バカと千恋万花   作:京勇樹

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エピローグ

「最後の欠片が……僕の中に……?」

 

ムラサメの言葉を聞いて、明久は呆然とした

なぜ、そのような答えになったのか分からなかったからだ

すると、ムラサメが

 

「以前ご主人は、穂織に住んでいた……そして一時期は、山で遊んでいた……そうであったな?」

 

と明久に問い掛けた

その問い掛けに明久は、頷きながら

 

「うん……廉太郎と、山で遊んでたけど……」

 

と困惑していた

しかし、仕方ないだろう

最後の一個が、自分の中に有ると言われても、簡単には信じられない

 

「まあ、山で遊んでいた最中に転んだりしていただろう……恐らくその時に、誤って欠片を飲んでしまった可能性が高い……」

 

「待って……そしたら、幾らなんでも気づくはず……」

 

ムラサメの言葉に、明久はそう言った

しかし、ムラサメは

 

「ご主人、初めて刀を握った時を覚えているか?」

 

と明久に問い掛けた

すると、明久は

 

「まあ、覚えてるよ? なんか、静電気みたいなのあったしね……忘れるもんか」

 

と答えた

それを聞いたムラサメは、芳乃を見て

 

「芳乃、あのレナという少女と握手した時を覚えているな?」

 

と問い掛けた

すると芳乃は、頷き

 

「はい……静電気みたいなのが起きましたが……まさか?」

 

芳乃は、ムラサメが言いたいことに気がついた

レナは長年欠片を有していて、芳乃に触れたら、反発力が起きた

そしてそれは、明久も同じなのではないか?

 

「もしそうだとしても、どうやって欠片を僕の中から取り出すのさ?」

 

「それだが……欠片の元に戻る力を使う」

 

明久の問い掛けに、ムラサメはそう言った

それを聞いた明久が、首を傾げていると

 

「その水晶を持ち、念じるのだ。元に戻れと」

 

とムラサメが言った

それを聞いた明久は、半信半疑だが水晶を持ち

 

(戻れ……戻れ……元に戻れ!)

 

と念じた

その直後、凄まじい光が視界を覆った

そして光が収まり、明久はゆっくりと目を開けた

すると目の前には、完全な水晶があった

 

「……やった……」

 

「本当に……集められたんですね……」

 

と明久と芳乃が驚いていると、ムラサメが

 

「うむ……長く続いた呪いも、ようやく終わりじゃな」

 

と満足そうに頷いていた

その後、茉子と安晴を交えて、水晶に関することを話し合った

水晶は本殿の棚に祀り、毎日必ず祈り続けると

その後、明久と芳乃の正式な婚約を発表

同級生に弄られたり、回りの人達に祝福されながら過ごした

そして明久は、建実神社の神主になるために神職用の学校に進学

卒業試験を一回落としたが、なんとか卒業した

そして、数年後

 

「明久さん……男の子です……! 男の子が産まれました!」

 

「うん……呪いは、終わったんだね」

 

二人の間に出来た子供は、男の子だった

呪いの影響で、産まれる子供は女の子のみだったが、二人の間に出来たのは男の子

つまり、数百年続いた呪いは終わりを迎えたことを指し示していた

こうして、朝武家を縛っていた呪いは終わったのだった




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