魔法使いの嫁〜AnotherStory〜   作:ケニーF

21 / 55
最初のタイトル候補は『潜入×取引×(あともう一個なにか)』でしたが
流石に面白くないのでやめました…
あと私はまだコミックを9巻までしか持ってません。
その先を知らないのでコメでのネタバレはご遠慮ください。またそのせいで、学院編の内容に突入するのは随分あとになる予定です。(しっかり読み込んでから書きたい…)


第三章【疾走編】
第二十話『罪の取引』


通りに市が開かれている。さばかれている品はどれも危なそうなものばかりで中には見せかけの偽物もある。

売っている連中も近寄り難いやつばかり。

思わず先生の方へギュッと肩を寄せる。

嫌な匂いがする。嘘と妬みと殺意と…負の感情ばかりが転がっている

ここはイギリスのとっぱずれ。一部ではかのホワイトチャペルからもじって暗く深い街(ディープチャペル)なんて言う人もいる。人口は少なくはないが経済的な周りがなく…貧困層の多い街。そんな街の裏で魔術師たちの妖しい取引が行われている。競売場(オークション)ですら取り扱おうとしない物が出回っているとか、、、

 

3日間行われるこの販売会は非合法とかそういうレベルではない。魔術師たちの警察的なこともしている学院(カレッジ)ですら余程のことでないと首を突っ込まないらしい。

そんで今日は2日目。初日はなんの収穫もなかった。

すでに通りの中程まで来たのだが、今日までの出来事は忙しいって言葉で片付けられるようなレヴェルのものじゃなかった。

例のルビーのおかげで他人に触れただけで記憶やら感情を意図せずして拾うことはなくなったし魔力の方も結晶の一件(あんなに)なることはなくなった。

(ルビーけっこう有能だなぁ〜)

 

おかげでコントロール面ではなんとかなってきたわけなんだ。鼻はむしろ効くようになったけど。

先生が言うには余計な魔力の消費がなくなったからより繊細になったんだとか

問題は’’お勉強’’の方だ…

最初は簡単な睡眠薬やら傷薬も作れなかった。というか効きすぎてむしろ害になってしまう。睡眠薬は少し摂っただけでその場で気絶したように眠っちゃうし。傷薬は傷は治るけどその後が赤く腫れっぱなしでなかなか治らないしで役に立ちそうもないし…

 

ーーーーーー

 

「おっかしいなぁ…容量もやり方もあってるのに…」

 

例のサンショウウオに睡眠薬を嗅がせたらそのまま寝てしまった。飲んでから三十分して効くはずなのになぁ〜しかももう起きてるし…

 

「どう?できた?」

 

先生が様子を見に来てくれた。上手く行ってないのが顔に出てたようでビミョーな顔してる。

 

「どうもこうもこのザマですよ。凄まじく速効性だし、凄まじく効果が短命だし…」

 

「魔力の使いすぎね。まあ何回かやってコツをつかむしかないわ。他のはどう?」

 

魔法の方はけっこう自身がある

火を起こすやつは特に上手くできる。(というよりそれ以外は暴走気味なんだよなぁ)

僕は先生に促されて魔法を使おうとした。両手を胸の前で合わせてからゆっくり開く。ちょうど、ハンドボールを持った感じだ。

 

「さて、ちょいと君らの力を借りるぞ。」

 

目を閉じて、最近知り合った火の精たちを呼び集める。

 

『火起こし?フフッ。僕らの愛しい隣人たちは火も起こせなくなってしなったのかい?』

 

「あんまり馬鹿にするなよ。」

 

『はいはい。まあ良いさ。ほら。』

 

「『ローワンの花 サンザシの葉

恐れを祓え…道を指せ…』」

 

頭の中でイメージする。手元に小さな火の塊が産まれる…それは明るく、自由に動かせて…

 

ボウッ…

 

あんまり大きくはならなかったが手元に火の塊が出来上がった。(実は呪文が中途半端だったのは秘密だ…

というか軽口な隣人の多いこと多いこと…)

 

手のひらに乗せても僕は熱くない。けどちゃんと燃えるし、他の動物は熱そうに避けていく。すでに試してある。

自信満々に先生を見ると。妙なことに、意外そうな顔してる、なにか不味かっただろうか?

 

「セト…その子たちは?」

 

「えっ?」

 

心配する必要はなさそうだ。先生の興味はこの火の精達にあるようだ。

 

「いや、あなたの魔法は見事なものよ。隣人のおかげもあって随分安定してるし。けどその手伝った子たちってもともと火山の子じゃないの?」

 

この辺りにいる隣人じゃないらしい。

そういえばはじめって合ったときに…

 

『僕らは風に乗ってきたんだ。竜舌蘭の花(キミ)の魔力に誘われてね。』

 

なんて言ってたなぁ。

 

「何でも、風の子(エアリエル)と一緒に来たらしいですよ。」

 

「わざわざこんなところまで?よっぽど好かれてるわね。それなら嘘には気をつけなさい。」

 

「嘘、ですか?」

 

まあ確かに嘘つきはナントカの始まりなんて言うし、

 

「隣人たちは嘘を嫌うわ。他人を嘘で貶める人間との契約に信頼性は生まれないってこと。」

 

隣人たちの契約への態度を侮辱してはいけないってことか…

 

「はい!わかりました。それで、このあとは…」

 

いい加減疲れてきた、と言うより脳みそパンクしそうだ…

一回に入ってくる情報量が凄まじい。

 

「お昼挟んだら、庭で薬草についてと隣人との魔法についての指導!まだまだやることはたくさんよ!」

 

こういう時、先生はかなり厳しい…

 

ーーーーーー

 

そんなこんなでかる~くスパルタな数日間を過ごしてきたおかげで、いくらかマシにはなったが…

 

さっきからすれ違う人間から感じるのは妙な匂いばかり、せっかくついた自信が風前の灯火状態だ…

 

「セト、離れないで。」

 

小声で先生が声をかけてくれた。さすが長年魔法使いやってるだけあって先生は汗1つかいてないし、露店の出している商品に目を光らせながらも周りへの警戒も怠ってない。

 

しかし。ほんとにドラゴンの天鱗なんて出ているのだろうか?初日はそんなもの無かったし感じなかった。

不気味な空気の中で不安が渦巻く




セト君は完全初心者なので魔法のいろはを教わっているんですが、けっこう既視感ある内容ですね(汗)
てか進んでねぇ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。