目が集まるように促した。

 

 

「はいはい、アンタら一旦ストップだ。このまま平行線でいたずらに時間を消費するわけにはいかないだろ?どっちもが譲らないんだったら、ここは剣士らしく公平に決闘で決めようじゃんか。どっちも代表者を一人選出して、初撃決着モードで決める。分かりやすいだろ?」

 

 

俺の意見は飽くまで、今回の対立をその場しのぎで抑える一時的なものでしかないが、納得のいく意見も上がっていないなら、こうする他ないだろう。

内心では俺は穏健派だが、提案者ということもあり、俺が決闘への候補になるのは辞退した。

そして、血盟騎士団からの後押しもあり、アスナが強硬派の代表に選ばれ、穏健派からは、同じく代表者で聖竜連合のトップでもある【リンド】が選ばれると思っていたが、選出されたのがキリトだった。

 

 

「あの二人が戦うなんて、正直どうなるか予想できんな」

 

「おう、エギル」

 

「そうだよなぁ、片やトップギルドの副団長でもう片方はお前ぇと並ぶソロ最強プレイヤーだろ?」

 

「そんなに俺のこと持ち上げんなよ、クライン」

 

 

キリトたちが決闘の準備を進めている中、俺のもとに50層に自分の店を構えた斧戦士のエギルと未だに誰も欠けずに攻略組に参加しているギルド≪風林火山≫のリーダーで俺の従兄でもあるクラインが話しかけてきた。

 

 

「正直、俺らからしたら、お前もキリトもそう大差はないだろう。実際、どうなんだ?お前さんたちだとどっちが強い?」

 

「半年前だとキリトと五分だったけど、あの時のアイツは死に急いでたからなぁ、正直分からん」

 

「あの時期か…。それじゃあ、お前たちのどちらかとアスナの場合はどうなんだ?」

 

 

エギルの最初の質問に俺は黒猫団の騒動があったあの頃を思い出しながら答えた。

あの時、キリトの目を覚まさせるためにって戦ったけど、死に急いでるキリトに発破をかけるために一方的に攻撃して、その後に返り討ちにあったからなぁ。

初めから本気だったら、どうなってたんだろうな…。

 

そして、エギルの二つ目の質問にも俺は答えた。

 

 

「キリトとアスナがやりあった場合だと、勝つのはキリトだな」

 

「言い切ったな。そりゃまた、何でだ?」

 

「対人スキルの差、かな。確かにアスナの攻撃は二つ名のように鋭い一撃だろうさ。でも、飽くまでアイツの戦う相手は武器を持ったモンスターたち相手だ。決まったアルゴリズムに従ってスキルや攻撃を行う、格ゲーのCPUみたいなもんだ。けど、今回は対人戦―――つまり、駆け引きが重要になってくる場面だ」

 

「キリトにはその駆け引きができるって言いてぇのか?」

 

「そうだよ、クライン。

先月のことだったかな、確か。キリトはあるプレイヤーからオレンジギルドの捕縛を依頼されて、そのギルドの構成員を全員、監獄に送ったんだよ」

 

「その話は俺も聞いたことがあるな。確か、相手は中層を活動範囲にしている連中だろ?それなら、向こうとの能力の差が有り過ぎて勝負にならないんじゃないか?」

 

 

確かにそうだ。実際、キリトに話を聞いたが、レベルとステの差もあって、奴らは碌にダメージを入れられなかったらしい。

だけど、それだけじゃ、向こうは止まらず、キリトがその時にパーティーを組んでいた子を襲おうとしたらしいのだ。

そいつらの攻撃手段を奪うために、キリトは自分の武器を相手のソードスキルが発生する前に攻撃を当て、相手の武器を破壊するキリトの編み出したシステム外スキル≪武器破壊≫を用いて、攻撃してきた全員の武器を破壊したそうだ。

 

その≪武器破壊≫についてエギルとクラインに教えると、2人は納得し、うなずいた。

 

 

「なるほどな。それならば、対人戦となるとキリトの方に分があるかもしれん」

 

「キリの字は一体、どこを目指してるんだ…?」

 

 

俺たちが話し終えた頃には、決闘に準備が済んでおり、カウントダウンが始まっていた。

そして、カウントが0になった瞬間、

 

アスナが一直線にキリトにソードスキル≪リニア―≫を放つ。

それをキリトは寸でのところで躱し、すぐさま距離を取る。

1層からアスナの剣技は見てきたけど、やっぱりアイツの攻撃は「速い」の一言に尽きる。最速の一撃を以って相手を牽制し、その勢いのまま連撃を加えていくというのがアスナの戦闘スタイルだ。

その流星のような速さに多くのプレイヤー達が魅了され、≪閃光≫という二つ名が与えられるくらいに攻略組トップレベルの細剣士になっていた。

 

キリトが距離を取るも、すぐさま、アスナは自分の攻撃範囲まで詰め寄り、キリトに連撃を加えるが、キリトはそれを身をよじって躱したり、あいつの愛剣となった真っ黒な片手直剣≪エリュシデータ≫で攻撃をいなしたりして、防いでいた。

 

 

「うん、やっぱり巧いな、キリトの技術は」

 

「け、けどよ、シキ。キリトの野郎、防戦一方じゃないか?このままじゃ、いずれアイツが攻撃を受けて負けるんじゃねぇか?」

 

「大丈夫だよ、クライン。キリトが反撃しないのには、まぁ、色々と理由があるけど、そろそろ動くと思うぞ、あいつも」

 

 

俺が、そういうと同時に、避けられ続けて痺れを切らしたアスナが細剣ソードスキル≪カドラプル・ペイン≫を放った。

その瞬間、キリトは自身の剣を逆手に持ち替えて、剣の腹で大きくアスナの剣を弾き、そのまま剣を持っていない方の手を手刀の形にして、その喉元に突き付けた。

 

結果 キリトがアスナに降参を促し、キリトが勝利し、今回のボス攻略会議は穏健派側の意見を採用する運びになり、後日、その作戦を決行するということで決まった。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

その後、キリトとコンビでフィールドを探索していると、休憩中にキリトから相談を持ち掛けられた。

 

 

「なぁ、シキ。このスキルなんだけどさ」

 

「…≪二刀流≫?」

 

「ああ。アスナとの決闘が終わった後、スキル欄に追加されててさ。取得条件とか特に分からないから、同じユニーク持ちのシキに聞いたんだよ」

 

「やっぱり、二刀って書いてるくらいだし、武器を両手に装備できるんじゃないか?試しにスキルを設定して、なんか武器を持ってみたらいいんじゃないか?」

 

「お、おう――――本当だ、両手に持てる。それに、スキルも」

 

 

そういいながら、キリトは両手の剣をそれぞれ構え、≪スラント≫を両手で放った。

本来、武器は1本しか装備できず、仮に両手に持っても、スキルが発動することは無い。

けど、キリトは2本の剣でそれぞれスキルを発動させて見せた。

 

 

「――やっぱり、発動できる。他にも、≪二刀流≫専用のソードスキルがあるみたいだ」

 

「ってことは、これからは最前線の攻略に加えて、スキル熟練度上げも並行しないとだな」

 

「シキ、このことは――「言われずとも、お前が言おうとしない限り、俺からは言わねぇよ」――ありがとう」

 

「だけど、スキルを使いこなせた時、出し惜しみするんじゃないぞ?振るえる力があるのに、それを出し惜しんで、大事なものを亡くしたんじゃ、力を持った意味がない。――あんな思いは、もうごめんだろ?」

 

「そうだな。俺がこれを使いこなせるようになって、使わなきゃいけない場面に出くわしたら、これを使うよ」

 

「よーっし!それじゃあ、早速、スキル上げしに行こうぜ!俺、≪二刀流≫のソードスキルってどんなのがあるか、気になるんだけど!」

 

 

キリトと共に、狩りを再開し、キリトを前衛に二刀流を使って戦ってもらった。

俺も、≪幻影剣≫用に上げている槍を振るい、キリトが存分に戦えるように周りのMobを相手していた。

 

 

「せぁっ!!――ふぅ、今まで片手でしか武器を使ってなかったから、勝手が違うなぁ」

 

「けど、結構動けてたんじゃないか?これなら、ヒースクリフも目じゃないな!」

 

「買いかぶるなって。けど、問題も出てきたな…」

 

「問題?」

 

「ああ、俺がメインで使ってるエリュシデータはボスドロップっていうこともあって、えげつない性能をしてるから問題なく振るえるんだけどさ。それまで使ってたこっちの武器がエリュシデータにステータス負けしててさ。

エリュシデータと同じように振るってたら、先に耐久値が限界を迎えそうでさ」

 

「武器のバランスが不釣り合いってことか?」

 

「そうそう。加えて、重さもエリュシデータくらいが丁度いいなって思ってたから、新しい相棒を見つけないと、いざって時に片方の剣が壊れましたーなんて、バカみたいなことになりかねないからな」

 

 

それから、俺たちはキリトのスキル上げと最前線攻略に加えて、キリトの新たな相棒探しもすることになった。




本来、圏内事件の前の攻略会議では、アスナとキリトが対立して、そこからデュエルを行うって流れだったんですが、オリ主君がいることもあって、そこまでアスナも攻略の鬼って感じではないし、キリトとアスナの仲も別に悪くないです。

ので、キリトとアスナが戦うことになるようにと、攻略組の意見の食い違いって感じで進めました。
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