第一話『扉の向こう』
これは、
あの春、あの人に合ったその瞬間、僕の人生に小さなひなげしの花が咲いた。
僕の名前は 南武セト(19)英語風だと セト・南武 だね。
親は5年前に他界し今はこのご時世に珍しい使用人の爺やと一緒に、両親の遺した莫大な遺産とニューヨーク近郊のちょっと広すぎる家に暮している。
父は経済関連の仕事をしていて、その関係で僕ら家族は、僕の小さい頃にニューヨークまでやってきた。
母は翻訳や通訳の仕事をしていて、教育関係の学者でもあった。母はあの有名な『Tレックス・ホームズ』シリーズも手がけている。えっ!聞いたことない?そんなバカな!
話を戻そう。
爺やというのは、母の家にいた人で、お祖母さんに恩があるらしく、親の代から仕えているらしい。
僕はといえば定職につかず、かと言って豪遊もしない小心者で、暇のつぶし方を考えては、爺やに
「そろそろ、定職を考えてみては?」
と言われている。
最近はニューヨークの街中で、日本人相手にボランティア活動をしている。両親の教育のおかげで、英語はペラペラ、日本語もペラペラな訳でまさにピッタリの仕事だろ。
それに、僕は人のいっぱい居る街を見るのが楽しい。不思議と温かみを感じれる気がするんだ。
あの日もそうやって街中でブラブラしていたんだ。
ふと、目の前の路地に黒いローブみたいなのを着た人が通った。いつもなら絶対気にしないような一場面だ。けど僕は後ろからこっそり彼を(彼女かもしれない)つけた。角の多い路地を抜けていくと、突然ローブの人は止まった。慌てて陰に身を隠してゆっくりと覗いてみた、
そこにあったのは壁、、、のはずだった。ローブの人が片手を壁に当て何か唱えているのが見えた。小声だったのでうまく聞こえない、けど身を乗り出して聞き耳をたてる度胸もなっかた。しばらくすると、その人は手を下げてそして、あたかもそこに扉があるかのように壁を押した。
すると、その壁は【開いた】のだ!
自分の目が信じられなかった。もうそこにあるのは壁ではなく、金の彫刻のついた立派なバロック調の扉だった。
ローブの人が扉の向こうに歩いていく。向こう側を見ようと僕は身体を乗り出してしまった。その時、ローブがこっちを振り向いたのだ!それと同時に扉から出てくる凄まじい光も目に入った。あまりの強さに目がくらむ。
「うっ、、、」
その場に僕は倒れ込んだ。
「お、、、い、、、、、にこ、、」
ローブの人が何か言っている。よく聞こえない、、、
体がその場に倒れる。意識もそこで途切れた。
初めての長編作品です。誤字や文法ミスがございましたら、ご指摘頂けると幸いです。