『 格差歓迎。みんなライバル。セレブだけがアイドル。』僕の理想の世界、セレパラ。
究極のアイドル“ボーカルドール”になった今、僕に勝てるアイドルなど存在しない。人々はもう僕のライブだけ見ていれば満足だ。
あの時、真中らぁらがファイナルエアリーを発現させたのは驚いたが、この僕の敵ではなかった。
「気持ちいいな。この世界。静かで、煩わしい事は何も無い。」
僕は湖のほとりで一人風を感じている。
プリパラは、至上にして至高、もっと美しいところだ。ステージに上るのは真に輝く天才だけでいい。以前のプリパラは誰もその事を分かってなかった。
プリパラの管理者となった僕はプリパラを天才の為の場所、セレパラへと作り変え、セインツが活躍した時のように選ばれたアイドル同士が競い合い、高め合う時代に戻す事。すなわち、黄金時代の復活を行った。
「真中らぁら。お前のプリパラはもうここには無い。所詮、仲良しごっこに過ぎなかったな。」
僕は半ば呟くように言った。スプドリ以降、真中らぁらはセレパラに一度も来ていない。どこか別のプリパラにでも行っているのだろう。地下パラとやらも、今では完全に機能していない。友情なんて天才にはかなわないのだ。
部屋に戻り、プリパラTVをつける。
ステージでは他のプリパラからやって来た天才達がライブを行っている。素晴らしい、完璧だ。
「でも何故だ?僕が思い描いていた通りの世界のはずなのに、何かが足りないような気がする。何か僕は忘れているのか?いや、忘れていない。これでいいんだ。」
これはきっと僕の思い違いだ。だってここは僕の理想の世界なんだから。
ファルルもやって来て、一緒にステージを見る。
「ねぇ、まほちゃん。本当にこれで良かったの・・・?」
「どうしたのです?プリンセス・ファルル。これが僕の望んだ世界なのですから良いに決まってるじゃないですか。」
ファルルは時々、悩んでいるような表情を浮かべながらこんな事を言う。そういえば、パルプスのマーガレットがどうとか言っていたが、あれは何だったのだろう。
「さぁ、そろそろプリンセス・ファルル、あなたの出番です。」
「・・・うん、分かった!最高のライブしてくるね!」
ファルルは笑顔を浮かべ、部屋から出て行った。
「本当にこれで良かったの。か・・・」
ファルルは何を言いたいのか、僕には理解出来なかった。何が不満なのだろう。
「・・・まさか、プリンセス・ファルルは僕がボーカルドールになる事を望んでいなかったのか?」
あの嘘とまやかしの世界で生きていてほしかったというのか?信じられない。
「みんなー!今日もセレパラに来てくれて、ありがとう!」
テレビからファルルの声が聞こえた。テレビに映るファルルはすっかりいつも通りのファルルに戻っていた。僕はじっとファルルのライブを見る。
「プリンセス・ファルル。やはりあなたは素晴らしい。」
歌声、ダンス、メイキングドラマ。全てが素晴らしい。さっきまで悩んでいたのがどうでも良くなった。
ファルルは僕にとって敬意を払うべき相手であり、彼女の願いなら何だった叶えるつもりだ。
「・・・今日のセレパラも、そろそろ終幕だな。」
今日もセレパラに来た皆に、終幕にふさわしい最高のライブをするとしよう。
僕がステージに立つと歓声はより一層大きくなった。
「皆さん、本日もセレパラに来てくださってありがとうございました。才能という衣をまとったアイドル達による素晴らしいステージ、いかがだったでしょうか。最後に、僕達セレパラ歌劇団が至上にして至高のライブをお見せしましょう!」
東堂シオンも北条そふぃもレオナ・ウェストもチームから抜けたが、代わりはすぐに見つかった。今のチームは今までのチームより格段に質の高いチームになっていると言っても過言ではないだろう。
この僕がいる限り、セレパラは続く。『 格差歓迎。みんなライバル。セレブだけアイドル。』僕は一生、この理想の世界で過ごすのだ。