「アリナが気づかないとでも……思ったのカナ?」
とあるビルの屋上から情報屋の窓の中を双眼鏡で覗きながらアリナが言った。
アリナは不気味な笑みを浮かべていた。
「面白なってきたナ〜……アッハハ、アリナも面白いこと考えた!」
一同の作戦を聞いて楽しんでいるアリナ。すると一度なにかを考えたように黙りふと笑い出した。
あれから数時間ほど経った頃、みふゆ達がみたまのお店へ帰ってきた。
一同が見たのは、みたまのお店で待機していた組の半数が倒れてる光景だった。
「なんだこりゃっ!?」
「あら、お帰りなさい。ちょっとタイミングが悪かったかしらね。まぁももこがいるから仕方ないかしら?」
ほとんどが倒れている中、平常な状態でいるうちの一人であるやちよが言った。
「ちょっと待てよやちよさん!地味に私をディスらないでくれないか…」
「えっと…やっちゃん、もしかして?」
「えぇ……みんな食べちゃったのよ、鶴乃の持ってきたラーメン」
それを聞いて分かったのはみふゆのみでその本人は呆れた顔をしていた。
「でも火垂さんはなんともないんですね?」
「あぁ……それがね…」
みふゆは、ずっと鶴乃が持ってきたラーメンを食べている火垂を見て言った。
その本人の座っている横には目をキラキラさせながら空のラーメンのどんぶりを抱えている鶴乃。
「火垂ちゃん!私の家に住もうよ!毎日食べさせてあげるよ!ふんふん!」
「…………………?」
鶴乃は自分の家に住まないかと誘うが、火垂自身はなにを言っているのか分かっていなかった。
「鶴乃ちゃん。残念だけれどそれはできないの」
「えぇ〜みたまさんなんでっ!」
鶴乃の家に住むのは無理と言われた鶴乃は理由をみたまに問いかけた。
「やちよさんとみふゆさんと相談してね、火垂ちゃんが元に戻るまでは私お家で預かることになったの。戻ったとしてもしばらくはやちよさんのお家で暮らして、もう大丈夫ってなったら自分のお家へ戻らなくちゃいけないもの」
「うーじゃあ仕方ないか……それじゃあ毎日持ってくるよ!あっそういえばみたまさんの家知らないや!」
少し残念そうにして納得したのか鶴乃は落ち着いた。しかし、毎日持ってくるという突拍子も無いことを言い出したがみたまの家を知らないことに気が付いた。
「あらぁ教えてなかったかしら?ここの建物の二階は私のお家よ」
「そっか〜わかった!じゃあ火垂ちゃんっ毎日持ってくるね〜」
何人もの被害者を出しても反省の色もないことに呆れた生存者達だった。
次の日の夕方
とあるビルの屋上にて高速道路を見つめるアリナ。
風で黄緑色の髪が靡いている。
「………………イエス。新しいアリナの絵の題材はここネ」
アリナはそう言って立ち上がり、右手から黄緑色のルービックキューブを生成した。
不気味な笑みを浮かべて…
みたまの家
「火垂ちゃん、もうちょっと可愛い服着ましょうよぉ」
「ですが私にはこれが馴染んでいます。それに戦闘に不向きな服は……」
みたまが自分の所持している服を火垂に合わせたりなどをして、似合う服を探しながら新しい服を進めるがあまり乗り気ではない火垂。
「今度みんなで探しに行きましょうよぉみんなと行けば楽しいわよ」
「………………考えておきます」
きっと前だったら断っていた話に中立の答えを出してくれたことを嬉しく思うみたま。
照れたのか火垂は、テレビの方へ視線を移した。
『ただ今◯市の高速道路にて大規模な火災が発生しました。ただ今救出活動が行われていますが、死傷者、行方不明者が多数おります。
警察などはテロなどの予想をして出火原因を捜索中です。』
「あら物騒ねぇ……?火垂ちゃん」
(今ほんの少しだけ……………アリナ様が……!!)
火垂がテレビの画面から目を離さずに見ていることに疑問を浮かべたみたま。
「ねぇ火垂ちゃん……………あら?」
みたまは少し視線を火垂から離してしまい、また視線を戻したがそこには火垂はいなかった。
よく見るとベランダへ向かう窓の鍵が開いていて、風がカーテンをなびかせていた。
「あぁ〜エキサイトしすぎて何人か殺しちゃったナ〜」
アリナは火の海になっている高速道路をルービックキューブを手の上で浮かしながら歩いていた。
「…………………アリナ様」
「火垂……あなたがアリナの新しい作品のメインなんですヨネ。イッツオーケー?」
アリナは火垂を指しながらそう言った。
「いいえ……なりません。アリナ様を止めるんです……」