バカと千恋万花   作:京勇樹

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玄十郎からの頼み

タタリを倒した翌日、三人はみづはの所に行った

再び回収した欠片を、みづはに渡すためだ

 

「みづはさん、居ますか?」

 

芳乃はそう言いながら、診療所のドアを開けた

すると、奥からみづはが現れて

 

「これは芳乃様。お越ししていただき、ありがとうございます」

 

と芳乃に、頭を下げた

そして、三人を見て

 

「どうやら、怪我はしてないようで、安心しました」

 

と言った

やはり医者なだけあり、心配していたようだ

そして、芳乃を見て

 

「それで、本日のご用はなんでしょうか?」

 

と問い掛けた

すると芳乃は、明久に視線を向けた

そして明久は頷き

 

「実は、またこれを回収したんです」

 

と言って、ハンカチに包んだ状態で欠片を手渡した

それを受け取り、確認したみづはは

 

「二個目ですか……すいません、何分忙しかったもので、一個目がまだ調査出来てないんです」

 

と頭を下げた

すると、それを聞いた茉子が

 

「みづはさんが忙しいことは、重々承知してますから。お気になさらず」

 

と言った

みづはは、穂織唯一の医者である

そして穂織は老人が多いために、回診等でみづはは忙しい立場だ

すると、芳乃も

 

「慌てる必要はありません。確実にお願いします」

 

と言った

それを聞いたみづはは

 

「わかりました。感謝します」

 

と言って、欠片を持って奥に引っ込んだ

その後、三人は学校に登校

そして放課後、明久は何時も通りに玄十郎と訓練していた

その小休憩の時、玄十郎が何かを思い出したように

 

「そうだ、明久。明日だが……」

 

と明久に、視線を向けた

すると、明久は

 

「明日も訓練するよ」

 

と言った

そう明久は、平日だけでなく土曜日も訓練するつもりたのだ

日曜日は玄十郎が宿の従業員達と話し合うため、休みにしている

明久の言葉に、玄十郎は

 

「それは構わん。が明日の昼頃、時間は空いてるか?」

 

と明久に問い掛けた

玄十郎の問い掛けに、明久は内心で首を傾げながらも

 

「多分、大丈夫だよ」

 

と答えた

基本土日の明久は、玄十郎との訓練以外は朝武家に居るようにしている

住まわせてもらっているのだから、家事の手伝いをしているのだ

それを聞いた玄十郎は

 

「ならば済まんが、明日の昼頃に人を出迎えてほしいんじゃ。詳しい場所は明日教えるがな」

 

と言った

それを聞いた明久は

 

「僕はいいけど、廉太朗や小春ちゃんじゃダメなの?」

 

と玄十郎に問い掛けた

すると玄十郎は、目をカッと見開き

 

「廉太朗はダメじゃ! あ奴は最近弛んどる! この間も、宿泊客をナンパしようとしとったわ!!」

 

と怒り出した

それを聞いた明久は

 

(もしかして、この間廉太朗がボロボロだったのは、お爺ちゃんに説教されたからかな?)

 

と思った

実は数日前、廉太朗が朝からボロボロだったことがあった

その時は問い掛けなかったが、その理由がどうやらそれらしい

なおその廉太朗だが、約一年位前には彼女が居たらしい

しかしある日、その彼女と喧嘩して別れた

だがその二日後、なんと廉太朗は別の女子と付き合っていたのだ

それが原因で、一時期はクラス内はギスギスしたらしい

だがそんなある日、その二人が廉太朗への愚痴で意気投合

今や、親友と呼べる間柄になった

勿論だが、その女子とも別れた

それ以来、ずっと一人身らしい

だから、ナンパするようになったのだ

それはともかくとして

 

「お爺ちゃん、落ち着いて……小春ちゃんは?」

 

と明久は、玄十郎を落ち着かせた

すると玄十郎は、一回咳払いして

 

「小春ならな、馬庭の店で働いておる」

 

と答えた

それは数ヵ月前、小春が自分でお小遣いを稼ぎたいと言い出した

それを聞いた玄十郎は、志那都荘に働かせようとした

しかし小春は、それも自分で決めると言った

そして決めたのが、芦華が経営に携わっている和風喫茶店だったようだ

 

「なるほどね……」

 

と明久が納得していると、玄十郎が

 

「じゃから、消去法で明久しか居らぬ」

 

と言った

それを聞いて、明久は

 

「ん、わかった。僕で良ければ」

 

と言った

それを聞いた玄十郎は、安心した様子で

 

「頼んだぞ。ついでじゃ、その子に街を案内してやれ……代わりに、夕方の訓練は無しじゃ」

 

と言った

それを聞いた明久は、頷いてから

 

「それで、相手の名前は?」

 

と問い掛けた

すると玄十郎は、置いておいた上着のポケットの中から一枚の写真を取り出して

 

「相手は、その子で名前は……ああ、レナ・リヒテナウアーさんじゃ」

 

と言ったのだった

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