魔法少女物語   作:すぴてぁ

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今回ちょっと長めでーす!


30話 新しい自分

火垂とアリナが対立している頃、他の魔法少女達は

 

「なんでいなくなってんだよ!」

 

『だからそれに関してはさっきから謝っているじゃないのぉ』

 

火垂が家を飛び出したことをももこに連絡をしたみたま。

それを聞いたももこは、やちよ、鶴乃に連絡を取り三人で高速道路へ向かっていた。

鶴乃は他の魔法少女達にみたまからの情報を伝えている。

 

「…………………!ももこ、火垂のことはお願いね!」

 

ももこと鶴乃と一緒に行動しているやちよは遠くを見ていた。

その正体をやちよは知っていたのか、後のことをももこに任せそちらへ向かった。

 

「へ?あちょっ……やちよさん!?」

 

ももこはやちよに理由を聞こうとしたが時すでに遅し。

やちよはもうはるか先へ向かっていた。

 

 

 

 

 

 

 

「あーあ。アリナってばちょっとやりすぎじゃなぁーい?でも、面白いからいっか。」

 

火の海になった高速道路に焦げて倒れている車の上でそう呟く少女。

赤と黒を基調としたワンピースと日傘を身につけてとてもご機嫌の様子。

 

「嬉しいなぁ〜花音お姉ちゃんがやっと私の物語に出てくるんだもの〜」

 

「そこを動かないで…………」

 

すると少女の背後から声がした。

そこにいたのは、槍を構えたやちよだった。

 

「ふふっ久しぶりだね。あれからどれくらいだっけ?忘れちゃった〜」

 

「そんな呑気な話をしにきたんじゃないの。まさかあなたも関わっていたなんてね……

 

 

 

 

 

 

里見 灯花」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひでぇことになってんな……」

 

ラピットスワローで高速道路へ向かっているトップスピードが言った。

その後ろにはリップルもいる。

 

「思ったよりも向こうの行動が早い……」

 

「だよなーよし、飛ばすぞ!」

 

トップスピードがラピットスワローの速度をあげようとしたが、

 

「おーーーーーい!!」

 

下の方からこちらを呼ぶ声が聞こえた。

声のした方を見ると、鶴乃とももこがビルの屋上にいた。

 

「どした?てかやちよさんはどうした?」

 

トップスピードは鶴乃達のいるビルへ着陸し、状況を聞こうとしたがやちよがいないことに気付いた。

 

「それがさ、やちよさんなんか見つけたっぽくてさ、途中で別れたんだよ。何回か連絡入れてんだけど出なくてさ」

 

「そっか……鶴乃、他の奴らは?」

 

「えっとね〜ピーヒョロ姉妹とみふゆ…あとルーラとたま、スイムスイムには救助に行ってもらったよ!」

 

鶴乃は現在の他の魔法少女達の状況を二人に教えた。

 

「みたまさんと、十七夜はみんなへの連絡のため待機……あれ?スノーホワイト、ラ・ピュセル、ハードゴアアリスは?」

 

「あぁその三人にはみたまさんから頼まれたことがあるって言ってたよ!それが終わったらこっちに向かうって!」

 

「おっし大体は分かったな。んじゃ俺らは助けに行きますか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリナの作品の邪魔……しないで欲しいんですケド!」

 

他の魔法少女達がそれぞれ行動している中、火垂とアリナの戦いは続いていた。

火垂は傷がいくつかあるが、アリナはほぼ無傷だった。

 

「………もう、やめてください。作品のために…自分を傷付けないでください…」

 

「アリナはこれでもチョーエキサイトなんですケド。今更もう止める気ないんですケド!」

 

アリナは再びルービックキューブでの攻撃を始めた。

ルービックキューブから、ビームのようなものが出された。

ビームが連続で火垂を狙ってくる。火垂はアリナから距離を取り、横転した車を盾にした。

 

「………ここで止めなくちゃ…私が…」

 

このままでは町が壊れてしまう。そう思った火垂はどうすればいいのかと試行錯誤したが自分の攻撃がほとんど当てることのできない今、火垂一人でアリナを止めるのは難しい。

そう思ってた時だった。

 

「火垂ちゃん!」

 

「……鶴乃ちゃん…」

 

火垂の方へこっそりと移動してきた鶴乃が到着した。

 

「大丈夫?結構ボロボロだよ…」

 

「大丈夫です……それよりも早くアリナさんを止めないと…」

 

火垂は車の影からアリナを見るが、ルービックキューブから出るビームでさらにあたりを破壊し始めた。

アリナは不気味に笑っていた。

 

「そーだっ!二手に分かれて挟み撃ちしようよ!私がここから降りて下から向こうまで移動するよ!」

 

「でも、鶴乃ちゃんにも怪我させちゃうかも……」

 

「もとよりそのつもりでここまで来たんだもん!」

 

「………鶴乃ちゃん、あのね。私、アリナ『さん』を殺したくない……助けたい」

 

「火垂ちゃん……やっと自分の意思を話してくれたね!」

 

火垂がアリナを生かすことに反対するわけではなく、火垂自身の気持ちを話してくれたことが嬉しかった鶴乃。

火垂は鶴乃が喜んでいることが不思議に思った。

 

「え……反対じゃないんですか?」

 

「そんなことないよ!私嬉しい!最初に会った時は何も話さなかった火垂ちゃんが私の名前を呼んでくれて、私の作った料理を美味しいって言ってくれて………自分の意思を話してくれて!」

 

笑顔で自分の意思を賛成してくれた鶴乃。

火垂は嬉しかったのか、目に涙を浮かべていた。

 

「あれれ?火垂ちゃん…どこか痛い?」

 

「ううん……ありがとうございます……あの…他の方達は?」

 

火垂は今のところいない他の仲間たちについて鶴乃に問いかけた。

すると鶴乃はなにかを思い出したのか「はっ!」と言った。

 

「あのねあのね!私みんなより早くダッシュして来ちゃって、それでみんなが来てないことに気付いて後ろ向いたんだけど……誰もいなかったの!」

 

「……………きっとそれ、アリナさんの固有魔法です。きっと私達がいるここが結界になっているんです」

 

「それって私の幸運と同じだよね?」

 

「あっ確か鶴乃ちゃんの固有魔法『幸運』だっけ?」

 

「そうだよ!ふんふん!」

 

「そっか、じゃあ鶴乃ちゃんの幸運があればみんな無事だね。じゃあ作戦開始……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたの昔言っていたこと…今ならよく分かるわ」

 

やちよは、灯花と対立しながら昔のことを思い出した。

 

 

 

 

幼少期、小乃花が幼い頃、ちょっとした発作で数ヶ月入院していた。

その時入院していた病室は三人部屋で、小乃花の隣同士に年下の女の子が入院していた。

一人は里見灯花、もう一人は灯花とは昔から仲のいい友人の柊ねむだった。

二人は趣味があっていてよく話をしていたが時々喧嘩もしていた。

やちよも何回かお見舞いに行った時に会ったことがあった。

 

 

やちよもその時までは普通の女の子……そう思っていた。

それは、小乃花が退院する時だった。

 

「お姉様。退院おめでとう。いっぱいお話してくれて嬉しかったよ」

 

「小乃花さん、僕からも…退院おめでとう」

 

同室だった灯花とねむは、小乃花の退院を祝ってくれた。

 

「お姉様……いつかお姉様も、私とねむが作った物語に出してあげるね」

 

灯花は小乃花へそう言った。

小乃花は嬉しかったのか『約束』を三人で交わした。

やちよもその時はなんの違和感もなく聞いていた。

 

だが、あれから数年……今日やっとその事実が分かった。

 

 

 

「これは全部あなたの作ったシナリオってことよね?」

 

「そうよ。気に入ってくれたかしら?」

 

「そんな訳ないでしょ!人を何人も殺めて……小乃花の心臓を…」

 

槍を握るやちよの手に力がこもった。

 

「あなたのやっていることはただの殺し合いよ!」

 

やちよは再び灯花に攻撃をしようと槍を振るった。

しかしその槍は灯花に当たらなかった……いや、何者かの力で弾かれた。

 

「!?……何が…」

 

「残念だよ…七海やちよさん。君もこの物語に加えようとしていたのに…」

 

やちよの背後から声がした。

振り向いた先にいたのは、

 

「久しぶりだね。七海やちよさん」

 

「……柊ねむ」

 

かつての小乃花と同じ病室にいた灯花の友人である、柊ねむだった。

 

「そう警戒しないでくれないか?今日はここで僕たちは退くよ」

 

「そう簡単に帰す訳には行かないわ」

 

やちよはそう言って再び槍を構えた。

しかし次の瞬間、目の前が真っ白になった。

 

「……!!なに」

 

目の前が元に戻った時にはすでに二人の姿はなかった。

 

「………逃したわね。鶴乃達と合流しないと…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[私が合図出したら…一気に行くよ!]

 

鶴乃は口パクで火垂にそう伝えた。

 

[行くよ……3、2、1……今!]

 

その合図で二人はダッシュでアリナに攻めて行った。

 

「………!ひひっ気付かないと思ったワケ?アリナの狙いは……最初からあなたなの!」

 

アリナは、火垂へルービックキューブを向け、無数のビームを放った。

火垂は防御体制も取れずモロ食らってしまった。

 

「火垂ちゃん!」

 

鶴乃は声をあげて叫ぶが反応がない。

 

「ほら、次はあなただよ!」

 

そう言ってアリナは次に鶴乃への攻撃を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーどうしよう。動こうと思っても体が動かないー

 

ー鶴乃ちゃん……助けなくちゃ…ー

 

ーでも、私の攻撃は効かなかった……仕方ない、私を作ったのはアリナさん。攻撃パターンなんて分かっちゃうよねー

 

《あなたに力をあげましょうか?》

 

ー誰……ですか?ー

 

《魔法少女育成計画、新しいマスコット…イストワールです》

 

ーでも…私はもう登録してある…ー

 

《実はあなたのアカウントは数ヶ月前に削除されています。きっとアリナに改造された時でしょう》

 

ーその力があれば…鶴乃ちゃんは助けられますか?アリナさんを止められますか?ー

 

《あなたが望めば…新しくあなたを魔法少女として登録します》

 

ーします!この戦いを止められるならー

 

 

 

 

 

 

アカウント

 

名前:

 

固有魔法:治癒

 

 

《登録…完了いたしました》

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……もーはやく倒れてほしいんですケドー」

 

「まだ!絶対倒れない!ふんふん!」

 

ボロボロになっていた鶴乃はここで倒れたらいけないそう思った。

 

(ここで倒れたら火垂ちゃんの意思が…)

 

「バイバーイ……」

 

そう言ってアリナはルービックキューブからビームを出した。

 

しかし次の瞬間、アリナの背後に光が現れた。

 

「…………!まさか。新規アカウント……ちっバッド!」

 

その光から現れたのは、白とピンクを基調とした服を纏った火垂の姿だった。

 

「火垂……ちゃん」

 

「…………………………ふぅ……!!」

 

すると火垂は、片腕に装着してあるボウガンに手を掛け、それを上空へ向けた。

そして次の瞬間、軽く息を吸い矢を放った。

 

そして上空でパリンッと何かが割れる音がした。

 

「!?バッド……アリナの結界を破るなんて…」

 

そしてその音は連鎖して、結界が完全に消えたのか、音が収まった。

 

「アリナさん……もう、やめてください」

 

火垂は、アリナにボウガンを構えた。

 

「何度も言わせないでくれナイ?答えはノーなんですケド。まぁ……これでフィナーレだけどね」

 

アリナはそう呟いたが、火垂と鶴乃には意味が分からず、疑問を浮かべていたがその答えはすぐに分かった。

バキッと太い音を立てて、アリナの立っているところにヒビが入った。

 

「アリナさん!!」

 

アリナは下へと落下した。

すると火垂はそれを追いかけるように落ちていった。

 

「火垂ちゃん!!」

 

鶴乃は穴を覗いた。

そこにいたのは、瓦礫と共に落ちた火垂とアリナが倒れている姿だった。

 

 

 

 

 

「アリナ…さん。自分を…大切にしなくちゃ…傷つけちゃ、ダメです…」

 

その言葉を最後に火垂は気を失った。

火垂の言葉は、アリナに届いたのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

to be continue

 

 

 

 

 




おまけ!

ある日、マギレコをやっていた白兎。

「………あっ火垂といろは…似てね?」

というわけで次回から服装はいろはのになります!
私の勝手な妄想なのでご注意くださいー

名前も……もしかしてたらね?
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