転生者は平穏を望む   作:白山葵

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第19話~麻子さんです!~

「大変!申し訳ございませんでした!」

 

もういい加減に見慣れてきたなぁ・・・隆史君の土下座。

地面にへたりこんだ、ダージリンさんに向かって頭を地面に叩き込んでいる。

あの転校初日とまた別の意味の土下座。

 

いやぁ本当の三角関係・・・それ以上かなぁ。初めて見たよぉ。

ちょっと憧れていたのと違う。

 

まぁ私に対してじゃないから、感覚が違うのかもしれないけどぉ・・・。

大洗のみんなも見ている中で、この姿は正直無いなぁ。

 

「・・・隆史さんは、私の事を、ああ思っていたのですね・・・。」

 

若干、涙声の真っ赤になったダージリンさんが隆史君を攻めている。

弱々しく攻めている・・・ように見える。

 

「いえ!微塵も思っていません!話を終わらせる為にしても、やり過ぎました!!」

 

「エセ外人・・・海外・・・。」

 

「すいませんでした!!」

 

サンダースのケイさんが、最後「まったねぇ!ダーリーン!!」って叫んでいたけど・・・あれって隆史君の事だよね。

みぽりんは殺気立って、「沙織さん・・・塩もってない?塩。」とか聞いてくるし・・・。

何で、あの状況から仲良くなっているんだろ?

 

黒森峰の怖い人達も、帰って行った。

ケイさんの「ダーリン」発言で、髪の毛の白い子は更に白くなってたなぁ。

引きずられて帰って行った。

 

そして今私達は、我が高校、戦車道、唯一の男子を見下ろしている。

 

「隆史さんは、私の思いは、どうでも良いのですね?」

 

そうだね。結局、隆史君の事でダージリンさん達、ここ迄来たんだもんね。

いやぁ最低だねぇ隆史君。

 

「・・・俺の事で、あそこまで怒ってくれたのは・・・正直・・・その、申し訳なかったというか・・。う・・・うれしかったけど・・。」

 

あ、珍しい。隆史君がデレた。ああいうテレ方は初めて見るなぁ・・・みぽりん!!

 

「・・・。」

 

満更でもない顔してるなぁ・・・ダージリンさん。

 

「感情的になって・・その、攻撃体勢に入ってしまったのは、本当に申し訳なかったと・・。」

 

「・・・ペコには優しいのに。髪の話も、どうせその限りの軽口ですのね?」

 

あ、そこ気になる。

普通、女の子の髪の毛触りたいとか・・・直接言われたらまぁ・・勘ぐるよね。

 

「え?いやあれは、本当だよ?ダージリンの髪下ろしたのも、結構マジで見てみたいし。モシャモシャしたい。」

 

・・・普通に答えたよ、この男。

 

「あの・・・隆史様。私達が、髪を下ろしたりしますのは、就寝前とか・・結構プライベートが、強い部分なんです。

 特にその、ダージリン様が髪を下ろしている姿って「紅茶の園」でも一部の人間しか見たことがないのですよ。」

 

ペコと呼ばれている娘が、説明をしている。

そうだよねぇ、あの結び方って時間かかりそう。

ふむふむ話聞いているけど、隆史君、絶対に分かってないよね。

 

「ですから隆史様が仰ってる事は、私達にとっては「プライベートに踏み込みたい」という意味でもあるんですね。」

 

真っ赤になりながら説明している。

 

「ふむ。」

 

あ、絶対に意味わかってない。

 

「しかも、触りたいだなんて・・。だから・・その・・・そういう意味に聞こえるので、あまり簡単に・・・。」

 

「寝巻きの時とかって事か。・・・それも見てみたいなぁ。」

 

「「 」」

 

「オペ子も同じような髪型してるよな。機会があったら、下ろした所を見せてくれ。」

 

「「 」」

 

ほら分かってない。

何で謝られてる方が、真っ赤になってアワアワしてるのよ。

 

「ふ・・二人同時・・。」

「同時にとは言ってません!・・・ダージリン様。やっぱり隆史様、意味分かってくれませんでしたよぉ!」

 

ほらほら、みぽりんが真顔になってるよ?

 

「ソソソそもそも、ア・・あんな事を耳元で言われてしまうし、もうお嫁に行けなくなりましたわ。」

 

・・・何言ったんだろぉ。顔真っ赤にしてるけど?

 

「み・・耳たぶを噛まれたことは意外でしたが・・・。」

 

・・・何してるんだろぉ。この男は。

 

「それに海外の事は、誰からお聞きになったのかしら?あんな事・・・人においそれと話しませんし。」

 

「え?ローズヒップですけど・・・。普通に教えてくれたけど?」

 

「」

 

・・・あっさりバラすし。

 

そして最後の手段とばかりに、隆史君は言い放ちました。

 

「・・・そうだなぁ。」

 

ピッ

 

「・・・一つくらいなら、お詫びに何でも言うこと聞かせて頂きますから、もう勘弁してください!!」

 

 

 

 

あ・・・。

 

ダージリンさんが、待ってましたとばかりにスクっと立ち会った。

隆史君、絶賛土下座中だから気がつかないかもしれないけど・・・いやぁダージリンさん。したり顔だな・・・というか。

 

すっごい悪い顔してる。

 

「わかりました。許可します。それを条件に、この度の事は忘れますわ。よろしくて?」

 

すっごい早口で言ったよ今。

 

「あ・・あれ?」

 

「いえね。あのエセ外人呼ばわりされた時辺りからでしょうか?隆史さんが感情的になっているって分かりました。大丈夫ですよ?心からの言葉と思っていませんわぁ。」

 

すっごい、いい笑顔してる。

すっごい、キラッキラしてる!!

ただ光の色が、すっごいドス黒いけど!!

 

「さて、何をして頂きましょうか?」

 

・・・すごい。さっきまでの様子とまるで違うよ。

 

携帯を取り出して、隆史君の前に出した。

 

あ。あの手帳型カバーかわいい。

 

携帯を操作している。

そして携帯から流れる音声。

 

『・・・一つくらいなら、お詫びに何でも言うこと聞かせて頂きますから、もう勘弁してください!」』

 

「ほら、しっかり「言質」も取りましたし。」

 

「」

 

・・・勉強になるなぁ。

 

「そうですわねぇ・・・。聖グロリアーナに転校して頂くとか・・・。」

 

「」

 

コキッって、横で音がした。

みぽりん!ダメだよ!女の子が首を鳴らしちゃ!

 

「でも、それはさすがに意地悪が過ぎますしねぇ。」

 

あ、みぽりんの方を流し目で見てる!!

 

そうですわねぇ・・・と考え込んでいるダージリンさん。

しかし一切、隆史君を見ないで、ずっとみぽりんを見てるし。

みぽりん!女の子がしていい首の角度じゃないよ!睨み合わないでよ!!コワイヨ!!

 

 

「どうしましょうか・・・。悩みますわねぇ・・・。」

 

う・・嘘だ。あの目は答えが決まっている目だ。そこは私でもわかるよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダージリンをイギリスに連れて行く事を、約束させられました・・・。」

「ふ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん。」

 

書記から報告を受けている西住さんが怖かった。

 

概ね思惑どおりだったのだろう。

書記からの答えを聞いて、満足した顔で聖グロリアーナの連中は帰っていった。

しかし、帰り際あのオレンジペコという奴から暫く見つめられた。

 

というか、全開で見開いた目で、凝視された。

 

最後に「貴女ですね。」とい言われた時、一瞬ゾッとした。

 

 

・・・一体何なんだ。

 

「ソッカァ。リョコウカァ。オンナノコト、リョコウカァ。」

 

「」カタカタ

 

「ヨカッタネ。アッ。オネエチャンニモ、ホウコクシテオクネ?アァ、オカアサンニモダネ。」

 

「」ガタガタガタ

 

結局、計算されて手の上で、転がされていた書記。

 

バカめ。罰が当たったんだな。

 

今日はここで、現地解散となった。

生徒会を含め、ゾロゾロ帰っていく。

 

すでに、空の太陽が夕日に変わっていた。

 

 

「スケコマシ先輩さようなら~。」

「スケコマシ先輩バイバーイ。」

 

 

1年に別れの挨拶をされる。

 

 

「尾形 タラシ殿、お疲れ~。」

「タラシ書記殿、その内に刺されるぜよ。」

「・・・お疲れ。」

 

 

歴女チームになじられる。

 

 

「・・・・・・・・・・・・死ね。」

 

 

バレーチームの一部というか、一人に蔑まれる。

 

 

「じゃぁ~ね~。・・・ダーリン。」

「か・・会長・・・。」

 

 

生徒会長に、結構本気な殺気を向けられる。

最後、真顔で棒読みだったな。

 

そして崩れ落ちている書記。

地面を見つめて何してんるんだ?

 

・・・蟻を数えていた。

 

仕方がない、慰めの言葉でもかけてやる。

 

「人気者だな書記。」

 

「大人気ですね♪ダーリンさん?」

 

「ダーリン君!モテモテだね!」

 

「隆史殿・・・。さすがにフォローできませんよぉ。」

 

「あ、二人から返信きた。」

 

「・・・殺せ。いっそ殺してくれ。」

 

何を言っている。他所でやってくれ。

そこで、沙織と西住さんより素敵な提案があった。

 

「さぁー。こっちも引きが上げるよぉ~。お祝いに特大パフェでも食べに行く?」

 

「隆史君の奢りね。」

 

「はい。隆史さんの実費ですね。」

 

「断る理由は皆無だな。」

 

「た・・隆史殿。」

 

 

「」

 

 

書記に、拒否権は無かった。

さて。一番値段が高いのは、どんなのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

ニャーニャーニャーニャー

 

「あ、鳴ってるよ?携帯。」

 

私の携帯から着信音が鳴っていた。

・・・何だ?この番号は。

 

「誰?」

 

「知らない番号だ。・・・はい。」

 

着信に出た。電話の向こうからは、知らない声がする。

実に事務的な、嫌な喋り方だった。

 

『冷泉 麻子さんの携帯でしょうか?こちら―・・・』

 

「・・・。」

 

はい。

 

はい。

 

それしか言えなかった。

 

運ばれた。

 

救急車で。

 

・・・街の大きな総合病院へ。

 

「どうしたの?」

 

はい。

 

・・・ちがう。いまのはさおりだ。

 

「・・・なんでもない。」

 

手が震える。

 

意識が無いと言われた。

 

意識が・・・。

 

「何でも無い訳、無いでしょ!」

 

・・・。

 

「おばぁが・・倒れて病院に・・。」

 

おばぁ・・・。

 

「麻子大丈夫!?」

 

・・・。

 

「早く病院に!」

 

そうだ。行かないと。

 

「大洗までどうやって!?」

 

「学園艦に帰還してもらうしか・・・。」

 

「撤収まで時間が掛かります・・・。」

 

・・・いなくなっていしまう、かぞくが。

 

かぞくが。

 

おばぁが。

 

「麻子さん!?」

 

「何やってるのよ!?麻子!」

 

靴を脱ぎ捨てる。

 

靴下も邪魔だ。

 

「・・・泳いでいく。」

 

「「「「えぇ!!??」」」」

 

「待ってください、冷泉さん!」

 

ダメダ。時間が無い。

止めないでくれ。五十鈴さん。

 

おばぁが。

 

おばぁが。

 

おばあちゃんが。

 

2度目なんだ。

 

今度は2度目なんだ。

 

もうダメかも・・しれない。

 

服も脱ぎ捨てる。

 

しかし邪魔をされる。邪魔をするな。

 

脱ぎ捨てられない。

 

邪魔するな!

 

・・・本当にコロスゾ。

 

「・・・何だ。何だ!!邪魔すな!!書記!!」

 

片腕で、私の腕と体ごと持ち上げられた。

 

足で蹴っ飛ばしても動かない。

 

 

「・・・俺が、何とかしてやる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冷泉さんを抱き抱えて、走った。

走った末。

撤収作業が、ほぼ完了した会場本部に来ていた。

周りに荷物が積まれている。

 

「お願いします!ヘリを貸してください!」

 

「・・・。」

 

会場本部にいた審査員などで、呼ばれていた自衛隊員達に頭を下げていた。

自衛隊は規律、時間、全てにおいて正確にと動いている。

 

しかし、イレギュラーにも対応できるほどの柔軟性も、もちろんある。多分に持ち合わせている。

そこに賭ける。

 

黒森峰を見送り、聖グロリアーナを見送り、サンダースも、もういない。

 

高速移動手段を持つ人達は今ここには、この人達しかいない。

 

「・・・俺のできる全てを使ってやる。」

 

「・・・。」

 

冷泉さんは、先程から呆然として俯いている。

暴れるのを途中でやめ、泣きそうな顔して黙り込んでいる。

 

その足下で、地面に頭を打ち下ろして頼んでいる。

 

「馬鹿ね。血が出てきてるわよ?」

 

額が切れたか。だからなんだ。やっと口を開いたかと思えば何だ。

そんな事聞きたい訳じゃない。

 

「・・・。」

 

女性の自衛官が、俺を見下ろしている。

人目につく往来でこの絵面は、非常に奇異に映るだろう。

 

「その手は、私には通用しないわよ?」

 

冷やかに言い放たれた。

 

そこで、ずっと黙っていた冷泉さんが、やっと発言した。

 

「もういい。やめろ。」

 

やめない。

やめてやらない。

 

「・・・俺が何とかすると言った以上、必ず何とかする。」

 

「やめろ。・・・泳いで行くと言った私がどうかしていた。書記が頭を下げる必要はない。」

 

彼女の言葉には力が無かった。あきらめに近い声だった。

 

「黙っていろ。・・・いい加減、何とか答えてくれないか?・・・亜美姉ちゃん。」

 

「・・・そうね。まず立ちなさい。話はそれからよ。」

 

言われるまま、渋々立ち上がる。

すでに俺の方が身長が高いため、年上の彼女を見下す。

 

そう。頼ったのは、蝶野 亜美一尉。

正直会いたくはなかったのだが、そうも言っていられない。

 

会場にいたのは知っていた。

だから頼る。利用する。

 

「まったく。いくら私でも個人の為に、お国のモノは動かせないわよ?・・・わかってると思うけど。」

 

無茶を言っている事は、重々承知だ。

そこを曲げてくれと頼んでいるんだろ。

 

「だから言っているだろ。何でも使うって。・・・亜美姉ちゃんなら、すでに知っているだろ?俺の置かれている立場。」

 

母さんから聞いているだろ。もしかしたら、しほさんからも聞いているかもしれない。

 

「蝶野一尉?どうしました?」

 

部下だろうか?先程から横で静観していた女性自衛官より声をかけられる。

 

そう。

 

俺の一言で、明らかに亜美姉ちゃんの雰囲気が変わった。

 

 

「やっぱり・・・。なに?使う気?その意味を理解してる?」

 

やっぱり知っていたか。その声に若干の怒気が含まれていた。

多分、怒りを我慢していたのだろう。

 

「わかってるよ。使ってくれ。」

 

グイッっと胸ぐらを捕まれ、引き寄せられた。

 

「・・・本当に分かってるの?「あんた」が「島田」の名前を使う。その「意味」が。」

 

静かに問われる。

怒っている。・・・亜美姉ちゃんが、本気で怒っている。

わかってるに決まってるだろうが。

 

「わかっているから、ここに来て姉ちゃんに頼んでいるんだろ?」

 

最終手段だったけど。

 

「確かに、それなら私達も動ける。ヘリで送ってやる事なんて簡単よ。」

 

「・・・え?」

 

冷泉さんが、反応をした。大丈夫だ。もう少しだから。

 

「でも・・・あんたが、それを使ったら公式に認める事になるわよ。秘密裏にしていた事を、関係者に暴露する事と一緒よ!?」

 

「・・・そうだな。使ってくれ。」

 

数秒睨み合った。

 

「今日、あんたに会ったら問答無用で、ぶん殴ってやるつもりだったわ。師範から・・あんたのお母さんから聞いた時、本気で頭にきたわ。」

 

「・・・。」

 

「あんた・・自分の人生何だと思ってんの!?」

 

「・・・。」

 

ぶん殴られた。

 

「あんたは女の子助けて、さぞかしヒーロー気取りで気分が良いでしょうよ。でもね・・・周りの人間はどうするの!!」

 

・・・。

 

「それに本当に「島田 千代」が、約束の通り破棄・・・破談にする、本気で思ってるの?」

 

酷い言われ様だな千代さん。

亜美姉ちゃんは、どちらかといえば、西住流よりだからな。

 

怒鳴り怒られ殴られて。最後は俺にだけ聞こえるように言う。

 

「あんたの人生は、あんたのだけモノじゃないのよ?「まほちゃん」と「みほちゃん」を、どうするの!?」

 

・・・。

 

「約束は守らせる。愛里寿、本人にも了承をとってる。・・・約束は、守るよ愛里寿は。」

 

「・・・あんた。今回もそう。その子には、悪いけど・・同情だけで、あんた自身を切り売りするのと変わらないわよ。」

 

 

 

は?

 

 

 

 

・・・女性の胸ぐら掴んだのは、初めてだった。

亜美姉ちゃんは、軽くつま先立ちをしていた。

 

「同情だけで、こんな事できるか!両親がいない麻子に取っては、最後の肉親なんだ!!心配して何が悪い!!力を貸してやって何が悪い!!」

 

「・・・。」

 

「・・・書記、何で知って・・。」

 

姉ちゃんが、黙って俺の目を睨んでくる。

 

「島田の件もそうだ!「まほ」と「みほ」の事を、俺が考えないはず無いだろうが!!」

 

「あそこでも、ここでも。俺がやる事は一緒だ。全力を尽くしてやる・・・。それが他力本願でもなんでも、利用できるものなら利用してやる!」

 

とっくの昔に覚悟はしてんだよ。

 

「俺がやる事は、結果がどうあれ、昔も今も変わらない。」

 

「・・・。」

 

 

 

どのくらい経ったのだろうか。

 

睨み合っている途中、先程の女性自衛官より声が、かけられる。

 

「蝶野一尉。ベルUH-Xの準備ができました。」

 

「ありがとう。今行くわ。貴方達もすぐに準備なさい。あと一人乗れるから。」

 

「は?」

 

「え?」

 

どういう事だ?

 

「何?ヘリで運んで欲しいのでしょ?ちょっと用意に時間が必要だったから、隆史君の本音を聞いて見ただけよ?」

 

「「・・・。」」

 

口調が戻ってる。

 

「は・・・え?」

 

「隆史君。離してくれる?」

 

「あ・・。」

 

手を話した後、服装をただし、冷泉さんに向き軽くお辞儀をした。

 

「貴女もごめんなさいね?ちょっと心にも無いこと言っちゃったわ。」

 

「い・・いえ。」

 

 

やられた・・・。

 

 

「あーー大丈夫、コレ殴りたかったのは本当だから。」

 

指を指される。

 

・・・大丈夫じゃねぇ。・・・ウィンクしてんなよ。

 

「蝶野一尉!よろしいでしょうか?」

 

自衛隊員が大声をあげる。

 

「何?」

 

「・・・いくら何でも、試運転段階の最新機に一般人を乗せるのはどうかと・・・。」

 

「・・・でも現状で、一番速いのソレでしょ?」

 

「そうですが・・・上がなんというか・・・。」

 

「大丈夫よ。一応全員に目隠しでもしてもらえば。それに・・・。」

 

真剣な目で、こちらを見てくる。

なる程、頷いた。

 

「上が何か言ってきたらこう言いなさい。」

 

「は?」

 

「尾形 隆史君。彼は、島田流家元の娘。つまり将来の家元候補の婚約者よ。つまりVIPね。」

 

「こ!婚約者・・。え?あの天才少女の?」

 

あら、自衛官のお姉さん絶句してる。

 

「・・・書記。オマエ。」

 

「あー・・みほ達には黙っていてくれ。いずれ破談が確定している話だ。・・・まぁさっきの怒鳴り合いな。」

 

「わ・・分かった。」

 

頭のいい彼女なら察してくれるだろう。

みほに知られたら多分・・・。

やめよう。考えたくない。

 

亜美姉ちゃんは、初めから貸してくれる気だったのだろう。

準備をしてくれて空いた時間に、俺に説教をするという流れダッタヨウダヨ。

 

・・・叱ってくれるのは、心配してくれていたという事で嬉しいのだけれど・・・。

殴る必要あったのかよ。

 

「そうねぇ、どうせならもっと、派手に行きましょうか!」

 

「は?」

 

嫌な予感しかしねぇ・・・。

 

「後、彼ね。西住師範が、自身をファーストネームで呼ぶ事を許可してるわ。というか呼ばないと怒り狂うみたい♪あの西住師範がぁ。」

 

「」

 

「あ、一応言っておくけど、彼の母親って、かの「車外の血暴者」だから。あとぉ・・確か島田流家元にもファーストネームで呼ばないと怒られたっけ?」

 

「ヤメテ!姉ちゃんヤメテ!何か別の意味で大事になりそう!!」

 

チッ!

 

舌打ちしやがった・・・。

 

「上層部が何か言ってきたら、二人の名前を出しなさい。もし言ってこなかったら、この件は、口外しないで忘れなさい。・・・多分、貴女の為にならないから。」

 

「り・・了解!」

 

「」

 

 

そのまま女性自衛官は、聞いてはいけないこと聞いてしまったという顔で、フラフラ立ち去っていった。

 

ヘリにはもう一人乗れるという事で、携帯で誰か行くか?と確認をしたら、沙織さんが名乗りを上げた。

そういう訳で、今現在は、すぐ来るであろう沙織さんを待っている状態だ。

 

「そういえば亜美姉ちゃん。」

 

「なに?」

 

「さっき、島田流家元って言ってたけど、千代さんまだ次期家元だよね?いいの?嘘ついた感じになっちゃったけど。」

 

「ああ。昨日確定したの。聞いてない?」

 

・・・は?そんな早く!?

 

「試合前だったから、気を使って言わなかったのかしら?・・・あ、来たみたいね。」

 

走ってくる沙織さんを見ていたら、ポンッっと肩に手が置かれた。

 

「さっきの話、結構マジだからね。・・・自分を安くしないこと。あと・・・。」

 

肩を組まれ前屈みになる。耳元で囁いてきた。

 

 

「いい?予定よりだいぶ早く、家元襲名が確定したから。あのジジィの事よ。・・・周りを特に、警戒なさい。」

 

 

「・・・ありがとう。」

 

くっそ。今回のヘリの事といい、この人にも敵わないと思い知った。・・・物理的にも。

 

バッと突き飛ばされて、話題を変えられた。

 

「ハァ・・・あんた、何でこう・・15年程、早く生まれて来なかったのよ。」

 

「は?なんでだよ。」

 

「・・・私は、年上が好みなのよ。」

 

「・・・会話のキャッチボールをしようよ。それに好みなんて言ってる余裕が、あるのォォォォォ!!!」

 

捻られた。

 

その状態で、沙織さんと合流してしまう。

 

「さて、最新機の最高スピード。試してみるわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もういいから帰りな!!いつまでも病人扱いするんじゃ無いよ!私の事は、いいから学校行きな!』

 

『遅刻なんかしたら許さないよ!』

 

病室の前の廊下にまで、聞こえてくる声。

 

次の日、試合会場に残った3人で、冷泉さんのお婆様のお見舞いに参りました。

お花も用意して、病室の前まで来たら聞こえてきました。

その・・怒鳴り声が。

 

『なんだその顔ぉ。人の話ちゃんと聞いているのかい!?』

 

『まったくお前は、いつも愛想も返事も無さすぎなんだよ!!』

 

取り残された私以外の二人と目を見合わせます。

何だか入り辛い雰囲気ですね。

 

「か・・帰ります?」

 

「いえ。折角ここまで来たのですから、ここは突撃です!」

 

そうです。

中に冷泉さんが、いるのですし、何もしないで帰るなんて有り得ません。

 

「失礼します。」

 

病室のドアを開け、入室しました。

沙織さんもいたようで、私達を迎えてくれました。

隆史さんは・・・いませんね。先に帰られたのでしょうか?

 

「なんだい、あんた達。」

 

「戦車道、一緒にやっている友達。」

 

「戦車道?あんたがかい?」

 

「うん。」

 

気難しそうな方ですね。

でも、良かった。

麻子さんも顔色が良くなっています。安心しました。

取り敢えず、私達の自己紹介をしましょう。

 

「あ、西住 みほです。」

 

「五十鈴 華です。」

 

「秋山 優花里です。」

 

「私達、全国大会の一回戦、勝ったんだよ!」

 

沙織さんに後ろから肩を押されました。

同じ気持ちでしょう。

時間が経っても、うれしいものですね。

 

「一回戦くらい勝てなくて、どうするんだい!」

 

あら、手厳しいですね。

 

「あの無駄に大きい男も戦車さんかい?」

 

「あ、隆史君の事ね。」

 

「隆史?」

 

「そう。尾形 隆史。学校の生徒会役員もやってる。」

 

「・・・そうかい。で、その戦車さん達がどうしたんだい?」

 

「試合が終わった後、おばぁが倒れたって連絡が。それで心配してお見舞いに。」

 

「私じゃなくて、あんたの事心配してくれたんだろ!」

 

「わかってるよぉ。」

 

「だったらちゃんと、お礼いいな。」

 

あらあら、普段あまり見ない冷泉さんですね。

抑揚の無い喋り方は、あまり変わりませんけど、やはり違うものですね。

 

コンコン

 

「はい。あ、隆史君。」

 

「失礼します。あ、皆来たのか。・・・入って大丈夫?」

 

「いいよ~。・・・いいよね?」

 

沙織さんが、お婆様の顔を伺いますが、聞く順序が逆では?

 

「・・・そんな所に突っ立て無いで、早く入んな。」

 

「あ、はい。失礼します。あ。」

 

彼は昨日のまま、冷泉さんと沙織さんと同じく制服の姿でした。

ただ、手には花束を持っていました。

 

「あら、隆史さんも?」

 

「ありゃ。かぶっちゃったな。」

 

冷泉さん達を邪魔しないようにと、席を外していたとの事。

時間もあったので、わざわざタクシー使って、お花屋さんで購入して来たそうです。

あの・・・隆史さん。たまに思うのですけど、結構お金とか使うのに躊躇しませんのね。

 

「ふん。高校生タクシーなんて、贅沢だね。」

 

「はは。そうですね。大丈夫ですよ。気にしないで下さい。」

 

「だ、誰も気にしちゃいないよ!金の使い方をもう少し考えな!」

 

「ちゃんと考えてますよ?必要な時は、惜しまないようにしているだけです。」

 

「・・・そうかい。」

 

「・・・。」

 

冷泉さんが、隆史さんとお婆様の会話を、少し驚いた様子で見ていますね。

何かおかしいのでしょうか?

 

「それより、ほら!あんたも早くお礼いいな!」

 

「ぐ・・・。」

 

「どうしたんだい!」

 

あー・・・隆史さんを見てますねぇ。

それで、言い辛そうにしてるのですね。

 

「わざわざ・・・ありがとう。」

 

少し赤くなって、・・可愛いですねぇ。

 

「少しは、愛想よく言えないのかい!!」

 

「・・・ぐ、書記め。・・・・・あ・・ありがとう。」

 

あ。すっごい隆史さんが、ニヤニヤして見てますね・・・。

結構こういった冷泉さんは、珍しいですからね。

意地が悪いですねぇ。最低ですねぇ・・・私もニヤニヤしてしまいそうです。

 

「さっきと同じだよ!」

 

「だから、怒鳴ったらまた血圧上がるから。」

 

・・・これはこれで。

 

「慣れてしまえば、微笑ましい会話ですね。」

 

「・・・五十鈴殿ってすごいですね。」

 

「ハハ・・・。」

 

「あの、花瓶あります?」

 

「無いけど、ナースセンターで借りられると思うよ。行こ!」

 

「はい。あ、隆史さんのも預かってよろしいですか?」

 

「あぁ。でもすごい量になっちゃうけど・・・全部使うの?」

 

「えぇ大丈夫ですよ?腕がなります!」

 

「そりゃ頼もしい。んじゃお願います。」

 

「はい。では、沙織さん。行きましょうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、おばぁ。また来るよ。」

 

さっきから、ずっと黙って、外を眺めているお婆さん。

一言いって、麻子さんが先に退室しました。

私達も行かないと。

 

隆史君と一緒に、会釈して退室しようとしたら声をかけられた。

顔は外に向けたままだったけど。

 

「あんな愛想の無い子だけどね。・・・よろしく。」

 

あんなに怒鳴っていたけど、やっぱり心配かけたく無いからかな?

麻子さんが来てくれて嬉しくないはず無いよね。

最後に、この言葉でうれしくなった。

 

「はい!」

 

「・・・ああ。後ね。」

 

こっちを見て・・・違う、隆史君を見ている。

 

「俺ですか?」

 

「あんた。ちょっといいかい?」

 

なんだろ?

 

「みほ、先に行っていて。」

 

「うん・・・。」

 

退室したら病室の前に、みんなが待っていてくれた。

 

「あれ?隆史殿は?」

 

「うん。お婆さんが、隆史君に何か話があるみたい。」

 

「おばぁが?書記に?」

 

「何でしょう?」

 

病室のドアが少し開いていた為、会話が聞こえてきた。

・・・盗み聞きはやめておこう。

 

「先に、ロビーで待ってようか・・・麻子?」

 

麻子さんがドアの前に立っていた。

少し顔が強ばっている。

 

「麻子さん、さすがにそれはチョット・・・。」

 

「盗み聞きじゃあ無い。勝手に聴こえてくるんだ。仕方がない。」

 

「麻子・・・。無理あるよ。」

 

引きずって行こうと、沙織さんが腕を取った時に会話の内容が聞こえてきた。

 

 

『あんた。あの子と付き合ってんのかい?』

 

「「「 !!」」」

 

「おばぁ!何を言ってるんだ!?」

 

「あー・・でもまぁ、聞きたくなる訳、何となくわかるけど。」

 

 

『え?冷泉さんと?違いますよ。ただの友達ですよ。』

『・・・あんた。ただの友達に、ここまでするのかい。』

『ここまで?』

 

 

「ね?」

 

「ね?って沙織。喋ったのか?」

 

「まぁ~ね~。・・・というか、お婆ちゃん、隆史君をすっごい警戒していたからね。聞かれた時、話さない訳にいかなかったんだ。」

 

「・・・いつだ。」

 

「朝。皆が来る前かな。麻子が部屋を一回出て行った時。」

 

「ヌ。」

 

 

『まったく、自衛隊の方々に、迷惑なんてかけるんじゃないよ。』

『はは。すいません。知り合いがいたんで、好意に甘えちゃいました。』

『何が好意だい。・・・頭下げて頼み込んだって聞いたよ。』

 

 

麻子さんに喋っていたみたいに怒鳴る訳でも無いんだけど、ちょっと言い方がきついなぁ。

あ、いけない。結局、聞き入っちゃってる。

 

 

『男が簡単に頭なんて下げるんじゃないよ。プライドってもんが無いのかい?』

『あー・・・プライドねぇ。』

『・・・それに、男がヘラヘラするんじゃないよ。』

『はっはー。もう性分ですね。』

『で?』

『で?とは?』

『だから、あんたのプライドの事だよ。』

『・・・ふむ。』

 

 

「無いな。」

 

「無いですわね。」

 

「無いよね~。」

 

「無いね。」

 

「隆史殿。フォローできません。」

 

隆史君の株価がすっごい低かった。

まぁ、ダージリンさんにしても、優花里さんに対してもそうだった。最近彼の土下座をよく見る。

 

 

『あー・・・うん。そんなの冷泉さん達に、くれてやりました。』

『達?くれてやった?』

『冷泉さんも含めた、今の子達にですね、すごい助けてもらっています。』

『・・・。』

『お礼って訳では、無いですけどね。俺の頭下げて、どうにかなるならいくらでもって感じですかね。』

『・・・馬鹿だね。あんな愛想も何も無い子でもかい。』

『そうでも無いですよ?さっきお礼言っていた時とか。前なら考えられなかったんですよ。稀少ですよ?稀少!』

『それであんたニヤニヤしてたのかい。』

『ありゃ、見られてた。まぁアレが、見れただけでも、頭下げた甲斐がありましたよ。』

『アレでかい?』

『アレがいいんですよ。』

『クク・・本当に馬鹿だねぇあんたは。』

 

 

「「!!!」」

 

・・・え?麻子さんと沙織さんが、とても驚いてる。

 

「お・・おばぁが笑った・・。」

 

「た・・隆史君・・・。え?」

 

そ・・そこまで。

二人共、完全に固まってしまってるよ。

 

 

『あんた、「いい人」ってのはいるのかい?』

『いやぁ・・・いませんね。あまり女性に好かれない風貌ですので。殴られる事の方が多いですね。』

『そうかい。』

『そうですよ。』

 

 

普通に喋ってる。普通に話をしているだけ。

嬉しいこと言ってくれたのだけれど、なんだろう?この不安感は。

 

 

『もういいよ。・・・悪かったね呼び止めて。』

『え?もういいんですか?』

『何となく分かったからもいいよ。』

『・・・あぁなる程。どうでした?合格ですか?』

『はっ。及第点だねぇ。・・・まったく、察しのいい男は、嫌いだよ。』

『はっはー。そうですか。』

 

 

「なんの事だ?」

 

「あぁ、麻子が心配だったんじゃない?」

 

「は?」

 

「・・・冷泉さんと一緒に来た男性だから、どんな方か気になったんじゃありません?」

 

「・・・男性か。」

 

「麻子?」

 

 

・・・。

 

 

『さて、あの子達も待っているだろうから、もう行きな。』

『待ってますかね?』

『いいから行きな。』

『はい。・・・では、お大事に。』

 

 

「あ!こっち来る!」

 

急いでその場を離れ、ロビーで待っていたように振舞う。

結局、全部聞いちゃった。ちょっと悪い事しちゃったかも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・。

 

ヤメテ。そんな目で見ないでください。

学園艦についた頃には、完全に夜になっていた。

 

マコニャンを背負って、彼女の家まで送っているのだけれど、通行人の視線が痛かった。

まぁ夜に女の子4人と一緒に、女の子背負っていれば何事かと思うのかもしれない。

制服着てるよね俺。学生だよ?なんで職務質問受けなきゃならんのよ。

 

みほの視線も暫くの間、痛かった。

学園艦まで移動する船の中。

ベンチで、寝てしまった彼女らに寄りかかられて身動きが取れない所を、目撃された。

みほと沙織さんに、すごっい目で見られた。

 

「「隆史君・・・結構、見境ないよね。」」

 

ハモらないでぇぇ。

 

彼女の家まで送って来て、さすがに起こす。

 

「ほら!起きて!麻子ぉ!」

 

揺さぶるが起きない。

あの・・沙織さんや、首取れそうくらい揺らしてるけど大丈夫ですか?

頭がガックンガックンしてるんだけど・・・。

 

「いい加減にしないと怒るよ!」

 

「ハハ・・・。」

 

・・・。

 

少し考えていた。

 

昨日、亜美姉ちゃんから聞いた話を。

 

千代さんが、正式に家元になった。

しかし、連絡は来なかった。

亜美姉ちゃんが知っているって事は、ある程度は公表されているって事だろう。

 

電話しても出てくれない。

 

忙しいのかもしれないけど、なんだろう。

少し気持ちが悪いな。

 

あのガマ蛙も、直接俺に何かしてくる訳では無かったけど、このまま黙っているってのも考え辛い。

・・・しほさんに聞いてみるか?

あの人の方が何かしらイロイロ知っていそうだし。

 

「ほら!隆史君も起こすの手伝って!!・・・セクハラはダメだよ?」

 

「・・・ダメだからね?」

 

「・・・ダメですよ?」

 

「隆史殿・・・。」

 

・・・俺の信頼は、すでに枯渇しているのでしょうか?

優花里さんにも避難の目で、見られているのですけど。

でも先程の船の事は、俺悪くないヨ?

 

・・・くそ。まぁいい。今は取り敢えず目先の事だな。

 

「・・・。」

 

さてどうしよう。

あそこまで揺さぶられても起きない御仁だ。

ふむ。しかたない。

 

「亜美姉ちゃんが言っていた。」

 

「な、なに!?急に!?亜美さ!?」

 

そう、ビクつくなよ、みほさん。

 

「体にも触れず、暴力でもない、酔っ払いでも一発で起こせる技があると。」

 

「な・・。嫌な予感しか、しないのだけど・・・。」

 

よしよし。亜美姉ちゃんの信頼度も無いな。

 

「・・・まぁ体に触れないなら、セーフかなぁ。なに?大声でも出すの?」

 

「あー。逆だな。」

 

「逆?」

 

スゥーー・・・

 

軽く息を吸い込んで、マコニャンに近づく。

 

「あ!隆史君ダメ!ちゃんと方法を言った後にし・・・。」

 

フーーーーー・・・

 

 

耳に優しく、それでいて語りかけるように息を吹きかける。

 

 

「ヒィ!!!!」

 

真っ赤になって飛び起きました。

 

「な・・な・・・・!!」

 

耳を抑えてキョロキョロしているマコニャン。

わー真っ赤になって。

 

「よし!起きた!!マコニャンおはヨブ!」

 

蹴られた。

 

マコニャンの893キック。みぞぉぉ。

 

「こ・・コロス!なにしてくれた!!」

 

「ワー隆史君、サイッテー。」

 

「えー・・。」

 

「・・・!!・・・・・!!!」

 

「五十鈴殿。プルプル笑い堪えてますよ?」

 

「私、隆史君殴っても、誰にも文句言われないと思う。」

 

「体にも触ってないよ!?セクハラじゃないよ!?」

 

「セクハラですよ。」

 

「他のナニモノでも無いね。」

 

「逮捕されますよ?」

 

言い訳が、即答で否定されました。

 

「書記。書記ぃ!!」

 

「わーたんま!マコニャン起きたからいいじゃんか!!」

 

「・・・ハァハァ。良かったら誰も言いませんよ。」

 

笑いが収まってから言われてもなぁ・・・。

 

「隆史君。今のも報告しておくね♪」

 

「・・・。」

 

「オイ、書記。」

 

「ナンデショウ?」

 

後ろから、蹴られて声をかけられる。

真っ赤になっちゃって。・・・スイマセン。

 

「いい加減、マコニャンもやめろ!」

 

「エー・・・。」

 

あ痛!

 

また蹴られた。

また、どんどん赤くなって行く。

そこまでだったかぁ・・・。

ただの嫌がらせにしか、ならない様ならやめるかなぁ・・。

 

「でもなぁ苗字呼びするのもなぁ。じゃあマコタンでいい?」

 

・・・蹴られた。

まぁ痛くないけど。

 

「マコニャンよりマシだ!ま・・麻子でいい!!」

 

 




ハイ。閲覧ありがとうございました。

※あとがき変更※

感想頂いた方にも返答しましたが、次回以降、メインヒロインルートに移行になります
実際には、初めからメインヒロインは決めていました。

次回、日常回を考えていましたが、これだと千代さん悪役っぽいので、ストーリーの続きを投稿したいと思います。

あの三人組とか登場予定です。

日常編は、その内番外で書きたいと思います。

1.盗聴編 2.水着編 3.風呂編 この辺考えてます。
王道って素敵だと思います。

ありがとうございました

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