魔法少女物語   作:すぴてぁ

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35話 絶交ルール

魔女との初陣から1週間。

いろは達が倒した魔女以外にも魔女の目撃情報はいくつかあり、それらも他の魔法少女達が協力し合い倒すことに成功した。

しかし未だに現れないウワサ。

学生達からいろんな情報は入手できたが、ウワサの仕業らしきものはなかった。

 

「情報…少ないですね」

 

「このままだと、マギウスへの道が絶たれちゃうな」

 

放課後、いろはとももこは下校するため廊下を歩いていた。

他のメンバーはそれぞれ用事があるため、二人で校内に残っていた生徒に話を聞いていっていた。

しかし情報は少なく、良しとは言えなかった。

 

「このウワサは後回しのほうがいいかもね」

 

「そうですね…ほかをあたったほうが…」

 

「いろはーー!!」

 

ももこの意見に賛同しようとすると、大声で名前を呼ばれたいろは。声がした方を向けば、そこには1年下の同じ魔法少女…天音月咲が走ってきた。

 

「どうしたの?月咲ちゃん」

 

「手助けして欲しいの!友達がケンカしちゃって…」

 

「まったく話が理解できないけど…行ってみるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

月咲の教室に行くとそこには、1人の女子生徒がいた。

全くの初対面で制服を見れば先輩だと分かり、緊張したような顔をする女子生徒。

 

「うちの友達の文ちゃんだよ。実はこの子がもう1人の友達とケンカしちゃって…」

 

「こんにちは…あの、皐月ちゃんと仲直りしたいんです…協力してくれませんか…!」

 

文ちゃんもとい文月はケンカをしたまでの経緯を説明してくれた。ケンカした理由は、三日前…運動部である皐月が最近疲れているように見えた文月は、色々食事や生活リズムについて細かく質問した。心配性な文月の心配は皐月にとってはお節介だったらしく、怒鳴られてしまったらしい。

次の日謝ろうとするが、謝ろうと声をかけると避けられてしまう。

そんな日が続き今日まで来てしまったようだ。

 

「私がお節介だったんです…私、皐月ちゃんに謝りたいのに…」

 

(あれ…?なんか変な感じ…自分を見てるような…)

 

「いろはちゃん大丈夫か?頭抱えて…」

 

「あ……大丈夫です…大丈夫…」

 

頭を抱えているいろはを見て心配そうに様子を伺うももこ。いろはは大丈夫だと答えるが、表情は暗いままだった。

 

「記憶のことだったら、この件が終わったらみたまのところに行ってゆっくり話そう」ボソッ

 

「ありがとうございます…ももこさん」ボソッ

 

「それで、仲直りするにはやっぱり本人を探さなくちゃ行けないわけだよな。アテはあるのか?」

 

いろはに小声で伝えた後にももこは、文月に皐月がいそうな場所にアテはあるのかと問いかける。

 

「はい…皐月ちゃん、放課後はゲームセンターによく寄ってるからもしかしたら今日も…」

 

「んじゃ、行ってみるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前近くのゲームセンター。

音楽が大音量で流れるこの空間、あまり行かないいろはにとっては不思議な場所だった。

 

「大丈夫かいろはちゃん?」

 

「はい…あまり来たことなくて、変な感じがします」

 

「それで文ちゃん。さっつんいた?」

 

あまり元気がなさそうないろはをみて大丈夫かと気にかけるももこ。大音量が苦手なのか気分が悪そうないろは。

そんな中月咲は、文月に皐月が居たかどうか問いかける。

 

「うーんと………あっいた!!皐月ちゃーん!」

 

「えっ?……!文月……っ!」

 

文月は皐月を見つけ、声をかけるが皐月は、文月の顔を見るなり逃げるように走り出した。

 

「えっ!待ってよ皐月ちゃん!」

 

「さっつん!」

 

「いろはちゃん!いこっ」

 

「は、はい!」

 

皐月を追うために出入口へ走り出す文月と月咲。その2人をみて急いで追うためにいろはを連れて走り出すももこ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっつん……かくごっ!!」

 

「わっ!?」

 

ゲームセンターから追いかけっこをはじめて数十分。月咲は飛び上がり覆いかぶさるように皐月を捕まえる。

 

「皐月ちゃん!お願い、話を聞いて…」

 

「もうあんたとは絶交したんだから、関係ないでしょ?」

 

「皐月ちゃんがどれだけ私のこと嫌いでも…私は皐月ちゃんに謝りたいの!」

 

皐月に謝ろうとする文月。しかしそんな文月を慌てて止めようとする皐月。そんな皐月をみていろはは何かに気付いた。

 

「ねぇ…皐月ちゃん。もしかして絶交ルールのこと信じてるの?」

 

「はぁ!?こんないい歳して信じてるわけないでしょ?」

 

「なら謝ってもいいよね?」

 

絶交ルールのウワサを信じているんじゃないかと思い皐月に問いかけるいろは。しかし皐月はそれを否定した。慌てた表情をして

 

「私のお節介で怒らせちゃったんだよね?ごめんなさい皐月ちゃん」

 

「!?文月……絶交ルールが本当だったらどうするの!」

 

「大丈夫だよ。何も起こってたいよ…」

 

すると辺りの景色が一瞬にして変わった。

そこは、先日いろは達が戦った魔女の世界のようだった。しかし一つ違うところがあった。

それは、絶交ルールのウワサの内容が流れるように映し出されていること。

 

「これ…この間の魔女とは違う…」

 

「てことは…これがウワサ?」

 

「そうかもしれない…」

 

気づけば周りには敵らしき生物も寄ってきた。魔法少女になって戦わなくてはいけない。しかし、一般人である皐月と文月がいるためそれが出来ないでいた。

二人の様子を伺おうと振り向くと、そこには既に二人はいなかった。

 

「あれ?さっつん〜文ちゃん〜!」

 

「月咲ちゃんのご学友でしたら、先程の使い魔達がさらってゆきました…」

 

月咲が皐月と文月の名前を叫び、呼ぼうとするが返事はない。すると後ろから声がした。

そこに居たのは、魔法少女姿の月夜だった。

 

「月夜ちゃん!一体どこから…」

 

「魔女の結界らしきものがあり…入ってみれば、先日月咲ちゃんに紹介してもらったご学友が連れ去られておりまして…そしたら、皆さんと合流できました」

 

「てことは、今なら変身できるな。最悪見られたとしても、みたまに記憶を消してもらえばいいさ」

 

いろはと月咲も、ももこの意見に賛同して変身をした。

月夜の案内の元、二人が連れていかれた方へと向かい走り出す四人。

しばらく走った所には、巨大な階段のてっぺんに鐘という不思議なものがあった。

しかしよく見れば動いているように見えるため、四人はこれが本命のウワサなのかもしれないと予想した。

 

「え……さっつん…文ちゃん…」

 

月咲が見ているところには、こちらを見ている皐月と文月がいた。しかし不気味なオーラを纏っていた。

 

「月咲ちゃんも…一緒に…」

 

「階段さん……掃除しよ…」

 

「もしかして…ウワサに操られてるんじゃ…」

 

「なら早くあのウワサを倒さないとな!」

 

ウワサを倒すためにそれぞれに武器を構えて走り出すが、操られた皐月と文月がそれを阻止するように立ち塞がる。

するとももこが前に出て、

 

「この二人はあたしが足止めするから、三人は先に行ってくれ」

 

「ももこさん…ありがとうございます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でも、このウワサどうやって倒そう…なんか大きいし…」

 

「しかしウワサを倒さなくては、あのお二人はあのままに…」

 

「なにか弱点さえあれば…」

 

本命のウワサにたどり着いたはいいものの、倒し方が分からない以上どうすればいいのか分からない状態。

考えていると、ウワサの頭上から大剣が振るわれた。

 

「大丈夫か?」

 

「ももこさん!あの、二人は?」

 

「ああ、ちょっと眠ってもらってるよ。これなら戦ってるところを見られることはないよ」

 

ももこは、皐月と文月を気絶させていろは達のほうへ向かってきた。大剣でウワサを叩いたが、切れるどころかヒビすら入っていなかった。

いろはは、ももこにウワサの弱点を探ることについて話した。

 

「弱点か……なぁ、絶交ルールって不仲から生まれたウワサだよな?」

 

「はい…そうですが」

 

「なら、仲の良さで息を合わせて戦えばいいんじゃないか?このウワサを倒したいって想いはここにいる全員に一致するよ」

 

ももこの考えを聞いて、大体の予想がついたいろはは、月夜と月咲に声をかける。

 

「二人の息のあった演奏で、ウワサの動きを鈍らせてくれないかな?遠距離で私が攻撃して、ももこさんは一気にせめてください」

 

「分かったよ」「かしこまりました」

 

「よしっさっさと終わらせるぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「演奏で動きが鈍ってます!私が隙を作ります、ももこさんお願いします!」

 

「りょーかい!」

 

走り出すももこを見て、いろはは矢を装填する。

 

「このウワサのせいで、どれだけの子が被害にあったのか分からない…だけど、あなたを倒すことに変わりはない!」

 

いろはが矢を放ち、みごとウワサの隙を作ることに成功した。

 

「これで終わりだぁー!!」

 

ももこは、大きく飛び上がり、大剣を振り下ろした。

先程とは違い、ヒビどころか真っ二つに割ることに成功した。

ウワサの鐘が爆発したと同時に結界が消え去った。

 

「倒した……!さっつん、文ちゃん!」

 

「大丈夫でございます。まだ気絶しているだけです…怪我もしておりません」

 

二人が無事なことに一安心する四人。

するとももこはいろはの肩をポンっと叩たき、情報屋にいこうと小さく言った。

 

「なら、あとはそっちに任せるよ。あたしといろはちゃんはこのあと寄るとこがあるんだ」

 

「うん!いろは、ももこ、ありがとう!」

 

「感謝致します」

 

月咲と月夜のお礼を聞いたあと、ももこはいろはを連れてその場を去り、情報屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、月咲ちゃんのお友達のケンカを見て何かを思い出しかけたと……でもそれだけだとね…」

 

「やっぱりそうか…それに関する噂も探さなくちゃな…」

 

情報屋に着き、みたまに話してみたが、さすがに情報が少なく探るのは難しいと言われた。

すると、情報屋の扉が開いた。

 

「あら?いろはにももこ…今回はタイミングが良かったみたいね」

 

「伊吹…どうしたんだ?」

 

「実はね、私がアルバイトしてるところの同い年の子がね、変なウワサを耳にしたって」

 

伊吹は微笑みながら関係のありそうなウワサを聞き出したため、情報屋に話をしに来たらしいが、偶然いろはとももこがいたため都合が良かったらしい。

 

「もしかしたら、いろはの記憶が戻るかもしれないの!」

 

「マジかよ!ちなみにどんなウワサなんだ?」

 

「街中にある博物館の廃墟らしいの。廃墟だからみんな無闇に近寄らないみたい。確か名前が……記憶ミュージアムのウワサだったかしら…」

 

 

 

 

 

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