魔法少女物語   作:すぴてぁ

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38話 ウワサの創造主

 

小乃花がマギウスのところに行ってた次の日、その連絡は日付が変わってすぐに来た。

その送り主は、いままで連絡のつかなかったみふゆからだった。

みふゆからの連絡でも驚いたが、その内容で全員が目を見開いた。

 

 

[皆さん至急みたまさんのお店に来てください。小乃花さんが危険なんです。]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まず、皆さんにご心配をおかけして申し訳ございません」

 

全員が集まったことを確認して、最初に謝罪をするみふゆ。その両隣にいる月夜と月咲も頭を下げて謝罪をする。

 

「それでみふゆ、あのメールの内容はどういうこと?」

 

「はい。私たち三人は先程までマギウスに捕まっていました。理由も聞かされていませんでした……ですが、先程私たちのところに灯花がやって来てこう言われました」

 

『お姉様が来てくれたからもう帰ってもいいよ~』

 

「来てくれたと言うのは、マギウスに戻ってきたということになります。小乃花さんがどうして戻ってきたのかは分かりません。ですが、何か危険なことが始まっているのは確かです。今まで以上に白羽根と黒羽根が動き出しています…」

 

みふゆがここまでの経緯を話した。

確かにここまで白羽根と黒羽根とは対立してこなかった。急に動き出すのは妙だと思った。

 

「それは~灯花ちゃん達のためだったりするんだ〜」

 

ここにいる誰の声でもなかった。

声がするのは後ろ、全員が振り向けばそこには敵である里見灯花がいた。

 

「灯花……小乃花さんはどこですか!」

 

「落ち着いてよみふゆ。お姉様は無事だよー……でも、人間としてはどうだろうかにゃ〜」

 

灯花の最後の発言に全員が疑問を浮かべた。

″人間として″とはどういうことだろう、問いかけるまもなく灯花は答えた。

 

「お姉様は今、ウワサと融合してるんだよ。まぁ実験台だねぇーさっき様子を見に行ったけど、もう自我はないかもね。お姉様と融合したウワサどっちの位が高いかって言ったらきっと融合したウワサかもね、助けに行くなら死ぬ気で行った方がいいよー…それじゃ私とねむはこの国から離れる準備をしなくちゃだから、ばいばーい」

 

灯花が消え、情報屋の空間には沈黙が続いた。

すると、リュドミラのマジカルフォンが突然開いた。そこに映るのは、今まで現れなかったイストワールだった。

 

「イストワール!戻ってこれたの?」

 

『ただ今戻りました…と言ってもこれはまだ試験段階で、七戦姫であるリュドミラさんとエレオノーラさんの端末にやっと入れた状況です。それより、皆さん…マギウスの機密情報を探って来ました』

 

イストワールが戻ってきたことに喜ぶ一同だが、次のイストワールの言葉で緊張が走った。

 

『まず一つですが、ヴァレンティナさんのことについてです。実はヴァレンティナさんとウワサには強い接点がありました。ヴァレンティナさんが……ウワサの創造主だったんです』

 

「ワット?アリナはマギウスだったけど…そんなこと知らないんですケド」

 

『それは仕方ないと思います。このことは里見灯花と柊ねむしか知らないんですから……ヴァレンティナさんは覚えてませんでしたが、柊ねむが記憶を思い出させていたので、本人も分かっているでしょう』

 

この新たな事実が合わさると、ウワサが具現化した経緯はこうなる。

元々噂話として存在していたウワサをヴァレンティナこと結城小乃花がデザイン。それを見た里見灯花がウワサを実現させようと提案。その案を聞いたアリナがウワサの具現化に成功。最後に、柊ねむがウワサが実現するウワサを流して、かくウワサが存在する場所にウワサをばらまく…こう言うことになった。

 

『そして二つ目ですが、先程言っていた通りマギウスの里見灯花と柊ねむがまもなく日本を離れます。残っているウワサや魔女を流出させるためと、ここまで実験してきた人間改造についての情報を国外にいる組織に渡すらしいです。どちらにしても急がなくては…』

 

「そうだよやちよっ急いでマギウスをとめなきゃ!」

 

「でも小乃花をそのままにしている訳にはいかない……ここは、二手に別れましょう」

 

日本を離れて自分たちの実験情報を流そうとするマギウス、ウワサに操られ自我を保てない小乃花…どちらも優先しなくてはならない今、この人数なら二手に別れた方がいいと提案するやちよ。

その案にだれも反対はせず、どう別れるかの相談を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、場所はイストワールが見つけてくれたから……助けにいくわよ、ヴァレンティナを」

 

『七戦姫のお二人には新たな力を授けました。戦闘が始まったら使ってみてください』

 

いつも集まる鉄塔。そこには、ヴァレンティナを助けに行くチームが集まっていた。

メンバーは、指揮を任されたリュドミラをリーダーに、リップル、トップスピード、ラ・ピュセル、スイムスイム、スノーホワイト、エレオノーラ、天音姉妹だった。

残りのメンバーは、やちよをリーダーにマギウスを止めるためにヘリポートに向かった。

互いにリーダーであるリュドミラとやちよの相談で、惜しいがヴァレンティナを助けるのを優先することになった。

なので、マギウスを止められなくても気にせずヴァレンティナを助けるのは止めないことにした。

 

作戦開始まであともう少し、そんな時にリップルはリュドミラに頼み事をした。

 

「ヴァレンティナを助けに行くのは、私にさせてほしい…」

 

「……いいわよ。もともと頼まれなくてもそうするつもりだったしね」

 

リュドミラの予想外な答えに驚くリップル。すると後ろから何かを掛けられる。それは、トップスピードがいつも掛けているマントだった。

 

「オレの分まで頼んだぞ、そいつはお守りだと思って持っててくれ」

 

トップスピードの笑顔に答えるように頷いた。

 

「これ……あと少ししかないけど、使って欲しい」

 

そう言ってスイムスイムが渡したのは元気が出る薬。対するのはただの魔法少女ではなく、ウワサと融合した魔法少女。力が増すのなら持って行って損はないと思い受け取った。

 

「そろそろ時間よ。行きましょ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トップスピードはそのまま結界までリップルを送ってって。私たちは羽根達がいないか探してるから」

 

そう言ってリュドミラの指示で羽根達を探すために辺りを散策し始める。トップスピードはイストワールが言っていた結界までリップルを送る。

ここは森の中、無闇に歩くと羽根達と遭遇する可能性があるためこっちの方が安全だった。

 

 

 

 

 

「ほいよ、とーちゃく。んじゃヴァレンティナのこと頼んだぞ!」

 

トップスピードはそう言ってリュドミラのところに戻って行った。

リップルは目の前にある結界をみて息を呑む。スイムスイムスイムから貰った薬を一粒飲んで深呼吸する。

そして、結界のなかへと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

結界の中へ入ると同時に先程までいた真っ暗な森とは真逆の白い光が視線を遮った。

しばらくして目を開けると、そこには明るい星空の下にある一面花畑の世界。リップルは辺りを見回しながら進んでいく。

しかし景色は一向に変わらない。しばらく進むと、人影が見えた。

後ろ姿で顔は見えないが、間違いなかった。ここまできた目的であるヴァレンティナだったが、髪色も服装も違った。

花畑にしゃがみこんで花を摘んでいた。

 

「小乃花っ!!」

 

リップルはヴァレンティナの名前を叫び呼ぼうとした。声に反応したのか振り返ったヴァレンティナ。

しかしその目には光はなく、無表情でその場から立ち上がる。

すると、先程まで摘んでいた花が光だし、剣になった。

剣を構えて走り出し、リップルに向かって剣を振るう。急なことだったが、上手く交わし刀を抜き取りヴァレンティナの持っている剣の刃と交える。

 

「小乃花っ私が分からないの!?」

 

今の状況が信じきれず声をかけ続けるリップルだが、返事どころか表情を変えず、再び剣を振るうヴァレンティナ。

 

「戦わなくちゃ…いけないの…」

 

ヴァレンティナと戦わなくてはいけない状況が信じきれていないが、救うためならと思い、刀を再び構えた。

そして、今まで殺し合うことなんてなかった二人が剣を交え始めた。

 

 

 

 

 

 

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