ソードアート・オンライン ~幻影の騎士~ 作:ELS@花園メルン
夕日が沈む中、俺はキリトに付いて行きながら道中に遭遇したMob達を次々と狩っていく。≪ダイア―ウルフ≫と呼ばれる小型の狼が夕暮れ時から夜に掛けて、≪はじまりの街≫付近の草原にPOPするらしい。昼間に現れる青イノシシMobと違い、こいつらはプレイヤーを見つけたら攻撃を仕掛けてくる攻撃的モンスターなので、俺とキリトが走っていても、追いかけてきてその牙で襲い掛かって来る。
二匹の狼が俺とキリトに反応し、追いかけて来る。
「二匹釣れたぞ!」
「各個撃破だ!時間を掛け過ぎると向こうは仲間を集める≪ハウリング≫っていうスキルを使ってくる!素早く倒せよッ!」
「了解だ!」
飛び掛かって来る狼を横に避けて躱し、通り過ぎた狼の背後から顔をめがけて短剣の単発ソードスキル≪アーマーピアース≫を発動させ、突き刺す。このソードスキルはクリティカル判定が高いため、当たり所や運によっては今のステータスでも一撃でこの辺のMobを倒すことができる。
幸い、先ほどのスキルはクリティカルでヒットしたので一撃で狼を倒すことができた。狼はその姿を形成していたポリゴンが爆散し、ライトエフェクトと共に消えていった。
モンスターを倒したことで経験値、この世界での金≪コル≫とドロップした素材の獲得画面が現れる。
それを確認し終えたら俺たちはまた走りだし、敵がこちらに気づいて襲撃して来たらそれを狩るという行程を繰り返し、森を抜けると、小さな村へとたどり着いた。
「着いたぞ。ここがさっき言ってた村≪ホルンカ≫だ。村に着いたからまずは宿の部屋を押さえておこう。付いてきてくれ」
「キリト?宿屋ならあっちにあるけど、何で全然違う方に向かってんだ?」
キリトが歩き出したのは宿屋とは全く別の方向だった。むしろ、村の民家の方へ向けて歩いている。
「そうだったな。シキはベータテスターじゃないから知らないのか。この世界において、宿屋ってのは二種類あるんだ。一つは一般的な【INN】って書いてある宿屋。これはその村々において最安値で泊まれるもののことだ。そして、もう一つがNPCの民家の空き部屋をコルを払って借りて泊まれる宿屋。ただ、こっちは低い層でしか存在してないらしいんだよ」
「へぇ~。そんなものがあるのか」
「ちなみに俺が借りようと思ってる部屋は二人までなら貸し切れる部屋で、一日一度だけミルクと黒パンをNPCから貰うことができるんだ。ちなみに使用料は一部屋つまり二人で70コルとかなり安価なんだよ」
「マジか!?じゃあ、あっちの宿屋だといくらするんだ?」
「あっちは二人で60コルだけど、水しか貰えないんだよ。だから食料を貰える辺り、こっちの方が得なんだ」
と、言いながらキリトは民家の扉をノックして開けた。…なるほど、俺が今までやってたRPGとかだと、宿屋のイメージって【INN】の看板がある建物が基本だったからなぁ。実際、そういう世界へ入ると、思わぬ発掘があるってことか。
キリトに付いていき、部屋を借り、俺たちは借りることができた部屋で一息をついた。部屋は簡素なソファとベッドが一つずつ置いてあるだけの内装だったが、存外、一人35コルで泊まれるならこんなものなんだろう。
「ふぅ。それじゃあ、これからやることについて軽く説明するぞ。≪はじまりの街≫を出たときにも言ったけど、この村では武器が報酬のクエストが受けられるから、それを受けようと思う。クエストの内容は植物型Mobの≪リトルネペント≫っていう奴から落ちる胚珠を一つ集めるって内容だ。ただ、胚珠を落とすネペントには種類があって、頭部に花を咲かせている俗にいう【花つき】からしかドロップしないんだ」
「なるほど。つまり、花の咲いてる奴がいたらそいつを狩ればいいんだな?」
「ああ。でも、注意して欲しいのが、普通のネペントと花つき以外に【実つき】っていう、赤い果実が付いてる奴がいるんだけど、そいつはなるべく倒さないでおいてくれ」
「何でだ?何かヤバいことでもしてくるのか?」
「ああ。特にデスゲームとなったこの世界においてかなり危険なことをしてくるんだ。実つきはな、その実を攻撃してしまうと実が破裂して煙をまき散らすんだ。しかも、その影響で他のネペントたちが集まってきて、恐らく捌き切れなくなるくらいに寄って来るんだ」
「…そんなにか」
「ああ。だから、なるべく実つきとは戦わないで欲しい。万が一、戦う羽目になったら、実を破壊せずに倒してくれ」
「分かった。―――あ、俺から質問いいか?」
「ん?いいぞ」
「≪スキル≫ってさ、武器の以外に色々あるけど、今、スキルスロットが少ないじゃんか?最初って何を取っておくのがいいんだ?」
「そうだな。俺は今はパーティを組んでるけど、ソロで潜る時もあるかもしれないから≪片手用直剣≫の他に≪索敵≫を取ってるんだ。このスキルは一定範囲内に敵が入れば自動で感知してくれるんだ。だから、俺はベータの時も最初はこれを選んでおいたんだ。他には、≪隠蔽≫スキルもオススメだ。これは名前の通り、モンスターやプレイヤーから身を隠すことができるスキルだ。でも、今から受けるクエストにおいて、というか目を持たないモンスターにおいてはスキル値の低い序盤は効き目が無いんだ」
「ネペントみたいな敵には効果が薄いってことなのか?」
「そうだ。あいつ等は匂いに反応して寄って来るんだ。でも、スキル値を上げたらそう言った敵にも効果があるようにはなるんだけどな」
「なるほどな。ま、キリトが≪索敵≫を選んでるんだったら、俺は≪隠蔽≫を選ぶよ」
そう言って、俺は≪隠蔽≫のスキルを取った。それに、こっちの方が俺の武器とも合わせやすいと思うんだよな。
それから、俺たちは村の武具屋で装備を整えた。キリトは≪スモールソード≫っていう片手剣から≪ブロンズソード≫へ変え、今着ている装備の上に羽織れる茶色のハーフコートを買っていた。俺は≪ショートダガー≫を≪ブロンズダガー≫へ変え、敏捷値の上がる緑色の薄革のケープを購入した。
そして俺たちはクエストを発生させるために泊まってる民家とは別の民家へ行き、中へ入った。クエストの発生方法が分からない俺は、キリトの行動を後ろからただ見ていた。
「こんばんは、旅の剣士さんたち。お疲れでしょうし、食事でもと思ったのですけど、生憎今は料理を出せないの。出せるのは一杯のお水程度の物で…」
「それで構いませんよ」
キリトが民家のおかみさんへ、そう返事をすると、おかみさんはコップに水を入れテーブルに置き、鍋の前へと戻っていった。
「なあ、キリト?これでクエストは発生したのか?」
「まあ、見ててくれよ」
すると、隣の部屋に続くドアの向こうから咳込む声が聞こえ、それが聞こえた少しした後、おかみさんの頭の上に黄色いクエスチョンマークが現れた。
「これが、クエスト発生の証なんだ。―――何か、お困りですか?こう尋ねるとクエストを受けるための会話が進んでいく」
「旅の剣士さん、実は――――――」
それから俺とキリトはおかみさんの話を聞いていた。
内容はこうだ。病に伏せた娘の為に薬草を煎じて飲ませているが、あまり効果が得られず、リトルネペントから取れる胚珠なら、薬として効果があり、娘の病気も治るかもしれない。
そう、おかみさんは言っていた。
全て聞き終えると、キリトの前にクエストを受けるかどうかの確認の画面が現れ、キリトはそれをyesを選択し、民家を出た。
「これがクエストの立ち上げ方だ。クエストに関しては結構、色んな発生方法があるから、街や村でも探してみるといいかもな」
「おう。それじゃあ、今から森へ向かうんだな?」
「ああ。さっき言ったことに気をつけて、さっさと胚珠を集めるぞ!」
俺とキリトはホルンカの村を出て、村から西の方角にある森へ行き、目的の素材を集めるべく、ネペントたちを狩りはじめた。
「うへぇ、気持ち悪ぃ、なっ!!」
俺はブロンズダガーで横薙ぎにし、ネペントの蔓を切り落とし、その攻撃でネペントのHPを削り切った。落ちたのは≪植物種の葉≫。また外れだった。俺とキリトの討伐数を合わすと、既に20は行ってる筈だが、未だに花付きは現れない。もうお陰でレベルが3まで上がった。ステータスポイントの割り振りは今のところ敏捷に全て割り振っている。短剣というリーチが非常に短い武器を俺は扱っているので、素早く敵の懐に飛び込み、クリティカル狙いでソードスキルを叩き込む、というのが俺の主な戦闘スタイルである。その為、筋力強化よりも、敏捷を上げて、動きを少しでも早くしたいものだ。
「キリト~そっちはレベルいくらになった~?」
「俺はもう少しで4になるかな。そっちはまだ3になったばかりだろ?」
「そうだな。まあ、武器の威力から見ても、キリトの方が倒しやすいから経験値も得やすいんだろうけどな」
「そう言ってるけど、シキの方もクリティカルの確率が高いから、結構ダメージ入ってるんじゃないか?」
「そうか?ま、どの道、俺たちのレベルが上がっても、目的の素材を落とさなきゃ意味は無いんだけどな~。そう言えばベータの時はどれくらいで落ちたんだ?」
「……100体で大体3つ落ちた」
「……長いな…」
「け、けど、シキは片手直剣を使わないだろ?な、なら大体30体ほど狩れば1個は落ちるって…多分」
「おい、そんなやる気の無くなる言い方はやめろよ!?」
再び、狩りを再開し、2、3体をキリトと共に狩り終えると、キリトがレベルアップし、4になった。キリトがそのレベルアップによるステータスの割り振りを終了し、ウィンドウを消すと、パンパンパンと何かが弾けるかのような音が聞こえ、俺とキリトはそちらを振り向いた。初期装備のレザーアーマーと左手のバックラーが特徴の如何にもひ弱そうな青年がいた。
「あ!モンスターじゃないから!プレイヤーだよ、プレイヤー!!…えっと、レベルアップおめでとう。随分早いんだね」
「早いって程でも無いさ。それに君も早かったな。俺の予想だと他の人が来るのはもう2、3時間は後だと思ったんだがな」
「僕も一番乗りだと思ったんだけどね。ここって中々分かりづらいからさ」
コイツ、もしかしてキリトと同じベータテスターか?キリトはβテストの時に得た知識を基に、最短ルートでこのクエストを受けに来ている。少し遅くとはいえ、同じところへ来るなんて、ベータテスターでもない限り、殆ど考えられない。
「君たちも≪森の秘薬≫クエを受けに来たんだろ?アレで貰える剣は見た目は無骨だけど、いい装備だからね」
貰える報酬まで分かってるってことは、間違いなく、コイツはベータテスターだ。
「ねえ、折角だし一緒にクエストやらないかい?」
「一緒に?でも、あれは一人用のクエストだぞ?」
「そうなんだけど、3人で乱獲すればもっと落ちる効率は上がると思うんだ。見たところ、そっちの彼は武器は短剣みたいだから、2体目が出るまでの協力関係ってことでどうかな?」
「…俺はキリトに一任するよ。もともと、このクエストを始めたのはキリトだ。効率を重視するんなら、3人で狩った方がいいとは俺は思うけど」
と、俺の意見を一応、キリトに伝えた。
「あ、でもパーティーを無理に組めとは言わないよ。単に、目的の花付きが出るまで、同じ場所で狩ろうってだけだからさ」
「あ、ああ。分かったよ。俺はキリトだ」
「よろしく、キリト。僕は【コぺル】。君は?」
「俺はシキだ。よろしく頼む」
こうして、俺とキリトは遭遇した元ベータテスターのコぺルと共に、ネペント達を乱獲し始めた。それからの効率は二人で狩るよりも上がった。一体目の花付きが出てきて、それをキリトが倒し、無事に一つ目の胚珠を獲得した。
一つ手に入れたことで、モチベーションが上がり、狩りの効率は更に上がり、レベルも俺とキリトは先ほどよりも1上がり、それもあってかより多くのネペントを倒すことができた。
「あ!見て、キリト、シキ!花付きだ!」
コペルが指さす方には花の付いたネペントが普通のネペントに紛れて、ウロウロしていた。コペルはそれを狩ろうと、走り出そうとしたが、俺は花付きの奥に変わった個体がいるのを見つけ、コペルの肩を掴んだ。
「キリト、あれってひょっとして、【実つき】じゃないか?」
「…ああ。あれが実つきだ。しかも、2体も。どうする、二人とも」
「―――よし、僕が一体の実つきを引き付けるよ。その間に花付きを倒してくれるかい、キリト?」
「俺が?でも、コペルの獲物だろ?アイツは」
「そうなんだけどね。僕は盾を持ってる分、防御しながらの時間稼ぎができるし、シキも武器のカテゴリ的に威力不足が否めないからね。一番、素早く倒せそうなキリトに任せようと思うんだ」
「――――分かったよ。コペル、シキ、頼んだ」
「「分かった」」
キリトが花付きめがけて一気に駆け出し、攻撃を行い、花付きのタゲを取った。
その隙に俺は実つきの背後へ回り込み、実を攻撃しないように、ゆっくりと攻めた。
攻撃を躱して躱して躱してから一撃を入れる、という遅滞戦闘に努め、キリトやコペルに対しても目を配りながら、戦闘を行っていた。
そこでキリトがソードスキルを発動させ、ネペントの花付きを倒し、やっと終わったか、と少し、安心しながらコペルの方を向いた。コペルの方は大丈夫だろうかと、少し心配していたが、防御をしながら上手く、敵の攻撃を切り抜けていた。
だが、そんな時だった。コペルが不意に、俺たちの方を向いてきた。―――?しかも、その眼は俺たちを哀れむかのような目だった。
なんでそんな目をするんだ?と疑問に思ったが、次のコペルの行動で全て合点がいった。
彼は、コペルはソードスキルで実つきの実を思いっきり叩き割ったのだ。
「!?キリト、逃げろォォォ!!!」
「コペル、何を!?」
コペルの行動は俺たちを動揺させるには十分なインパクトがあった。
「ごめんよ、キリト、シキ」
そう言って、コペルは違う方向へと走り出した。しかも、緑色のプレイヤーカーソルが消えたのだ。これは、キリトが説明してくれた【隠蔽】スキルの初級技だったはずだ。視界から消え、モンスター、プレイヤーから見つからなくなるというスキル。
でも、それを使って逃げたコペルに対して、俺はこう思っていた。
それじゃ、ダメなんだよ、コペル。
と。キリトから教わった隠蔽スキルのデメリットに、視界以外の感覚を持つ敵には初期のスキルでは効果が得られないというのがあった。
今回のクエストにおいて、隠蔽のスキルはあまり役に立たないと、キリトは言っていたんだ。
ネペントはその視界以外の感覚で敵を見つけるMobだからだと。
コペルは走り去っていったが、そっちに向かって何体ものネペントが向かっていくのが見えた。コペルを追いかけてるんだろう。
「シキ、なんとかココを突破しないと!俺たちはコペルに嵌められたんだ!」
「わ、分かった!」
キリトの言葉に返事をし、俺はコペルの事では無く、自分が今この状況を抜け出すために戦うという方に意識を向けた。
わらわらと集まって来るネペントの群れ。俺とキリトはお互いをカバーし合いながら、一体一体確実にネペントを倒していった。
「う、うわぁぁぁぁぁ!!!」
と言う悲鳴と共に、パリンと何かが割れる音が聞こえた。
……恐らく、コペルのHPが尽き、死んでしまったのだろう。だけど、そっちに意識を向けることを許さないかのように、ネペントたちは次々に寄って来る。少なくとも15体はいるだろう。
「キリト、スイッチ!!」
「ああ!」
掛け声と共に、ネペントの攻撃を短剣で弾き、後ろに下がりキリトと交代する。俺の武器の耐久がそろそろ切れそうだったので、俺は最初に装備していた≪ショートダガー≫へと武器を変更し、戦闘を再開した。
ただ、がむしゃらに剣を振るい続け、どれだけ倒したのかも数えず、ソードスキルを発動し続けた。
俺たちはやっと、ネペント達を全滅させた。あれ程群がっていた奴らがいなくなり、今いる森の一部分がとてつもなく広く感じた。パーティー共通のストレージを見ると、花付きも混じっていたのか、新たに2個の胚珠が追加されていた。
「シキ、1個はコペルの物だ。…いいよな?」
「ああ」
俺はそう、頷き返した。
キリトと共にコペルの逃げていった方へと歩き、途中でコペルの物だと思われる盾と剣を発見した。キリトはそこへ胚珠をオブジェクト化させて添えた。
「ほら、お前のだ、コペル」
「…お疲れ、コペル。でも、俺たちちゃんと協力したら、あんな奴らに負けなかったんだぜ?お前も、一緒にアイテムを手に入れて笑って村まで帰れると、俺は思ってたのに…」
俺はコペルの装備とコペルの分の胚珠で作られた墓標にそう言ってやった。
「帰ろう、シキ。クエストをクリアしてもう休もう」
「だな。さすがに、疲れたぜ」
モンスターの大群との戦いと、協力していた仲間からの裏切り。
この2つは俺たちに大きな疲労を齎してきた。さっさと村へ戻り、クエストを発生させた民家に戻り、クエストを達成させた。
「ありがとうございます、剣士様。よろしければ娘に会ってやってください」
と、おかみさんに言われ、俺とキリトは奥の部屋へ案内された。部屋には8歳くらいの少女が頭に濡れたタオルを乗せて、眠っていた。
「ほら、アガサ。旅の剣士様たちが薬を取ってきてくださったわよ?」
「ん、んん……。ぅあ、剣士のお兄ちゃん…?ありがとう、ございます」
そう言って、アガサと呼ばれたNPCは俺とキリトに手を伸ばしてきた。
その手を握ってやると、アガサは落ち着いたのか、おかみさんから渡された薬を飲み、再び、眠りついた。
「こちらはお礼になります」
おかみさんがそう言うと、俺とキリトの前にウィンドウが表示され、クエストクリアと表示された。パーティーを組んでたからなのか、俺も経験値とコルを貰い、更に初回クリア報酬として、≪ウィンドダガー≫と呼ばれる武器が報酬覧に≪アニールブレード≫と共に追加されていた。
「キリト、これって?」
「多分、ベータと違って報酬の方も少し変化したんだ。けど、初回クリアってことはこの短剣は次回からは取れないってことだろうな」
俺とキリトはそれぞれお互いの扱う武器を受け取り、宿代わりにしている民家へ戻り、ベッドとソファに寝転がった。
この1日だけでいろんなことがあった…。ゲームオーバー=死のデスゲームを宣告され、たくさんのモンスターと戦って、俺とキリトはもう疲れ切っており、もう寝てしまいそうだった。
「キリト…。ありがとな?」
「…ん?」
「お前が、俺に色々教えてくれたお陰で俺は、今こうしてお前と共に戦えてるからさ」
「感謝されるほどの事じゃないさ。それに、戦えてるのはシキ自身が強いからだよ。俺、本当ならソロで戦うつもりだったけど、シキが俺を信頼してくれて補助してくれたから、楽に戦うことができたんだ」
「そっか。なら、存分に俺に感謝しろよな?」
「―――ああ、サンキュ」
キリトはそう言うと、寝息をたてた。
俺は、暗い天井を眺めながら、リアルの事を思い出す。何気ない会話をしながら遊んでた友人。先輩と俺を慕ってくれてた中学の後輩。父さん、母さん。向こうに置きっぱなしにしてきたものがありすぎて、俺は絶対に死ねないと、絶対に生き抜いてまた皆に会いたいと心に刻み、眠りについた。
感想、アイディアなんかがあればお願いします。
でも、アイディアは活動報告の方に何かあればお願いします。
感想の方ではなるべくやめてくださいまし