「さて……これで、3つ集まりましたね……」
と会話を切り出したのは、芳乃だ
三人の前の机の上には、以前回収し一つになった二つと、レナから譲り受けた欠片が離して置いてある
「それに、レナさんから良い情報も得られました……」
「うん。奉れば、タタリは出ない……」
それは、レナに問い掛けたことだった
なぜ、一度もタタリが出なかったのか
そう問い掛けると、レナの家は欠片を奉っていたことが分かったのだ
レナの家にとっては、欠片は今の祖父と祖母の出会いの切っ掛け
だからレナの家では、欠片を奉納し感謝していたそうだ
「盲点でした……奉れば、タタリが出ないとは……」
茉子と明久の言葉を聞いて、芳乃は悔しさを滲ませながらそう言った
呪いを打ち消すために、長年タタリと戦い続けた朝武家
それがまさか、欠片を集めて奉れば、タタリが出なくなるとは、全く予想していなかったのだ
「けど、これで終わりが見えてきた……後は、欠片を集めきるのみだよ」
明久の言葉に、芳乃と茉子は頷いた
しかし、その欠片を集めるのが至難だろう
元々のサイズが分からぬ上に、相当細かく砕けている
それを一個ずつ、全て集めるとしたらかなりの時間が掛かってしまう
「そこでだ……欠片を使うとしよう」
と明久が提案した
芳乃と茉子が視線が、明久に向くと
「前に、芳乃さんが僕の部屋に来たよね?」
と芳乃を見た
その問い掛けに、芳乃は顔を赤くした
思い出して、恥ずかしくなったようだ
「あれは、欠片が芳乃さんを呼んだから起きたって聞いた……けど、タタリは来なかった……なんでかな? 発する力が弱かったから、芳乃さんを呼ぶのが限界だったんだ……」
明久のその言葉に、芳乃と茉子は反論出来なかった
なにせ、理に叶っていたからだ
二個では、そこまでの力は無かった
ならば、三個はどうか?
流石に、他全てに呼び掛けることは、出来ないだろう
だが少数でも呼び寄せて、回収出来ればどうなる?
そして何より、待つ必要が無くなる
なにせ、自分達から呼び掛けるのだから
「それじゃあ、くっつけるよ?」
明久の問い掛けに、二人は頷いた
それを見た明久は、離していた二つの欠片を近づけた
すると、以前と同じようにカタカタと震えながら近づき
「つっ!?」
光を伴いながら、一つにくっついた
それを見た明久は
「とりあえず……今日は、準備を含めて休もうか」
と告げた
どうやら、間を置くつもりのようだ
「逸る気持ちは分かるけど、これは分の悪い賭けなんだ……気を急いては、事を仕損じる……兵法の基本でしょ?」
どうやら明久は、剣術使いとしての立ち位置で考えているようだ
そして、それは道理だろう
もしかしたら、大量のタタリと一度に戦うことになる
そして失敗すれば、対価は自分達の命
それは、断じて許せないのだ
「だから今日は、準備を万端にして休む……動くのは、明日だ」
明久は決意の光を宿しながら、そう宣言した