転生者は平穏を望む   作:白山葵

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タイトルが

思ったよりも

如何わしい


字余り


第12話~個人撮影~★

 カメラテスト。

 

 隆史殿は、そう言っていました。

 プレミアムルームと、銘打ってあったその広い部屋。

 ある程度の広さも必要だったのでしょう。

 

 簡単なカメラのテストという事で、大規模な撮影機器はありませんでした。

 背景が無いようにと、おそらく和室…らしき畳のある部屋に、バックペーパー…でしたか?

 真っ白い布で、覆われていました。

 

 ハンガーに掛かっている大洗の制服…。

 何着か、ベッドに並び置かれている…水……ぎぃ…。

 

 西住殿の去年のSRカードを思い出しました!

 脳裏に焼き着けて、忘れるはずがありません!

 その姿が、私を追い詰めます…。

 

 その姿がぁぁ…。

 

 

「はい、じゃあコレ。必要書類です。確認をお願いします」

「はいはーい」

 

 隆史殿が、手荷物から…なんか本格的な書類を、二人いる女性カメラマンらしき方に渡してます…。

 ま…まずい。

 

 本当に、まずいです!

 

 西住殿!? 隆史殿が酔っているかも知れないって、メールが遅すぎます!!

 せめて、ロビーで別れる時に言ってくださいよ!!

 

 

「あら…君…」

「はい?」

「いえ…私も、君位の年齢の時には、飲んでたけど…ちょっとお酒臭いわよ?」

「…飲んでませんよ。未成年ですよ?」

「本当に? 私、そういった匂いに結構敏感なんだけど…」

「口に入れたのなんて…祝賀会じゃすげぇ会長……いえ、先輩方にガードされてたし…」

「ガードって…」

「部屋に常備されてる、ポットのお湯くらいですよ? まぁ正確にはお茶ですけど…」

「…そう……あれ? ポットって…プレミアムルームに、そんなの置いてあったかしら…」

 

 

 霧吹きと準備してありますし、完全に再現するつもりですよ!! あの西住殿のSRカードを!!

 

 なぜか、私で!!

 

「はい、では優花里さん」

 

「ひゃい!?」

 

 しまった…。

 焦りすぎて、周りの声なんて何も聞いていませんでした…。

 

 ぅぅ…。

 

 浴衣姿の隆史殿。

 見た目、すっごい普通なのですけど、この方の場合関係ないです!

 酔ってる、酔ってないの判断が、できませんよぉ!

 

「では、約束通りお願いします」

 

「約束って、あの時の…カードを開封した時のですよね!?」

 

「はい、そうですね。俺、優花里はちゃんと、約束を守ってくれる子だと信じてましったヨ?」

 

 い…言い方が、卑怯です…。

 

「すでに撮影する事に、私が承諾したみたいに言わないでくださいよ!」

 

「え…でも、俺に見せてくれるって言ったよね?」

 

「言ってま『 言 っ た よ ?』」

 

「」

 

 ごく自然に切り返してくる…というか、なんでしょうこのプレッシャー…。

 そんな会話はした事自体は、ちゃんと覚えてますよ?

 丁度、PLを見る時だと記憶してますが…。

 

「…そんな証拠…」

 

「えー…だって、優花里が着て見せてくれるって言ったから、ここまでの揃えちゃったけど…」

 

「……言って…いま…」

「言いましたよ?」

 

 

 なぜでしょう…スタッフの方に、助けて欲しいと目線を投げると…すごい楽しそうに見ていますね…。

 若いっていいわ~って!! 何言ってるんですか!? やめてください!!

 明らかに私、なにも知らされていない状態で、連れてこられたって感じがすごいと思いますよ!?

 助けてくださいよぉ!!

 

 あ…隆史殿に肩を置かれました…。

 

「お金も掛かってるし、不確かな事で機材と人を揃えると思う? この…俺が」

 

 

 ぐ…。

 

 

 確かに、ここまで…しかもこんな夜に…。

 悪戯に人様を巻き込むような方では、ないとは思いますが…。

 

 …言いましたっけ?

 

 私、承諾しましたっけ……?

 

 いけません! さも当然の様に言う隆史殿を見ていると、自分の記憶に自信が無くなり始めましたぁ!

 な…なにか、逃げ道を…。

 

「た…例え、言ったとしましても…口約束ですし…」

 

「口約束も約束です。それにその口約束で、大洗学園の廃校が免れたんだよ?」

 

 ぎっ!?

 

「…その…流石に全国に出回る…水着の写真…『それを去年、みほはやったね』」

 

「」

 

「アレモ、戦車道なんでしょう? みほのカードと一緒ですよぉ? ()()…態々、危惧したら「でも水着ですし……」って、容認してるような事、言ってませんでしたっけ?」

 

「」

 

 言いましたけど! 

 

「ダイジョウブ。あくまでテストだからさ。流通はしないよ? アクマデ、テストデスカラ」

 

「…ぃ!? し…しかし!」

 

 あぁ! いつの間にか、壁に追い詰められました!

 スタッフの方が、撮影準備を始めましたし!

 もう時間の問題ねって、何を言ってるんですか!?

 

 諦めないでください!!

 

 こ…こうなったら…。

 この手は、正直卑怯ですので使いたくなかったのですけど…。

 携帯を取り出し…隆史殿に最後の手を使います

 

「…に…西住殿に言いつけますよ? 水着撮影の…『 ド ウ ゾ 』」

 

「……え」

 

 か…間髪入れずに…。

 

「なんなら、この部屋も教えてやれば? 俺は別に、優花里との約束を果たしているだけだし…ヤマシイコトナイカラ」

 

「なっ!?」

 

「まぁ…みほなら、すっ飛んで来るだろ? まぁ…ここに来た所で…」

 

 特に気にする訳でもなく…淡々と…。

 

 

「 被 写 体 が 増 え る だ け だ 」

 

「」

 

 に…逃げ道がぁぁ!!

 

 しかも! 

 

 そんな事で、本当に西住殿が来ようものなら…私が、西住殿を売ったことになるのでは!?

 今の隆史殿なら、怒る西住殿すら、口八丁でどうにでもできそうです!

 

 あ!!

 

 そうです!!

 

「い…いいんですか?」

 

「ナニガァ?」

 

 ぐっ…。

 

 そうです!

 先程、チラッと西住殿から聞いていました。

 多少、あまり話した事もない方を引き合いに出すのは、気が引けますが…。

 もうこうなったら、隆史殿にとってのジョーカー的存在を…。

 

 

「今、西住殿のお母様もこのホテルに…」

 

「知ってるよ?」

 

「!?」

 

「だってLRの撮影対象が、しほさんだから」

 

「」

 

 バラす対象を変えてもダメでした!

 怖い! この隆史殿、怖い!!

 何を言っても、即答で返される気がしてなりません!

 酔ってますよ、コレ!!

 

「まぁ…それとは、別にな…」

 

「な…なんですか…」

 

 なにか…なにか武器はないのでしょうか!?

 

 なんですか! あのゴツイガラス製の灰皿は!

 周りを見渡しても、物理的に武器になる様な物しか、ありません!

 でもこの隆史殿でしたら、あれですら笑って受けそうですから、武器になりそうにないです!

 た…隆史殿が、なにか仰っている内になにか!

 

 ……。

 

「…俺は、優花里の水着姿が見てみたい」

 

「ひゃぁ!?」

 

 な…なんて事、言うんですか!!??

 肩!? 手ぇ!?

 

 近いです!

 

 隆史殿!! 顔近い!!!

 

「こんな事、今の内にしか出来ない事だと、俺は思う」

 

「で…でも、私…スタイル良くありませんし…」

 

「…それは、関係ないだろう? ただ…俺が見たいだけだ」

 

「……」

 

 か…かんけい……あると……おもいますがぁ…。

 耳ぃ…。

 

「ほら、それに高二の夏休みというのは、結構貴重だぞ? 自由が効く、最後の夏だ」

 

「…………」

 

 ま…来年ですと、受験とか……まぁ…

 

 

『あ、あの娘、もうダメね。約束の有無っていう問題から、説得の内容が変わってるの気が付いてない』

『いやぁー! イイわね! 若い子っていいわ! これもある意味、青春よね!』

 

 

 が…外野がなんか、お茶飲みながら寛いでますが…。

 隆史殿の顔が近すぎて、思考がまとまりません!!

 

「エット…アカボシサンハ、タシカ……」

 

 耳元で…なんかボソボソォォ…。

 

 !?

 

 腰にいつの間にか、腕を回されてまぁつぁ」jd!!??

 

 

「たっ!? 隆史殿!? 人前! 人前ですからぁ!!」

 

 

 カメラマンの人達が、お煎餅囓りながら、前のめりになって、すっごい見てますから!!

 というか、止めてください!!

 確信しました! 完全に酔ってます!! 助けて! 西住殿!! お母さ……は、ダメだぁ!!

 

 んん!? 耳元で囁かないでぇ!!

 

「優花里」

 

「ひゃい!!」

 

 

「一夏の思い出…とやらを、()()に作ろうじゃあないか…」

 

「」

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

「はい、ではこの中から、3着水着を選んでね?」

 

「は…はいぃ……」

 

 よしよし。

 

 優花里はぁ!! 諦めた!!

 

 俺の誠意ある説得に応じてくれました!

 

 うん、良かった。

 

 今は真っ赤な顔しながら、生気のない目で、嬉しそうに水着を見下ろしてますね!

 

「私…君が小声だったから、あの子に何言ったか分からないけど…」

 

 カメラマンらしき女性に、声を掛けられた。

 着替えが終わるまでは、取り敢えず暇である為だろうな。

 

「君…すごいわねぇ…。いくら彼女でも、人前でよくあそこまで出来るわよね…」

 

 腰に腕回した事か?

 

「彼女? 違いますよ?」

 

「え!?」

 

「友達ですよ、友達」

 

「…エー……」

 

 あれ? なんか、信じられないって目で見られてる…。

 

「…あ……ひょっとして君? あの家元達に撮影オファーを出して、OK貰ったのって」

 

「そうですよ?」

 

「…」

 

 な…なんだろう…。

 めっちゃ見られてる…。

 なんだ!? すげぇニヤァってしたけど…。

 

「なるほど…ねぇ!」

 

 水着を選んでいる二人に、声を飛ばした。

 本当になんだろう…。

 

「彼に水着を選ばせたら?」

 

「!?」

 

 あ、優花里の顔が、更に赤くなった。

 スタッフの人とボソボソと打ち合わせを始めた。

 一瞬驚いた顔をして、こちらを向いたな…。

 オモシロソウ! って声が聞こえた…。

 

「そんな訳だからお願い! いつまでも決まりそうにないからね」

 

「え…まぁ、はい。いいですけど…」

 

 優花里は、下を向いてしまった。

 なぜか顔を合わせてくれなくなったなぁ…。

 別に水着を選ぶだけだろうに…。

 

 まぁいいや。

 

 さて…。

 

 ベットの上に置かれた水着の数々を見下ろす。

 その一覧を見て思った。

 水着は、あのハゲがチョイスしたと聞いていたので、即座に思った。

 

 

 うん! あのハゲ! その内一回ぶん殴る!!

 

 

 高校生に着せる水着じゃねぇ!!

 

「……」

 

 いや…ある意味で、使えるな…。

 

 結構下の方に、隠すように置かれていた為に優花里は気がつかなかったのだろうな。

 まぁ、水着と認識できそうにもないし。

 これにしよう。

 

 ……

 

「あ、カメラマンさん。コレなんてどうでしょう?」

「…え?」

「……まぁ要は…」

 

 

 よし。

 

 

「じゃあ、これ」

 

「え…あ、はい」

 

 すこし、ボケーとしていたので、俺の声に少し遅れて返事をした優花里さん。

 その差し出された手に、選んだ水着を渡した。

 

「……えっと、え? どれですか?」

 

「それ」

 

「いえ…これパーツみたいなものですよね…」

 

「いえ、それです。広げてみてください」

 

「…はい?」

 

 言われるまま、それを服を広げる様に、水着の端を持ち、両手を左右に開く。

 

 びろ~んと。

 

「……」

 

 あ、まだよく分かってないな。

 そんな顔。

 

「…………」

 

 あ、顔が赤くなってきた。

 

「……な…なっ!」

 

「な?」

 

「なんですか! これは!!」

 

 その水着を握り締め、腕をブンブンと振り回しながら、抗議してきましたな。

 顔を真っ赤にして、涙目になりながら叫んでいる。

 

 うん…優花里のこの顔はメチャクチャ好きだ。

 だから誠意を持って答えよう。

 

「水着です」

 

「水着じゃないですよ!!」

 

「いえ。マイクロビキニという、レッキトシタ水着デス」

 

「これは紐ですよ!!」

 

「え? ちゃんと隠す所あるよ?」

 

「あれば、いいってもんじゃないです!!」

 

「え~…」

 

「こ……これ……握り拳位の範囲しか、隠す所ないじゃないですか!!」

 

「大丈夫だよ? 似合うから」

 

「大丈夫じゃないです!!」

 

 渡した水着は、まぁ…青い紐…じゃない。水着です。

 もう一度、広げてみて…更に赤くなってきた。

 

【挿絵表示】

 

 ウフフ。

 

「せッ! セクハラですよ!? 訴えますよ!!」

 

「え~…」

 

 スタッフ達が、腹抱えて下向いて震えている。

 まぁ、あらかじめ言っておいたしな。

 それにしても良い性格してるなぁ…日本戦車同連盟って皆、こうなのだろうか?

 

 

「なんですか!! この…」

 

「分かった! 分かったよ…んじゃ、選びなおすわ」

 

「そうして下さい!!」

 

 もう、水着撮影をする事に対しては諦めているのか、忘れているのか…。

 すでに受け入れていた。

 …俺が言うのもなんだけど…優花里は、結構流されやすいのかなぁ…。

 

 まぁいいや。次だ次。

 ()()してあった次だ。

 

 

「んじゃあ、これ」

 

「まったく…」

 

 そっぽを向いて、手を差し出してきた優花里の手に、次の水着を渡した。

 はい。今度は黒いのですね。黒一色です。

 

「…今度はちゃんと布……き」

 

 はい、ビロ~ン。

 

「」

 

 それを着た自分を、また想像したのか。

 ゾクゾクす……心配になる位に、赤くなっていきますね!

 

 

「 ま た 紐 じ ゃ な い で す か ぁ !!!」

 

 

 あ、地面に叩きつけた。

 

「違いますぅ、水着ですぅ」

 

「紐ですよ!! ただの少し太い紐です!!」

 

「スリングショットといった、レッキトシタ水着デス」

 

「これも! 先程のも!! 後ろなんて裸、同然じゃないですか!!」

 

俺は、優花里の水着姿が見たいんだ

 

「限度がありますよ!! しかも! なんで今! 無駄にいい声で言ったんですか!!」

 

 チッ…。

 

 V字の水着…ほぼ紐だというのは認めよう

 だが水着だ。紛う事なき水着だ

 

「そっ! それにですね!!」

 

 あ。スマホをいじりだした。

 

「スリングショットって言いましたよね!? 見てください!!」

 

 そのスマホ画面を、こちらに向けてきた。

 スリングショットで検索した画面を突き出した。

 ズラッと、通販サイトが陳列しているネ!

 

「取り扱いショップが、如何わしい所ばかりじゃないですか!!」

 

 チッ…気づきやがった。

 まぁそれは、それとして…。

 

「優花里」

 

「んっっですか!?」

 

「ショップサイトに飛ばされてるぞ?」

 

「あぁ!?」

 

 画面に指が当たったのか…どこかをクリックしたみたいで、変なサイトの画面が開いていた。

 

「ぅぅ…なんですかぁ…この水着…男性用もあるぅ……」

 

 しっかり見てるな。

 同級生の前でそんなページを見ないで下さい。

 

「こんなの…明日、家元達に着てもらえばいいじゃないですかぁ…」

 

 ふむ。それはそれで、魅力的…。

 だが。

 

「いいか?…優花里」

 

「なんですか!?」

 

「エロい人達に、エロい格好してもらっても、面白くないだろ?」

 

「…面白くないって……」

 

「だから俺は、優花里に着て欲しい!」

 

「なんですか! その笑顔!! じゃあ、なんですか!? 私が着れば面白いんですか!?」

 

「素晴らしいとは思う!!」

 

「……私も怒る時は、怒りますよ?」

 

 あ。

 

 そろそろヤバイな。

 

 うん、引こう。

 

「はっ! いいでしょう! 着ましょうか? それで写真撮られましょう!」

 

「……」

 

「それで、西住殿に報告します! 隆史殿に無理やり、こんな格好させられましたって!!」

 

「……」

 

「ただし! 条件がありますけど!!」

 

「…ほう?」

 

 いや、違うな。

 引き時じゃない。

 

 これは攻め時だ!

 

「隆史殿も、これを着たらですけどね!」

 

 携帯画面を見せてくる。

 うん。

 男性用のスリングショットだ。

 赤くなりながら見せるくらいなら、やめればいいのに…。

 

「どうです!? 嫌でしょう!? 少しは、こんなの選ばれる私の身にも…『 了 解 』」

 

「……」

 

 優花里が固まった。

 

「……」

 

「……ゑ?」

 

「……」

 

「え?…あの…隆史殿…今なんと仰言いました?」

 

「了解っと言ったんだ。みほにも、ドウゾ言っていい。その条件を…飲もうじゃないか」

 

「……」

 

「はい。後、二着だな」

 

「いやいやいやいや!! 待ってください!!」

 

「なに?」

 

「え? …えぇ? 本当に? え?」

 

「いいよ? 着るよ? 後日になるけど…まぁ、優花里の趣味にも合わせよう」

 

「趣味じゃないですよ!!」

 

「後、みほか。そのみほにも、その交換条件を説明してね?」

 

「 」

 

「はい、じゃあ後二着はコレね」

 

 紺色の旧スク水と、ちょっと際どい、迷彩柄の普通の紐ビキニを渡した。

 それを呆然と受け取る、ゆかりん。

 

 はっはー。

 

 棚からぼた餅だな。

 

「え…あの……」

 

「あぁ、カメラマンさん。一度、俺外に行った方がいいですか?」

 

「「……」」

 

 予定外の結果に、スタッフ二人も呆然としている。

 

「あの…」

 

「えっ!? えぇ…そうね…。化粧とかもあるし…準備できたら呼ぶわ…」

 

「了解です。じゃ、廊下か隣の部屋にいますねぇ~」

 

 言うだけ言って、さっさと変更されない様に退室する。

 

 スタッフの方々にも一応説明…というか、俺の狙いを言っておいた。

 

 本当の狙いは、普通の紐ビキニだと。

 

 普通の紐ビキニだとしても、年頃の女の子には恥ずかしいだろうさ。

 特に優花里の場合はな。

 だから、いきなりドキツイのから攻め、順々に露出を下げていけば、こりゃイケルかも知れないと踏んでいた。

 が、予想に反して優花里から条件付きだけど、アレを着てくれると言ってきたんだ。

 

 そりゃあ…乗るなぁ。

 

 多少の羞恥など気にもならん。

 

 さて、自室で()()飲んで待ってよう。

 

「ぁ……あ……あぁぁああ」

 

 はい。ゆかりんは、本当にソロソロ腹を括ってくださいね。

 

 はい。

 

 最後言い出したのは、貴方です。

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 …私達は、圧倒的な戦力差に絶望していた。

 

 書記に秋山さんが連れて行かれて、30分程経過したら、詩織を連れてきた沙織と合流した。

 秋山さんを除く皆と、大浴場に来ていた。

 

 この時間の割に、入浴者は私達しかいなかった。

 貸切みたいだと、はしゃぐ沙織。

 うざい。走るな。揺らすな。

 五十鈴さんは、隅っこで西住さんと内緒話の様な事をしているな…。

 まぁ…うん。これからの事もあるだろうからな…。

 

 しかし意外なのは、詩織だった。

 

 外面がいい詩織。

 その割に、西住さんには一切絡まない。

 何のつもりかしらんが、挨拶が済んだ後は、話しかけられない限り、一切口を開こうとはしなかった。

 ただ…ジーっと見ている。

 

 それに飽きたのか、私に絡み始めた。

 うざい。よるな。揺らすな。

 始め、詩織に散々遠まわしに、私の体をチクチクいぢられた。

 まぁ、よくある事だし…特に気もしない。

 

 チッ。

 ……また、でかくなりやがって…。

 

 ……。

 

 そう、気にしない。

 

 

 

 しかし、ニヤニヤした詩織の顔も、一瞬で凍りついた。

 何故だろうか…詩織は、どうにもこの二人を敵視した目をしているな。

 

 

「あら、こんばんわ」

「…みほ」

 

「島田さん…お母さん…」

 

 

 大浴場の湯船。

 二人の家元が私達の後から入ってきた。

 

 一通り挨拶が終わり、無言で湯船に浸かる時間が、どんどんと増えていく…。

 熱い…。

 普

 

「でも…ちょっと意外」

 

 西住さんが、口を開いた。

 

「お母さん…大浴場に来るなんて…」

 

 そこか。

 

「…確かに、部屋に浴槽はついてはいましたが…。こちらの方が、眺めもいいですし…なんですか、島田流」

 

「いいえぇ~?」

 

 なにかニマニマしながら、西住さんのお母さんを見ているな。

 

 ザバッと音を立てて、立ち上がった。

 この二人は、仲がいいのか悪いのか分からない。

 よく書記とセットで…。

 

 ……。

 

 書記と極希に一緒にいるが、喧嘩をしている所をよく見るな。

 

 

 ……。

 

 しかし…なんだこのスタイルは。

 西住さんに聞いた事あったな…主に書記に関係した話だった気がするが…。

 まぁいい。

 いや…30代だと思えない…。

 

 出るところは出て…というか、でかい…。

 対抗できるのが…沙織か五十鈴さんしかいない…。

 呆然としている詩織の目が心地いいな!!

 体にたるみもなければ、シミも無い…。

 その横の島田さんもそうだが…戦車道の家元は化物か。

 

 あれ?

 

 西住さんが、そのお母さんを凝視している。

 

 

 

「 お 母 さ ん 」

 

「なんでしょうか? みほぉ!?」

 

「…なんで、体絞ってるの?」

 

「……」

 

 ピリッとした空気が充満した…。

 あれ? 西住さん…どうしたんだろ…。

 自分のお母さんの、お腹を撫で回してる…。

 

 あ。島田さんが湯船に肩から浸かった。

 

「…会場で言ってた。撮影が明日だって」

 

「……」

 

「…お姉ちゃんが言ってた」

 

「!?」

 

「水着撮影だって…」

 

 あ、目を逸らした

 

「もう…自分の母親の水着の写真が、全国に出回るんだよ?」

 

「…い…いぇ…それは…」

 

「娘の身にもなってよ…」

 

「……」

 

 あ…島田さんが、ゆっくりと後退して行く…。

 

「いくら隆史君に頼まれたからって、年考えてよ…」

 

 

 「「「「「「 !? 」」」」」」

 

 

「ん…? 何? どうしたの?」

 

「…いえ、みほ。貴女知っていたのですか?」

 

「何が? 隆史君に頼まれたって事?」

 

「え…えぇ。まほですか?」

 

「うん、そう。オネエチャンニキイタ」

 

「」

 

 さて。

 …私も離れよう。

 前回の無線垂れ流しの時を思い出した。

 

 

「…その…怒ってますか?」

 

「…なんで? 別に隆史君と変な関係じゃないんでしょ?」

 

 

 「「「「「「 !!?? 」」」」」」

 

 

「お…おい、沙織…」

「な…なに?」

「今、はっきりと言ったな…しかも私達の前で…」

「うん…」

「なにか心境の変化でもあったんでしょうか?」

「あれは釘を刺しましたね…」

「島田さん!」

 

 

「…当たり前です! 何を馬鹿な…」

 

「 お 父 さ ん 」

 

「」

 

「ダメだよ~…」

 

「…アレは、関係ないでしょう?」

 

「フフッ。その言い方は、お父さん可愛そうだよ…」

 

 

 

「こ…こわい! 普段と同じ口調の西住さんが怖い!」

「…どうしたんだろ、みぽりん」

「でも、みほさんから、ちょっと余裕も感じられますよね…」

「……あれは…」

 

 

 

「お母さん」

 

「な…なんでしょう?」

 

 

「 モ ラ ル は 守 ろ う ね ?」

 

「」

 

 

 

「みぽりん! 今度は笑顔が怖い!!」

「やはり、完全に…」

「島田さん! なんですか!? なにか分かりました!?」

「先程も言いましたが、完全に釘を刺しにきてますよ」

「……」

「…しほさんを、完全に女として見てますね」

「いや…女って…」

「あぁ…そうですね。先ほどの会場でも…それで、ですか…」

「……」

「いいですか? 後学の為にも見ておきなさい」

「……え?」

 

 島田さんが、西住さんを指差して一言…。

 

「あれが女の顔です」

 

 「「「「「 …… 」」」」」

 

「はぁ…まぁつまりは、そういう事でしょう…」

 

「!?」

「え!? え!? どういうことですか!?」

「さぁ…。私にはわからん。沙織?」

 

「……」

 

 沙織が呆然としている…。

 今の意味が分かったのだろうか?

 詩織の頭にも?マークが出ているのに。

 

 

「島田さん」

 

「なぁ! なに…かしら?」

 

「島田さんもですよ?」

 

「……」

 

「いい大人なんですから…ね?」

 

「」

 

 どこでスイッチが入ったから分からないが、始終ニコヤカに話す西住さん…。

 なんだろう…。

 島田さんの言っていた意味も、今一わからないが…この西住さんを指しているのだけは分かった。

 

「さぁ、皆さん。もう上がりましょう」

 

「え…あ…うん」

 

 呆然としている私達を背に、湯船から出てしまった西住さん。

 ゆっくりと、脱衣所に向けて歩き出した。

 

「あれ? どうしました?」

 

 振り向いた西住さんを見て、沙織が呟いた…。

 

「み…」

 

 み?

 

 

「みぽりんが、大人の階段を登ってた…」

 

 

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 

「お嫁に行けなくなったら、どうしてくれるんですか!!」

 

「大丈夫、大丈夫~」

 

「何がですかぁ!! 頭撫でないでください!!」

 

 無事、撮影も終わった。

 いやぁ~…満足!

 結局終了後、隣の自室でお茶を出していた。

 まぁ、やっと落ち着いてきた所だな。

 部屋に連れ込んだと思われるのも何でしたので、一応断りを入れてみました。

 

 んで、椅子に座って向かい合ってお茶を啜ってますね。

 説教されてる訳ではない。

 断じてない。

 

「ほ…本当に…私、なんてモノを……」

 

 いやぁ……スリングショット。

 本当に着てくれるとは、思わなかったな!!

 

「約束を守るいい子だな! 優花里は!」

 

「嬉しくないですよ!!」

 

「でもさぁ…結局、ノリノリで写真取られてたじゃないか」

 

「ぐ…そ…それは……場の雰囲気って…怖いです…」

 

「いやぁ。可愛かったぞ!?」

 

「撮影中! それ連呼しないでくださいよ! おかげでぇぇ…」

 

「あんな格好までしてな!」

 

「ぅぅうう!!」

 

 本当にな。

 場の雰囲気ってのは怖い。

 

 散々、拒否してた優花里も、最後にはグラビアモデルみたいな格好してたしな。

 谷間強調、前かがみ。足の組み換え等…。

 しかし、カメラマンの人も、やっぱりプロだなぁ…最後には優花里、脱がしちゃうんじゃないかと思ったヨ。

 

 褒める。

 

 とにかく褒める。

 

 カメラマンさんは、どうにも俺が褒めた方が効果が高いという事で、延々と褒めていた。

 ふぅぅ! とか、たまに漏らす、よくわからん悲鳴とかも…とにかく全てを褒めちぎった。

 

 うん。

 

 写真データも貰ったしな!!

 昨日、仕事頑張ったかいが、あったな!

 

 

「…しかしなあ…普通のビキニ着た時の、安心しきった顔がまた…」

 

「当たり前です! あれで正気に戻りましたよ!!」

 

 結局、大洗の制服を使用できる水着は、一着のみだ。

 制服自体一着しかなかったからな。

 それは、ビキニに使わなかった。

 お陰で、ビキニ撮影の時は、すげぇ健全な健康的な撮影だったな。

 

「うん! 優花里は、スタイル結構いいな!」

 

「せっ! セクハラですよ!?」

 

「…特に……ヘソが……」

 

「それですよ! 意味がわかりませんよ! おヘソ褒められまくっても、困るだけでしたぁ!」

 

「そうか? その割には…。まぁ、照れまくる優花里を見れて、俺は満足でした」

 

「……タラシ殿って、基本的に変態ですよね…」

 

「まぁーね!」

 

「否定してください!!」

 

 はぁ…と、ため息をつきボソっと呟いた。

 

「…後、隆史殿が、前段のカチューシャ選手と、ノンナ選手の水着に引いていたのが分かりました…」

 

 スク水。

 

 前回、優花里が理解をしてくれなかった事の一つ。

 マニアックだって言ったのに…。

 だから…更にマニアックで上塗りしてみました。

 

 そう。

 

 制服は、旧スク水に使用した。

 セーラータイプの制服だからね!

 上は制服、下は無し。

 

 そして中はスク水!

 

 いやぁ……スタッフの人に、ドン引きされたなぁ…。

 

 カメラマンの人には、握手求められたし…。

 

 霧吹き使って、お湯で制服濡らしている時…何かに目覚めそうだったのは内緒だぞ!

 

 またお湯を掛ける時、一々反応する優花里が、すげぇ可愛かった!!

 

「はっ! 恥ずかしい事、言わないでください!!」

 

 あ、声に出てた…。

 

 取り敢えず誤魔化す為に、優花里の左右のモシャモシャでモジャモジャする。

 

「ふっ!? ぅぅうう!?」

 

 変な声を上げるのが、楽しい…。

 

「ぬぅぅぁ……」

 

 まだ変な声を出してるな。

 

「…隆史殿」

 

「はい?」

 

「少しは気が楽になりましたか?」

 

「……」

 

「昨日の様子を見て…どうも本当に隆史殿の疲労がピークに達してるって思いました」

 

「……」

 

「で…ですから、少しはお手伝いできるかもって思いまして…引き受けたのですが…」

 

「……」

 

 そうか…顔に出てたかぁ…。

 

「…でも、まさか水着撮影だとは思いませんでした…」

 

「……」

 

「あんな、恥ずかしい格好させられましたし…」

 

「……」

 

「な…なんか、思い出したら段々と、腹が立ってきました…」

 

 手を握り締めてるなぁ…。

 

「はっはー…気を使ってもらって…ありがとな」

 

 真正面から、素直にお礼を言うと、視線を逸らしてしまった。

 

「い…いえ……」

 

「……」

 

「……」

 

「あれ? 今私、誤魔化されませんでした?」

 

「誤魔化したつもりは、ないけど…」

 

「取り敢えず、タラシ殿。いちゅ、お酒飲みました?」

 

 いちゅって…。

 噛んだ事はスルーしてやろう…というか、それカメラマンの人にも言われたな。

 

「…飲んでないよ…」

 

「いえ! 飲んでます! そして、げんじゃい進行形で、酔ってます!!」

 

「…どうした、ゆかりん。噛みっ噛みだけど…」

 

「んにゃ事は、いいんです!」

 

 …いや。

 まぁ…。

 どうした? 本当に?

 

「昨日から、お茶しか飲んでないよ…。ここのポットのお湯とか使ったくらいで…」

 

「お湯?」

 

「そうそう、このお茶とか作る時とか…後は…午前中に仕事中に用意されたお茶くらい…酔っ払う原因がないっすよ?」

 

「うしょです! 普段でしたら、絶対に私の髪ときゃ、気を使って触りゃないじゃないでしゅか!」

 

「あ…ごめん。つい勢いで…本当にセクハラだな。嫌だったろ…悪かった」

 

「嫌なわけないでそ!? おばきゃですか!!??」

 

 えー…。

 

「もっと触ってくらはい!!」

 

「はぁ…」

 

「嫌なんでしゅか!?」

 

「いえ、全然。もっと堪能したいです」

 

「……その即答に、ちょっと引きました」

 

 どうしろってんだ!!

 そこだけ饒舌だな!!

 

「正直でしゅね!! この天ピャが、すっごい、こんぷれっきゅしゅでした!」

 

 噛み具合がソロソロ本格的にまずい…。

 あぁ…眠いのか?

 

 目が半分、閉じてきてるぞ。

 

「だから! うれしぃんです!!」

 

 あー…はいはいと、またワシャワシャし始めた。

 触ると犬みたいに、尻尾振って喜んでる感じが、すっごい。

 

 やべ…楽しくなってきた。

 

「タラシ殿は、この髪しゅきですか!?」

 

「…え? あ、はい。好きですよ? ある意味、優花里らしくて」

 

「そうですか!」

 

 ニマーっと笑ったな。

 敬礼は、何でしたのか分からんけど。

 

「らいじょうぶれす!!」

 

 え…? あぁ……大丈夫ですか。

 俺よりか、優花里の方が酔っ払ってる感じがするな…。

 まぁ…何が大丈夫かしらんが…。

 

「わらしも、隆史殿、らいしゅきれすから!!」

 

 ……。

 

 らいしゅきって…あぁ…大好きね……。

 

「……」

 

 他人だとすぐに判別出来る。

 

 やべぇ。

 

 これ、酔ってるわ。

 なんだ?

 

 原因は、この部屋だけだよな!

 

 

「あー…うん。ありがとうな」

 

 生返事を返しながら、可能性を探る。

 なんだ? …優花里が飲んだのって、お茶だけ……

 

 いや待て。

 

 なんつった今。

 

 大好き!?

 

 二度見する様に、もう一度優花里を見ると…フラフラと体を揺らしていた…。

 ガッと、湯呑を持ち、もう一度仰ぐように喉の流し込んでいる…お茶を!

 

 お茶! それだ!!

 

 なぜ気がつかなかった!?

 

 ポットのお湯かぁ!!

 ここは、戦車道連盟が用意した部屋…。

 

 ってことは……んのぉぉぉハゲ!!!

 

「おら、たらしぃ!」

 

「え…」

 

 ゆ…優花里さん?

 目が…座ってましてよ?

 

「わらしが、告白してんにょに、なんら、その返事わ!!」

 

 えー……ポットのお湯だけ、飲み始めましたけど…熱くないんでしょうか!?

 

「いや…うん……え?」

 

「はっはーん。そうら。どうしぇ、友達としてとか、どうとか…また、にげりゅちゅもうぃ…」

 

 今日日聞きませんよ!? はっはーんとか!!

 もう最後何言ってんのか分からん!!

 

「もう一度、言うろ!?」

 

 上半身を前後左右…グルグル円を描き始めましたね…。

 こりゃ…落ちる寸前だ。

 ゆかりん、絡み酒!!

 

「おろことして!!」

 

 おろこ……?

 あぁ、男か。

 

 ……え。

 

「だ……い……」

 

 あぁ。

 上向いちゃった。

 

「しゅ……」

 

 ダランと両腕を垂らして、体をソファーの背もたれに預け…。

 寝息が聞こえてきた…。

 

 ……。

 

 

 男として…ねぇ。

 

「……」

 

 

 どうしよう!!

 

 この状態!!

 告白されちゃった!!

 

 目に入る、ぐったりとしている優花里さん!

 

 

 いや…貴方、今…。

 

 ……えっと。

 

 

 

 どうしよう!!!

 

 

 

 

 

 ---------

 ------

 ---

 

 

 

 

「と、いうわけです!」

 

 みほ達の部屋の前…。

 両腕で腕で抱き抱え…優花里さんをお連れしました!

 中途半端に隠しだてると、思いっきり弊害がでそうだったので、撮影以外の事を正直に話した。

 

 流石に撮影の事はちょっと…ネェ。

 

 優花里を俺の部屋に、泊めさせる訳にはいかないから!

 だから説明!

 

 彼女に!!

 

 ハゲ! ポット!! 酒!!!

 

「はぁ…」

 

 ため息一つ吐き、優花里を受け取るみぽりん。

 中から、華さん達も出てきてくれて…優花里の肩を抱き…中へと連れて行ってくれた。

 間違えて酒を飲ましてしまったのもあり…状況が状況だけに…。

 

「うん、大丈夫。何もしてないのは分かるから」

 

「……」

 

「浴衣に乱れもなかったしね…」

 

「」

 

「じゃあ、隆史君も部屋に帰って寝てね?……これ以上、被害者が出る前に」

 

 被害者って…。

 

 というか…。

 

「…飲酒の件、もっと怒られるかもって、思っていたんだけど…」

 

「あ……アァ、ウン。アノ、理事長が全て悪いから、いいの!」

 

「?」

 

 なんだろう。

 なんか、おかしい…。

 

「…いや、まぁ…いっか」

 

 もう戻ろう…なんか……もう寝てしまって、今日一日を終わらせた方がいいと思う…。

 

「あー……そうそう。隆史君」

 

「え…あ、はい。なに?」

 

「明日、午後は予定、空いているの?」

 

「そうだな…仕事は、午前中で終わる予定…帰って引越し終わらせないとなぁ…」

 

「うん。午後は空いているんだね?」

 

「そ…そうだけど。なんで二回聞いたんだ?」

 

 

 

「だって午前中は、お母さんの水着撮影でしょ?」

 

「」

 

 

 

 

「まぁ、いい辛かったのは分かるから、内緒にしていた事はいいの」

 

「」

 

 

 

 

 バ レ テ ー ラ

 

 

 

「ちゃんと、()()には…()()()()帰ってきてね?」

 

「…ハイ」マタ、2カイ…

 

 

「水着撮影…ねぇ…」

 

「…………」カタカタカタ

 

 

 

 

 

 

「タ ノ シ ミ ダ ネ ェ ?」

 

 

 

 

 




閲覧ありがとうございました

女子会は別にやります。
なんか、逆にタラシ殿側にバレていた方が面白いと思ったので

ありがとうございました

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