今回、ちょっと「西住 まほ 正史ルートPINK」が、絡んでいます。
読まなくとも大丈夫な様に…出来たかなぁ…
「分かった。んじゃ、このままロビーにいればいいんだな?」
『う、うん! ミカさんが、そっち行くから!』
「…なにを焦ってるんだ?」
『焦ってないよ!?』
「…まぁいいけど」
『この会場まで隆史君が来るより!! ミカさんがそこまで行ったほうが早いから!!』
「……」
『そこに! いてね!!』
ロビーに来た所で、部屋が分からないのに気がつき、みほにメールを送った。
送信後に即、着信。
カンテレを抱き抱えて、ロビーのベンチ…といっても、背もたれの無いソファーみたいなモノに座って待つ事にした。
なんだろうか?
随分と後ろが騒がしかったけど…。
「了解…」
一言返事を返し、携帯の通話を切る。
しっかし…体が重い…。
たかだか1徹したくらいで、ここまでダルくなるか?
前世じゃ、徹夜なんて当然だったから慣れていると思ったのに。
しかも体が、昔より若いし頑丈だというのに…。
ぐらんっと一瞬、視界が揺らいだ。
いかん…。
しかし、ちょっとこの感覚も覚えがある…。
……。
あぁ…あれだ。徹夜後に酒飲んだ後とかに似てる。
両腕を膝に乗せ、人通りが少ないフロント前を眺める。
どこから、ミカが来るかわからないしな。
というか、ちゃんと来たのか…。てっきり逃げると思ったんだけどなぁ…。
……。
…………。
……眠い…。
一人になったとたんに、睡魔が襲ってくる…。
またこのソファーも、さすがホテル備え付け。
横になりたくなる様な、柔らかさ…。
顔が、上半身共に項垂れる。
すこしボヤけた視界に…青い服装の……
「……」
…。
「……隆史?」
……。
「……」ユサユサ
………。
「……」
…………。
「……」ニタァ…
◆
「…隊長。継続の隊長が、帰って来ませんね」
「……」
継続の隊長が、部屋を出て、隆史がこちらに来る気配が無い事から、本格的に休憩時間となった。
仕出しの弁当が配られ…少し早いが、食事となった。
しかし、私達は特に食べる気にはならなかった。
…継続の隊長が帰ってこないからだ。
それは、再開されたテレビ中継にも、隆史の姿が見れなかったからというのもある。
私達、黒森峰と聖グロリアーナは、用意されたものを無視をしていた。
一旦、場の流れが変わった為に、みほ(黒)からの追求も無くなった。
…正直助かった…。
みほ(漆黒)は、対処するのに非常に体力を消耗する…。
正直、一試合行う方が楽だ。
「…っ!?」
「…な…なに? お姉ちゃん」
驚いた…。
何気なく見たみほが…。
「ピーマンを普通に食べている…」
「…隊長、そこ驚く事ですか?」
「…幼少より、お母様が激怒して食べさそうとしても、一切口にしなかったんだぞ?」
「……」
「…っ! 隆史のお陰か」
「お姉ちゃん…。私も流石に…普通に食べるよ…高校生だよ?」
「…分かった。ならば私は食事はいらないから、私の分もやろう」
「!?」
みほの弁当に、強引に私の分のピーマンを乗せてみた。
あ。ついでに、エリカの分も。
…なにを呆然と眺めているのだろう。
怨みがましい目で見られてしまった…。
「……」
「…なんだエリカ」
「いぇ。平和だなぁ…と」
>
『…なぁ。尾形、帰ってこねぇんだけど』
『まぁ、丁度昼休憩になったし…別にいいんじゃね?』
『いやな…徹夜明けで…本当に酒入ってるってんならさ、どこかで寝てそうで…』
『ま、一時間経っても来なかったら、探しに行ってやるか』
>
テレビから中継の音声が聞こえてきた。
そうか、まだ帰らないのか…。
各高校の連中も、暇を持て余しているのか、ウロウロと徘徊している者が出てきた。
…まったく、落ち着きのない。
>
『そういやさ、さっきの話だけど』
『…どの話だ。今回話の内容が濃すぎて、判別がつかん』
『尾形の中学の時の話。ほら夏祭りでって言ってた』
『あぁ…』
『あれさ…絶対、相手って西住さんだよな…』
>
ガタンッ!!
また一斉に着席したな…。
みほ…こちらを見るな。
……。
……見るな!
>
『さぁ? 俺はそうは思わねぇけど』
『そうなのか? んじゃ誰よ』
『…俺の予想だとな』
『おぉ』
『 姉の方だ 』
『……』
『……』
『…あの、怖い人か?』
『…あの、怖い人だ』
『……』
『……』
『…確かに、体はエロいけど…』
『エロいな。問答無用でエロいな』
>
「…隊長。赤面してる所、悪いのですけど」
「…なんだ?」
「あいつら、殺しに行っていいですか?」
「……」
>
『…尾形な。あの怖い人の事を、可愛いと言う』
『なっ!?』
『可愛いは無いわな…どちらかといえば…凛々しいとか、綺麗系とかだよな』
『……』
『……』
『エロい体してっけどな!』
『してるな!!』
>
「あ、赤星? 大洗に大至急、マウス搬送して」
「……」
「は? 修理中? なら、動かせる全車輛を持ってきなさい」
>
『…話を戻すが、尾形は、思い出したって言ってたよな』
『言ってたな』
『もし本当に西住さん相手だったら、んな言葉出てこない。だから姉の方だと俺は睨んだ』
『……』
『……後、俺の勘だがな。少し濁した言い方…あの言い方だと…』
『……』
『多分、それ以上の事も…』
『!?』
>
「よし、エリカ」
「へ!?」
「私は、隆史を探してくる。エリカは、ここにいてくれ」
「えっ!? はい!?」
即座に立ち上がり、出口に向かおう!
よし! 今度は、みほに掴まれなかった!
「ちょッ!? え!? 隊長!! この空気の中に置いていかないでくださいよ!!」
「…二手に分かれるのが得策だ。隆史が部屋に戻ってきたら連絡をくれ」
「」
みほは、ロビーと言っていたな。
うむ、後ろがうるさい。
大丈夫だ。逃げるわけじゃない。
みほ(黒)が、怖いだけだ!
早足で、会場を後にした。
聞こえない。
後ろの声は聞こえない。
■■■■■
……。
そうだな。
そうしてここ、ロビーに来てみた訳なのだが…。
即、発見できるとは思ってもみなかったな。
フロントを抜け、ロビーの隅にいたのをすぐに見つけた。
はは…。
……。
見つけた直後、早足をやめ、ゆっくりとソレに近づく。
はっ。
接近を気付かせる為に、足音を立ててやりたかったが…絨毯廊下では無理だな。
だから…すぐに声をかける。
「何をしている継続の隊長」
「おや、西住流…お姉さんの方だね」
「…隆史は、寝ているのか?」
「そうだよ。私がきた頃には、夢の中だった」
「…そうか。それで、貴様は何をしている」
「ん? 見て分からないかな?」
…この女
「久しぶりだ……ここまで、感情的になりそうなのは」
「そうなのかい?」
テレビ映像の状態を見ても、隆史がおかしかったのは分かっていた。
徹夜までしたと言っていたな。
「…そこをどけ」
継続の隊長が到着した時、すでに隆史は寝てしまっていたのだろう。
そこから…憶測だが、彼女自ら体を誘導したのだろう。
「そこは、私の場所だ。…私だけの場所だ」
「へぇ…それは、決められている事なのかい?」
「私が決めた。だからどけ」
隆史は横になっていた。
ホテルの備え付けのベンチをベットにして。
…ただ。
「…それは…お断りだね」
「……」
「……」
この女の膝の上に、頭を乗せていた。
◆
「……」
なんだ?
すっごい悪寒がする。
…ぬ…寝落ちでもしてしまったか。
あれ…。
何かに頭を乗せている感触がある。
なんだこの柔らかいの。
…んぬっ!?
なんかスベスベする。
なにか確認しようと手を伸ばしたら、そんな感触。
「……」
目を開けた視界の先。
……。
誰?
「おや、起きたのかい?」
どこかで聞いた声…。
「…誰だ?」
「おやおや。私の顔を見忘れてしまったのかな?」
「…胸が視界を遮って、顔が分からん」
「……」
「……んっ!? 胸!?」
コレは…ひょっとして、膝枕というやつか!?
え!?
流石に声で、すぐに分かった。
寝ぼけというのが、無くなった
ミカの膝を枕に、仰向けに寝かされている。
先程から触る、手の感触はミカの膝…か!?
「痛っ!?」
「なんだこの手は」
なんか、手の甲を抓られた。
そのまま引っ張られる。
「…いつまで、この女の膝を撫で回している」
「まほちゃん!?」
目の端、昔馴染みの顔が見えた。
…うあぁぁ。
目元が暗くなってる!!
その割に、目自体はギラギラと…。
「…起きろ」
寝てしまっていた。
脚を投げ出し、地面で踏ん張り…体は椅子の上。
体を起こそうと、腹に力を入れた。
後頭部の感触が非常に気持ちがいいが…。
お…起きないと死ぬ!!
―が。
「ふぐっ!?」
目の前が暗くなった。
前方から、なにか大きくやわらかぁぁあ!!!!
「おっと、いけない。靴紐が解けているね」
靴紐!?
「ちゃんと結ばないとね?」
前屈の様に、上半身を倒してきた!?
え!? なんで!?
息できない!!
膝と上半身で、顔を挟まれた!!
「…貴様の靴は、ローファーだ。靴紐なぞ無いだろう」
「あぁ…そうだった。うっかりだね」
「……」
またすぐに、体を…離さない!?
なに!? 一体どういう状況!?
んっ!? 襟首を掴まれる感触。
その襟首をひっぱられ、そのまま横にずり落とされた…。
「おや。乱暴だなぁ…」
「…床は絨毯だ。さして痛くはないだろう」
上半身を起こし、周りを確認してみる。
キョロキョロ確認すると、先程座ったベンチ前。
何も変わらない。
ロビー…若干、フロントスタッフのお姉さんが、侮蔑の視線を俺に投げてくるだけ…。
……。
うん! いつもと変わらない!!
……うん。
睨む、まほちゃん。
その殺気を、涼しい顔して受け流すミカ。
…なにがあったんだ?
俺が床に落ちて、立ち上がると、自身の膝を何度かポンポン叩く。
……なんのつもりだろうか?
「もう少し休んでいくかい?」
「結構だ」
その問いに、まほちゃんが答える!?
「フフッ」
なにが面白いの!? なにがおかしいの!?
なぜ笑ったぁ!!??
愉快そうに小さく笑いながら、俺の持ってきたカンテレを、手に取る。
数日手にしていなかった為か、何度か撫でていた。
「じゃ、私は十分堪能したから会場に戻ろう」
「……」
「お姉さんが怖いからね」
「……」
いつもの軽口のミカ。
が。
ずっと、まほちゃんの目を…睨んでるのか!?
あのミカが!? え!?
目を細めて、真剣な眼差しで…え?
「隆史。大丈夫。…今日は最後までいるからさ」
「…えっ!? あ…あぁ」
カンテレを抱き上げ立ち上がり…そのまま、ロビーへと歩き出した。
特にもう何も言うつもりは無いのか…無言でそのまま、廊下の奥へ消えていった。
その背中が完全に見えなくなると、まほちゃんがこちらを振り向き。
「…隆史」
「んん!? なんでしょうか!?」
制服のネクタイを掴み、自身の顔元に引っ張ってきた。
鼻呼吸の息遣いが聞こえる…。
「…隆史、お前…酒など飲んでいないだろうな?」
「飲むわけ無いでしょう!? 昨日から、お茶しか飲んでないよ!!」
「……確かに、匂いはしないが…。ふむ」
至近距離で目が合う。
相変わらずきっつい眼差し…。
「……」
「……」
「……(オモイダシタ)」
「!?」
突然、突き飛ばされる様に体を離された。
びっくりしたぁ…。
「…み…みほには、黙っていてやろう」
「え…」
「貸しだな。コレは…」
後ろを振り向き、そのまま少し上ずった声で、珍しくそんな事を言ってきた。
まほちゃん、貸し借りなんて普段言わないのに。
……。
あれ?
「…お前も用は済んだのだろう? 早く戻れ」
「ん? …分かったけど、あのまほちゃん?」
「なっ! …なんだ?」
「どしたの? 耳がすっごい赤いけど」
「!?」
あ。
俺の問いを無視して、早足で歩き出した。
あれ~…。
そのままミカと同じ方向の、廊下の奥に消えていった。
「……」
取り残される俺。
それと侮蔑の視線がいくつか。
……。
…………。
訳が分からないよ!!
--------
------
---
どうやら寝てしまっていたのは、3,40分程度だった。
少し寝たので、体が多少楽になった気がした。
胃は痛いけど…。
まぁ、カンテレも返す事もできたし、もう戻ろう。
残りの選考もチャッチャとしたいし。
……。
…………。
うん。
でも甘かった。
素直に部屋には帰れなかった。
胃のダメージが致死量を超えそうだった。
だって…。
「モテマスネ、タカシクン」
左肩に手を置かれた。
否。
掴まれた。
「タカシクン。ウワキ、デスカ?」
右肩に手を置かれた。
否。
握られた。
膝が笑う。
いやぁー…大爆笑だ。
「……な…なんでいるんですか…」
「なんでと言われましても…明日、撮影があると聞いていたので、現地入りしただけですよ?」
「決勝の三日後だと、聞かされていたのですが? 違いましたか?」
「…いえ。合ってます。ただ、ここでやるとは聞かされていませんでした…」
「あら、担当者が把握していないのは、どうかと思いますが?」
「…あの理事長へは、ここに宿泊する旨を、報告してあったのですが?」
あのハゲ!!
ふざけんな!!
「し…しほさん、千代さん……」
いつもの格好の、いつもの二人組が、俺の背後を取っている…。
ギリギリと、両肩に痛みががががが!!
「いえね? チェックインの手続きの最中、見慣れた顔が…いえ、人物を見つけたモノですからね?」
「まさか、往来の元。堂々とあの様にされるのは…些か遺憾ですね」
「ちっ! 違っ!!!」
「ここでは、目立ちますし…あちらで、お話しましょうか?」
「大丈夫です、あまり時間は取らせません」
「」
そのまま両肩を軸に、引きずられる…。
「」
…多分、今日こそ俺の胃に……穴が空くだろう。
◆
『でもよぉ。あいつ酔ってると思うか? 確かにいつもとは全然テンションちげぇけど』
『おー…あいつ酔っ払うと、ロボットみたいになるんだけど…ちょっと違うんだよなぁ』
『…なんじゃそりゃ』
>
隆史君が帰ってこない。
会場には、怒っているのかよく分からない状態のお姉ちゃんと、涼しい顔してちょっと変な空気のを感じるミカさんは帰って来た。
だって…たまに二人とも、睨み合ってんだもん。
なにがあったんだろ…。
>
『で? どうだった?』
『…用意されたお茶。ありゃ、すげぇ薄めた、焼酎のお茶割りだ』
『……』
『徐々に酔っていくパターンだな、ありゃ』
『…それで、ほろ酔い状態に陥ってんのか、アイツ』
『徐々に酔っていく飲み方するとな、酒って抜け難くなるんだってよ。爺ちゃんが言ってた』
『…毒みたいなモンだな…』
『まぁ、大丈夫じゃないの? 尾形の酔い方、普段と違うんだろ?』
『……』
『どうした?』
『多分…一番最悪な、酔い方してそう…』
『どういう事だ?』
>
……。
あ、気が付けば全員が、席に戻っている。
そして物凄く真剣な眼差しで、テレビ画面を見つめてる…。
……最悪な…酔い方…。
>
『アイツ…大体、本当にロボットみたいに、言われた事を、実行するだけになるんだけどよ』
『ふむ』
『まぁそれで、大体の選手達が面白がってちょっかい出して、色々と尾形に反撃くらって撃沈してるんだけどさぁ…』
『…それはそれで、どうなんだよ』
『…今回の尾形。自我が結構強く残ってるんだよよ』
『まぁ…普通に話してたしな』
『しかも結構、欲望全開だろ? 衣装選ぶ時とか』
『…そうだな。楽しいけどな!!』
『確かに楽しいな!!』
>
《 コイツラ 》
あ。
殺気が増した。
>
『まぁいい…で、だ』
『おぉ』
『欲望全開状態の、タラシ殿状態…といえば分かるか?』
『……』
『今のアイツを、各選手達の前に出さない方が、俺はいいと思う…』
『………』
『あの尾形……何するか分からんぞ……』
『…………』
『はっ…時間が掛かる分、レアな酔い方かもしれんがな!』
>
……。
せ…静寂が……。
「…確かに、隆史。撫で回していたね。普段なら気づいた時に即、やめるのに…ま。私は構わないけどね」
「……」
あ。
お姉ちゃんと、ミカさんがまた睨み合いだした…。
ちょっとミカさんの位置が、私から遠くて…何を言ったか分からないけど…。
お姉ちゃんが、敵意をここまで出すのって珍しいなぁ。
なにが…本当になにがあったんだろ。
取り敢えず、隆史君被害者の会…の方々は、大体震えてるね!
……。
うん! 怖い!!
>
『ただいまぁぁ!!!』
『『 うわぁ!? 』』
『…びっっくりしたぁ……なんつーテンションで帰ってきてんだよ…』
『おぉ、出て行ってキッカリ、一時間だな』
『ちょっと……ごめん……待っててくれ』
『あ…』
『……』
……
『飲んでるな…』
『一気飲みだな……』
……
『まだ飲んでるな』
『…大丈夫だろうか?』
……
『…すまん。再開するか!!』
『テンションたけぇなぁ…どうした?』
『いや…ちょっと、大御所二人に絡まれて…』
『…まさか。あの家元か? 二人!?』
『ちょっと誤解されてな!! 殺気をモロに受けた!!』
『…よく生きて帰ってきたな』
『いやぁ! 赤星さん…あぁ、黒森峰で色々教えてくれた人だけどな?』
『…おぉ』
『その教えてくれた事試したら、素直に許してくれた!! 怖かった!! マジデ、イノチノキキヲ、カンジマシタ!!』
『……(この状態のタラシ殿だろ?)』
『……(何したら、あの二人の殺気を解除できるんだろうな?)』
『どうした!?』
『いや…その二人、最終的にどうなったの?』
『許してくれたよ?』
『いや……そうじゃなくて……』
『まぁ、あれだ林田。少なくとも西住さんの母親だぞ?』
『そうだな! 如何わしい事は無いよな!!』
『…お前ら』
『しかし…テンション高いな…』
『人間…命の危機を感じると…こうなるんだよ…』
『で? なんで家元さん達いるの?』
『…あぁ。あの二人、今回のLR対象なんだよ』
『…それは、大丈夫なのか?』
『まぁ、撮影明日だし、多少腰抜けてても大丈夫だろ? 明日までには回復するだろ!!』
『いや…そういう意味じゃな…………は?』
『待て。今なんつった』
『撮影明日…』
『違う!! 腰が抜けた!? なんで!!??』
『え? 俺が誤解を解こうと…』
『だから『 まて! 林田!! 』』
(やめとけ! 踏み入るな!!)
(え…)
(好奇心は……寿命を縮める…)
(……)
(…いいか? 冗談でも何でもなく…下手すると……ドイツの山奥辺りで、お前発見されるぞ?)
(……)
『…何想像してるかしらんが、変な事はしてないぞ。お前ら』
>
………
…………
「ね…ねぇミカ?」
「なんだい? アキ?」
「…前の西住姉妹が、揃ってすごい事になってるんだけど」
「風の流れを止めてしまったね」
「…どういうこと?」
「…風すら逃げ出したんだよ」
「……」
……
…………
>
『よし!! 今回は、流れを少し変えよう!!』
『そ、そうだな! 林田!!』
『…いいけど。どうした? 二人共…』
『んじゃ、カンテレ…じゃない、継続高校で!』
『……』
『どうした尾形』
『本当に…男だけの空間は素晴らしい!!』
『『 …… 』』
『…この空間が素晴らしいぃぃ…』
『…お前、本当に疲れてんだな……』
『……ホモじゃないのは、わかるから。うん…だから気にするな、もういいから休め。な?』
『まぁ…もう後、半分くらいだから、頑張る…』
『おぉ…』
『んじゃ、まず誰から行く?』
『アンケート結果が…というか、ミカ達って普段フラフラしてるからよ。…数が少ない』
『ふーん…んじゃま、また逆からいこうか? えっと、アキさん?』
『おぉ…ロリ枠』
『ふむ。俺の癒し枠。オペ子にも匹敵するな!!』
>
「!?」
「アキ? どうしたんだい?」
「…なんだろう…すっごい見られてる……視線を感じる…」
「出処は、分かりそうなモノ…だけどね」
「」カタカタ
「…そういえば、先程からミッコが静かだね」
「ん? あぁミカの分のお弁当まで食べたら、お腹いっぱいなのか、寝ちゃったよ?」
「……」
>
『これまた、高校生に見えないなぁ…まぁいいや』
『なんだ? またヒーラーか?』
『…実はな』
『おぉ』
『継続は、またモンスター枠で行きたい』
『ほう?』
『どうせ、アキとミッコは兎も角、ミカは絶対に、吟遊詩人とかになりそうで、面白くないしな』
『まぁ…イメージそのまんまだしな』
『んで、衣装は?』
『今回は、サンダースと一緒で、全員セット』
>
「…隆史さん。面白くないって……」
「変わればいいってものじゃない。…いつもと同じ…変わらないモノの良さ…というのもあるんだよ?」
「…今の隆史さん。何を選ぶか、想像つかないもんね…ま。それ言っても隆史さんには、聞こえないけどね」
「……」
>
『んで、どれ?』
『 獣 人 』
『…お前…やっぱりすげぇな』
『モデルは、ワーウルフだな』
『まずな、アキとミッコ!』
『…時間が空いても、壊れたまんまだな、尾形』
『旧スク水みたいなのに、毛並みつけたタイプの衣装!!』
『…この猫耳…もとい、狼の耳か。結構でかいな』
『この…アンバランス感!!』
『ニーソと長い手袋…ロンググローブにも毛並み!!』
『色は、白ベースの薄い青!!』
『尻尾はちゃんと狼の!!』
『モコモコだな』
『モコモコだ!!』
『なんか、ずっと尾形のターンだな…』
『でもこの二人って事は、隊長さんは違うのか?』
『そうだな! 二人は子狼って感じでな!』
『んじゃミカさんは?』
『この後ろは普通の、ハイレグ水着に毛並み!! ちょっと長い毛並みで!!』
『『 …… 』』
『尾形…』
『なんだ!?』
『ハイレグってなに?』
『なっ!?』
>
「ミカ知ってる?」
「…知らないね」
「ロクでもなさそうだけど…」
「……そうだね」
「取り敢えず、前で歓喜に打ち震えてるいる理事長に、怒りを感じるよ」
「……」
>
『そうか…今日日、言わないのか…』
『…それを知っている、お前にびっくりだ』
『ただし!! 胸元は、バニーガール仕様!!』
『あの戦闘力を生かさないのは、勿体無いしな!』
『……』
『…どうした? 林田?』
『いや…ネットで調べたらすごい画像が出てきた。なんだこの水着…』
『!!!』
『師匠!!』
>
「……」
「…テレビ画面に、すごい写真が張り出されたね」
「……」
>
『んでもって…』
『まだ…ここから、なにかあるのか!?』
『武器は、鉤爪の様なこのごっついの』
『・・・』
『あ。後、チョーカーつけないと』
『刺がついた首輪とかじゃないのか?』
『…俺にそっちの趣味は無い!!』
『……』
>
「…隆史さん。はっきり趣味って言ったね…」
「……」
「…ミッコ、起こして上げないの?」
「……」
「すごい衣装選ばれてるけど…」
「……お弁当」
「……」
>
『こんな感じでどうだろうか?』
『まぁ…いや。いいけど…』
『んじゃ! 採用!!』
『結局、尾形はなんでこの…獣人なんて選んだんだ…』
『……』
『……』
『…分かった! 引かないから!!』
『が…』
『が?』
『あの三人に「がぉー」って、言わせたい』
『……』
『……言わせたいんだァ!!』
『……』
『…お前将来、日本戦車道連盟に就職しろよ…』
『…多分、いい仕事できるよ……』
『…あのハゲの下には、付きたくない』
『『 …… 』』
>
「「 …… 」」
「ん~…あれ? ミカいつ帰ってきたんだ?」
「「 …… 」」
「ぁあ? なんだ? 隆史も帰ってきてんじゃん」
「「 …… 」」
「…なんだあの衣装。あの恥ずかしいの、プラウダ着んの?」
「「 …… 」」
「…どうした、二人共」
「あれを着るのは、私達だよ…」
「は?……はぁ!?」
「…」
「……あれを着て、隆史に「がぉ~」って言っておやり。多分喜ぶから…」
「……」
「……」
「ま、いっか。それ言や、隆史喜ぶのか?」
「「 !? 」」
「ふ~ん。分かった。「がぉ~」ね」
「「 …… 」」
>
『はい、継続は終了…っと』
『次は、流石にプラウダだな』
『そういやよ。なんかプラウダに知らない人がいたな』
『ん? 誰?』
『いや…知らないんだから、分からねえよ…』
『カチューシャ選手とノンナ選手。その横にもう一人いた。金髪の美人』
『…金髪?』
『なんだっけか…クラ……クララ? とかなんとか、ロビーで呼んでいたの聞いたぞ?』
『…クラーラか?』
『そうそう! そんな名前!』
『……』
『尾形?』
『……』
『どうした…頭か抱えて…まさかまた知り合いか?』
『…クラーラさん…本当に来たのか。マジで、留学したのか…』
『またタラシ殿ですか?』
『彼女は違う…実際に会ったのは一回だけだ。というか「また」とか言うな!!』
『その割には、なんか態度がおかしいな』
『…あの人、カチューシャ・マニアみたいなモノでな…ノンナさんと同じ空気がするんだよ』
『ふーん…で? お前との関係は?』
『あの人は……』
『ふむ? あの人は?』
『俺の…ロシア語の先生だ…』
閲覧ありがとうございました