魔法少女物語   作:すぴてぁ

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37話 決断

 

小乃花の記憶が戻り、今回の戦いの目的の一つが達成された。記憶ミュージアムで起こったことを年長者のやちよや十七夜にみたま。そして、元マギウスの一人であるアリナに話した。

灯花の言っていた言葉に疑問はあるけれど、一先ず落ち着くことになった。

驚いたことにあれからウワサやマギウスとの対立もなく、見つけた魔女を狩り続けていたら、季節は冬になっていた。

世間はクリスマスムードに包まれ、街中にはイルミネーションが飾られて華やかになっていた。

 

 

その流れにのるように、魔法少女達もクリスマスパーティーを企画していた。

参加出来る全員で仕事を分担して、順調に準備が進んでいた。

開催場所は、大人数でも大丈夫な情報屋で行われることになった。

 

 

 

 

 

「買い出しはこんなものかな……でも嬉しいな…こっちの姿で集まるの」

 

やちよに頼まれた買い出しを終わらせ、帰路を嬉しそうに進む小乃花。クリスマスパーティーは変身前の姿で会うことに決定して、都合が合わない子や、変身前の姿では顔を会わせたくない子はまたの機会ということになるが、それでも大人数で集まれることが嬉しい小乃花

 

「スイムスイムも楽しみにしてたし…やちよさんと一緒にごちそう作らなきゃね」

 

「随分と楽しそうだね…お姉さん」

 

クリスマスパーティーまでの計画を立てながら家へと戻る小乃花にふと声がかけられた。

小乃花は、声がした方を振り向くと目を見開いた。

 

「……ねむちゃん」

 

「少しお話…いいかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「灯花の言っていた通り…本当に記憶が戻ったんだね」

 

「うん…それで話って?」

 

近くにあった公園のベンチに座り、ねむの話を聞く小乃花。

小乃花の問いかけにねむは一息ついて言った。

 

「お姉さん……マギウスに戻らないか?」

 

「え……どうして」

 

「マギウスには、お姉さんが必要な時になってきたんだ。どうかな?」

 

「戻るわけ…ないよ。今いるここが私の居場所なんだから」

 

小乃花の言葉を聞いて、しばらく間をあけてねむはベンチから立ち上がる。そして小乃花に向き直り言った。

 

「しかしね、これだけは言わせてもらうよ……お姉さんはきっとマギウスに戻ってくる。確実にね」

 

「そんなわけ……」

 

「まぁ話は追追ね。今のボクの言葉が気になったら…ここに来るといい…来る時はお姉さんだけで来てね…それじゃあ」

 

するとねむは、一枚の紙を小乃花に手渡してその場を後にした。ねむが去った後、紙を見るとそこにはある場所の住所が書かれていた。

とりあえず家に帰るため、小乃花もその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ準備はいいかしら?みんなグラスは持った?」

 

みたまの声掛けに答えるように全員がグラスを上げる。それを確認して、みたまはこの中で一番声の大きい鶴乃に掛け声を任せた。

 

「それじゃあ、こっちの姿での対面会とクリスマスを祝って……せーのっ!」

 

『カンパーイ!』

 

それからは、ごちそうに食いつく人もいれば、変身前の姿での対面に喜び話に盛り上がる人もいた。

 

「にしても、こっちの姿で会うのも悪くねーな!」

 

「まったく驚きましたよ…つばめさん妊娠してたなんて…言ってくれれば良かったのに」

 

「私が問いただしてなかったらやばかったんじゃないのか?」

 

「まぁ無事に産まれたしよ、結果オーライってことで」

 

小乃花、華乃、そしてトップスピードこと室田つばめは変身前の姿では初めてでもそこまで驚いた様子はなかった。

元々話では歳や学校などでの話をしていたから、それぞれどれくらいの歳なのかは想像がらついていた。

しかし、つばめが妊娠してつい最近出産したことを華乃が問いただしてなかったら今日知ることになっていた。

三人は前から変身前の姿で会ってみたいなどの話はちょくちょくしていたので、こうして会えたのは嬉しかった。

 

つばめが華乃にちょっかいをだしてる間に小乃花はほかの人達に声をかけようとその場を後にする。

後ろから聞こえる華乃の声を聞かなかったことにして一人でいる小さな女の子に声をかけた。

 

「パーティー楽しい?綾名ちゃん」

 

「うん…誘ってくれてありがとう……小乃花お姉ちゃん」

 

それはスイムスイムこと坂凪綾名はごちそうを美味しそうに食べながらそう言った。

綾名は小学一年生、パーティーの参加を決めた時にスイムスイムから集合場所を決めて迎えに来て欲しいと言われた。

その時は不思議に思っていた小乃花だが、小学一年生となれば話は別だった。

 

「こうして会えて嬉しい……また会ってくれる?」

 

「もちろんいいよ」

 

「それにしても、ラ・ピュセルやスノーホワイトはだめだったね」

 

「うん。なんかラ・ピュセルが無理そうだからってスノーホワイトも一緒に。エレンも都合が合わないみたい」

 

綾名と小乃花が話していると、伊吹が声をかけてきた。

確かに今回は参加しなかった人のうちには、変身前の姿では難しい子もいた。

そして今小乃花がきになっているのは、連絡のつかないみふゆ。そして、絶交ルール以来会うどころか連絡がつかない天音姉妹。

ほかにもいくつかあるが、これを引きずったままだとこのパーティーを楽しめないと思い、今は忘れようとしていた。

 

「ビンゴ大会するぞー!!」

 

 

 

 

いろんなゲームなどをして最高のクリスマスパーティーは幕を閉じた

 

 

 

 

 

パーティーが終わり、すぐに帰らなくてはならない人以外はパーティーのあと片付けをしていた。

小乃花は一息つくために情報屋の玄関前で壁に背をあずけていた。

すると玄関のドアが開き、華乃が小乃花に声をかける。

 

「ちょっといいかな?」

 

華乃にそう言われ、魔法少女ヴァレンティナに変身して鉄塔へとたどり着いた。

腰を下ろして、リップルに話の内容を問いかける

 

「それで話ってなに?」

 

「…私からのクリスマスプレゼント、渡そうと思って」

 

「えっ何かな?嬉しい~」

 

するとリップルは深呼吸をして、ヴァレンティナに向き合い顔を近づける。

ヴァレンティナが驚いている間に、二人の唇が重なった。

 

しばらくしてリップルは唇を離し、ヴァレンティナの両腕を掴んで、顔をヴァレンティナの胸元に埋めた。

 

「約束する。私はこれから小乃花のために戦う。だから小乃花もひとりでどこかに行こうとしないで……小乃花が行こうとするならどこだってついて行くから…」

 

リップルの告白を聞いて、最初は驚いていたヴァレンティナだが、嬉しかったのか、両手をリップルの背中に回した。

 

「…ありがとう、華乃」

 

しかしその表情は儚く、けれども何かを決意した顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから二日後、小乃花は玄関にて靴を履いていた。

 

「あら小乃花、どこかへ出かけるの?」

 

「はい。両親のお墓まえりに」

 

どこへ出かけるのかと思い、小乃花に問いかけるやちよ。すると小乃花は両親のお墓まえりに行くと答えた。

 

「なら私も行きましょうか?」

 

「いえ大丈夫です。今日は一人で行かせてください」

 

「そう。気をつけてね」

 

と、やちよに言われた小乃花は玄関のドアを閉めて一息つく。

小乃花が進む道は、両親のお墓とは真逆の方角だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たどり着いた先は、先日ねむから貰った住所の場所。

間違えていないことを確認して中へと入っていく。

 

「いらっしゃい。お姉様」

 

「灯花ちゃん……話を聞きにきたよ」

 

「そっか。ならさっそく話をしよっかー、きっとお姉様がマギウスに戻ってきてくれる根拠を」

 

すると灯花は小乃花に椅子に座るよう言った。小乃花は怪しみながらも椅子に座った。

 

「最初からちょっと責めるようで悪いんだけどね、お姉様は一体何人の魔法少女を………殺めたのかな?」

 

「それは……」

 

「お姉様ならずっとこのままにはしないよね?きっと罪滅ぼしはしたいって考えてるよね?だったらマギウスにおまかせっお姉様の罪滅ぼしが一回で全部終わらせられる方法があるんだよ」

 

灯花の言葉を聞いて反論もできず、それにマギウスにいれば全部が終わることについて知りたかった。

 

「それってどうやるの?」

 

「興味を持ってくれたみたいで嬉しいよ。簡単に説明するとね、ウワサとの融合だよー」

 

「融合……」

 

「それにもっとお得情報!ウワサと融合してくれたら、今のお仲間さん達の安全は保証して上げるよ」

 

″私が行けばみんながたすかる″そんなかんがえが頭を過ぎる。しかしウワサとの融合がどういうものなのか分からない。

どうすればいいのかと考えていると、灯花が口を開いた。

 

「それにね~ずっと連絡が取れなかったみふゆとあの姉妹……返してあげてもいいよ」

 

「!?三人がここに居るの!」

 

「お姉様が力をくれるなら、何もしないで返してあげる」

 

まるで小乃花の考えにトドメを刺されるように言われたその言葉。小乃花は下唇を噛みどうすればいいのかと考える。

すると後ろから両手で頭を抑えられた。

 

「そんなに深く考えなくていい…けれど、お姉さんの選択でメリットはいくつあるかな?」

 

声でねむだと分かった。

ねむに言われた通り、小乃花は自分が行けばメリットがいくつあるのかと考えた。

みんなの安全、みふゆ達が帰ってくる、今までの罪滅ぼしができる…確かにメリットの方が多かった。

すると小乃花は決意したように目を瞑った。

 

「答えは決まったかにゃ?お姉様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私を…ウワサと融合させて……それでみんなが助かるなら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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