バカと千恋万花   作:京勇樹

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忍者

翌日、目覚めた明久は見えた光景に違和感を覚えたがすぐに思い出した

 

「そうだった……ここ、朝武さんちだ」

 

そこは本来泊まる筈だった旅館ではなく、急遽住むことになった朝武家の一室だった

明久は起き上がると、昨日教えられたトイレに向かうことにした

そして、廊下を歩いてある一室

浴室に繋がっている場所に着くと、ゴトッと音が聞こえた

下を見た明久が見つけたのは、一本の丸太だった

 

「丸太……? つっ!?」

 

その丸太に一瞬首を傾げたが、すぐに背後に人の気配を感じて振り向こうとした

しかしそれより早く、明久の首筋に刃が当てられ

 

「動くな」

 

と言われた

それを聞いた明久は、ゆっくりと両手を挙げて

 

「はいはい……」

 

と返した

すると相手たる少女が

 

「答えろ……何者で、なぜここに居る?」

 

と明久に問い掛けてきた

明久は背後に居る少女が下着姿ということに気付いたが、冷静に

 

「昨日からここに住むことになった、吉井明久です」

 

と告げた

すると、少女は

 

「………吉井明久って……あっ! 吉井明久様ですか、すいません!」

 

と慌てた様子で、首筋から刃

クナイを離し、明久から離れた

それに安心した明久は、振り向こうとしながら

 

「信じてもらえたみたいだね、良かった」

 

と言った

すると、少女は慌てた様子で

 

「あ、振り向かないでください!」

 

と言った

次の瞬間、明久の意識は途絶えた

それから少しして、居間

 

「いやぁ、ごめんね。明久君。彼女のことを説明してなかったよ」

 

と安晴が頭を下げた

そんな安晴に、明久は

 

「大丈夫ですよ」

 

と言った

すると、安晴は

 

「彼女は、常陸茉子君。妻が死んでからは、彼女が家事を引き受けてくれているよ」

 

と説明した

すると、少女

茉子が頭を下げてから

 

「どうぞ、宜しくお願いしますね。明久様」

 

と言った

すると、明久は

 

「あー……様はやめてくれるかな? 別に、名家ってわけでも無いし」

 

と言った

すると、茉子は

 

「分かりました。ては、明久さん。でいいですか?」

 

と問い掛けた

それに、明久は

 

「うん、お願い」

 

と頷いた

そのタイミングで、廊下側の襖が開いて

 

「おはよう……」

 

と芳野が現れた

かなり眠そうである

すると、三人は

 

「おはようございます、芳野様」

 

「おはよう、芳野」

 

「おはよう、芳野さん」

 

と芳野を出迎えた

そして、芳野は明久を数秒見てから

 

「はっ!」

 

と声を上げてから、自分の両頬を強く叩いた

そして、目覚めたらしく

 

「おはようございます……」

 

と言った

だが、痛みから涙ぐんでる

すると、茉子が

 

「芳野様、朝食を用意しますので、顔を洗ってきてください」

 

と言って、立ち上がった

それを聞いた芳野は、頷いてから退出していった

それを見送った明久は、安晴に

 

「芳野さん、朝が弱いんですね」

 

と問い掛けた

すると安晴は、頷いて

 

「そうなんだよ。そこは、妻も同じだったね」

 

と言った

どうやら、血筋らしい

すると明久は、立ち上がり

 

「常陸さん、手伝うよ」

 

と眞子に言った

すると、茉子が

 

「明久さん、料理出来るんですか?」

 

「数少ない得意分野だね。任せて」

 

明久はそう言うと、用意してあった卵から卵料理を作り始めた

すると、明久が

 

「常陸さん、オカラある?」

 

「オカラですか? それだったら、ありますよ」

 

と言って、冷蔵庫から取り出した

明久はそれを受け取り

 

「ありがとう」

 

と使い始めた

そして、十数分後

 

『いただきます』

 

と全員で食べ始めた

すると、明久が作った卵料理を食べた茉子が

 

「美味しいですね、これ」

 

と驚いていた

すると、芳野が

 

「? 茉子が作ったんじゃないの?」

 

と眞子に問い掛けた

すると、安晴が

 

「それは、明久君が作っていたよ」

 

と言った

それを聞いた芳野は

 

「彼が……」

 

と呟いてから、卵料理を食べた

すると、驚いた表情で

 

「これ、美味しい……それに、オカラが入ってる?」

 

と言った

すると、明久が

 

「良かった、受け入れてもらえて」

 

と安堵していた

 

「甘めに味付けした卵にも、オカラが入ってるんですね……意外に合いますね」

 

「しかも、卵は半熟なのに、オカラの風味も損なってない……」

 

茉子の後に、安晴がそう言った

すると、明久は

 

「芳野さん?」

 

と芳野に視線を向けた

すると、芳野は

 

「ま、負けた……」

 

と項垂れていた

その後、朝食も終わりそれぞれ予定を終わらせることにした

なお、明久は茉子の掃除を手伝いながら

 

「そういえば、常陸さんって、何者?」

 

と問い掛けた

すると、茉子は

 

「忍者です」

 

と答えたのだった

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