俺がフェルトになっていた 作:YAYOI@小説書き始めました
「おーいフェルトさーん、早く来てくれないと、俺体洗えないんですけどー?」
「ちょっと待てよ!!あ、アタシだって...その、男の体を見るの初めてなんだからさ...いや、アタシだって女だし、心の準備があるだろ?そう言う事だし、すぐにきて欲しいってのはちょっと...///って、おいこら兄ちゃん!何にも気にしてませんよーみたいな顔して服脱ぐな!!!第一それアタシの体だぞ!!勝手に見るなよ!!」
「別にいーじゃん!減るもんじゃないし〜」
「減る減らないとかそう言うのじゃねぇんだよ!アタシの女としての尊厳ってもんが...」
「だって別に?フェルトが俺の肉体に宿ったのって、俺がフェルトの体で生活し始めて直後じゃないから普通にトイレ入ったり服着替えたりで裸見たし、もういいんじゃねーかなーって。」
「よくねーよ!!!アタシだって恥ずかしいんだぞ!!!っておーい!聞いてんのかー!?!?」
どうしてこうなったのだろうか......
時は、2時間ほど前に遡る。
▼▼▼▼
かくして、高林のお世話になることとなった俺とフェルトは、この家で生活する上で、色々と伝えるべき話があった。
「とりあえず高林も帰ったことだし、とりあえずこの家のことについて説明しておこう。」
「わかった、兄ちゃん。だがアタシはそれよりもまず先に風呂に入りてぇんだが、風呂ってどこだ?この体、なんだかすげー臭うし。」
「おいこらフェルト!!!!臭うってどう言うことだ!!!俺の体が臭いって言うのかよ!!!!」
俺自身の体はそんなに臭くないと思っていたのだが、フェルトからすると臭かったみたいだ。
何気にショック受けたぞ、おい。
まぁでも女の子ってところもあるからな。匂いに敏感なのだろう。
「わ、わかったよ兄ちゃん!臭いって言ったのは悪かったからそこまで怒るなよ!」
「そりゃ怒るだろ!俺はそんな臭くないと思ってたんだぞ!まぁ、別に構わんけど...」
「お、おう......」
フェルト、もとい俺の顔がしょんぼりした顔になっている。
フェルトの顔なら映えるのだが俺の顔のためむしろ酷くなっている。
「そんなに気になるなら、説明諸々よりも先にお風呂に入ってスッキリするか?言っても俺もお風呂ちょうど入りたかったし。」
俺は、しょんぼりしたフェルトを見かねて、お風呂に入るかどうかの質問を投げかけた。
「いっ、いいのか!?結構お風呂って高級な感じがするけどな!」
頼むフェルト、俺の顔でキラキラとした表情をしないでくれ、見るに耐えかねん...。
「一応説明してなくても、部屋の感じとかでわかると思うけど、フェルトが過ごしていた世界と俺が過ごしている世界っていうのは違うんだ。この世界じゃお湯は珍しくなくて、ほとんどの人たちが毎日お風呂に入ってるよ。」
「は!?世界が違うってどう言うことだよ!?!?」
「あー、教えてなかったか...まぁ、口で教えるより目で見てもらう方がわかると思う。」
そう言い、俺はフェルトを連れて、窓ガラスがある部屋に連れて行き、外の景色を見せてあげた。
「一応、ここから見えている景色が、俺が住んでいる世界だ」
「な、なんだよここ...アタシがいてたような世界じゃねぇ!王都でもあんなでっかい建物なかったぞ!」
そう口に出して指を刺した方角には東京スカイツリーがあった。
「しかも、めちゃくちゃでかい建物とか家がいっぱいあるし、龍車みたいなのも走ってるけどまた別なのか?」
今度は車を指さした。
すごく興味津々のようで、目を輝かさせていた。
いや、だから俺の顔でキラキラするのだけはやめてけろ。
「これを見て、フェルトがいてた世界と今俺がいる世界とで違うのはわかるだろ?」
「ああ、こんなもん見せられちゃ信用するしかねぇよ。」
どうやらフェルトは外を見て、自分が元々いてた世界と今いる世界が全く違うと言うことをわかってくれたみたいだった。
「わかった、ありがとう。じゃ、風呂行くか!」
「それはいいんだけどさ、ちょっと兄ちゃんいいか?」
「ん?なんだ?」
「下に置いてるその派手な服はなんだ?」
「って......あぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
そこに置いてあったのは、この服を着たら可愛いだろうなーと思って買った、メイド服とかセーラー服とかのコスプレ服だったのだ。
「正直に話そう、この服は、フェルトの肉体に着せたら可愛いなーって思って購入しました、はい」
「なるほどなー...確かにアタシみたいな可愛さならこんな服も可愛く着こなせるからな!( ̄^ ̄)」
あれ?もっと照れるかびっくりするかと思ったが、案外びっくりしないんだな。
「あれ?意外とそこまでびっくりしないんだな」
「あ?別にびっくりする必要なんかないじゃん、ただの服だろ?」
「ま、まぁそうだけどさ...」
「ならお風呂上がってからその服どっちか兄ちゃん、着てくれよ!」
どうやらフェルトは俺にこの服のどちらかを着て欲しいとのことだった。
なんだよそのご褒美っつーか最高のシチュエーションはよ。
「え、この服どっちか着ていいのか!?」
思わず身を乗り出してしまった。
「お、おう、別にいいけどよ...そこまで喜ぶことか?」
「ああ、そりゃ喜ぶだろ!こんな可愛い肉体でこんな可愛い服着れるんだからな...」
「ちょ、兄ちゃん可愛いって...///」
そう言うと、俺の体でフェルトがまた照れる。
やめてくれ!!!頼むからやめてくれー!!!!
「と、とりあえず風呂向かうぞ?」
「お、おう...」
▼▼▼▼
これが今起きている出来事に繋がる出来事だ。
そして今、俺とフェルト二人でお風呂に入ろうとしている。
正直フェルトの肉体の俺だけなら興奮するしめちゃめちゃ嬉しいが、どうやら当人のフェルトは、俺に裸を見られたくないらしく、タオルで目を隠して代わりに洗うらしい。
しかも、俺だけを洗ってくれるんだったら服を脱がなくていいものの、勝手に服を脱いで、男の体を見るのは初めてだなんだかんだ言って照れてやがる。
全く、勝手気ままなやつだよ。
俺とフェルトがお風呂へ入り、俺はまずフェルトにタオルで目隠しをされる。
「な、なんだかアタシの体をこうまじまじと見るとなんだか恥ずかしい気分だな...それもそうだし、アタシの体は今は兄ちゃんのだから、勝手が分かりづらい...」
そりゃそうだろう。だって突然自分じゃない体になってしまうんだからな。しかもおっさんに近付いてる疲れ切った肉体になってしまうんだから、あれが俺の肉体だとわかっていても少しかわいそうな気になった。
「じゃあ、まずは体、洗っていくぞ?」
「あ、ああ、よろしく頼む。」
その掛け声とともに、予め教えておいたシャンプーを濡らした泡だてネットにつけてくしゃくしゃと揉み、泡を発生させていく。
そしてその泡だてネットで、背中を軽く擦られた。
「ひゃっ......」
びっくりして思わずめちゃくちゃ可愛い声を出してしまった。
「おいこら、アタシの体で変な声出すな!」
「だって仕方ないだろー!いきなりでびっくりしただけだよ!」
そりゃ、どこからまず擦られるか分からないし、どのタイミングで来るかも分からないからびっくりするのも当然だろう。
そしてそのネットは、背中をゴシゴシとしっかり洗ってくれる。
その泡だてネットはとても大きく感じた。
いや、正確に言えばネットが大きいんじゃなくて、フェルトの体が小さい、と言うことになるのか?
俺はアニメでフェルトをずっと見てきていたが、いざこう自分の体になるとこうも小さいのかと感じた。
そして、そのネットは後ろから前へと場所が変わっていく。
そして、ネットが胸の場所あたりを擦った時だった。
「っん......////」
いや、待て今の声...男より女の方が敏感だみたいな話を聞いたことがあるがまさかここまで敏感だとは思わなかった。
まさか、こんな声が出てしまうとは自分でも予想外だった。
「だーかーらー!!!!アタシの体で変な声出すなって言っただろ!?」
「だから不可抗力だ!びっくりしたとかそう言うので声出ただけだよ!!!!」
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一通り体を洗い終わったあと、こんな話をした。
「フェルトは、自分の世界からこんな全く知らないようなところに来て、しかも、肉体まで変わってっていうすごいことが一気に起きたけど、やっぱり怖い?」
いつも通り寝て目を覚ましたら知らない場所にいて、自分の肉体まで変わっていて、自分の肉体は目の前にあるのに別の人が入っている、というの考えると日本人は異世界に行きたいだったりそういう欲望があるからあまり驚きも少ないだろうが、フェルトに関してはそういうのを全く知らない世界だ。
そんな世界の住人がこっちにきたら当然怖いだろう。
「そりゃ、やっぱり知らない土地で知らない肉体で、自分の本来の肉体が目の前にあるのに戻れないから、このまま一生ここで暮らして戻れねえのかなって思う時もあるさ。
でも、今はこうやって兄ちゃんとか、高林の兄ちゃんと一緒に楽しく喋りながら過ごすことができて、アタシはとても幸せな気分なんだ。アタシがいてた世界じゃ戦いとかが沢山起きてて、アタシも何かものを盗まないとまともな飯も食えない。
でも、こっちの世界じゃ戦いもなさそうだし、すごく平和。
アタシがそういう盗みをしないように高林も見守ってくれてるんだ、怖いなんて言ってられねし、むしろ兄ちゃんらに「感謝」だ!」
フェルトは淡々と自分が思っていることを喋ってくれた。
自分がこう思ってるんだなーと思ったところ一致していた場所もあったし、予想をしていない内容も聞けた。
「感謝なんて、すごく嬉しい言葉言ってくれるじゃないか。
それじゃあ俺とフェルトの入れ替わりが戻るまで、いっぱい楽しい思い出作ろうぜ!」
恐怖は当然いつになっても多少はあると思う。
けど、それを俺と高林でしっかりと守って、面倒を見てあげなきゃなという意思にも繋がった。
「おお、いいなそれ!!!!めちゃめちゃ楽しい思い出作ろうぜ!」
「だな!!!」
これからはとても忙しくなりそうな予感がする...。
そう思った東島龍太だった。