バカと千恋万花   作:京勇樹

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帰還

タタリを切り裂いた明久は、タタリが消えた直後、刀を杖代わりにしながら

 

「終わった……んだよね?」

 

と呟いた

すると、頭の中で

 

『ああ、終わったぞ!』

 

とムラサメの声が聞こえた

それを聞いた明久は、刀を鞘に納めた

すると、背後にムラサメが姿を現した

それを見た明久は、疲れから柄尻に額を当てた

その直後、不意に鼓動が跳ね上がった

それに明久は

 

(マズい!? 遅かったか!?)

 

と内心で焦った

だが、すぐに違うと分かった

その理由は、タタリが消えた辺りの地面に、光る物を見つけたからだ

 

「なんだ?」

 

それが気になり、明久は片膝を突いた

そして、それを見つけた

小さい透明な欠片

感じ的には、水晶の欠片に見えた

 

「これは……」

 

と明久が、拾った欠片を見ていた

そこに

 

「明久さん!」

 

「大丈夫ですか!?」

 

と芳乃と茉子の二人が、駆け寄ってきた

それに気付いた明久は、ポケットに欠片を入れて

 

「うん、大丈夫だよ」

 

と答えた

それを聞いた二人は、安堵した表情を浮かべて

 

「良かった……」

 

「タタリに肉薄するから、焦りました……」

 

と言った

それを聞いた明久は、頬を掻きながら

 

「刀だし、近づくしかないからね」

 

と言った

すると茉子が

 

「しかし、驚きました……明久さん、相当の腕前ですね」

 

と言った

すると芳乃が、同意するように

 

「そうですね……あの動き、見たことありません」

 

と言った

すると明久は

 

「まあ昔、お爺ちゃんと一緒に振ってたしね」

 

と告げた

ふとその時、明久は芳乃の頭に有った耳が無くなっていることに気付いて

 

「耳、無くなってる……」

 

と呟いた

すると、芳乃が

 

「はい。タタリを倒せば、消えるんです」

 

と教えた

それを聞いた明久は、納得したように頷いた

この後、三人は帰宅

寝たのだった

そして、翌日

 

「んー……少し、筋肉痛気味かなぁ」

 

「あれだけ動いたんです。仕方ないですよ」

 

台所に立った明久は、軽く体を動かして呟いき、その呟きを聞いた茉子はそう言った

そこに、朝の日課たる舞の練習と掃除を終えた芳乃と安晴が来た

そして、朝食を始めた

すると、安晴が

 

「昨日は、大丈夫だったかい?」

 

と明久に問い掛けた

その問い掛けに、明久は

 

「まあ、軽い筋肉痛になっていますが、大丈夫ですよ」

 

と返答した

それを聞いた安晴は、安心した様子で

 

「それは良かった……君に何かあったら、玄十郎さんに申し訳がたたないからね……」

 

と言った

すると、明久は

 

「今の状況は、全て自分で決めた結果です……だから、納得しています」

 

と言った

それを聞いた安晴は

 

「……君は、大人だね」

 

と呟いた

それを聞いた明久は

 

「まだまだ子供ですよ……まだ」

 

と最後は聞こえないくらい小さく、呟いた

そして、三人が食事に集中していた時

 

「まだ過去に囚われてるんですから……」

 

ポツリと、そう呟いたのだった

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