魔法使いの嫁〜AnotherStory〜   作:ケニーF

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久々なのにこの進まなさよ...


第52話『逃亡』

逃げた

逃げた

逃げた

逃げた

 

僕は逃げた

弱い自分が悪いのにその身可愛さに逃げた

 

レンフレッドに"言い訳"している今でさえ逃げようと言葉を探している

でも今更逃げたってどこにも...

 

「君が言いたくない気持ちにあるのはわかる。だが、真実がわからんことには俺も助けたくったって助けられない。」

 

こんな親身になってくれてる人に...

隣に座るルキアも借りてきた猫みたいになってる

 

 

僕はレンフレッドさんの家に転がり込むようにやってきた

とりあえずと上げてもらったが一息つけば事情の説明を求められるのは当たり前のことだった

たどたどしくそしてぼやかして話していればこうも言われる

 

「僕がここにいること、せん...エルダさんには秘密にお願いします」

 

レンフレッドさんは黙ってうなずいた

 

やっとすべてを話せる

最近のスランプのこと

羽鳥への先生の反応のこと

霧の中の声のこと

自分が弱いから体を使われたこと

そして彼女を傷つけたこと

逃げてきたこと...

 

話の切れ目切れ目でレンフレッドさんはいくつか質問を挟んで僕がそれにこたえる

話し終わったころには30分以上経っていた

 

しばしの沈黙の後

レンフレッドさんが口を開いた

 

「俺は...それを、君が”羽鳥チセ”にしたことを責めるつもりはない。君の身に起きたことは明らかな攻撃だ。俺のほうでその敵については調べてみよう。この間のオークションでの一件もそうだが、君に接触を図ろうとしている敵対的な存在があるのかもしれん。」

 

目つきのキツい人だが物言い自体はむしろ優しい

だが、

 

「気持ちはわからなくもないが、エルダから逃げたのはマズかった…」

 

一気に表情が険しくなる

 

「エルダは少々そっけない奴だが、それでも責任感はあるし君を守ってくれていた。黙って消えたとなれば...心配もするだろう。夜の愛し仔への反応は別に君を卑下していたわけではないしな。」

 

それはわかっていたはずだった...でも彼女に嫉妬していたのは事実。

彼女との違いを受け入れられなかった

アレを差と感じてしまった。

 

「矛先を羽鳥チセ(あっち)に向ければどうにかできると思ってたんです。劣等感を…自分に向けるべき感情を他人(ひと)に恨みにしてぶつけた。先生のことはわかってました。あの人はそんな人間じゃない。でも僕は先生に…エルダさんにそんな弟子を持っていてほしくなかった。あの人の弟子に惨めで醜いやつがいるのが嫌だったんです。」

 

言ってしまえば自分の問題だった

自分で蹴りをつけなければならないというわかりきっていた事実

レンフレッドさんは今度は静かに話を聞いていてくれた

そしてこっちを見つめ

 

「君の言いたいことはわかった。身を隠すと言うなら手伝おう。俺と一緒に学院に来い。」

 

と言い切った途端顎に手を当てて後ろを向いてしまった

 

「ん…?だが生徒としてじゃまずいな。誰かの助手ってことで職員として……俺は手一杯だしな……ここを貸すのはアレに襲われるリスクもあるからな…あいつに聞いてみるか...」

 

何かブツブツ言ったあとレンフレッドさんは振り返り

 

「君をバーダーあたりの助手として一時期匿えないか取り合ってみよう。とりあえずついてきてくれ。俺の部屋にしばらくは寝泊まりするといい。」

 

「ここが家なんじゃないんですか?」

 

少なくとも中は広いが普通の家に見える

生活するための。

レンフレッドさんは妙に顔をしかめて

 

「まあ...そうなんだが。少しばかしここは今入れる状況になくてな。今日も必要な資料があったから取りに来ただけで今は研究室で生活してる。」

 

そういいながら彼はなくなった片腕の袖をつかんだ

前にあったときは腕があったはずだったが...

 

「まあ少しトラブルがあってな...ん?まてよ...」

 

話を濁されそうだったが以外にもレンフレッドさんのしかめっ面は余計深まることになった

 

「一つ思い当たる節がある。」

 

?僕のことについて?

 

「そうだ。君を襲撃した存在。直接それがやったとは思えんが関連している可能性はある。」

 

「だが仮にそれならその話は学院に戻ってからだ」

 

レンフレッドさんは興味をもって顔を上げた僕をせかすようにコートを羽織りだした

もう大して手のひらを温めてくれなくなったマグカップのコーヒーを飲み干して僕も立ち上がった

ルキアは影の中に入っていつの間に準備万端のようだ

 

「さて、こいつを首にかけて」

 

手渡されたのは首にかけるための紐のついた小瓶

中にはどこかで見たことのある結晶が入っている。先生がくれた本の中にあったな

なるほどこいつは相当な代物だ。

 

「これは俺の研究の成果でな。蓋を開けると...」

 

「二つの結晶が合わさりその反応でなんかできると」

 

「まあ瓶の構造を見てもらえばそのくらいはわかるか。まあ簡単に言えばそれで指定した場所に移動できる。それは学院に向かうものだ。先に行っててくれ。ついた先に俺の弟子が待ってる。話は通ってるからとりあえずそこで待っててくれ。俺もすぐあと追う」

 

「わかりました」

 

こくりとうなずき蓋に手をかける

ちょっとばかし怖いところはあるが...

 

パキッ!

 

蓋を開けると氷が割れるような音が響き目の前が凄まじい光に包まれた。

 

一瞬目がくらんで...視界が返ってくるとそこはさっきとは全く別の部屋だった

比較的広い部屋にテーブルと机と本と山になってる書類と...

 

「お、あんたが先生の言ってたセトって人だな。」

 

声の主はきょろきょろしている僕の目の前に立っていた

長めの金髪で綺麗な目をした女性だった。

服装は赤をメインとした割と鮮やかというか派手目な感じで少しボーイッシュにも感じる

 

「あ、あぁ...あなたがレンフレッドさんの言っていたお弟子さんの」

 

「アリスってんだ。」

 

少々ぶっきらぼうにも感じるが。彼女なりの警戒ってやつか...

そうこうしてると後ろから光が差してきた

 

「まだ挨拶の途中だったか。問題なくこれたようだなセト君。」

 

ゴホン。レンフレッドさんはずいぶんわざとらしい咳払いをして服を正して僕のほうに手を伸ばした。

 

「少しの間かもしれないが...ようこそ学院へ」

 

これから何が待っているのか...まだ払いきれない苦悩が頭にこびりつく中、その歓迎の言葉はあまりにも優しい光に思えた

 

 




本当に申し訳ない
なんかいろいろうまくいかない日が続いて話もうまく書けていない状況です。
でもめげずにうちきりにはしないつもりなのでお付き合いいただければ幸いです
一応初期構想で考えるとそろそろ序盤が終わるころになります
学院編からはちょっと描写にふわっとしたものが多くなりますが(なんせ原作で描写が少なすぎる)
ここで少しづつセト君とほかの竜舌蘭の花とも絡みが始まる予定
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