バカと千恋万花   作:京勇樹

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新たな学校生活

朝食を食べ終わった後明久は、芳乃と茉子の案内で学院に向かっていた

もちろん、制服である

穂織の学校は一つであり、制服は小学校から高校まで男女共に共通だ

その制服にも、穂織の特徴が出ている

和服のテイストを交えた洋装で、中学時代は学ランだった明久からしたら、珍しい制服だった

すると、じっと見ていたからか、芳乃が

 

「あの……何か、変ですか?」

 

と明久に問い掛けた

すると明久は

 

「いやぁ、二人とも可愛いなってね」

 

と言った

それを聞いた二人は、顔を真っ赤にした

二人は制服姿なのだが、芳乃は何時もツインテールにしている髪をポニーテールにしている

茉子は護衛という立場故だろう

スカートの下に、スパッツを履いている

すると茉子が

 

「あ、あははは……もしや、うら若き乙女の制服姿にドキドキですかぁ? 意外なご趣味……」

 

と言った

すると明久は

 

「まあ、それもあるけど……ポニテ萌えかな?」

 

と芳乃を見た

すると茉子は、笑みを浮かべて

 

「なるほど……そちらでしたか。なかなか、いいご趣味をお持ちのようで」

 

と称賛(?)した

すると明久は

 

「なんのなんの……常陸さんも、なかなか話せるね」

 

と笑みを浮かべた

 

「それはもう、ふっふっふ……」

 

意外と、茉子と明久は相性がいいのかもしれない

すると、芳乃が

 

「本人の目の前で、そんな変な話をしないで欲しいんですが……」

 

と苦い表情を浮かべた

すると明久が

 

「そういえば、学院は遠いの?」

 

と話題転換を兼ねて、茉子に問い掛けた

すると茉子は

 

「いえ、そこの坂を上ればすぐです」

 

と答えた

それを聞いた明久は、周りを見てから

 

「結構山に近いけど、タタリは大丈夫なの?」

 

と芳乃に問い掛けた

すると、芳乃は

 

「今までに問題は起きていません。夜になる前に戻れば、大丈夫だと思います」

 

と言った

そして、真剣な表情で

 

「ですから、できれば放課後は、すぐに帰るようにして下さい」

 

と言った

 

「うん、分かった」

 

「もし何か用事で残る必要が出来た時などは、教えてくださいね」

 

明久が頷くと、茉子がそう言った

そして、朝武家から出て数分後

 

「ここが……鵜芽(うかや)学院……」

 

明久達は、学校

鵜芽学院に到着した

そして明久は、少し見てから

 

「あんまり、学院って感じがしないね……」

 

と呟いた

すると、明久の背後で浮かんでいたムラサメが

 

「元は武道館で、ある剣術道場が使っていたのだが、徐々に門下生も居なくなってな」

 

と説明を始めた

 

「建物自体は頑強で立派な物じゃから、内部を改装して、今の学院となったわけだ」

 

「なるほどね……趣があるね」

 

ムラサメの説明を聞いて、明久はそう呟いた

その直後

 

「よう! おはよう」

 

「おはよう、お兄ちゃん」

 

「おはよう、二人とも」

 

廉太郎と小春が現れた

すると、小春が

 

「怪我は、大丈夫なの?」

 

と心配そうに問い掛けてきた

すると廉太郎が、軽く明久の全身を見て

 

「見た目は、すっかり元気そうだな」

 

と言った

小春の問い掛けに、明久は

 

「穂織の温泉の効果もあって、大体はね」

 

と言った

穂織の温泉は、怪我の療養にいいとされ、昔から湯治に使われてきた

ムラサメの説明では、タタリの穢れにも効くらしい

 

「おー、なら良かった」

 

「心配かけて、ごめん」

 

「ちゃんと気をつけないとダメだよ? 山で転がり落ちるなんて」

 

明久が謝ると、小春がそう苦言を呈した

すると、廉太郎が

 

「ドジだよなぁ」

 

と言った

それを聞いた明久は

 

「あの時は、迷子を探すのに必死になりすぎて、不注意だったよ」

 

と言った

すると小春が、思い出すように

 

「お兄ちゃん、廉兄と一緒に調子に乗ってバカやっちゃう子だったもんね……」

 

と言った

それを聞いた明久は、苦笑いを浮かべて

 

「今後は、気をつけます」

 

と言った

すると小春は、指を一本立てて

 

「本当に気をつけないとダメだよ、お兄ちゃん?」

 

と注意した

そして、何やら含みを持った目で廉太郎を見ながら

 

「いい加減、大人にならないと」

 

と言った

それを聞いた明久は、無言で頭を掻いた

すると、小春は

 

「あわっ! 挨拶が遅れてごめんなさい。おはようございます、巫女姫様、常陸先輩」

 

と芳乃と茉子に、頭を下げた

すると二人は

 

「おはようございます」

 

「おはようございます」

 

と小春に挨拶した

すると、廉太郎は軽い調子で

 

「おはよう、二人とも」

 

と片手を上げながら、挨拶した

すると、明久が

 

「廉太郎は同じクラスとして、小春ちゃんのことも知ってるんだね」

 

と芳乃と茉子に問い掛けた

すると、二人は

 

「玄十郎さんには、お世話になっていますから」

 

「学年のクラスは一つだけで、全学年合わせても、百人も居ませんから」

 

と言った

そこに廉太郎が

 

「しかも、クラスメイトの顔ぶれは変わらないし。子供の頃からの友達も多い。田舎だからな。みんなが顔見知りが普通だ」

 

と言った

すると廉太郎は、明久の肩に手を回して

 

「それよりも……新婚の甘い同棲生活はどうよ?」

 

と小声で、明久に問い掛けてきた

すると、明久は

 

「婚約のことは知ってるのね……あと、同棲じゃなくて同居ね」

 

と訂正を求めた

すると、廉太郎は

 

「そりゃな……だってよ、お前が巫女姫様の家でお世話になるなんて、どう考えても変じゃん」

 

と言ってきた

そして、廉太郎は

 

「祖父ちゃんの(宿)がダメなら、普通は俺らの家だろ」

 

と言ってきた

 

「まあね……もしかして、噂になってる?」

 

「まさか。巫女姫様が婚約なんて話になったら、一気に広まってるよ」

 

明久の問い掛けに、廉太郎はそう言った

すると、明久は

 

「じゃあ、知ってるのは……」

 

「俺と小春。あと……芦花姉も知ってるんじゃないか? 御神刀折った時、その場に居たしな」

 

明久の言葉に、廉太郎がそう言った

 

「確かに……分かってるだろうけど、その話は」

 

「口外無用だろ? 祖父ちゃんからも言われてる」

 

明久の言葉を継ぐように、廉太郎はそう言った

そして

 

「とは言っても、田舎だから、時間の問題だな」

 

と言った

 

「それでも、広げないでよ?」

 

「分かってるって」

 

と二人が話していた時だった

 

「廉兄、お兄ちゃん? 何時まで秘密話してるの? 遅刻するよ?」

 

と小春が言った

それに同意するように

 

「そうですね。特に明久さんは、職員室に行く必要がありますから」

 

「案内しますよ」

 

と茉子と芳乃が言った

それを聞いて、明久は学院に入ろうとした

その時、校舎から一人の女性が出てきて

 

「貴方が、吉井明久君ですね?」

 

と明久に問い掛けてきた

 

「あ、はい。そうです」

 

「良かった。遅いから何かあったのかと思いましたが、皆と話してただけなんですね」

 

明久が頷くと、女性は安堵した表情でそう言った

そして、軽く会釈しながら

 

「初めまして! 貴方の担任になる、中条比奈実(ちゅうじょうひなみ)です」

 

と名乗った

すると、明久は

 

「吉井明久です。よろしくお願いします」

 

と挨拶した

 

「はい、よろしくお願いします」

 

「すみません、お手数をかけました」

 

明久が謝ると、比奈実は微笑みながら

 

「大丈夫ですよ。迷ったり、事故に遭ったわけじゃなくて安心しました」

 

と言った

そして、学院の方を指差して

 

「簡単な手続きと確認がありますから、職員室に一緒に来てください」

 

と言われた

 

「はい」

 

そこで芳乃達と別れて、明久は職員室に向かったのだった

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