魔法使いの嫁〜AnotherStory〜   作:ケニーF

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作者だって忘れかけてましたよあんなモブ


第三十七話『忘れてた因縁』

ロンドンでバーダーさんに連れられてたどり着いたのは雑居ビル。

見た目も入った印象もいたって普通のものだ。

 

狭い建物なのでルキアは影に入っててもらうことにしよう。

 

そんなことを考えながらバーダーさんの後をついていく。エレベーターで二階に上がり入ってすぐの錆の目立つ扉。彼はそこで立ち止まった。

 

「ここがそうだ。一応説得はしてみるがおそらくセト君しか入れてもらえないと思うよ。エルダさんは無理でしょう、、、」

 

「いいわ。何かが起きようものならこの扉程度どうとでもなるもの。」

 

先生は僕がヤクザのような連中に目をつけられたのが気に入らないようだ。

当然といえば当然だが、怒りでこのビル氷漬けとかにしなけりゃいいけど、、、

 

さて、件の部屋だが僕の鼻がおかしくなければ何の変哲もない部屋だ。

珍獣、霊獣を売りさばく連中の本拠点とは思えない。

疑問が多いが今質問したところで納得のいく返事は得られないだろう。

 

バーダーさんが扉をノックするとすぐに不愉快な鉄のきしむ音とともに扉があき人が一人、顔を出してきた。二人が小さな声で何かやり取りをしている、おそらく合言葉か紹介状的なものか、、、

会話が終わると扉から出てきた男は部屋に引っ込み扉を閉めてしまった。

様子をずっと注視していた僕らのほうに振り返りバーダーさんが口を開いた。

 

「やはり、入れるのは私とセト君だけのようだ。すまないがエルダさん、うちの弟子連中を見てやってくれませんかな?」

 

申し訳なさそうにするこの男の動作はいちいちワザとっぽい。

思えば教会のあの人もそんな動作だったなぁ。

だから胡散臭いとか言われていたのだろう。確かにこの人と同じく心の匂いを思い出せない人だった。

 

「はぁ。まあいいわ。ただし、セトに何かあったら、、、」

 

バーダーさんの対応にあきれながらも先生はしっかりと脅しをかけていた。

 

「も、もちろんわかっていますよ。お、お任せくださいな。」

 

あぁ、、、人はいいがこの人に何か任せるの不安だ。自分の身は自分でってことか。

 

「では、行こうかセト君。」

 

そういってバーダーさんは扉を手前にあけた。先ほどの不快な音とともに僕の目に映ったものはおおよそこの雑居ビルには似合わない高級な装飾がほどこされた先の見えないほど長い廊下だった。

もちろんこのビルのサイズに合っているとは到底思えない。

魔術で作ったのだろう。おそらく決まった手順を踏まなければこの廊下には繋がらないのだろう。後ろで見ていた三人組も目を丸くしている。

僕だってこの発想には驚いた。それと同時にこう言った連中が世間に見つからない理由もわかった。

 

廊下に一歩踏み入れると空気の匂いも一変する。

床は赤地金の刺繍の施されたカーペットが敷かれ、壁も繊細な細工が施されている。

キョロキョロとあたりを眺めていると

 

「セト様とバーダー様ですね。お待ちしておりました。」

 

女性の声が背後から聞こえた。さすがにこの廊下は相手に気づかれないように横をすり抜けられるほど広くない。よくてホテルの廊下程度だ。だから僕の後ろに人がいるという異常な事態は警戒に十分に値するものだった。

てかバーダーさんも驚いている、、、だめだこりゃ。

 

「驚かせてしまい失礼しました。」

 

そういって女性は先生たちに会釈をしながらビルと廊下をつなぐ扉を閉じた。

うまく閉じ込められたわけだ。

 

 

「私お二方のご案内を仰せつかりましたレイラ・ミラーと申します。早速ですが、社長室へご案内します。」

 

(社長ね、、、ハッ!)

 

スタスタと僕らの前を歩くミラーという人は金髪ショートに白い肌、スタイルがよく、いかにもな感じだ。

 

廊下は結構長かったがその間何もなくただ小綺麗な壁と床を見ただけに終わった。

気づけば扉の前、ドアノブは趣味の悪い金ぴかの竜の装飾が施されている。

ミラーさんが扉をたたくと、いかにも堅気じゃ無いスーツにサングラスの男が顔を出し僕らを通した。

 

「それではこれで、、、」

 

ミラーさんはそのまま外側から部屋の戸を閉めた。

 

さて、四角い部屋の中にはスーツのサングラス男が数名部屋の真ん中にやたらと高そうな机が一つ、そこには高そうな安物の椅子に座った小太りの男。

 

こいつが頭か、、、

 

「よう、バーダー。久しぶりだな。お前の話はあとだ。さて、君がセトくんだな。闇市ではコレが世話になったようだな。」

 

 

男はそう言って脇に立つ男に前に出るよう顎で指した。

キョドキョドしながら出てきた男には見覚えがあった、、、

 

「こいつは俺があの市に売りに行かせてた男だ。覚えてるよな?」

 

あぁ、、、おもいだしたよ。はっきりと。面倒ごとの塊のような男。僕に呪われた品を売りつけようとして失敗し、鱗を盗もうとして失敗し、商品だった幻獣に八つ当たりしたがためにみんな逃げだして、その後片付けを僕がやった。

 

「えぇ、はっきりと。」

 

「それじゃあ話が早い。簡潔に言おう。お前のせいで闇市での取引ができなくなった。責任をとれ。」

 

自分の蒔いた種なのか何だか、、、理不尽な攻めにあっているような気がする。




理不尽
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