途中から主人公の一人称を変えます。俺って一人称は文章を書く時に普段使わないから書き間違えちゃうんですよね。論文や書類で俺って書く人なんていないでしょう?
※注意※
殆どの文章を改稿してます。一度見た人はかなり変わっていると思うのでもう一度見直してみて下さい。段落下げや「――」の使い方、言葉の表現などを全体的に補いました。
首筋へと強い刺激を受けて目を覚ます。
まず視界に映りこんだのは――
そんな男が、何故か俺の上に馬乗りになって顔を覗き込んでいる。
(全く以て意味が分からない。確か……俺はコンビニに行って…………)
どういうわけか、いくら考えてもそれから先が思い出せない。
「えっと、ここはどこで? あなたは誰ですか??」
困惑していた俺はそのまま男に質問をぶつける。何故か高い子供のような声が辺りに響く。そして困惑していた俺はますます混乱を極める。
「え? え? 何が? 」
それは突然だった。
「うるせえ!」
男はそういうと硬い警棒のような物で俺の首筋あたりを殴り付けたのだ。突然の暴力。しかもマウントを取られた状態での。これが俺じゃなくても対応できる者はあまりいないだろう。
「グアアァッ!」
痛みで視界が一瞬で真っ白になる。
しかし、これだけでは終わらない。男がそのまま警棒のスイッチを押すと、バチチチチとスパーク音がなる。
「ガァアアアアアアアアアッ!」
視界がチカチカとして焦点が合わない。目の前で火花散って星が舞うようになる。
――どれくらい続いたか分からない
流石に何十分もあんなことをされたら死んでしまうだろうから、数分だったのかもしれない。
なけなしの意識を集中して男の顔を見上げる。弱り切った俺を見て満足したのか、ニヤリと不快な笑みを向けてくる。
――頭が、割れるように痛い
電撃を浴びせられてからずっとこの調子だ。どうにか意識を保つのがやっとの状況だ。
「テメェは攫われたんだよ。まだガキだが色々と仕込んだら、裏のオークションで売っぱらう予定だ」
男は下衆な笑みを浮かべて俺にそう
――コンビニに行った帰りにどうして誘拐されて人身売買されそうになっているんだ!
どうにかして男の股の間から抜け出そうと
「おいおい、立場が分かってねえのか?」
そう言って、またも男は警棒を俺の首筋に添えてスイッチを押した。
「ギャアアアアーッ」
あまりの痛みに叫び声を上げる。だが、すぐに叫び声を上げるのすら辛くなって必死に我慢するのに切り替えてできる限り思考を巡らせる。
人気のない廃墟なのか辺りは瓦礫やゴミが散乱していて、これだけ叫び声を上げているのに、誰一人として人の気配がしない。
俺の抵抗が一切なくなったのを確認してか、男が俺の着ている衣服を脱がそうとしてくる。しかし、実際は抵抗をしなくなったのではなく、状況を理解しただけだ。
電流を浴びせられて、逆に俺の頭は冷静になっていった。
ーー
何故こんなことになっているのか、と記憶を掘り返していて気付いた。いや気付いてしまったのだ。俺の中に二つの記憶があることに。
それは、
――少女として生きていた記憶と俺の記憶だ
コンビニ帰りに落雷に打たれ、断線した電線に打ち付けられたと思ったらこの場所にいた。おそらく前世の死因である電流を喰らわせられたことが原因で記憶が蘇ったのだろう。輪廻転生なんてことが本当にあるなんて。
今はこの身体の本当の持ち主の少女の記憶と前世の男としての記憶が完全に混ざり合って統合された状態だ。
俺は
しかし冷静に状況を理解したところで現状は全く変わらない。
前世の記憶が戻ったと思ったら、浮浪者に捕まり貞操の危機な上に、売られてしまうなんて悲惨過ぎる。
だいたい男だった記憶も持つため、私の精神の半分は男と言ってもいい。そのため男に犯されるのなんて死んでも嫌だし、売り物にされるなんて御免こうむる。
ならば――隙を突いて逃げるしかない。
(それが駄目なら最悪――この男を殺す)
前世の死の瞬間を思い出して、自分と言う存在が無へと還るところを追体験してしまった、私に容赦などという甘い言葉は浮かばなかった。
――殺される前に殺す
私の決断はとても早かった。何の抵抗らしい抵抗も出来ずに死んだ前世の記憶が蘇り、凄まじい生への執念が湧いてくる。
理不尽に抗うことすら出来ずに死ぬのはもう嫌なのだ、と過去の無念を払拭するために胸中で決意を新たに固める。
幸い男は私の服を脱がそうとして私の上から退いている状態だ。だが簡単に逃げられるか、と言えばそういうわけではない。大人と子供では体格差もあって走る早さも異なるため、この建物の中から男を撒いて逃げるのは難しいだろう。
大人と子供が正面から争えば子供に勝てる道理はない。しかし、これも武器があれば結果も違ってくるだろう。
「……ふっ!!」
私は男の股間を全力で蹴り上げる――負の感情を乗せた、全霊の金的蹴りだ。コリッと何か軟骨のような物が、押し潰され変形したような感触が足の甲に伝わる。
この感触から私はすぐに復帰できないだろうことを察する。私は男だった経験があるため、この痛みが生半可なものではないことを知っているのだ。
男は声にならない声――悲鳴をあげて股間を押さえて蹲った。
今のうちだ、と急いで武器になりそうな物を探す。辺りには瓦礫や割れた硝子か鏡のような物が散らばっている。出来れば殺すのは最後の手段にしたいため、殺してしまう可能性の高い硝子や鏡の破片を避けて、建物の瓦礫を拾う。
そして、私は大きめの瓦礫を両手で掴んで、蹲る男を殴り付けようとした。
しかし、私が男の近くに寄ったとき――唐突に男が身体を起こして、
――持っていた警棒で私を殴りつけた
「きゃあっ」
唐突な反撃に私は成す術もなく地を転がる。
「テメェ調子に乗りやがって! ぶっ殺してやる!!」
男は懐から取り出した小さめの筒のような物から――小太刀を引き抜いた。完全に頭に血が上ってしまった様子で私を今にも殺さん、とばかりに血走った目で睨みつけてくる。
男の様子から墓穴を掘ってしまった可能性を察して、私は殴り付けられた脇腹を押さえ痛みを耐え忍んで立ち上がる。
そして男から目を逸らさないようにしながら、近くに落ちている物を拾おうと手を伸ばす――しかし始めに手に触れたのは、ただの大きめの木の棒だった。
運がない、と内心苦笑しながら木の棒を拾い上げる。木の枝だろうが、アイスピックだろうが上手く使えば人を殺せるだろうし、何ら問題はないと虚勢を張る。
金的を受けて悶絶していた、隙だらけの男はもういない。いるのは隙が無くなり殺意を満々と蓄えた、スタンロッドらしき警棒と小太刀を携える存在だ。
もう私に勝ち目は薄いだろう。
だがこんな理不尽な終わりは――断じて、認められない。
「おいおい、そんな棒切れで俺とやるつもりか? 大人しく捕まれば、さっきやったことを無かったことにしてやってもいいぞ」
男は思ってもいないことをペラペラと
例え木の棒でも目に突き入れて、脳を掻き回してやれば殺せる、
男はジリジリと少しずつ間合いを詰めてくる。左に警棒、右に小太刀を持っている。右から攻めたら待ち受けるのは小太刀だ。刃物を受けてしまえばひとたまりもないので左から攻める方が幾分かマシだろう。
圧倒的にこちらが不利なのだから攻められる前に攻めるしかない。私は意を決して――男の間合いに飛び込む。
男は警棒を大振りに構えて振り下ろした。私はそれをスライディングするようにしてどうにか躱す。体格差から男の行動はある程度読めていたため躱すのは容易だった。そして男の足元で両脚を揃えてバネのようにして飛び跳ねてその勢いのままに――左の眼球に木の棒を突き刺した。
私がそんな残虐な手段に出るとは思わなかったのか、見事に男の不意を突くことに成功する。男は痛みからか、両手に持った警棒と小太刀をただ乱雑に振り回して、私から少しでも距離を置こうとする。
その男の反射に近い行動に、私は咄嗟に飛び退くことで対処する。しかし完全に避け切ることは出来ず、警棒が脇腹に直撃し、小太刀が二の腕を少し掠めて切り傷を作る。
本来なら木の棒が眼球に突き刺さったところで脳みそをシェイクしてやろう、と考えていたのだが、脳に到達する前に振り払われてしまった。
男は自身の眼球に深々と突き刺さった木の棒を乱暴に引き抜いて、
「ガァアアッ、クソがクソが! テメェ拷問してから手足を切り落として、人体収集家に売り付けてやる」
……最初から分かっていたが、万が一捕まったら自害を試みた方がいいかもしれない。
殴り合いじゃどうあっても勝てない。せめて小太刀か警棒を奪えればまだ可能性があるのに。
既に眼球に突き刺さった木の棒は引き抜かれてしまったが、片目を潰したため左側に死角が出来ている。勝ち目があるとすればそこぐらいだろうか。
――死角を攻める
私から見て右回りに動いて隙をうかがう。
いくら怒り狂って正気を失いかけている相手でも流石にこちらの意図が読めたのか、私の行動を阻害するようと間合いを詰めてくる。
男は隙の大きい大振りはせずに、接近しながら私の動きを牽制をするように警棒を振り回してくる。私は今だ手元から動いていない小太刀に細心の注意を払いながら、やや乱暴に振り回される警棒を躱す。
だが警棒と小太刀にばかり注意を払っていたのが、間違いだった。
男が唐突に――右脚で蹴りを放ってきた、のだ。
私は思考の
体格差や重量差によって、またも私は地を転がされる。今日何度目かになる、大地への抱擁。少し埃っぽいが、ひんやりと冷たいコンクリートの床が私を抱き止める。一瞬、もう無理だ、諦めよう、という言葉が脳裏を過ぎ去っていったが私はその言葉を意図して無視する。
蹴りの衝撃と地面に叩き付けられた痛みで肺の中の空気がすべて吐き出されて、酸素が足りず脳の思考能力が落ちるのを実感する。諦めたいが、諦めたくない。どちらの気持ちが本当の私の願いなのか分からない。
だが、少なくともこの魂に刻み付けられた生への執念は諦めを――決して許さない。
自己を見つめ直したり、下らない問答を繰り広げたりする時間を与えてくれるほど相手は悠長な存在ではない。自身を殺そうとする相手は目と鼻の先なのだ。問答は相手を屈服させてからのんびりと考えればいい。このままだと何の抵抗も出来ずに死ぬことになるのだろうから。
転生したのか憑依したのかは分からないが、死が迫ってくるような気配を感じて前世での死の瞬間が思い出される。帰りを心配してくれた母からのメールやあまりにも呆気ない前世の死。死にたくない、死にたくない、…と恐怖に震えそうになる。
そして今、この瞬間にも振り下ろされようとしていた小太刀を怪我を覚悟して何とか受け止めようと両の手の平を掲げた。丸腰で武器を持つ者を相手取る、ましてや大人と子供の体格差のある。
――始めから勝てるわけなんて無かったんだ
諦めの念が過ぎ去る。掲げた両手は文字通り子供のように小さい手だ。小太刀を受け止めてただでは済まないだろう。
ただその瞬間が来るのをコマ送りの世界から眺める。
しかし、それは唐突に起きた
――私の両の手の平から閃光が迸った、のだ。
「…………はい?」
手の平から迸った極光は男の身体を貫き、
そして、さきほどまで怒りを全身に蓄えていた男は地に倒れ伏した。身体から微かに煙を立ち上らせて微動だにしない。
私は恐る恐る脈を調べてみたが確実に死んでいるようだ。あまりにも唐突で、呆気ない最期。
こうして、私の今生初の死闘は拍子抜けするほどあっさりと終わりを迎えた。
◆ ◆ ◆
どうやら、今世の私は
あの後、すぐに私はあの廃墟を出た。万が一、男の仲間がやってきたりしたら、また戦わされることになるから、かなり急いで逃げ出した。
一方的に搾取されかけたのが癪だったので、ちゃっかり男の持っていた警棒と小太刀と財布は盗んでやった。男の持っていたベルトを死体から剥ぎ取って、腰に巻きそこに佩剣するように差した。
盗んだ警棒と小太刀のせいで足が付いたら堪ったものじゃないので正直捨てたいが、さっき殺されかけたばっかりなのに手ぶらで出歩くほど無警戒ではいられない。最悪さっきの超能力でどうにか対処するつもりだ。
私の超能力は
おそらく街へと続くだろう街道沿いをただ真っ直ぐと歩きながら、私は手のひらで電気をバチバチと帯電させて超能力の練習をして、いざという時に備えている。
ちなみに、街道は廃墟のある森を抜けたら、すぐに見つかった。
あれから色々と記憶の整理をしていて分かったことだが、今世の私はまだ
両親に捨てられた孤児で、毎日必死に生き抜いていたところを捕まったみたいだ。出来れば元の世界に渡る方法を探したいとか思っていたのだが、これからの生活すら
超能力に目覚めたことで超能力者で溢れ返る世界を想像していたのだが、私の6年間生き抜いてきた記憶の中に超能力を使っている人が1人としていないから、もしかしたらこの能力は転生した私だけの特典のようなものなのかもしれない。
もし、そうなら万が一世間に露見してしまうと捕まって見世物小屋に売られてしまうかもしれないので、出来るだけ隠して生活していこうと思う。
街にはすぐに着いた。街と言っても検問があったりするわけではなかったので普通入ることができた。見た感じだと結構都会な雰囲気だ。日本の関東や関西あたりと比べるとそこまでないが、科学技術もそれなりに発達しているようでお金さえあれば何不自由なく暮らしていけそうだ。
とりあえず腹ごしらえに盗んだ財布で飯をたらふく食ってやった。紙幣は、種類が色々あっていまいち分からなかったので、それっぽい紙幣を渡したらお釣りが返って来たから大丈夫だったと思う。
その後、色々な店のレジを見て回って、ある程度貨幣の価値が予想できた。おそらく盗んだ財布には、日本円で5万円分くらい入っていたようだ。ちなみに、通貨単位はジェニーというらしい。浮浪者みたいな見た目にくせに財布の中身だけはそれなりだったようだ。
6年もこの世界で生活していたのに、貨幣価値がいまいち理解出来ていないのは、あまり紙幣を使う機会が無かったからのようだ。6歳だから読み書きが出来ないのでは?、と少し不安になって確認してみたが、ある程度の読み書きは出来るようなので一安心だ。この世界の文字は見た目だけなら前世の韓国語――ハングル文字に非常に似ている。丸や棒のような記号を組み合わせた、非常に簡素な文字だ。
そして、腹ごしらえも済んだので今は職探しをしている。だが6歳の親のいない子供を雇ってくれる場所なんて普通はないので非常に難航している。
私の超能力は攻撃くらいにしか使えないので、これだけでご飯を食べていくのは不可能だし、普通の手段でお金を稼がないと生活していけない。
このままでは埒が明かないので少しでも雇ってもらえる可能性のある個人経営の宿屋または食堂を巡って、住み込みで働かせてもらえないかと聞いて回ることにした。
しかし、普通身寄りもなく、知り合いの子でもない者を家に入れたいと思う者はいないから、まったくと言っていいほど成果が上がらない。
「ごめんくださーい」
個人経営の三階建ての宿屋兼食堂があったので、迷わず突撃を決める。一階は食堂で、2・3階が宿屋のようだ。宿屋の方は分からないけど、食堂の方は昼時を過ぎているのだが、結構人が入っていて人気があることが分かる。
「はいはーい。あら、可愛らしいお嬢さんね」
返事をしてくれたのは、見た目30代のギリギリお姉さんと呼べるくらいの年齢の女性だった。
「で、何の用かしら?」
迷ってるだけ時間の無駄なので、直球でいく。
「えっと、もし迷惑じゃなかったら、私を住み込みで働かせてください! その分、お給料は少なくても構わないので」
「親御さんはどうしたの? もしかして、家出かしら」
女性は凄く困った顔をしてそう言った。
「違います。お父さんとお母さんに捨てられたから行くところがなくて、それでご飯を食べるためにお金を稼がないといけないから」
女性はますます困った顔をする。
(やっぱりダメかなぁ……)
回った店はこの店でもう10軒を越える。大きな街だからそれなりの数の宿屋や食堂があって片っ端から聞いて回ったけど、今のところめぼしい成果は得られていない。
「うーん、行くところがないのね……分かったわ。幸い家には空いている部屋もあるし、貴方を雇うことにするわ」
「ほ、本当ですか!?」
渋っていたため断られるだろう、と思っていたのだがまさか了承してもらえるとは。最悪今日は適当な宿屋に泊まって、また明日職探しをしようかと思ってたから非常に助かった。
もし仕事が見つからなかったら、森で狩りでもするか、万引き紛いのことでもやって生計を立てないといけなかっただろうし、ようやく光明が見えた。
「ただし、弱音を吐いたり、サボったりしたらすぐに叩き出すからね!」
「はいっ、絶対にサボらないし弱音は言いません! 任せてください」
こうして、私の新たな生活が始まるのだった。
キルアのパクりです。ただしキルアの念とは相性が良すぎて逆に悪いです。色んな意味で。
念空間の能力の方は後で出てきます。
主人公は幼女と男子高校生がフュージョンした合法ロリ(?)です。色々と理由があって中身もかなりロリ寄りになっているのでロリ成分70%くらいを想像してもらえれば。今のところは男子高校生の記憶(主に死の直前の)を宿した超能力幼女だと思ってもらえれば問題ないです。
あと分かりにくいですけど主人公の記憶は電流がトリガーなって蘇りました。電気ビリビリされて記憶が浮き上がってきた感じです。