明久が帰宅したのは、陽が傾き始めた時だった
しかも、かなり疲れた様子だった
それを見た芳野が
「一体、何をやってたんですか?」
と明久に問い掛けた
すると、明久は
「んー……まあ、確認かな?」
と首を傾げた
その後明久は、一足先に入浴
茉子の手伝いをした
そして夕食の時だった
「そうだ、明久さん」
と茉子が、胸元から何かを取りだし
「これ、なんですか? 明久さんのズボンのポケットから出てきたんですけど」
と明久に見せた
それは、明久がタタリを倒した場所で見つけた水晶の欠片だった
「あー……そういえば拾ってたっけ……忘れてた」
明久さそう言って、その欠片を受け取った
そして、光りに透かして見ながら
「実はこれ、あのタタリが居た場所で見つけたんだ」
と言った
それを聞いた安晴は
「それは、本当かい?」
と明久に問い掛けた
すると、芳野が
「今まで、そんな物が見つかったなんて、聞いたことないですが……」
と疑問を口にした
すると、茉子が
「まあ、相当小さいですから、気付かなくても無理はないかと……」
と言った
その間に明久は、その欠片を机の上に置いた
その欠片は本当に小さく、今更ながら明久も自分で
(よく、見つけたよなぁ……)
と思った
すると、芳野が
「しかし、何か不思議な……」
と言って、その欠片に手を伸ばした
そして、指先が触れた瞬間
「きゃっ!?」
と手を引っ込めた
「芳野!?」
「芳野様!?」
「芳野さん!?」
それを見た三人は、驚愕の声を上げた
すると芳野は、驚いた様子で
「だ、大丈夫です……一瞬、静電気が走っただけなので……」
と言って、今度は恐る恐ると欠片に触った
今度は何も起きなかったらしく、手の上に乗せた
そして、欠片をジッと見て
「何か、不思議な欠片ですね……ずっと見ていたくなるような……そんな感じになります……」
と言った
そして、机の上に戻して
「ムラサメ様は、何か感じますか?」
と自分の頭上に居たムラサメを見た
すると、ムラサメは
「ふむ……何やら、不思議な気配を感じるな……」
と首を傾げた
どうやら、ムラサメも何か感じるらしい
それを聞いた明久は、ジッと欠片を見て
「もしかしたら……手懸かりになるかも」
と言った
それを聞いた三人が、視線を向けると
「本当に、ただの直感です……この欠片が、朝武家に掛けられた呪いを解除する手懸かりになるかも……って思ったんです」
と明久は言った
それを聞いた芳野は、少し考えてから
「吉井さん……この欠片、みづはさんに渡しても大丈夫ですか?」
と明久に問い掛けた
それを聞いた明久は
「大丈夫だけど……駒川先生に?」
と首を傾げた
すると茉子が
「駒川家はその昔、陰陽師だったそうです」
と明久に教えた
それに続き、ムラサメが
「陰陽師とは言っても、駒川が担っていたのは調査と薬師だったそうだ」
と説明した
実は、茉子が説明した時明久は、陰陽師と聞いて札を持ち真言を唱えて、悪霊や妖怪と戦うのを想像したのだ
それに気付いたらしく、ムラサメが説明したようだ
「まあ、専門家なら何か分かるかもしれないからね……僕はいいよ」
「わかりました。では明日の朝に、みづはさんに渡しに行きましょう」
明久の言葉を聞いて、芳野はそう言ったのだった