人間いろいろな場面で緊張ってのをする。
試験を受けるとき。好きな人に告白するとき。小さい子供だったら注射を打つ時だって緊張する。
そして今、僕は人生最大の緊張を迎えている。
「さあ、これを持って。」
後を追って隣の部屋に行くと、先生は手にきれいな蒼の結晶を持ってまっていた。
結晶を受け取るとこれがただの石じゃないことが分かった。
「わかる?それは簡単な練習用の石だけど、使用者の魔力に反応して自在に形を変えるのよ。」
どういう性質かまでは知らなかったが、触れた瞬間。何かが石へ流れていくのを感じた。この’なにか’が魔力なんだろう。
使用者の魔力に反応する、か。それで…
「具体的にどうすればいいんですか?これ。」
確かに魔力の流れは感じたが結晶に変化はない…
「別段なにかするってわけじゃないんだけど、それを持ったまま好きなものでも思い浮かべてみなさい。その結晶ならその程度でも変化が起きるはずよ。空気は熱い水、自分は圧力、その中で水晶が成長するって感じよ」
好きなものって。んな…ちょっとテキトー過ぎやしませんかね?
(好きなもの)
「楽しかった思い出でもいいわよ。要は印象深い出来物事ってことよ。」
「印象深い、、、ですね。」
(印象深い、、、好きなこと。なんだっけ)
結晶の効果もあってか過去のことが鮮明によみがえっていく、、、
ずいぶん前だが、家族で旅行に行った。いつだったか覚えてないがまだ僕は小さかった。
「ほら。セト。きれいでしょ。」
「うん!ママ、これなあに?」
「その花はポピーっていうのよ。小さくて、可愛らしい、、、ほんとにきれい。ねぇ、あなた」
「ああ、来てよかったな」
とびとびの記憶だがそこだけははっきり覚えている。
そういえばあれ以来家族旅行なんて行かなかったな、、、
そう、あそこは、どこか、丘のような、、、アメリカのどこかの花畑での思い出。
最後の父の言葉がなぜかはっきりとよみがえったきた。
「そういえば、このポピーの花はヒナゲシとも言ってな、いたわり、思いやり、陽気で優しい、なんて花言葉があるらしいぞ。」
「フフッあなたにしては珍しいわね。そんなこと知ってるなんて。」
「これは心外だな。一体何だと思ってるのやら。」
「けどこの子がそんな風に育ってくれれば、、、」
『明るく、元気な子に、、、』
いい子に―――
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ドンっ!
突然!体に衝撃が走った。
それと同時に何かが体の中へと大量に流れ込んでくる、次第に体が沈み込むような感覚に陥っていき。
何が起きたのか考える間もなく、ぼくは記憶の波の中にもまれて行く。そして、、、
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様子を見ていたエルダは驚きを隠せなかった。確かに魔法は奇跡だ。だが決して万能ではない。
「まさか、これほどまでとは、、、」
目の前に立つセトの手にあったはずの結晶が、どんどん肥大化しているのだ。その上魔法の輝きも増している。
気づけば足元まで結晶が侵食しており、セトに近いところからポピーの形をした結晶が、生えてくる。
こんな異常事態なのにセトは目をつむったまま一向に気づかない。声も何度かかけているが反応がない。
「このままじゃ。セト!」
エルダは弟子の身の危険を察し、結晶の中心、もといセトのいるところへ慌てて飛び込んだ。
飛び込んだエルダの指先がセトに触れ、彼の体がバランスを崩したその瞬間。
「あっ!」
彼女の手に電気が流れるような痛みが走った、すさまじいスピードで体から何かが流れ出るような、、、
すると部屋は暗くなり、セトの魔力もパタンと止まって感じられなくなってしまった。
バタッ
セトの体が崩れ落ちる。急いで駆け寄ると気絶をしているようだ。
「こんなことになるなんて、、、」
(とりあえず片づけは後にして、セトを部屋に)
小柄とはいえもう20にもなる男を女性が運ぶのは重労働だが、
魔法を使おうにもさっきの電撃が原因なのか魔力が安定しない。
仕方なくエルダはセトを抱えてベッドの部屋まで運ぶのであった。
セトが気絶している間何を見ているのかも知らずに、、、、
全部一緒になるとこだった、、、
てかほぼ一緒だね。