2話ラストからの気絶した主人公の夢のお話
※注意※
読み飛ばして頂いても何も影響ございません。
余計な言い訳をするなと、通常の物語として読まれたい方は、読み飛ばす事を推奨します。
次回、過去編3話からは通常通り2話からの続きとなります
夢の中だろうか。
景色が無い暗い空間。
座り心地の悪い、丸い椅子に座っている。
なんだろう? 俺は、何かを待っているのだろうか?
特に疑問も持たない。
ただ、暗闇の先を見つめていた。
どのくらいたっただろうか。
ポーン
電子音のような音がした。
《 お待たせしました 旧:角谷 栄一様 現:尾形 隆史 様 》
あっさりと、前世名を含めた呼び出しを受ける。
あっさりと。
それこそ、銀行や役所などで呼ばれる様な感情の篭らない事務的な声で。
「あ…はい。」
驚く所だろそこは。しかし、何故か自然に受け入れている自分がいる。
感情が鈍くなっているのか。
《 それに伴い 幾つかのご要望をお受けする準備がございます 》
・・・は?
課題?
なんだそれは。少しづつ自分の感情が、湧き戻るのがわかる。
「一体なん…」
こちらの疑問を先行して答える声
「っ…」
《 意識 記憶を保持し輪廻を超える者は その先の世のバグを排除する課題が課せられます 》
《 そう あなた様の他にも同じような それこそ人には数えきれない程 存在致します 》
《 言うなれば 命の再利用 幾つにも連なるワクチンのようなモノ 》
「要は、増殖機能は無いが、医学用のナノマシンの一粒一粒を、「死んだ命で変換利用」みたいな事か?」
《 概ね その様な事ですね 》
《 今回 この世界の主要 世界の中心となる 西住みほ様 》
《 もし あなた様が何もしない もしくは 救助に失敗した結果 彼女は 》
……なんだよ。もしもの話か?
《 あの場所で【 殺害 】されました 》
…血の気が引く。それこそ、卒倒しそうなくらい全身が震える。
言葉無いよ。絶句ってこの事か?
バカな学生が、後先考えないで殺人事件を起こす事は希にある。
だが、あそこがそんな場面だったのか?。
失敗していれば、全国紙を飾る事になっていたとでも?。
あの時の俺らしからぬ、脅迫を受けたような感情の昂ぶりは、それが原因か?
結果を出す為の補助。ブーストのような物だったのか?
課題を課せたと、言うのだから無意識下での使命感だったのか・・・?
疑問しか湧いてこない。
が、こいつは答えてくれない。
《 この世界の存在の中心を破棄する原因の排除 》
《 あの場で最上の結果 西住まほ様の救助にも成功 》
《 本来ならば 西住みほ様を救出が成功された場合 》
《 ほぼ確定要素で 西住まほ様は 代わりに殺害されていました 》
《 あなたは これ以上無い形で結果を出されました おめでとうございます 》
西住みほが、殺害される事。それが、この世のバグだったってことか?
感情の篭っていない「おめでとう」が、ただいらつく。
…………
《 珍しいですね 説明を果たすと 黒い感情をぶつけられるモノですが 》
「いいよ。別に。俺のクソみたいな命が…例え利用されてたとしても、助かった命が2名もいるんだ。」
心の底からそう思った。
この説明もない、人の尊厳も無い、世界規模のブラック派遣会社に勝手に就職させられていたとしても。
…うん。
まぁ、ロリッ娘2名。変わりに助かったんだから、満足できる。良しとしよう。
「じゃあ。ここで終わりか…。」
課題をクリアし、使命を果たした。
西住みほ死亡結果という、バグを取り除いた…か。
だが正常に戻れば俺はどうなるんだ?
《 この世界で あなたは生きて行く事になります 》
《 それに伴い いくらか世界が それこそバグを生まない程度には ご都合よく改変可能です 》
《 要は あなたの救った世界です どうぞお好きに 生きやすい様に との事です 》
黙って、聞いてはいたが、内心歓喜を上げていた。
報酬じゃあない。まだこの世界で生きていける事に…だ。
やり直せる人生を、取り上げられてしまうと思っていた。だが違う。
喜びの笑いを噛み殺す。
折角だ。皮肉の一つも言ってやろう。
「ハッ!なんだ? スーパーマンにでもしてくれるのか?」
鼻で笑う。
《 あなたのご希望であれば 才色兼備 超能力者 世の人心を掴む事も可能です 》
《 ただし 》
ほら来た。た・だ・し。条件付きかよ。
《 今回のみです 今後 あなた様の人生で私達は二度と現れません 》
《 私達とあなた様が この世界のバグになってしまう 排除されるべき存在に 》
《 正常な時間軸に戻った 今この時のみ あなた様への報酬支払いが可能です 》
《 現時点で時は無限 幾分でも お考え頂いて結構です 》
条件が今この時のみって事か。グローバル961派遣会社とは思えない、破格の報酬だね
「いや・・・考える迄もないな。」
即答した。
「何もいらない。」
「願いがあるなら、すぐ今の俺が、生きて行く世界に戻してくれ。」
「あぁ。やっとこの世界で生きていると実感してきたんだ。ここで何かしらのチート能力でも手に入れたら、それこそ死ぬまで俺は半端者。異物としてしか自分を実感できないと思う。」
「あんたが何者か? 神様かもしれない。何かしらのシステムかもしれない。が、どうでもいい。後は俺らしく失敗してもいいさ、同じ事を繰り返してもいい。」
「前世の俺みたく、悔やんだ生き方をしたくない。」
「伊達に三十年以上、後悔しっぱなしで生きてきたわけじゃあないんだよ。」
突如、黒の空間より、白い空間へ切り替わる
キィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィン
っと機械の回転音のような、高い音が鳴り響く。
《 了承 了解 可能 現時刻を持ってあなた様を この次元よりパージします 》
《 良き 人生を 》
こうして目覚めた病室から、本当の意味で転生が完了した
いかがだったでしょうか?
何かしらの力での転生
本当の意味でのプロローグ
過去編最後の前に挟みたかった話です。
次回こそ過去編最終回。はよ本編入りたいです
追伸 見直したら文章がひどかった部分を微調整