バカと千恋万花   作:京勇樹

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呪い2

「安晴さん……僕、オカルトは得意じゃないんですが……呪いって、そんなに長く掛かるんですか?」

 

明久がそう問い掛けると、安晴は

 

「僕も調べただけだから、何とも言えないね……だけど、駒川の人が言うには、呪いを放った相手の怨念が強ければ強いほど、長く掛かる場合もあるらしいからね」

 

と言った

それを聞いた明久が、しばらく黙考していると

 

「明久君……今回のことは、本当にすまないね」

 

と言って、安晴が深々と頭を下げた

 

「安晴さん……」

 

「怪我のこともだが、婚約も……」

 

安晴がそう言うと、明久は

 

「まあ、婚約に関しては……お互いに距離を測っている感じなので」

 

と返した

すると、安晴は

 

「まあ、あの子は頑固だからね……誰に似たのやら」

 

と言った

そして、思い出すように

 

「僕と秋穂が婚約したのは、今のあの子より早かったな」

 

と言った

秋穂というのは、亡くなった芳乃の母親らしい

そして、安晴と秋穂は幼馴染みだったようで、気付けば互いに惹かれあっていた

そして、15歳の時に正式に婚約したそうだ

そして、朝武家ではおおよそ学院を卒業とほぼ同時に婚約するのが慣例らしい

それを考えれば、芳乃は遅い婚約だろう

すると、明久は

 

「なぜ、このご時世に婚約を……しかも、学生時に」

 

と首を傾げた

それを聞いて、安晴が

 

「朝武の家はね……早死の家系なんだ」

 

と言った

 

「な……まさか、それも?」

 

「確証は無いけどね……皆大体、40代半ばまでにはなんらかの病気で亡くなってしまうんだ」

 

明久が驚きながら問い掛けると、安晴はそう答えた

そして、明久が絶句していると

 

「ああ、安心してほしい。今のところ、あの子にそんな兆候はないから」

 

と言った

どうやら、その状態になるのには兆候があるらしい

 

「だけど、あの子は頑なに婚約を結ぼうとしない……実は此処だけの話、あの子には様々な縁談の申し込みが来ているんだ」

 

安晴のその言葉に、明久は納得した

芳乃は、かなりの美少女である

そういった話が、来ない訳がない

 

「だけどあの子は、その全てを断っているんだ……」

 

「その理由は?」

 

理由を知りたかった明久が問い掛けるが、安晴は首を振って

 

「詳しくは、僕からは話せない……だけど、秋穂の言葉を誤解してるんだ」

 

と言った

それを聞いた明久は、立ち上がった

すると、安晴が

 

「……行くのかい?」

 

と問い掛けた

すると、明久は

 

「女の子だけに、任せる訳にはいきませんから」

 

と答えた

それを聞いた、安晴が

 

「はっきり言って、命懸けだよ? 下手したら、死ぬかもしれない」

 

と言った

すると、明久は

 

「確かに、そうかもしれません……ですが、戦う術があって何もしないより、動いたほうが納得します」

 

と答えて、居間から自分の部屋に向かった

そして明久は、部屋から刀を掴んで走り出した

自分の思いに従って

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