部屋の外で待っていた先生のとこに顔を出した。
先生はいつの間にか小さい女の子と話をしていた。
一緒に椅子に座ってる。
「エルダさんは魔法使い何でしょ?弟子はいるの?」
「ええ、ちょうど最近できたわ。」
「いいな〜先生なんだ!」
無邪気な笑顔を見せる女の子に思わず笑みがこぼれた。アンジェリカさんと同じ雰囲気がする。おそらくさっき観た記憶の娘さんだろう。
「先生っていうのも大変なのよ。あっ!セト。終わったみたいね。」
僕に気づいた先生は立ち上がって女の子と二言三言交わしてからこっちに来た。
女の子はニコニコしながら別の扉に入っていった。
ん?今僕、地味にスルーされたような…気のせいかな?
「早かったわね。それで、どうだった?」
「それは…えーと。アンジェリカさん。なんて言えばいいんでしたっけ?」
「そうだね〜今回は偶然と言うなの必然ってやつだね。つまりーーー」
専門的なことは全くわからない僕に代わってアンジェリカさんが説明してくれた。大雑把に言えば強い想いは物体に力をもたせる。とのことだ。
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「なるほどね。あのルビーがね、良かったじゃないセト。」
「ん?あっハイ。」
いけない。ボーッとしてた!
「大丈夫?」
様子を見ていたアンジェリカさんがニヤニヤしながら言った。
「そりゃあ、他人の心を意識しすぎてあれだけ神経すり減ってたんだから疲れが出てくるのも当然ね。これで落ち着くと思うわ。」
なるほど。そういうものなのか。てか何故ニヤニヤしてるんでしょうかね〜?
「それにしてもあんたたち親子みたいね。」
ニヤニヤの理由判明
「おっ!親子ですか!?」
意外だな…そう見えるものなのか…
「もう。何言い出すかと思ったら。茶化さないでよ。」
ん?なんだか先生はまんざらでもないご様子…
やっぱりぼかぁ子供なのかぁ〜?
アンジェリカさんも察したようでやっぱりニヤニヤしたまま。
「セト君。まあほら。頑張りな!」
全くフォローになってないんですが…
魔法使いってのはそういうの上手いんじゃないのか?ほら、話術とか色々さ…
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魔法使いといえば
「そういえば。アンジェリカさんも魔法使いなんですか?」
「ええ。そうよ。それがどうかしたの?」
ちょうど二人もいるし聞いてみたいことがあった。
「いや。ちょっと気になったんですけどね。今この世界に魔法使いってどのくらいいるんですか?」
先生は僕がこの質問をするのは意外だったようで、ちょっと驚いている。一方アンジェリカさんは納得した顔で見ている。
「やっぱり自分のいる立場ってのが気になるんでしょ?」
おお!アンジェリカさん大正解〜!
「へー。今の子ってそういうこと気になるのね。」
先生はあんまり気にしないタイプなのか。
「いやいや。エルダ。気にしてないのあなたくらいよ。絶滅寸前の自覚あるのかね。」
「えっ!」
絶滅…寸前?確かにそこらじゅうに転がってるものじゃないけど。
「絶滅ってそんなに少ないんですか?」
二人とも頷いている。マジか…
魔法使いが減少の一途を辿る理由…それを先生が答えてくれた。
「世界大戦の話は前にもしたでしょ。」
それはもうよく覚えている。間違いなく先生の人生を狂わせた出来事だ。
「あれでたくさんの魔術師や魔法使いが死んで…ただでさえ生まれる数の少ない魔法使いは極端に減ってしまった。」
「さらにいえば、魔法使いってのは長生きなせいかどうにも子供を作ろうとしない。これは昔からなんだけど、絶滅への道に拍車かけてるんだよね。」
アンジェリカさんが補足を入れてくれた。
結局どこかしこにも戦争の影がちらついている…
「そっか…絶滅寸前か。」
「ま、そんなに気にするものじゃないわ。そんなの騒ぐのは学者たち位だもの。」
まあ確かに日々の生活には関係ないか。
「確かに。そうですね。ありがとうございます!」
アンジェリカさんはなにか思いついたような顔をしていた。
「それじゃ、ありがとねアンジェリカ。そろそろ行くわ。」
「ええ。追加の分はあとから送るから。ほらッ。セト君!」
そう言って入口の前でアンジェリカさんは大きな袋を渡してくれた。中にはなんか色々入ってる。
「ほんとは一個一個説明したいんだけど。珍しく仕事がいっぱいでね。簡単な説明書入れといたわ。何でも
同業者なわけで、娘さんもいるしでやっぱり心配なんだろうな…
「その消えた魔術機構を探すために大急ぎであなたのとこに来たのよ」
消えた魔法使いキリド・フェーン。それにはおそらく闇取引が関係してる…正直先生が言ったとおり新人の僕が首を突っ込んでいい代物ではない…ただ、興味はある。めちゃくちゃ興味津々だ。闇取引とか興奮するじゃんか!(これだから子供扱いなんだろうな…)
アンジェリカさんは驚いた顔して僕を見てる。そりゃあそうだわ…
「まさか、噂の市場にこの子連れてくの?初めての家族旅行には向かないわよ。」
先生はそんな事は百も承知といった表情だ。
「けど、弟子なったばっかりの子を置いて行くわけにもいかないでしょ?この子だってなんだかんだでじき二十歳よ。それに私もいるし。」
なんだかんだ…
「まあ、それなら止めはしないけど…セト君、気をつけてね。」
「はい!今日はありがとうございました!」
店を出ると昼過ぎになっていた。近くのレストランで適当に昼を済ませて、僕らは帰路に就いた。
帰りの列車で袋の中を見ると、見たことない素材で出来たものが色々入っていた。
メモによると
・海鋼岩のナイフ
・
・
・蛍石のルーペ
だそうだ。あと下の方にさっきの指輪がいくつか入ってる。
もしもの時の予備だそうだがもしもの時って一体…
先生に用途を聞きつつ日暮れ前には家についた。
明日からは忙しくなる。あと実質4日で最低限の魔法のコントロールを身に着けなければならない。販売会は5日後。失踪者も出るような一件だ…慎重にならなくては。
僕は不安と期待の混沌の中眠りについた…
アンジェリカさんが絶滅寸前ってワードに興味を持った理由は原作でわかりますよ。(アンジェリカさんは何となく名乗りに捻りを入れたかったって設定です。)
次回からは疾走編です!失踪じゃないです!!w