「ったく、なんで教師ってのはこんなに出勤が早いんだよ....。」
うだうだ愚痴を言いながら学校へ向かう。学生だった頃よりもその歩みは憂鬱なものになっている気がした。
これ、公立の教師とかになってたら転勤とかやばいんだろうな。良かった公僕にならなくて。
うだうだそんなことを考えていると、ふと交差点で立ち止まっている一人の女子生徒を見つけた。
あの制服、高藤の生徒っぽいな。自転車を片手で支えながら、ガチャガチャとペダルを回している。
見た感じチェーンが外れてるようだが、その少女は自転車に疎いのか適当に弄ってるように見える。
あれじゃいくらやっても治らないだろ...。
そんなことを考えていると、急にその少女がこちらを向き顔をしかめた。
「な、なんですか?こちらをジロジロ見て。」
「あ、だっ、なっ。そうじゃなくてだな・・・。」
その少女は可憐で、そしてかつて同じ時間を過ごした彼女と、どこか似ていた。
「その、自転車。チェーンが外れてるんじゃないか?」
「ええ、どうやって治すのか知らなくて。」
「そういうのは、チェーンを直接戻さなきゃ治らねえんだ。」
そう言って俺は、ガシャガシャっとチェーンを持って元の位置に戻す。
「よし、これで治った。」
「すごい、一瞬で・・。あ、手が汚れてますよ。」
「そりゃあオイルは付くだろ。ま、適当に洗えばいいだろ。」
「いえ、早く拭いてしまわないと持ち物が汚れてしまいます。」
そう言うとその少女は懐からハンカチを取り出し俺の手を持った。
女の子の手ってこんなに柔らかいんだね。ハチマン初めて知った。
じゃなくて、
「あ、いや、えっと。ほら、大丈夫だから。オイルって落ちにくいし。な?ほら?」
「何を焦ってるんですか?ん~、よし。これで落ちました。」
「あ、ああ。すまん。」
「あなた、新任の比企谷先生ですよね?」
「ああ、そうだけど。」
「有名ですよ、学校中で。目つきが悪くて、授業がわかりやすいと。」
「・・・あっそ。あんたは、確か財務部の。」
「ええ、東雲皐月です。」
「あんた、その。いや、なんでもない。」
「?そうですか。じゃあ、またどこかで会いましょう。」
「ああ、いつかな。」
財務部長、東雲皐月。彼女は、どことなく雪ノ下に似ている。それは長い黒髪や毅然とした態度など外面じゃなく、たぶん内面も。
勘だが、今回の財務部の生徒会長候補はきっと彼女だろう。
そして、おそらく当選する。彼女の人気は凄まじい。それこそ雪ノ下雪乃以上に。
そんな彼女は、この先彼女の性格を引き金として騒乱を招くことになる。
書き上がりました。
ルートとしては森下ルートと東雲ルートを考えているのですが、何かリクエストがあれば物語を崩さない程度にお応えします。
文章のこの表現はおかしい、ここが読みにくいなどのご意見・批評を送ってくださるとより良い作品への糧となるのでよろしくお願いします。