魔法使いの嫁〜AnotherStory〜   作:ケニーF

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ちょーーーーーーひさしぶりです!

ごめんなさい


第三十二話『龍の夢』

それは、遠い昔のこと、、、

 

私はそこで目を覚ました。美しい自然の中で、先祖たちが還ったここで。

一緒のころに目を覚ました友達は大きな翼があった。私にはない雄大な翼が。

飛ぶとはどういうことなのだろうか?

一生叶うことのない夢を抱きながら私は大地から彼らを見つめていた。

 

月日は流れた。それはそれは恐ろしいほど多くの時が過ぎていった。

あの友達は、還ってしまった。

けど、悲しくはない。いずれ私も還る。

けれど、、、

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

目が覚めたら風は暖かさを増していた。太陽は仰向けにころがる僕の真正面にいる。

隣ではルキアも目をこすりながら起き上がろうとしていた。

遊んでいたはずのドラゴンの子供たちはみんなで集まって滝の傍でお昼寝タイムのようだ。

スースーと寝息を立てている。

日が射して自分のいるところが明るくなったせいか辺りが暗く見える。

その暗がりがさっきの夢を呼び覚ます。

『恐ろしく奇妙で孤独な夢』だった。それと同時に『美しい』ものでもあった。

また誰かの記憶を覗き見てしまったのだろうか?今日はちゃんとネックレスつけてきたのに、、、

最近はあまり魔法が上達していない。それが関係しているのだろうか、、、?

そうこうしていると、目をこすりながらルキアがこちらにやってきた

 

「ふぁぁぁよく寝た。セト、おはよう」

 

「ん?あ、あぁおはよう、ルキア」

 

あからさまな僕の異変にさすがのルキアも気づいたようだ。

心配そうに顔を覗き込んでいる。

 

「あ、いや、、、妙な夢を見たんだ。それでちょっと頭の中が混乱してるんだよ。ハハハ、、、」

 

そういってふらつきながらそばの岩に手を置きながら立ち上がった。

 

『妙な夢とは、空を舞うドラゴンを見つめる夢のことかな?』

 

!!

 

声は直接僕に届けられたかのように感じた。実際はそのひとはその言葉を口にしていたのだ。

だがその声は心に直接響く、独特な魔力を帯びていた。だがその主はどこだ?

ここは特殊な空気の流れを持っていて、鼻は役に立ちにくい。

ルキアも聞こえたようでキョロキョロしていたが、すぐに僕の方を見てぎょっとした表情を見せた。

 

「?どうかしたのかルキア。俺の顔に何か、、、」

 

「違うわ!自分の手を置いたところ見てよ!」

 

ん?手を置いたところ?

そこには大きな岩が、、、岩が、、、、岩じゃない、、、、

 

『やっと気づいてくれたかな?

私は、ネヴィン………もう500年は生きているドラゴンだ。』

 

鼠色のずっしりとしたドラゴン。

500年という果てしない時を生きた結果か、その節々に老いが見えている。

しかし、、、その眼は死んでいない。

相手の心を見据えているような鋭く、しかし優しさに満ちた、、、

 

「し、失礼しました!岩かと思って…」

 

アッ…

 

『君ははっきりとものを言うんだね。』

 

どう考えても失言だ。

 

「す、すみません…」

 

慌てて謝ったがネヴィンは聞いていないようだった。僕のほうを向いているが、実際はもっと遠くを見つめている。それはルキアが僕のわききても変わらなかった。

 

『私は別に気にしていないさ。それよりも、君の背後の、、、』

 

背後?僕の後ろには誰もいない。サッと振り向いたが間違いなかった。

 

「僕の後ろに何かありますか?」

 

ネヴィンはしばらく無言でいたがハッとしたように僕の胸元を見つめた。

 

 

『そうか、そうか。あなたはこの子を、、、』

 

誰に向けたでもない独り言、、、しかしまるで会話の相手がいるような、、、

ルキアもこの年老いたドラゴンの奇行に首をかしげている。

 

「ねぇ、このヒト歳食いすぎておかしくなったんじゃないの?」

 

「こらッ!失礼なこと言うんじゃない!!」

 

小声で繰り広げられる僕らの会話もネヴィンには興味のないものなのだろう。

それらを指摘するでもなく、また僕の目を見つめだした。

 

『君は、まだタマゴなのだね。あぁ、魔法使いの。だ』

 

この言葉は間違いなく僕へ向けられたものだ

 

「はい。先生のもとで勉強をしていますが、まだまだ経験も浅く、ちゃんと孵るかもわからないタマゴです、、、」

 

そう。能力がどうのこうの言われても、結局のところ成長の実感は簡単には得られない。特に最近は全くと言っていいほど自分に成長を感じられない。

 

『そんなに自分を貶めなくてもいいさ。君には確かに他の人間にはないものがある、、、そうだ。』

 

彼はやさしく僕へ語りかけた。嘘のない言葉。鼻など使わずともわかるさ、彼の言葉に嘘はない。

 

『君はここで杖の素材を探すといい。魔法使いにとって杖は必要なものとなるだろうからね。』

 

杖、、、そういえば前に先生が言っていた

 

 

「魔法をより安定させて使うには杖があるといいわ。あれは一種のカギなの。自分の求める結果への道筋を打ち立てるカギ。いずれ作りましょうね。」

 

杖があればまた成長できるだろうか、、、

 

 

『ここには多くのドラゴンたちが眠っている。木となって。』

 

木?確かにこのあたりには大き目の木が多い。これが全部ドラゴンだっていうのか?!

 

『我々ドラゴンはその命が終わるとき、大地へと還るんだ。そして一本の木となる。彼らから生まれる木はなかなか質の良い素材となるはずだ。リンデルも快諾してくれるだろう。』

 

「ありがとうございます。先生にも話してみますね!」

 

まだ僕には殻を破るチャンスがある!ここに来た甲斐があったものだ。早く先生に杖の作り方を教えてもらおう!

自分の中に感じていた不安は消し飛んでいた。そして夢に見た光景も、、、

ルキアも僕の顔をみてほほを緩ませた。

 

「ネヴィンさん。ありがとうございました。」

 

ぼくは深くお辞儀をした。 ルキアも頭を下げていた

 

『いや、私は何もしていないさ。まあ君の役に立てたならうれしいよ。こちらこそ楽しいひと時だった。ありがとう。』

 

ネヴィンの感謝は僕たちの心に直に届いた。

彼の深いやさしさに背を押され僕たちはその場を後にした。

自分の杖を思い浮かべながら、、、




うまくまとめられなかった、、、次回は杖についてのお話です
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