恋と選挙とマックスコーヒー   作:火成岩

2 / 9
1:森下未散はその部室に訪れる

食品研究部、略してショッケン。それが、俺の教師として初めて持つ部活だ。

研究部とは言っているが、実際の活動は部室に集まり駄菓子を食べながら下校時刻まで話す、どことなく聞き覚えのある様な活動内容の部活動だ。

いやマジで依頼のない時の奉仕部かよ。

部員は奉仕部よりもかなり多い。部長の住吉千里に大島祐樹、そして木場美冬。大島祐樹を溺愛している夢島朧に猿江愛、門前仲綺衣コンビ。そして、のんちゃんこと枝川希美。全員で7人、部活動にしたら少ない方だがそれでも今まで入部していた部活が奉仕部だけだった俺にとっては多く感じられる。

 

大体毎日、部室にそれぞれ集って好みの飲み物を飲みながらお菓子片手に談笑。MAXコーヒーの備蓄が無いのには納得がいかないが、まあ部屋の片隅で甘いコーヒーを飲みながら部員が話しているのを見ていて顧問が務まるなら簡単だ。むしろ最近では部室に一番乗りして職員室の気まずい雰囲気から逃げ出しているまである。

 

今日も今日とて部室のドアを開ける。だが、今日と昨日では、決定的に部室の様子が違っていた。

部室に入って目に飛び込んでいた部員でもない一人の少女。その少女は、どこか不思議な雰囲気を漂わせ、パンツを丸出しにして...

 

「えっと、どちら様?」

「ん。」

「いやいや。ん、じゃなくて。」

 

見たところ、1年生みたいなんだが...。

 

「もしかして、入部希望か?なら入部届を出してほしいんだが。」

「入部、届。うん、書く。」

「まだ書いてなかったのかよ...。」

 

その子に白紙の入部届を渡し、書き終わるのを待つ。

 

「先生、名前何?」

 

え、話しかけられるなんて思ってなかったんだけど。

 

「比企谷、比企谷八幡だ。」

「ヒキガヤ、ハチマン..。ハチマン?」

「ああ、そうだ。てかいきなり名前呼びかよ...。」

「ハチマンは、優しい色してる。」

「は?色?」

「うん。綺麗な白色。やさしい色。」

「初めてそんなこと言われたわ。」

「はい、かけた。」

 

そう言って入部届を渡される。彼女の名前は、森下未散。

 

「森下か、とりあえず後で部長にみてもらうわ。おつかれさん。」

「うん。おつかれさま、ハチマン。」

 

やっぱり名前呼びの威力はすごいですね。

 

 

黙ってコーヒーを飲みながら少し待つと、授業の終わりを告げるチャイムが鳴り、扉の外が騒がしくなってきた。

そのまましばらくすると、勢い良くドアが開かれた。

 

「先生、また一番乗り?仕事してるの?」

「うるせえ、仕事はしっかりこなしてるよ。そうだ部長、入部希望だとよ。」

「新入部員?今の時期に?」

「詳しいことは知らん、とにかく入部したいって言ってるんだから歓迎してやったらどうだ?」

「そんなこと言われなくてもわかってるわよ、腹立つわね。」

「ハチマン、怒られてる。」

「せめて先生を付けてよんで?」

「改めて、ようこそショッケンへ。歓迎するわ、森下さん!」

「うん。」

 

こうやって、森下未散は正式にショッケンのメンバーとなった。

だが俺は、この時彼女に隠された事実を知る由もなかった。




恋と選挙とチョコレートの他の作品が何のにびっくりした火成岩です。
かなり面白いゲームですし、PSPでもアニメでも出てるので広まるといいなと思います。

改善点や批評、感想など良ければお送りください。
ではまた。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。