魔法使いの嫁〜AnotherStory〜   作:ケニーF

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ジャックの紹介を受けたセトはエルダのいるロンドンへ向かう

キャラ紹介
~ジャック~
小説版魔法使いの嫁金糸銀糸両編に登場する探偵
この物語は小説の物語の一年前なのでアレはいっしょにいない。
アニメなどのサブカルが好きで、好きな声優もいる。意外に欲につられるタイプ。


第七話『彩りの衣エルダ』

「今までお世話になりました。」

 

あれから一週間。あっという間に爺やは荷造りを終わらせ、息子の亮介さんが迎えに来る日となった。夜明け前の午前5時、すでに荷物は車に詰め終わり、家の前に止まっている。

爺やともこれが最後になるだろう。

 

「ああ。今までありがとう。元気でね。」

 

僕がそう言うと爺やは深々とお辞儀して車に乗り込んだ。

亮介さんは僕の方をちらりと見て軽い会釈をしてから車を空港へ走らせていった。

日が昇る。

太陽を背に走る車が見えなくなるまで僕はその場を動かなかった。

 

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「あんなにあっさりしたお別れで良かったのかい?父さん」

 

空港へ向かう車の中。運転手は隣に座る父親に聞いた。

 

「家族というものは互いに言葉が無くとも想い合える。そう言うものだよ。」

 

「古臭い考え方だなぁ」

 

小さなため息が聞こえる。

 

「そうかもな。だがお前ともその位になれるといいな、、、」

 

「うん。楽しみにしてる。」

 

太陽を背に受け車は空港へ向かう。

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日が昇る。

互いに新たな人生の1ページを迎えるに相応しい晴天だ。

 

僕が家に入ろうとすると後ろから聞き慣れた声が聞こえた。

 

「あんなにあっさりした会話で良かったの?長い付き合いなんでしょ。」

 

僕は振り向きながら答える

 

「家族ってのは、言葉がなくとも互いを思い合えるものなんですよ。ルーシィ」

 

そこにはあのセントールのルーシィが立っていた。

 

「なんか前時代的ね。嫌いじゃないけど。」

 

「ふ〜ん、それは良かった。で、貴女は何故ここに?」

 

「ああ!そうそう。ジャックから届け物を頼まれたの。」

 

「届け物?ジャックさんから?」

 

僕はあの日の記憶をたぐった、、、

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「そうそう。」

 

事務所を出ようとした僕にジャックが声をかけた。

 

「推し以外に何か必要ですか?」

 

「必要なのは私じゃなくて貴方よ。一週間したらあるものを届けるわ。」

 

「あるもの?なんです?」

 

僕がそう言うとジャックはちょっと悪い目をして言った。

 

「密入国用の特別飛行機のチケットよ!」

 

なぜか楽しそうだ。

 

「えっ!どうしてエルダさんに会いに行くだけでそんな物騒なものが要るんですか?」

 

またしても恐怖を煽られてる気がする、、、

 

「まあまあ、そう怖がらないでよ。非公式の公式だから大丈夫よ。」

 

「非公式の公式?」

 

(矛盾してないか?)

 

「国や世界のトップの更に一部は、魔法の存在を知っている者もいるの。だから非公式の公式。エルダの元でなにかしらの措置を受けたとして、当分帰ってこられないかもしれないでしょ。イギリスの簡易ビザは6ヶ月しか持たないからそれ以上の期間が必要になったとき、いろいろな申請は面倒でしょ?」

 

「まあ、確かにそうですね。」

 

「そこで役立つのがこのシステム。カレッジに登録している魔法使いや魔術師限定で、ビザなしの移動ができるの。今回はちょっと特別だけど、行きと帰りのチケットを私が取っておくわ。」

 

カレッジ特権恐るべし、、、

しかしワープの魔術とかって無いのだろうか?それがあれば飛行機要らないような気もするが、まあ気にしないでおこう。

 

「ありがとうございます。」

 

「一週間で届けるからね。忘れないでよ!」

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完全に忘れていた。

 

「あなた。忘れていたでしょ。」

 

ルーシィ、君の読心術に磨きがかかってるよ。

 

「わ、、、忘れてませんよ!ただ、貴女が届けに来たので驚いただけです。」

 

「ふーん 。私は基本こういう運び屋をしてるの、そういうことではいこれ。」

 

そう言ってルーシィは僕にチケットの入った封筒を渡した。

真っ白な封筒にはいまどき珍しい封蝋がしてある。

 

「ありがとうございます。ジャックさんにもよろしくお伝えください。」

 

「分かったわ。それじゃあね。」

 

そう言って、ルーシィはあの時のように光を放ったと思ったら消えていた。

 

「相変わらず、はしっこい人だ。」

 

さあ僕も家に戻ろう、、、

 

 

一週間。それはソニ○クのように過ぎ去るもの。

僕は今ジョン・F・ケネディ空港の特別ターミナルにいる。あの封筒にはチケットと飛行機の乗り方が書いてある手紙が入っており、その指示どおり行動したらいつの間にか辿り着いていた。しかしトイレが入り口とは、、、

周りに人の気配はなく寂しくアナウンスが響いていた。

 

9と8分の6ターミナルにお越しのお客様にご案内します。

ロンドン行5:30発1便のお客様のご案内を開始いたしました搭乗口4番でお待ち下さい。

 

誰もいないターミナルを進み四番口へ向う。そこから飛行機までは特に何もなく、指定どおり最前列の窓際に腰を下ろした。やはり誰も乗ってこない。 出発してからも人の気配はやはりない。 僕の孤独を満たすものは ポケットに入ったスマートフォンと ウォークマンだけだった。音楽を聴きながらチケットを受け取った次の日を思い出す、、、

 

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「自分探しにイギリスへ行く!?しばらく戻らないから家の管理を頼むだぁ!?」

 

「うん」

 

大きな声を出している従兄弟のショウ・シラカワに若干押されながら返す。

 

「爺やも居なくなったししばらく空けることにしたんだ。構わないだろ、ショウ兄さん。」

 

「まあ、構わないが、、、一体何でまた突然?」

 

「色々あってね」

 

流石にショウ兄には魔法使いに会いに行くとは言えない。

 

「しかし、、、まっお前が決めたらな好きにしろ。家のことは分かった。気をつけてけよ。」

 

「ありがとう。切るね」ピッ!

 

あんまり詮索する方ではなくて良かったぁと思いながらもやはり不安だ。机の上のチケットがただの紙切れに見えてくる、、、

 

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ロンドン・ガトウィック空港

19世紀まであった荘園が名前の由来の歴史ある空港だ。

頭で予備知識を反芻しながら飛行機から降りる。

いつの間にか誰もいなかった筈の飛行機には客が大勢乗っていた。

あれだけ魔法を見た今でもやはりその強力さに驚かされる。

空港を出てジャックのメモに書かれた住所へ向かう。ロンドン市内からずいぶん行った田舎の方でバスで3時間ぐらいかかった気がする。

 

(ふう、、、)

 

やっとの思いでたどり着いたエルダの家はすぐ近くに小さめな村と森のある場所だった。

空港の周りと比べればずっとおちついた場所で居心地のいい風が吹いている。

メモを片手に目的の家を探すと目の前に大きなバラの咲く庭が見えた。色とりどりのバラはその庭を持つ質素な

家を華やかにしていた。

 

「ここか、、、」

 

扉の前に立ち思わずつぶやきながらノックをする。心地良い木の音がした後、室内から何か小さいものが走り回る音がした。思わず首をかしげているとわきの庭から声が聞こえてきた。

 

「ごめんなさいね。ちょうど庭のハーブを見ていたところなのよ、、、あれ?あなたは村の人じゃなさそうね。」

 

どうやら魔法に携わるひとってのは美人以外いないらしい。

そこに立つ女性はどこか母性すら感じる美しさを持っていた。しかし一番感じるのは僕への警戒心だ。

 

「初めまして。私はセト・ナンブといいます。探偵のジャックさんからエルダさんって人を紹介してもらったのですが、、、」

 

警戒心を解くために口を開いたがなぜか固くなってしまい余計警戒させてしまった気がする。そんな心配をよそに女性はにこやかな笑顔で僕の目をまっすぐ見た。

 

「あら、じゃあなたがジャックの言ってた子ね。ごめんなさい。私はエルダ。巷では彩の衣(カラーズ)って呼ばれているわ。」

 

夏の日差しを受け僕の運命に新たな鼓動がやってくる




奇妙な運命
明かされる謎
そして生まれる新たな謎
セトは真理を求めある決意をする
次回『運命の謎』
謎が生むのは新たな罠
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