明久が目を覚ました翌日
「お怪我は大丈夫ですか? 明久?」
とレナが、見舞いに来た
「うん、なんとかね……レナさんも大丈夫だった?」
と明久が問い掛けると、レナは
「はい! 私は大丈夫でありますよ!」
と元気よく答えた
どうやら、怪我もしていないようだ
それに安堵していると
「あのタタミ……あう、上手く言えないですね」
とレナが、言った
そして、咳払いしてから
「タタ……リ、というのは、もしや朝武家の昔と関係してるのでありますか?」
と問い掛けてきた
それに答えたのは、丁度来た芳乃だった
「その通りです……あのタタリは、遥か昔……戦国時代から朝武を蝕んでいる呪いです……」
芳乃がそう言うと、レナは
「戦国時代……もしや、家督継承の?」
と問い掛けた
レナは非常にマジメな性格で、勉強も熱心に取り組んでいる
中でも、日本史に強い興味を示している
そしてどうやら、穂織の歴史も知っていたようだ
「はい、その通りです……他国の軍を率いて謀叛を起こした兄を、弟は追い詰めて切り捨てた……しかし兄は、斬られる前に朝武家に呪いを掛けていたんです……そしてその呪いは、今も続いています」
芳乃がそう言うと、レナは
「その呪いの一部が、あのタタ……リ、ですか」
と呟いた
それに芳乃は頷き
「あの日、私の頭に犬耳が見えてましたよね?」
とレナに問い掛けた
その問い掛けに、レナは無言で頷いた
すると芳乃は
「あれが、呪われている証拠です……タタリが出ると、ああやって現れるんです」
と言った
「なるほど……」
芳乃の話を聞いて、レナは納得した様子で頷いた
それを見た芳乃は、少し驚いた表情で
「……怖くは、無いんですか?」
と問い掛けた
するとレナは
「? どういう意味でありますか?」
と問い返した
それに対して、芳乃は
「私は呪われているんですよ? 下手すれば、以前のような事態にまた遭遇して、巻き込まれる可能性だって……」
と呟くように言った
すると、それを聞いたレナは、笑顔で
「呪いとかはよく分かりませんが、あれは態とではないんでありましょう? だったら、問題は無しです! 呪われているからと言っても、芳乃や茉子、明久達が変わるわけではないのです!」
と断言した
その言葉に、芳乃は固まった
すると、明久が
「一本取られたね、芳乃さん……」
と言った
そして、芳乃が明久に視線を向けると
「レナさんは、人をよく見てるみたいだからね……今回は本当に想定外だったって、分かってるんじゃないかな?」
と明久は、苦笑していた
そして芳乃は、視線をレナに向けた
するとレナは、笑顔で頷いている
それを見た芳乃は、溜め息を吐いた
その後レナは、昼休み中に来たので、急いで学院に戻っていった
それを見送った芳乃は、明久に
「吉井さん、お昼にしましょう」
と言って、机の上に料理を並べた
その料理を見て、明久は
「もしかして……芳乃さんが?」
と問い掛けた
実は茉子は、普通に登校しているのだ
それに関しては、茉子も当初は朝武家に居ようとした
だが、出されるだろうプリントやノートのことを考えた結果、茉子が登校することに決まったのだ
「はい……流石に、茉子や吉井さんよりかは上手くは作れませんが……」
芳乃は照れくさそうに言いながら、料理を配膳
準備すると
「ど、どうぞ……」
と明久の口元に、卵雑炊を持っていった
それを明久は、一口食べると
「はふ、あふ……ん……ありがとう、美味しいよ」
と誉めた
それを聞いた芳乃は、嬉しそうに
「そ、そうですか? だったら、良かったです」
と言った
その後芳乃は、卵雑炊を明久に食べさせ続けたのだった