転生者は平穏を望む   作:白山葵

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第11話 愛してるゲームでタイマンです! 中編

『さぁ! インターバルも挟み、続いての挑戦者です!』

『そうですねぇ。続いては私もファンの、聖グロリアーナのダージリン選手。どんな散り様を見せてくれるのでしょう!?』

『両者、席に着き…ン? オレンジペコ選手が近づいて行きますね? 激励でしょうか?』

 

「ダージリン様」

 

「ペコ? どうしたのかしら?」

 

『おぉ! 激励の割に、不安そうな表情! 一瞬こちらを見ましたが、ゴミを見るような目で見られました!!』

『…お前は、前回が前回だったからな…。思いっきりバレてたし…』

『それに関しては、私…諦めております。ですから、思いっきり開き直りたいと思います! おぉっと、舌打ちをされました』

『楽しんでるなぁ…』

 

「ダージリン様…大丈夫なんですか?」

 

「あら、心配?」

 

「それはそうです…。バニーガールの衣装って、ご存知なんですか? 下手したら、お嫁にいけませんよ?」

 

「ふふ…なぁに。勝てば良いのです、勝て『 負けると分かっていて、勝負をするのは、無謀というのですよ? 』」

 

『……』

 

『隆史様、変に悪乗りしてしまっていますし…正直、聖グロリアーナの隊長がする格好では、ないと思うのですよ』

『ペ…ペコ。…オレンジペコ? 貴女は、私が勝算も無しに挑むと…それ以前に、私の勝利を信じてないのかしら?』

 

 

 

 

「 はい、微塵も 」

 

 

 

「 ………… 」

 

 

『即答!! オレンジペコ選手、即答!! いやぁ…彼女の引きつった笑み…というのも、また格別ですなぁ! 中村さん!!』

『そうですね!! オレンジペコ選手に、バニーガールの格好をさせられるの前提の激励をもらって、嬉しそうですねぇ!!』

 

 

「もうこの際、諦めて棄権した方が…」

 

「…だ…大丈夫よ? 私、今回…少し本気を出そうと思って…『 付け焼刃って言葉をご存知ですか? 』」

 

「 …………………… 」

 

 

『きっつい!! オレンジペコ選手、本気できっつい!!』

『ダージリン選手に、諦めさせる気満々ですねっ!!』

『中村さん! これは、私の推測なんですが…』

『聞きましょう!!』

『オレンジペコ選手…ダージリン選手が、例え負けたとしてですね?…あれって、遠まわしに、尾形選手にダー様のバニー姿を見させない為の……ひぃ!?』

 

 

「 …少し……黙っていて下さいますか? 」

 

 

『いやぁ…珍しく、林田さんが、鋭い発言をしたと思った矢先…眼力で止められましたね…』

『…まさか年下の女の子に、ここまでの圧を感じるとは思いませんでした…………がっっ!!』

『はい! そうですね!!』

『もはや、時間です!! そろそろ試合開始となります!! はぁぁい、オレンジペコ選手は下がって……下さい』

『彼女、今舌打ちしましたね…。林田さん。その年下の女の子に…ビビリすぎです…』

 

 

「ふ…ふ……ふふっ! 大丈夫です! なぁに、例え、負けたとして…それならそれで、少々恥ずかしいですが…その衣装で、悩殺……」

「……」

「ぺ……ぺコ?」

「…もう、いいです。知りません」

 

 

『いいですね!! 「悩殺」と言った所での、ダー様・前かがみ!!! 是非、バニーで谷間………を…』

『…林田。気持ちは痛いほど理解してやるが……お前、もうオレンジペコ選手の前でしゃべるな。めっちゃ睨まれてるぞ』

『……』

『…で、では、試合開始です!!』

 

 

『まずは、ダージリン選手からの…お願いですが…』

「よ…よろしくてよ? 自分で言います」

『あ…はい、お願いします』

 

「ん…んんっ!! 私からは…隆史さんに、「私の一日専属執事」を、お願い致します」

 

《 !? 》

 

 

『…なにそれ』

『林田さん! 素! 素になってます! 私は分かりました…アレですね…。大洗学園準決勝後の…アレ』

『は?』

『島田家の執事の格好をさせられてたんだよ、尾形。んで、どうにも女の子って…ああいうの好きだよな?』

『はぁ? 良くわからんが…尾形のんな格好…八九三か、シークレットサービスにしか、見えんだろ』

『同意はするが……彼女に聞いてくれ』

『なんか、その手があったか…って、顔してる連中がいるけどな…NG……も、出ないな』

『はぁい!! それじゃぁ、それで試合開始』

 

「……」

 

『さぁ! 尾形選手、身構えたぁ!! 先程のケイさんの件をまだ引張ているのでしょうか!?』

 

「では、それで隆史さんも、宜しくて?」

 

「あぁ…構わない」

 

「一日執事……私が起床、睡眠する迄ですからね!」

 

《 !!?? 》

 

「分かった」

 

「試合開始が、宣言されておりますから、変更はもう効きませんよ!?」

 

「ず…ずるい! ずるいです、ダージリン様!!」

 

「ペコ? こう言ったチャンスは、最大限に活かすものよ?」

 

「…ぐっ……」

 

 

『…あれに起こされて、何が嬉しいんだろ』

『まぁ…人それぞれだ…。はいっ!! では、ダージリン選手の攻撃です!!』

 

 

「ふ…では。こ~~んな、言葉を知っていて?」

 

「ダージリン」

 

「あら? 流石に今回は、邪魔は許しませんよ? 淑女の愛の言葉を、遮るなんて…「先に、宣言しておく」」

 

「……何かしら?」

 

「ダージリン。お前の格言は今回潰さない。好きに言え」

 

「ふむ?」

 

「だが…格言を何かしら言った時点で…俺からの要求レートを、5倍に跳ね上げる」

 

「なっ!!??」

 

「…では、どうぞ」

 

 

『尾形選手! 今回、先手を取ったぁ!! 攻撃では無いので、これは有効!! ジャンケンで言えば、出す手を宣言しているのと同じです!!』

『少し違いますが…まぁいいや。 おや?…ダージリン選手、いきなり狼狽えだしましたね』

 

『林田さん。そう言えば、尾形が前に言ってましたね』

『そうですね、中村さん』

『格言を言う事は、彼女自身の趣味でもあるが……勝負前は、一種のルーティン様なものだと!』

『要求倍率を上げる宣言で、それを封じに掛かりましたねぇ。そしてそれを、言う言わないの選択をさせ…更には調子を整えさせない』

『そうですね! しかも! 皆さんの要求の返しが、バニーガールの衣装です! 更にその5倍!! 尾形選手! 一体、何を要求するつもりでしょうか!?』

『これは一種の脅迫ですね! 素晴らしいですね! あのクズ野郎!!』

『はい!! 素晴らしいです!!!』

 

「なっ…えっ……こ…こんな……言葉……いえっ!!」

 

「……」

 

「5倍…」

 

「……」ニタァ…

 

『ダージリン選手!! 持ち時間が、もうありません! 完全に迷ってしまって、オロオロし始めました!!』

『はぁい!! そして、今一瞬、尾形選手が微笑みました! あの尾形選手の笑顔は、絶対に尾形(邪)になってると思われます!!!』

『なんで、あんなのがモテるのでしょう!? 理解に苦しみます!!』

 

『……あ』

 

『どうしました!? 中村選手!!』

『…オレンジペコ選手の林田さんに対する態度で、確信したのでしょう…』

『はい?』

『…あからさまでしたからね……。先日の盗撮現場。そこにいた事を、白状しているのと、一緒でしょう…』

 

 

「「「  」」」

 

 

『あ……聖グロの選手達が、絶句した…』

『あぁ最後、カメラ握り潰し前になんか言ってたなぁ…』

 

「ほら…どうした、ダージリン。時間がないぞ?」

 

「…くっ!」

 

「どうする? 格言を言うの? 言わないの?」

 

「……ならばっ!」

 

「……」

 

「こ…こんな言葉を知っていて? 『愛とは信頼。人を愛するときは。完全に信じ…」ピピピピッ! ピピピピッ!!

 

「………………」ニタァァァ

 

「」

 

『決死の覚悟で、格言を口にした所で、すでに遅し!!』

『ここで、アラームが響きました!! ダージリン選手の時間切れです!!』

 

『最後、尾形選手に、完全に目的をすげ替えられましたね!! 格言を言う事ではなく、今言う事は、「愛している」の一言でしたね!!!』

『取り敢えず、言っておき…尾形の攻撃に耐えれば、次の攻撃ができたでしょうに!』

 

「!!」

 

『尾形選手が、すげぇ邪悪な笑みを浮かべてますね…』

『いやぁ…あっけなかったですね』

『そうですねぇ…。尾形(邪)選手…彼女に、何を着させるつもりなのでしょう…』

 

 

「なっ!? まっ! まだ、勝負の決着は、ついていませんわよ!?」

 

 

『『 …… 』』

《 …… 》

 

 

「なんですか!? その哀れむような…「ダージリン」」

 

「ひぅ!?」

 

『はい。では、尾形選手のトドメのお時間でーす』

『尾形選手のターン』

 

 

「な…なんですの? なんで、いきなり真顔に…」

 

 

 

「 こんな言葉を知っているか? 」

 

 

「!?」

 

「『 愛とは、二つの肉体に宿る、一つの魂で形作られる 』…だそうだ」

 

「 」

 

 

『おい…なんか、尾形がトチ狂ったぞ…』

『…あいつ…変なスイッチ入ったな……』

 

 

「ア…アリストテレス……」

 

「そんな訳だ。…だから、ダージリン」

 

 

 

「 愛してる 」

 

 

「 」

 

 

『…殆ど、プロポーズだな…』

『頭の良いダージリン選手ですしね。意味は即、理解したのでしょう。今までのエグイ方法を取られた事すら、忘れていそうですね』

『完全に動きが固まってしまってますね! 真っ赤っかですね!』

 

「 」

 

「…………」

 

『オレンジペコ選手の顔が無表情すぎます! というか、この部屋の空間怖い!!』

『あっ! 西住さん…息してるか?』

『最初の尾形の攻撃が、まだ響いてるみたいだな…真っ赤になったまま、壁に向かってブツブツ言ってる』

『なるほど…全ては、こういった場合の為に、西住姉妹を先鋒にしたんだな…すげぇな、会長』

『はい、では…』

 

『 尾形選手の勝利!! 』

 

 

「  」

 

 

『いやぁ…大きなため息しか聞こえてきませんねぇ…。あぁやっぱりか…と』

『しかし、尾形選手。相手の格言を封じておいての、自身からの格言攻撃』

『汚い! さすが尾形、汚い!!!』

『なまじ、格言慣れしている彼女には、痛恨の一撃でしたねぇ』

『さぁ! 尾形選手! 彼女になんの要望をするのでしょうか!?』

 

「 」

 

「ダージリン」

 

「ひゃぁ!? な…なんでございますですか!?」

 

「…日本語が変だぞ?」

 

『なんだろう…青かな? 確かカードの衣装の時も、ダー様は青! っとか、嬉しそうに言ってたよな?』

『そうだな。そこからの5倍ってなんだろ?』

 

「ダージリン。大丈夫だ。バニーガールの衣装なんて、言わないから」

 

「えっ!?」

 

「5倍と言ったが……そうだな、水着でも着て見せてくれ」

 

「水着? え…ちょっと拍子抜けですわね…」

 

「どうだ?」

 

「ま…まぁ、去年もそれで写真を撮られましたし…そんな事で宜しければ構いませんが…」

 

『バニーの5倍が、水着…』

『なんという、微妙差…。人によっては、そっちの方が嫌かも知れないけどな』

『尾形にしちゃぁ、普通だな』

『そうだ…な……』

『中村?』

『そうだ…相手は、尾形(邪)だ……。普通の水着だと…到底思えんぞ…』

『…ビキニかな?』

『……』

 

「ん? あぁ、それそれ」

 

「ビキニ? ま…まぁ? それくらいなら…少々、恥ずかしいですが…」

 

「……」

 

『はい! では、本人の了承も取れた所で、試合終了!!』

『いやぁ…尾形選手…最後、微妙でしたね。バニーの5倍がビキニ水着とはねぇ』

『…………』

 

 

「はぁ…こんなにも、恥ずかしいとは…嬉しくはありましたが」

 

「ほら。だから言ったじゃないですか。ダージリン様」

 

「ぐ…ま……まぁ!? よろしいのではないでしょうか!? ビキニ水着が、あの衣装の5倍の罰ゲーム。許容範囲でしてよ?」

 

「はぁ…まったく」

 

「隆史さんも、結構……いえ。何でもありませんわ」

 

「では、席に戻りましょう」

 

「そうね」

 

 

『いやぁ…立ち直り、早いですねぇ、ダージリン選手』

『……』

『中村さん? 先程からどうしました?』

『…邪さが……あまりないのが、非常に気になる…』

『…ビキニ水着着ろってのが、邪さ無いか?』

『いやまぁ……考え過ぎか?』

『ほら! 次だ次! 今度は隊長達以外の番だぞ?』

『…あぁ』

 

 

 

 

 

「……………(マイクロビキニだがな…)」ボソッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『はぁぁい!! では、続いての選手、着席です!!』

『 』

『はい、林田さん! 息してください! 生きてますか!?』

『な…中村のケイさんに対する態度が、何となく理解してしまった…怖い……あの幼女怖い…』

『はい!! 林田さん!! 幼女とか言うものですから、更に睨まれてますよ!?』

『いや…あのサイズは、幼女だろ……ヒィィ!!??』

 

『はい! では林田選手は無視して続けましょう! 頭文字B!! 聖グロリアーナ所属! オレンジペコ選手!!』

 

 

「B?」

 

「き…気にするな、オペ子」

 

「はぁ…隆史様がそう仰っしゃるのでしたら…」

 

「ペコ…散々、私に言っておいて…結局、自分も参加するんじゃないの…」

 

 

『はぁい! 今回はスムーズに進みそうです!! まずはオレンジペコ選手の要望から……んだよ、林田』

『いや…オレンジペコ選手って言うの……結構名前長いし…俺らも縮めて言えば? お前、噛みそうだぞ?』

『俺らも、「オペ子」って、呼ぶって事か?』

『そうそう。オペ子選手』

『マジでな? 林田…それは、やめておけ。その呼び方で、尾形以外が呼んだら……彼女。多分じゃなくて、確実に本気でキレるぞ』

『やめよう!!』

『早いな!!』

 

「あ、汚ぶ……いえ、司会者さん。少々宜しいですか?」

 

『……』

『お前の方、じっと見て言ったな、今』

『……な…………なんで、ございましゅる?』

『俺も、ケイさんの前だと、こうなるのだろうな…』

 

「先攻後攻の順番は、変えてもよろしいのでしょうか?」

 

『はい? オレンジペコ選手が、後攻になりたいと?』

 

「そうです!」

 

『別に構いませんが…。いきなり終わる可能性とか…延長戦になった場合、そのままですので、攻撃回数が減って不利になりますが宜しいのでしょうか?』

 

「はい、かまいません」

 

『お…? 尾形が動揺した…ふむ。面白いですね…いいでしょう! 認めます!』

『では、オレンジペコ選手のお願い発表は、後回しです! 終わった後に発表とします!』

『はい! それでは、尾形選手の攻撃です!!』

 

「……」

 

「……」

 

『あれ? 今までとパターンが違う…』

『あ、そうか。今までは、彼女達のお願いを聞いての攻撃だから、ある程度腹が決まっていた状態だからな』

『オレンジペコ選手…ニッコニコしながら、尾形の言葉を待っている…』

『あぁなるほど。これはやり辛い』

 

 

「…ふぅ」

 

「ぅっ!!」

 

 

『あ、尾形選手! 漸く覚悟を決めたか!? まっすぐ彼女を見つめたぁ!!』

『時間もあまり残されていません! さぁ…何と言う!!??』

 

 

「…オレンジ…いや、オペ子」

 

「はっ…はい!!」

 

 

『おや…オレンジペコ選手、背筋を伸ばした!!』

『態々後攻…何か、考えがあるのでしょうか!?』

 

 

「…う……その……」

 

「……」

 

 

「お前を……あ…愛してる」

 

 

「っっっ!!!!」

 

 

『きめぇぇぇ!!! 尾形選手、顔が真っ赤です!! 小細工がない!! すっげぇ、スタンダード!!!』

『本来ならこの時点で、負けが確定ですが、今回はそのルールは適用されない!! ですがぁぁ!!』

 

「ふっ……ぅぅう…うううう…」

 

『あの一言で、同じく真っ赤になって俯いてしまった、オレンジペコ選手の負けぇ!!』

『尾形選手の、勝利です!! 速攻!!! すげぇ早く、試合が終わってしまいましたぁぁ!!』

 

「こ…これは……良い……これは良いです…」

 

「ぐ…無欲で来られると…すげぇ言い辛い…」

 

『瀕死!! 両者瀕死!!!』

『がっ!! オレンジペコ選手!! どこか……じゃないな。すげぇニヤケテル…』

 

 

「ふぅ…落ち着いてきました…」

 

「オペ子…? どうして後攻を選んだんだ?」

 

「え? あぁ…私が勝てると、思いませんでしたし…」

 

「……ギ…」

 

「あ…愛してっ!! …なんて、恥ずかしい事、まだ私には言う勇気はありません…」

 

「……」

 

「ですが……まぁ…言われては……見たかったので…」

 

「………………」

 

 

『カワイイ!!! 何、あの天使!! すげぇハニカミながら!! すげぇ照れながら、白状してます!!!』

『尾形の汚れ具合が、余計に浮き彫りになる程の真っ白!!! 一瞬見せた、黒いのはどこへ!?』

『更に!!! オレンジペコ選手の要望がこちら!!』

 

『 「また、一緒にお茶会をして下さい」 』

 

『純!! すっごい、お願いらしいお願い!! 他の方と違い、汚れてません!!! 純  粋!! 他の方!! 睨まないで!!!』

『ではっ!! 続いて、勝利者の尾形選手!! このお願いを聞いての要望を言ってください!!』

『……これで、バニー着せたら、マジでただの屑だよな…』

 

「着させねぇよ!!」

 

『いやぁ…でも、尾形だし…』

『だな』

 

「こ…これが終わったら、覚えとけよ…お前らぁぁ」

 

『はいはい。いいから、続けろよ』

 

 

 

「はぁ……では、オペ子」

 

「はい!!」

 

「俺の要望は…」

 

「は…はい」

 

「また…お茶でも入れてくれ。…オペ子のお茶が飲みたい」

 

「は…………はいっ!! 喜んで!!」

 

 

『…空気読んだな、尾形』

『チッ…つまらん』

『オレンジペコ選手。すっっげぇ、いい笑顔だ…』

『しっかし、すげぇな彼女。尾形(邪)を尾形に戻した』

『だな』

 

 

 

「あっ! では、隆史様」

 

「なに?」

 

「あの衣装を、着ましょうか? その格好で、お茶入れます?」

 

「はい? 衣装?」

 

「 メイド服 」

 

「…………」

 

 

 

『『 …… 』』

《 ……………… 》

 

 

 

「あ…あれ? 言っていませんでした? 私にメイド服、着て欲しいって…」

 

「…言ったっけ? ……あれ?」

 

「や…やめておきますか?」

 

 

「  オ ネ ガ イ シ マ ス  」

 

 

 

『あ…あいつ、即答しやがった…』

『気持ちは分かるが…彼女、すげぇ似合いそうだしな』

 

《 ………… 》

 

 

「あ、バニーガールも着ます? 私は構いませんが」

 

《 !!?? 》

 

 

「   オ ネ ガ イ シ マ ス ! !   」

 

「はいっ!♪」

 

 

『……』

『……』

『…中村さん』

『はい…。彼女……お茶を入れる、衣装を着る…今の会話で、最低2回は、尾形と会う約束を取り付けましたね』

『瀕死とはいえ…西住さん、目の前にいるのにな。あえて今、それを聞いたよな?』

『……女……怖い……』

『今……試合には負けたけど、勝負には勝った。そんな言葉を思い出しました…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さ…さぁ、次行きましょう』

『はい……はぁい!!! では、続いての挑戦者!!!』

『見た目が完全、エルフ顔!! 意味が分からない人は、感じろ!! イメージしろ!!!』

『アンツィオ高校、数少ない常識人!! カルパッチョ選手!!!』

『……』

『…なんで、逸見選手が顔を左右に振ってるんだろう…』

 

 

「楽しみです!!」

 

「…お前は、やっぱり出るんだな」

 

「なんか、すげぇ笑顔っすね、ドゥーチェ」

 

「こんな機会、中々ありませんからね!」

 

「そうそうあってたまるか!!」

 

「あら、ペパロニ? ドゥーチェは兎も角、貴女は出ないの?」

 

「アタシか? あ…アタシは、恥ずかしいから遠慮しとく…」

 

「言うのが? でしたら、オレンジペコさんの様に、後攻でも…」

 

「言うのも、言われるのも恥ずかしいんだよ!!」

 

「……ヘタレねぇ…」

 

「…おい、今、なんてった? よりにもよって、この私に対して、ヘタレだ…「なら、参加すれば?」」

 

「……」

 

「……」

 

「ヘ……ヘタレッす…」

 

「ペパロニ…」

 

 

『はぁぁい!! カルパッチョ選手!! すっげぇ、やる気ですね!!』

『では、彼女のお願い……』

『…中村?』

『修正…もしくは、NGが連発して…最終的には、お願いが……無い』

『…は?』

 

 

「私は、ただ参加するだけで、結構です!! 隆史さんからのどんな要望にも、しっかりとお応えしますので大丈夫です!!」

 

「え…んなら、俺も要望なんて出さな…「  大丈夫です!!!  」」

 

「……」

 

 

『彼女…ただ、参加したいだけか…物好きな…』

『いや…だから、NGになったお願いが多すぎて、最終的にはお願いが、尽きたって話しなんですが…』

『…何頼んだんだろ。いやっ! 知らない方が良さそうだ!!』

『そうだな!! 正確には、どんなお願いも会長が拒否しだして、結局は参加のみって話で、落ち着いたみたいなんだ』

『……』

『……常識人?』

『ま……まぁっ!! 今回は、ギスギスしないで、良さそうだ!!! では、試合開始となります!!』

『はぁい!! カルパッチョさんからの、攻撃です!!』

 

 

「これ…今回の試合、なんぞ意味があるのか?」

 

「隆史さん! では、行きますよ?」

 

「あ、はい」

 

 

『カルパッチョ選手、背筋を伸ばして構えたぁ!』

『さぁ今回、ある意味で気が楽です!! どんな攻防に…』

 

 

「隆史さん! 愛してます!」

 

「…はい」

 

 

『すんなり言ったぁぁ!!』

『笑顔です! フランクな感じが、とても良い!!』

『尾形選手も、あまりに軽く言われ、戸惑ってますね!!』

『では、尾形選手の攻撃に移ります! どうぞ!!』

 

 

「で…では、カルパ「愛してます」」

 

「…え?」

 

「愛してます。愛してますよ?」

 

「あの…カルパッチョ…さん?」

 

 

『……』

『…あの、カルパッチョ選手? 今は、攻……』

 

 

「はい、愛してます。ですから、「ひな」ってちゃんと呼んでください」

 

「いや…あの……それは、確か二人「今はいつでも結構です!!!」」

 

「……あの…なんで、手を握ったんですか…なんで前かがみに、なってるんですか!!??」

 

「大丈夫です! 私は、愛してます!!」

 

「あ…あの、ありがとう?」

 

「はいっ!!」

 

 

『……』

『……』

 

 

「…カルパッチョさ……ひなさん!?」

 

「そうです……愛してます…ワカリマセンカ?」

 

「ゲームですよ!? これ、ゲームですよね!!??」

 

「そうですよ。そう…愛してる……愛してる……アイシテル」

 

「」

 

「アイシテル…アイシテマス……アイシテマス…アイシテマス……」

 

 

『尾形の手を、両手に…包み込むように握り…何かブツブツ言い始めましたね』

『……アカン』

『中村さん?』

『コレ…アカン奴ヤ…』

 

 

「アイシテマス…アイシテマス……」

 

「ひぃなさん!! どうしたっ…乗り出してこないで!!」

 

「アイシテマス…アイシテマス…アイシテマス…アイシテマス…」

 

「ちかっ!? 近いっ!!」

 

「アイシテマス…アイシテマス…アイシテマス…アイシテマス…アイシテマス…アイシテマス…アイシテマス…アイシテマス…」

 

「こ…こわぁ!!」

 

「アイシテマス…アイシテマス…アイシテマス…アイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマス」

 

「」

 

 

「カルパッチョ…スイッチ。入っちゃったな」

「そっすねぇ…アタシ、止めたくないんすけど?」

「私だって嫌だわ!!」

 

 

「手を摩らないで!!」

 

「アイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマス」

 

《 ………… 》

 

「息遣いが、荒い!! ハァハァ言ってる!!」

 

「アイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマスアイシテマ…………」

 

「 」

 

「……なぁぁんですかぁ?」

 

 

「離れなさい」

 

 

 

「邪魔しないで、下さいます? ノ ン ナ さ ぁ ん ? 」

 

「……離れろと言っている」

 

「はぁいぃ?」

 

 

 

「 」

 

 

『情けない!! 完全に怯えてしまっている、尾形選手!!!』

『……いや、ありゃ…誰でも怖いだろ』

『そこに、ノンナ選手が乱入ぅぅ!!』

『……』

『いやぁぁ! 私は、ノンナ選手の方が怖……どうした、中村』

『…………西住さん、見てみろ』

 

 

 

『   』

 

 

 

「司会者の方」

 

『 』

『……』

 

「…司会者?」

 

『あっ!! はいっっ!!』

『ワラッテル……ニシズミサン……ホホエマシイ、カオデワラッテル……』

 

「…これは、ルール違反では?」

 

「はぃぃ? るーるぅ?」

 

 

『そっ…そうです!! 直接体に触れるのは、ルール違反です!』

『メモト……メモトニダケ、シワガ……』

『あくまで、言葉のみでのゲームですからね!!』

 

「………げぇぇ……ム。ゲーム!」

 

『よって! カルパッチョ選手の反則負け!!』

『ナニ……ナニアレ…』

 

「あ……あぁ! そうでした、ゲームでした!」

 

『いい加減、戻ってこい!! 林田!!』

『はっ!!!』

 

「ごめんなさい…少し、熱くなってしまいましたぁ」

 

「…少し? 貴女は、前からそうです。少し自重してください」

 

「いえ…そうですね。お恥ずかしい」

 

「 」

 

「後……いい加減、隆史さんから、離れなさい」

 

「エー」

 

「……」

 

「はいはい…まったく」

 

 

『カルパッチョ選手…怖いくらいに、即普通に戻りましたね…』

『…まさか、罰ゲーム無しの試合が…ここまで…』

 

 

 

「隆史さん」

 

「あっ!!! はい!!!」

 

「はぁ…いつまで呆けているのですか」

 

「こ…怖かった……あの状態、久しぶりに見た…」

 

 

「まったく…。さて…西住 みほさん」

 

「…はい?」

 

「……今。何故、貴女は動かなかったのでしょう?」

 

「カルパッチョさんの時ですか?」

 

「そうです。隆史さんのアノ状況です」

 

「…そうですねぇ…一言で言うと、これは、あくまで「ゲーム」ですからぁ」

 

 

『……こんな修羅場になるなんて…』

『見てる分には、面白んだけどな……巻き込まれるとは…』

 

 

「隆史君を信じてますから!」

 

「信じる?」

 

「…隆史君のお姉さんと、お話して……色々と…はい、色々と考えさせられまして…」

 

「……」

 

「隆史君は、無線で…私に振られない様に、頑張るって言ってました」

 

「…言ってましたね」

 

「でも、違うんです。寧ろ……それは逆で…」

 

「……」

 

「そう。私が、頑張らないと…」

 

「………」

 

「だから、取り敢えず…ヤキモチは、我慢しようと思っているんです」

 

「…………」

 

「はいっ! だから…ガマンシマシタ 」

 

 

 

『なぁ…くだらないゲームが、一気に怖く感じ始めましたよ、中村さん』

『……いやぁ……久しぶりだなぁ…ここまで、濃い修羅場は…』

『聞けや』

 

 

 

「はぁ…。理屈は、わからないでもないですが…みほさんは、それで……」

 

「はっ…」

 

「…エリカさん?」

 

「黒森峰?」

 

「もう良い? 次は私の番なのだけど?」

 

「…あぁ。「ゲーム」の」

 

「あの、オカルトじみたのも、自分の席に戻ったし…アンタ達も戻ったら?」

 

「…ふむ」

 

「……」

 

「不自然…」

 

「は? 何がよ。プラウダ」

 

「いえ…あそこまで、隆史さんに冷たい態度を…と言いますか、邪険にしていた貴女が、こんなゲームに参加するなんて…」

 

「…エリカさん」

 

「なに? 何か、企んでいるとでも言いたいの?」

 

「……」

 

「ま、なんにせよ、次は私の番。席で見てれば? …二人揃って…………ね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『はぁぁぁい!! 中断していたゲームも再開!! 次に行きますよぉぉ!!!』

『ぶっちゃけ、もう帰りたいです!!』

『これで! こんなに頑張って、司会しても無報酬ぅぅ!!!』

 

「まぁーま。干し芋あげるから」

 

『やっっす!!』

『…中村。もういいから、さっさと終わらせよう。後、少しだ』

『そうだな…次が逸見選手…会長…小山先輩…で、終わり…………ん? ノンナ選手…棄権? は?』

『そうなんだよ!? 見たかったのに!! あの真っ白い肌が、赤くなるのを!!!!』

『…んな事、言ってるお前がいるからだろ』

 

「そうです」

 

『ほら…』

『俺のせい!?』

 

 

「……」

 

 

『なんで、西住さん見てるんだろ…』

『…………』

『中村?』

『…女心ってさ…複雑そうに見えて、…結構、単純な事もあるんだよ』

『は?』

『…ノンナ選手が棄権した理由……分かった』

『おっ!? さすが、モテ男! なに!?』

 

『 死にたくないから、言わない。尾形にも教えない 』

 

『…分かった。ゴメン。俺も知らない事が良い事もあるって、実感してたから分かる。もう…聞かない』

『……成長したな、林田』

『嫌な方面にな!!! 今真夏なのに、ブリザードって言葉が何故か浮かんだ!!』

 

 

「漫才はもういいから、早くして」

 

 

『…あ、はい。スイマセン、逸見選手』

『すでに席についてますね…。お?』

『尾形選手!! かんっっぜんに、目を…というか、顔を逸らしてます!!』

『なんでか知らんが、すげぇ汗ですね!! ざまぁみろ!!!』

 

『では、次の試合!!』

『わんわんお! 逸見 エ「    ハ ?    」』

 

 

『 く…黒森峰 副隊長…逸見 エリカ選手です… 』

『…あの、ツンしかない人…なんで、こんなゲームに参加したんだろ…』

 

『では、逸見選手のお願い!!!』

 

 

『 「また行きましょう」 』

 

『……』

『……』

『何か、隠語でしょうか? 言った瞬間、尾形選手……真っ青になりました』

『いい気味ですね!』

『いい気味です!!』

 

 

 

「はっ…そういった訳で…いい? 隆史」

 

《 !!?? 》

 

「は……はい。よろしい…です……」

 

「ん? 何か…あぁ!! 私が、隆史を隆史と呼び捨てにしたのに、驚いてるのね!!??」

 

「あの…なんで、態々…大声で…」

 

「ぽっと出の女…なんて、思われたくないからよ」

 

「……」

 

「はっ…アンタ達とは…年季が違うのよ…」

 

 

『い…逸見選手? 流し目で…というか、完全に周りを睨んでおります!!』

『また!? また修羅場ァ!!??』

 

 

 

「さて……楽しみねぇ? 隆史」

 

「え…何が? ……で、ございましょう?」

 

 

「 数日前、()()()()()()()()()!!に、対して!! …()()()()がっ!! どんな愛を囁くのか… 」

 

 

「     」

 

 

 

 

 

 

 

「 ね? タノシミでしょう? 」

 

 

 

 




閲覧ありがとうございました

ダー様格言は、マリリンモンローです。

次回で終わり。が、乱入者有り。

ありがとうございました。
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