バカと千恋万花   作:京勇樹

7 / 45
呪い

安晴の言葉を聞いて、芳乃はしばらく躊躇っていたが

 

「確かに……もう、当事者になってしまいましたね……」

 

と溜め息混じりに言った

そして

 

「吉井さん……朝武に伝わる呪いは、まだ続いてるんです」

 

と語りだした

その呪いの根源は、以前に安晴や玄十郎から聞いた通り

そしてその呪いは、数百年経った今も続いていた

明久が山で遭遇したのは、その呪い

通称、タタリ

それが出た目安が、芳乃の頭に出た耳なのだ

芳乃は明久が山で遭遇する少し前に、その耳が出たこと

そして、ムラサメが明久が山に居ると聞いて駆け付けたそうだ

そして見付けたのは、川原で倒れていた明久だったらしい

それを見た時、芳乃は後悔したそうである

《夜には、山に入らないようにしてほしい》

と言うのを、忘れたことを

 

「まあ、無事だからそれはいいとして……」

 

明久はそう言って、芳乃の頭に生えている耳を見て

 

「その耳って、僕にも出るの?」

 

と問い掛けた

それを聞いて、芳乃は

 

「いえ。生えるのは、朝武の直系のみです」

 

と答えた

それを聞いた明久は、安晴に視線を向けた

すると、安晴は

 

「僕は入り婿だからね。生えないさ」

 

と答えた

それを聞いて、明久はコクコクと頷いた

そして

 

「あのタタリが、町に降りてきたことは?」

 

と問い掛けた

すると、安晴が

 

「今の所は、そんな事例は確認されてないね」

 

と答えた

それを聞いて、明久は

 

「つまり……夜間限定で、あのタタリは山に現れるのか……」

 

と言った

そして、少しすると

 

「僕が襲われたのは、夜に居たのと……叢雨丸の使い手になったからかな?」

 

と首を傾げた

すると、それを聞いた安晴が

 

「そうだろうね」

 

と同意した

それを聞いて明久が黙考していると、芳乃が

 

「吉井さん……吉井さんは、もう戦わなくていいんです」

 

と言った

それを聞いた明久が、芳乃に視線を向けると

 

「吉井さんは、もう傷ついてます……ですから、無理をしないでください」

 

と真剣な表情で言った

確かに、今の明久は傷を負っている

簡単には、戦闘に出れる体では無いだろう

 

「では、これで」

 

芳乃はそれを言って、部屋から出ていった

それを見送った明久は、やはり怪我で体力を消耗していたからか、軽く眠った

そして起きたのは、夕食の時間になってからだ

起こされた明久は、茉子が作った料理を食べた

その後、茉子と芳乃の二人が着替えた

茉子は、忍者装束に

芳乃は、巫女服に

それを見て、明久は

 

「それが、戦うための服装なの?」

 

と問い掛けた

すると、二人は

 

「ええ、そうです」

 

「由緒正しい衣装と道具なんですよ」

 

と言った

そして、ドアを開けて

 

「それでは、いってきます」

 

「いってまいります」

 

と夜闇の中に、消えていった

それを見送った明久は、安晴に視線を向けて

 

「安晴さん、ちょっと聞きたいことがあるんですが……」

 

と問い掛けた

すると、安晴は

 

「なんだい、明久君?」

 

と首を傾げた

そして明久は、衝撃的なことを知ることになる

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。