魔法使いの嫁〜AnotherStory〜   作:ケニーF

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子供のころはすでに駆け回れるような森も山も空き地もなかったなぁとちょっと残念に思う今日この頃。


第三十一話『跳んで、飛んで』

悪い予感というものは的中する。

 

ハアハアハアハア、、、

 

さすがドラゴン。小さくてもやることはオーバーだ(人間から見ればだけども)。少し走り回っただけのはずなのにもう足が棒になってしまった。

結局僕なしで彼らは遊んでいる。ドラゴンでもやっぱり子供か。遠目に見ていると脇にルキアが戻ってきた。

 

「ハアハア、、、すごい元気なのね。ドラゴンって。私もうヘトヘト~」

 

そういいながらも彼女の表情は明るい。そういえば最近こんなに広いところで走り回ることもなかったな。少しストレスになってたのかなぁ、、、

そう考えるとそれだけでここに来た甲斐があった。

 

「たしかにすごいな。彼らのとんでもない体力が大空を羽ばたくあの雄大な姿を形作っているんだろうな。」

 

二人して休んでいたらまた子供たちが集まってきた。

 

「セト!楽しかったよ~!次は何する?」

 

えっ!?あれだけ走り回ってまだたんないのかよ!

これにはルキアも唖然としていた。なんたって僕らが無駄話をして休んでる間も彼らは人間が混ざったらひとたまりもないようなじゃれ合いをしてたんだから。ほんとに体力有り余ってるな、、、

 

「あ、いや。すまないが私たちは少し休ませてもらうよ。君らだけで遊んでおいで。」

 

子供たちは多少不満そうではあったが、何か思いついたらしく谷底に沿ってある川の少し上流の滝のあるがけへと昇って行った。

 

「あんまり危ないことはするなよ~」

 

といったそばだった。

 

「ねぇセトみててよ~!」

 

滝の上一匹の子供が小さな翼を大きく広げて今にも飛び降りようとしていた。

小さめな滝とはいえ高さは1、20mはある。落ちたらひとたまりもないし、あの小さなバランスの悪い体では到底飛べるとは思えない。

 

「あっ!よせ...」

 

スッとまだ幼いドラゴンの体が宙に舞った。

その先を直視できるほどの勇気は無く。僕は目をぎゅっと閉じた・・・・・・・・・・

 

 

あれ?

何も落ちた音が聞こえない。

急いで目を開けて確認すると、ちょうど落ちたはずのドラゴンが翼を広げたままゆっくりと降りてきた。

翼がパラシュートの働きをしたのだろう。が、あの体のバランスでそれができるとは思えない、、、

ドラゴンたちも隣人たちと同じく現代の常識が通じる相手じゃないってことか。

まあ心臓に悪かったが無事で何より。

 

「あははは!セト、すごかったでしょ?僕らはそれを飛べるんだよ!人間にはできないんでしょ?」

 

さっきのドラゴンは楽しそうに、そして自慢げに話した。

こうもされるとちょっと対抗したくなってきた。

 

「あぁ、凄かったよ。おかげでこっちは心臓がちぢこまったかと思ったけどね。んだが、人間だって空は飛べるぜ。」

 

(飛行機でな)

 

「えっ!?ウソだ!リンデルは飛べないって言ってたよ。」

 

周りで遊んでた子供たちも集まってきて目を丸くしてこちらを見ている。当然だ初耳だろうし。

 

「ところが今の人間は飛べるんだよ。ちょっと特殊な準備がいるけどね。」

 

自信満々にいいう僕にルキアが耳打ちをした

(セト。そんなこと言っていいの?実際に翼が生えてくるわけでもないのに。)

(いいのいいの。飛行機は人間の発明だ。科学も人の力ってことでさ、嘘言ってるわけじゃない。それに)

(それに?)

(ちょっと悔しいからね。なんか騙された感が否めない。)

(フフフ。結構セトってかわいいとこあるわね。まあ程々にしてあげてね。)

 

「ねえねえ!人間が飛べるってホント?ルキア」

 

ドラゴンたちはどうにも僕が信用できないらしく、今度は質問の先を変えてきた。

だが残念!その子は僕の使い魔だ。しかも今悪だくみの計画をすり合わせたところだからね。

 

「えぇ。私もびっくりしたけど、飛べるのは事実ね。」

 

((飛行機だけど))

 

二人に言われてやっと事実と認知したようで

子供たちはほかのみんなに伝えようと僕らに何も言わず駆けて行ってしまった。

 

「あの単純さは。可愛らしいかもしれないが、ちょっと危険じゃないの?」

 

「隣人も賛同したから信用したんじゃないの?」

 

「いや、そこまで考えてないね。とりあえず無邪気な好奇心の香りはしたけど。それだけだったよ。」

 

子供たちはいなくなり再び静かな谷に戻ってきた。まぁ川の中にとんでもなくデカい何かがいる点を除けば非常に心休まる場所だ。先生たちはまだ終わらないみたいだし、少し横になるか。

 

「ルキア、少し休もう。ぼかぁ疲れた。」

 

「そうね。さすがにあれだけ動くとね。」

 

やわらかい草の絨毯の上で横になる。頭の上を吹き抜ける風は心を抜けていくような爽やかな、心地のいい優しい風だった。




最近おわりが難しい。次はちょこっとネヴィンにも出てもらいますかな。
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