転生者は平穏を望む   作:白山葵

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第07話~覚醒する転生者 です!~

「思い出した! 隆史君! 昨日、私の事ナンパしたよね!?」

 

 帰り道。沙織さんが、とんでもない事を言い出した。

 当然彼を見る。即座に目を逸らす。ダイジョウブダヨ。ワタシニランデナイヨ?

 

「それで先ほど、バツの悪そうな顔をされていたんですね。よりによって沙織さんをナンパするなんて…」

 

「華!?」

 

 もう一度彼を睨…見てみる。

 

「それについては、言い訳をさせて頂けると非常に助かるのですが……」

 

 と、両手を挙げる彼。よし。ちゃんと聞いてあげよう。何か理由があったんダヨネ。

 

「……聞きましょう」

 

 

 

 

 …………

 

 

 

 

「……凄い事言い出す、お友達ですわね」

 

「……」バツゲーム…

 

「沙織さん! 元気だして♪」

 

「武部さん。ほんっっと、申し訳なかったです」

 

 拝むような形で謝罪する彼。ちょっとカッコ悪いのがおかしかった。先程まで土下座してたのに。

 

「もぅ~沙織でいいよ……。せっかくモテたと思ったのにぃ……」

 

「でも隆史さんは、何故よりにもよって沙織さんを、ナンパ相手に選んだのでしょう?」

 

 華さんがもっともな事を聞いていた。それは私もぜひ知りたい。

 

「ぇっと…まぁ俺も男ですので。一応、かわいい子をっと……」

 

「……フーン」「あらあら」「……ヤダモー///」

 

「……もう勘弁してください。みほも睨まないで怖いデス」ニランデナイヨ?

 

 ここ至る経緯をあらかた聞いた。

 沙織さん達には、私の実家が戦車道の家元だと言うことは伝えてあったので、特に聞かれても不都合はなかった。

 彼はそれでも気を使ってか、大まかな言い方で説明してくれた。

 それでもわかった。想像がつく。すごく大変だったって事が。

 

 あのお母さんを説き伏せてしまうのだから……。まぁ、あの写真は菊代さん辺りだろう。

 

 

「あ。ごめん。俺の家ここだから」

 

 見覚えのあるアパートで彼が足を止めた。

 隆史君の家?…ここが!?

 

「そうですか。では、ここら辺で解散といたしましょうか」

 

「」

 

「どうした?」

 

 私が絶句をしていると、彼が怪訝な顔で訪ねてきた。絶句したくもなる。

 

「私もこのアパートなんだけど……」

 

 隆史君が、頭を抱えた。

 理由は、お母さん。

 

「……ここって、しほさんが用意してくれたんだ。おかしいと思った……ここ以外無いとまで言い切るぐらいだったから……。あの人、娘の居場所を全部把握してるじゃないか……」

 

 どこまで不器用なんだよって横で嘆いている。

 お母さん……。

 さすがにそれでも階は違った。彼は1階だった。

 うれしい事はうれしい。が、同時にちょっと恥ずかしくもある。

 

 そこで、お開き。

 今日は、素直に私も自分の部屋に戻った。また後日、隆史君の所にお邪魔してみよう。

 

 そして、部屋に帰ってきて今日一日を振り帰ってみる。

 

 とても大変な一日だった。

 

 友達が2人もできて、戦車道をやることになって……彼が来て……私の為に、怒ってくれた。

 うれしかった。とても。楽しかった。これからどうなるかわからないが、彼等となら頑張っていけそうだ。

 

 ただ最後の……。

 

 《 彼。私にくれない? 》

 

 生徒会長。どう言う意味で言ったんだろ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「隆史さんって。いろいろとすごい方でしたね」

 

「うん……」

 

「行動力がいろいろと……聞いてます? 沙織さん?」

 

「うん……」

 

 先ほどから沙織さんが、いつにもましておかしい。

 

「……隆史さん。みほさんの為に、土下座までしていましたわね」

 

「うん……」

 

「たとえ私達の為でも、体を張って下さるとも言っていましたわね」

 

「うん……」

 

「その時生徒会室でボーッとしていられたのは、見惚れていたからですか?」

 

「うん……」

 

「それで先程のナンパされて、かわいいって言われた事で、彼が頭から離れないと」

 

「うんンン!!?? なっ何、言ってるのぉ!?」

 

 

 あぁ。結構大変なことになってきましたわ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学園戦車倉庫

 

 

「こんなボロボロで、なんとかなんのぉ?」

 

「多分……」

 

「男と戦車は、新しい方がいいと思うよ?」

 

「ごめん……俺、結構ボロボロになる……」

 

 みほ達の会話に、生徒会役員4人の1人。つまり俺が挨拶変わりに割り込んでみる。

 

「それを言うなら、女房と畳では?」

 

「ご、ごめんね~。そうだった、そうだった……」

 

 沙織さんが、バツが悪そうだった。華さんは、なんぞ複雑そうな顔をしている。

 何かあったんだろうか?

 

「で・・でもさ、一輌しかないじゃん?」

 

「この人数だったらー・・」

 

「全部で、5輌必要です」

 

「んじゃぁ、みんなで戦車探そっか?」

 

 探して見つかるモンなのか? 戦車って。「エェー」とか言われてますよ会長。

 

「あ…あの。その前に……」

 

 バレー部だろうか? 「3」数字がついた体操服を着た、栗毛色の…子……が……ぁ。ヤベェ

 

「そちらの方は…あっ!」

 

「どうも。その節は、大変ご迷惑をお掛け致しました……」

 

 昨日、ナンパした1人目の子だった。一応お辞儀をしておいた。

 

「ん? 知り合いかい? それともナンパでもした子かねぇ」

 

 ……この感の鋭さが、この人怖いわ。冷や汗が止まらない。

 

「あーりゃま。図星かい」

 

 あぁ…周囲の白い目が痛い。みほさんや。ハイライト様が、逃げ出しておりますよ。

 

「あぁいや。彼は、なんか罰ゲームとか受けていたみたいで……それで、声かけられまして……まぁ、びっくりしましたけど」

 

 お嬢様から助け舟を出して頂きました。ありがとうございます。いやマジで。助かりました。

 

「あ~。まぁそんなとこだろうね。彼、堅物っぽいしねぇ~。だから、そんなんで怒っちゃダメだよ? 西住ちゃん」

 

「ふぇ!?」

 

「私以外にも声かけてたんだ……」

 

 チッっと舌打ちされた。まだ俺が生徒会に入った事に納得していないのか、広報担当:河嶋 桃 センパイ

 「まぁまぁ、ダメだよ、桃ちゃん」となだめてくれる 生徒会副会長:小山 柚子 先輩

 河嶋先輩が、しぶしぶ紹介してくれる。

 

「不本意ながら、昨日付けで着任した。生徒会書記 尾形 隆史だ。挨拶しろ」

 

「昨日転校して、何故かその日に着任が決定しました。尾形 隆史です。よろしくお願いします」

 

 ザワザワ

 

「昨日転校で、いきなり生徒会に? しかも役職!?」「会長の知り合いですか~?」「きな臭いぜよ」

 

 おーおー。まぁそりゃそうだな。そうなるわな。

 

「彼は、そこの西住ちゃんと同郷なんだよ。んで戦車道にも詳しい。だからスカウトしたのさぁ。男手って、どうしても必要になる時もあるしねぇ」

 

 会長が、もっともらしい事を説明。納得してくれた。でも俺、そんな戦車道詳しくないっすよ。会長。

 みほが近づいてくる。……なんで、そんなに笑顔なんですか?

 

「沙織さんの時と同じで、かわいくてタイプの子に声かけたって事だよね? よかったね。戦車道で一緒になれて!」

 

「」

 

 3番の子が、遠くで顔を真っ赤にしていた。はい、聞こえていたようですね。

 みほさん。そろそろその笑顔が怖いです。

 

 

 

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 特にやることも無く、報告待ちだった生徒会役員勢。ぼけーとしているのも悪いので、各班の見回り……というか手伝いに出かけた。

 しかし結構、見つかるもので、比較的速やかに発見していった。

 

 やる事がない……。

 

 みほ達は、林の中。

 

 なんかのコスプレ軍団は、池の中……なぜわかった。

 

 1年生達は、うさぎ小屋をなぜ探す? そしてなぜある…。

 

 林の奥を探すということで、報告の無かった、残りのバレー部の様子を見に行ってみた。

 

 林を進むと少し開けた所にでた。しかしその先は崖だった。なぜ学園艦に、こんな場所があるのだろう。

 周囲を見渡してみたら、崖の下を覗き込んでいる2人の女の子を見つけた。

 

「どうだ? 見つかったか?」

 

 驚かせて、崖の下に落ちでもしたら大変だったので、一応ワザと大きめの足音を出して近づく。

 

「あ。先輩」っと3番の子。

 

「どうも」っと金髪の子。

 

 2本のロープが木に巻き付けてあり、崖の下へと伸びている。まさか、降りてるのか?

 繋がれたロープが、ギッギッギとリズミカルに音を鳴らしている。

 

「もう戦車も見つけたので、キャプテン達登って来てますよ? もう少しです」

 

 ……ロッククライマーなバレー部ってどうなんだよ。すげーなバレー部。

 特に俺がいてもいなくても、さほど影響ないんだな。

 さて、結局散歩しただけだったな。学校戻るか。

 

「んじゃ、俺戻るから。落ちるなよ? 死ぬぞ~」

 

 「「は~い」」

 

「あ。先輩」

 

 金髪の子が、訪ねてきた。

 

「んぁ? なに?」

 

「妙子ちゃん、ナンパしたんですよね?」

 

「「ぶっ!」」

 

 直球すぎる質問に、2人して吹いてしまった。

 

「あの、3番の子。そういや、名前知らなかったな…。妙子さんね」

 

「あ、はい。近藤 妙子です……。って、あけびちゃん!」

 

「罰ゲームだったってのは、聞いたんですけど。何で妙子ちゃんに声かけたんですか?」

 

「」

 

 すげー…躊躇無しに聞いてきたよ。

 

「あけびちゃん!!」

 

「……正直、罰ゲームとはいえですね? 人生初のナンパというモノを致しまして…正直タイプだったので、選びました。ハイ」

 

「ヒウ!///」

 

 あ……しまった。普通に言ってしまった。何でだろうな。ある程度年を取ると、異性をかわいいと言うのに抵抗が無くなってしまう。

 まぁ俺の場合、今は高校生だけどもね。

 

「……尾形くん。うちの後輩をたぶらかさないで欲しいんだけど……」

 

 おかえり~。キャプテンが戻ってきた。

 いつの間にか、崖を登りきっていたようで、開口一番そんな事を言われてしまった。

 

「……チッ。ナンパ野郎」

 

 キツそうな子もおかえり~。でもその言い方はやめてネ。

 

「あんた……先輩さ。結構鍛えてるっぽいけどさ、どうせナンパ目的の見せ筋でしょ? そういうチャラいの嫌いなんだよね。どうせ生徒会に入ったのだって『なんつった、今!?』」ビクッ

 

 こいつは…今、俺の逆鱗に触れた……。

 

「オイ。そこの5番」

 

「な…なによ……」

 

「俺の筋肉がナンパ目的だと!?ふざけんな!!いいか!筋肉は裏切らない。それは努力の結晶だからだ!!鍛えれば鍛えた分だけ答えてくれる!

 絶ゆまぬ努力と不屈の根性!!実用性のある筋肉を作るのが、どれだけ大変か……それをナンパ目的の見せ筋ごとき紛い物と一緒にするとは…心外だ!

 侮辱の極みだ!!よし、小娘。貴様に一つ一つ部分的に説明して、どれだけの反復トレーニングが必要か、一から叩き込んでやる!!!!」

 

 ドン引きさせた。

 

「イエ……ダイジョウブッス。スンマセンデシタ」

 

 

 なぜかバレー部と仲良くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何とか人数分の車両は見つかった。

 

 だが長い事、放置されていた為、酷く汚かった。

 

「これは、やりがいがありそうですねぇ……」

 

 書記に、指示を飛ばす。

 

「書記。お前は38T、生徒会車両を掃除だ!」

 

「了解! 桃センパイこれ綺麗にしたら、他の手伝っていいっすか? この汚れ具合……たまらん」

 

「も……名前で呼ぶな!……なに? 貴様、すぐ終わると思って……」

 

 いきなり名前で呼ばれた。馴れ馴れしい奴だ。すぐ終らせるつもりか?

 手を抜く様な事があれば、厳しく……。

 

「多分いけますよ。腕が鳴るんですよ。掃除のやり甲斐がある物見ると。柚子先輩、手伝いますよって、なんつー格好してるんですか!?」

 

「ありがと~。会長の指示でこん「隆史ちゃん。うれしいっしょ」」ワー

 

 ……何なんだあいつは。会長の意図がわからない。あの方はいつも正しかった。だから今回も間違いは無いと思うのだが。

 わからない。あのヘラヘラとした強面の何が気に入ったのだ。

 今も、柚子ちゃんの水着にヘラヘラ対応している。

 

「よし! 柚子先輩これ15分程、何もしないで放っておいて下さい。洗剤で汚れを浮かしているので、後で一気にやっちゃいましょう!」

 

「うん、分かったよ。でもよく洗剤なんて見つけてきたね。……何で顔を逸らしてるの?」

 

「モ…物によっては、家庭用の中性洗剤とかで、作れるんですよ。車部の人に車用洗剤借りてきて代用できましたしね。後は、使いようって……近い近い近い!!!」

 

 あの男は、当初思っていたよりも、かなり早く掃除を完了させた。昔バイトで似たような事をやっていたというが……。

 

「今回は、こんな所でいいでしょ。後は、後日塗装で処理すれば完了です。じゃ次行ってきます!」

 

 掃除は、好きなようだ。汚れを清潔と言う名の暴力で、浄化するのに快感を覚えると言っていた。……変態だ。

 あいつが手伝えば、他の車両も早く何とかなるか?

 

 会長が、モゴモゴと干し芋食べながらやって来た。

 

「河嶋~。どうだい彼は~?」

 

「……掃除に快感を覚える変態でしたが、まぁ使えると思いますよ」

 

「おっけー。そっかー。んじゃ今晩、例の計画実行に移そうか」

 

 ……気乗りしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本日は、解散!」

 

 桃センパイの号令で、本日は解散となった。

 みほに声を掛けておくか。

 

 ……ん?

 

「あれ? 君、同じクラスの?」

 

 みほ達のグループに一人増えていた。教室にいた子。クラスメイトだった。

 

「あ…秋山 優花里です。ヨ…ヨロシクオネガイシマス」

 

 段々と、声が小さくなってくよ。

 

「あの、君なんかさっき教室で、すっごい話しかけたそうだったけど、何で?」

 

 先ほどの事を聞いてみたら、今度はアワアワしだした。

 

「いやっ! あの……盗み聞きしたみたいで、申し訳なかったのですが。私戦車が好きで……。尾形君のお母様が、戦車道の師範って聞こえてきたら…なんかこう……。それに戦車が好きな方って、周りにあまりいなかったもので……友達も少なくて……」

 

「あぁ、なる程ね。それでつい嬉しくなっちゃったと。んなら1人紹介しようか? すっげー詳しい奴いるけど。話合うんじゃない?」

 

「ほ…本当ですか!?」

 

「んーただ今の所、ネット上とかメールとかでのやり取りしか殆どしてないんだよ。俺がガキの頃、戦車道の大会会場で知り合ったんだけどな。それでも、その後もやり取りしていて、今でも関係が続いているんだ。みほにも昔、写真見せただろ? パンチパーマの男の子」

 

 あぁと、みほも思い出したようだ。まぁ子供でパンチパーマなんて、まずいないから覚えているだろ。

 ただ秋山さんは、「パンチパーマ…戦車道の大会会場……?」と、つぶやいているけど。

 

「だ、大丈夫! 男だけど、礼儀正しい奴だから、本名…なんだっけか…随分前に聞いただけだったからなぁ」

 

「隆史君……。いくらなんでもそれは……」

 

 みほさんが、非難の目を向けてくる。

 はい。俺でも薄情だと思います。

 

「いつもハンドルネームで、呼んでいたからなぁ……「オッドボール三等軍曹」っていう奴だけど」

 

「!!??」

 

 なんか驚いた目をしているが、知っていたか? 結構マニア向けのネット界隈では、有名人らしいし。

 

 

「尾形書記!」

 

 

 突然、桃センパイに呼ばれた。あら、三役人勢ぞろいで。

 

「やぁやぁ、西住ちゃん。ちょっと彼、借りるけどいい?」

 

「ダメです♪」

 

 

 ………………

 

 

「ダ・メ・です♪」

 

 

 みほさんや。

 えーと。え?

 正直、会長以外みんな意外な反応だったので、固まっている。

 

 

「まぁまぁそう言わないで。生徒会はみんなが帰った後も、仕事があるんだョ」

 

「尾形君は、転校したてで、しかも生徒会に入ったばっかりですし……」

 

 柚子先輩が、助け舟を出す。

 

「そーそー。イロイロ手続きもあるしねぇ…」

 

 …………え?

 

 なに? この空気。何で、みほと会長が睨み合ってんの?

 

「ま…いっか。…わかりました。沙織さん達。帰りましょう」ア・・ウン。

 

「ありがとね~。西住ちゃん」

 

 ジロッと、こちらを目だけで見るみほ。こ…この みほは、初めて見るナァ。

 

「秋山さん、悪い。今度ちゃんと紹介するから。会話中ごめんな」

 

「ア…ハイ……」

 

 あれ? なんか考え込んでるけど。男は嫌だったのかな。

 

 みほから「今度はちゃんと一緒に帰ろうね」と言われて、4人は帰っていった。

 それを見送った後、柚子先輩から謝罪されたけど…。

 

「ごめんね、尾形くん。会長が無茶言って」

 

「大丈夫ですよ柚子先輩。なんか仕事残ってました?」

 

 柚子先輩の変わりに会長が答えた。

 

「いやぁー、西住ちゃん。意外に怒らせると怖いタイプだねぇ。さて……今から君の歓迎会だ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「小山ー。用意してくれた?」

 

「用意?」

 

 桃ちゃんは、聞かされてなかったのか、事情を知らなかった。

 

「一応用意しましたけど。私詳しくないので、適当ですよぉ?」

 

 毎回無茶な事を言ってくる会長だけど、今回は第三者が含まれているから、ちょっと心配だった。

 

「会長。奴の歓迎会の事ですか?」

 

「そだよ」

 

 にたぁーっと笑みを浮かべた。

 会長は悪巧みをすると、大体こんな悪い顔をする。

 

「小山はこういう時、私服着れば女子大生に見えるから助かるよ」

 

「何の事ですか? 何をしようとしてるのでしょうか?」

 

 段々分かってきたのか、桃ちゃんも不安な顔になっていく。

 

 

「隆史ちゃんには、赤裸々に語ってもらおうかね~」

 

 

 

 

 

 ◆

 

 

 

 

 

 

 って、事で連れてこられた会長室。

 こたつが設置されて真ん中に鍋が置かれていた。

 

 ……寒! この鍋の為だけだろうな。クーラーをガンッガンに、かけてるよこの部屋!

 

「我々三人だけども、悪いねぇ」

 

「ごめんねぇ」

 

「……会長直々の手料理だ。しかと味わえ」

 

「いえ……色々と意外すぎて。歓迎して頂けるのは、素直にうれしいです」

 

 柚子先輩が飲み物を進めてくれる。やけに飲みなれた味だけど。なんだっけこのジュース。

 鍋か~……。青森を思い出すなぁ。良くバイト先で、みんなで食ったなぁ。

 素直にご馳走になろうか。

 

「!!??……うめぇ。何これ!? メチャクチャうまいですよ!」

 

 素直に感想を言った。うまい物食べるとテンションもあがる。そういうものである。

 

「当然だ。会長は料理が趣味だからな!」

 

 桃タンが、胸を張った。でけーな、この人も。

 

「あんこう鍋だよ。コツがあってねぇ~、先にあん肝を「肝を使ってる……。ベースは、醤油か……」」

 

「おや正解」

 

 会長が、ちょっと嬉しそうに正解だと言ってくれた。ウメェ……

 

「……ちゃんと肝を蒸して使っている。香りが段違いだ…。身はちゃんと氷でしめた歯ごたえ…料亭にも負けていない……!」

 

「♪~。いいねぇ隆史ちゃん。分かってもらえると、作りがいがあるよ♪ あ……飲み物が空にナッテルヨ?」

 

「あ、すんません。港町に入り浸ってバイトしてたんで、海鮮物にはちょっと詳しくなりまして……。いやしかし、会長。店出せますよ。この味は」

 

 

 ……

 

 

 ぬ。ちょっとはしゃぎすぎたか? なんかテンションが上がりやす。鍋のせいだろうか? しかし、このジュース懐かしい味がするなぁ。うめぇ。

 なんか会長達が、小声で話してる。なんだろ。

 

「小山。ちゃんと飲んでるよね?」

「そろそろビンの中、無くなっちゃいますよ」

「あまり強くないのでは無いか? よくわからないが……」

「ちょっと見せてみ。……小山。これ2ビン開けたの? このままで?」

「え? はい。普通に飲んでましたよ? あと1ビン有りますけど…空けますか?」

「……見てみろ」

 

 ○ャック・○ニエ○ 40℃

 

「「……」」

 

「どうかされましたか?」ワーマダノンデマスヨ!

 

 何か黙っちゃたんで声をかけてみる。ウメェ

 何かツイテ会長が、試すような目で見つめてきた。

 

「……隆史ちゃん。初恋の人って誰?」

 

「んぁ? しほさんっすけど」

 

 何でこの人、そんな事聞いてくるんだろ? しかしウメェ。

 

 

「会長……これ完全に出来上がってますね」

 

「……見た目変わらない人いるって、聞いた事あるけど……」

 

 桃たんと柚子ちゃんが赤くなってる。んふっふって、面白い顔で笑うロリ会長。

 

「隆史ちゃーん。しほさんって誰だろ~?」

 

「んぁ。この人ですけど」

 

 見たいと言うのであればお見せしましょう。

 携帯を取り出して、写真のファイルを開く。

 

「うわー! 綺麗な人。……何でお姫様だっこしてるの?」

 

「ご希望だったので」

 

「尾形書記。その方と付き合ってるのか?///」モモチャンテレテル~

 

「んな事はないですよ。だって、みほのお母さんですよ?」ウマー

 

 

 「「「 」」」

 

 

「い…いきなり爆弾発言が来ましたね……」

 

「人妻か……」

 

「ほんっと、おもしろいな~隆史ちゃん。……西住ちゃんとは、どうやって出会ったの?」

 

「あ~~~。それは言えないです。無理っす。ハイ」

 

 「「「!?」」」

 

「それは、西住姉妹と俺の話です。俺が言っちゃいけないと思うんっすわ。あるじゃないですか。そういう思い出。かなり大切な話なんで。すんません会長でも無理っす。ハイ」ウミャー

 

「…………」

 

 何か、眼が鋭いな~ロリ会長。

 

「……どうし『無理っす。』」

 

「……」

 

「あぁでも、小学生の時からの付き合いっすね」

 

「よし、質問を変えよう。……隆史ちゃん。女の子と付き合ったことはある?」

 

「無いっすね。女の人が、俺なんぞを好きになるはずないでしょ」

 

「じゃあさぁ……私達の誰かが「付き合って~」とか言ったら付き合う?……その子が、ちゃんと本気だったら」

 

 「「!!??」」

 

 んぁ。モモユズおっぱいが、驚いてる。

 

「んー……どうかな。何か、みほとまほちゃん怒らせそうなんで、何とも言えないっすけど……

 そういうの抜きにするなら、全然おっけーだと思いますよ?」

 

 「「「!?」」」」

 

「あーなんていうか、俺そんなにモテるとは思えないんですよ。そんな俺好きになってくれる人がいれば……それこそ、こんな命ぐらい賭けるんじゃないですかね?」

 

「…………」

 

「??? かいちょー? 顔あっかいですヨ。俺変な事いいましたか?」

 

「!?」

 

 

 

「アーーーーー…………。嫌な事を一つ、思い出した」

 

「隆史君? どうしたの?」

 

「昔、知り合いの人から「お前女1人口説けなくてどうするんだ」って、口説き術を散々仕込まれた事を思い出しました。……地獄でした」

 

「ほう?」っとロリ会長が復活した。

 

「そもそもですね! 俺チャラいの嫌いなんですよ! なんか、その口説き術ってのが、もうイヤでイヤで……。なんか女ったらしって感じで」

 

 なんだろ。ロリツインテの顔が今までに無いくらい輝いてる。

 

「んじゃあ、会長命令。貞操奪うつもりで、小山を口説いてみ」

 

「会長!!?」

 

「えーー。会長命令じゃしょうがないか。了解っす」

 

「」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 口説けってイッテモナァ……。

 

「柚子先輩」

 

「ひゃい!?」

 

 警戒してるなぁー……。こういうタイプはどうしたっけ?……そうだそうだ。

 

「どうやって、口説けばいいっすか?」

 

「わ…私に聞かれても~?」

 

 まず、ワンクッション入れてジャブをする。

 

「あ、そういえば何かすいませんでした」

 

「え?」

 

「色々、フォローに回って頂いてた挙句、洗車の時ですら、うまくできなくて……」

 

 落ち込む「振り」をする。

 

「いいよ、いいよ! 隆史君は、しっかりやっていたと思うよ! 会長達なんて見てるだけだったよ!」

 

 会長達を指をさした。……結構この人、言うことは言うなぁ。

 

「でもまぁ…その時の事で思ったんですけど……。柚子先輩って。男なれしてませんよね? 特に目線とか……元女子高ってのもありますし……」

 

「まぁ……得意では無いかな? 正直隆史君の前での水着は、チョット恥ずかしかったし……。そんな見せれるモノでもないしね!」

 

 会話に乗ってきた。

 

 アトハセメルノミ。

 

「そんな事ないですよ! 洗車の時、手間取ったのだって目のやり場に困っていたからですし……柚子さんは素敵です」

 

「ふぇ!?」

 

「ちゃんと見たかったですし。正直ずっと見つめていたかったからです」

 

「」

 

 驚いて怯んだ隙に、一気に距離を縮める。

 真正面から、太もも間に足を入れ、相手の自由の幅を狭める。

 そして左手で背中に腕を伸ばし、主導権を奪う。最後に目を見る、真正面から。

 

「柚子は素敵な方です。内面から外見まで。俺みたいのに、こんな事されては不快でしょうか?」

 

 ゆずっパイは、「そんな事ないよっ!」とブンブン真っ赤になって顔を振っている。

 

「今だけなら、多少なら触れても大丈夫ですか? 構いませんか?」

 

「ま…まぁ多少なら……」チョロイ

 

「では……」「柚子を……」と、一言一言呟きながら空いた右手で、足をなぞりスカートの端まで指をもっていく。

 

 後は、顔を耳元まで持って行って「もらっていいですか?」と耳元で息を吐きながら囁く。「ヒゥッ」っとか言ってますね。

 

 そのまま、下着ギリギリまで指でなぞって「ありがとうございます」とか言ってみる。

 

「ちょちょ!! そういう事は、早すぎます! 場所を考えてください!!」

 

 アワアワ言い出した。

 

「せ…せめて、やさしく……」とか言い出しちゃった。

 柚子センパイ、マジカワユス。

 

 ゴツン!

 

 CR桃乳に酒瓶で殴られた。「やりすぎだ!」と怒られちゃった。やりすぎたか。

 

 

 

 

「隆史ちゃーん。そのまま、ゴー」

 

「御意」

 

「会長!?」

 

 

「桃先輩」

 

「よ・・寄るな!」

 

 名前を呼び立ち上がる。ちょっと距離があった為、即座にその距離を縮めた。

 

 ヒステリックに暴れそうだったのでさっさと、即座に座っている桃センパイを掬い上げ、お姫様抱っこの態勢に持っていった。

「降ろせー!」とか言ってるが、知ったことでは無い。

 そうだな。確か、こういうタイプはストレートに……。

 

「桃先輩。一つ質問いいですか?」

 

「うっうるさい! ダメだ!!」

 

「桃ちゃんかわいい」

 

「」

 

「桃は何でそんな、かわいいんですか?」

 

「…か……かわいいとかいうな」

 

 最初の勢いが無くなった。

 

「何で名前ですら、かわいいのに……何でそんなに嫌がるのですか?」

 

「イ、イヤ…ソノ、カワイイトカイウナ……」

 

 もう名前の呼び捨てにも反応しない。……チョロすぎるだろ。大丈夫か? 生徒会。

 

「ヒャ! チョ……ちょっと、どこ触って・・」

 

 足を持っている手で、くすぐるように太股の裏辺りをなぞる。

 

「桃が可愛いので、我慢できないんです。ですので、そちらが我慢してください」

 

「なぁ!!??」

 

「お姫様抱っこの体勢なので、比較的に触りやすいのです。……我慢できませんし、しませんけど」

 

「がっ! がまんしろ!」

 

「……」

 

「な、なんだ! 急に黙るな! 不安になる…」

 

「……」

 

 無言で、目を見つめてみる。一直線に。

 

「ナ…ナンナンダ。ナンナンダ……」

 

 あーらら。俯いちゃったよ。

 

「前に会長の言うことは、絶対と言ってましたね?」

 

「ト……トウゼンダ」

 

「……先ほど会長はいいました。貞操を奪えと」

 

「言ってない!!」

 

「では、よろしいですよね? まぁ今更、我慢も無理ですが」

 

「」

 

「返事が無いって事は、俺を受け入れてくれるんですね? よろしいですね?」

 

「…ワ……ワカッ「会長命令~。はいやめ~」」

 

 イエスアイマム

 大人しく彼女を下に降ろす。

 

「か~しま~。小山~。いくら何でもチョロすぎだよ」

 

 「「 」」

 

 二人共ぐったりしてる。何か悪い事したなー。

 

 ……グビグビク。ウィアー。

 

 ふぅ。

 

 

 

 ……さてと。

 

 

 

「会長」

 

「な…何だろ。隆史ちゃん」

 

「あの正直に申し上げてよろしいでしょうか?」

 

「隆史ちゃん!? 目がおかしいよ!?」

 

「ぼかぁ…会長の事、結構好きですよ。料理うまかったし、いい奥さんになりそうですね」

 

「///」イ・・イカン……コレハイカン!

 

 会長は逃げ出した! しかし回り込まれた!

 

 俺に。

 

「うぉ! いつの間に後ろに!?」

 

 後ろから抱きしめる格好で、顔を耳元に近づけて…囁くように。

 

「杏」

 

 たしか、少しなら触れてもいいんだっけか? んじゃ、しょうがない。

 

「ピッ!」

 

 耳たぶを甘噛みして、首元に口を這わせて見る。んで右手でお腹のわき腹あたり触ってみる。

 

「ヤ・・チョッ・・。!? ナンカカタイノガセナカニ!」

 

「」

 

 

 

 

「……ン」

 

「ハ!!! やめ! やめやめ! 会長命令! ちゅっ、中止! 終了!!」

 

 あ。はい。

 

 終わったのなら席に戻ろう。

 

 ハーハー言っちゃって…3人とも瀕死状態みたいですね。

 

「た…隆史ちゃん。随分と手馴れてたけど……」

 

 真っ赤な顔で、チョロイ頭目が聞いてくる。昔を思い出しながら、遠い目をする。

 

「……母さんの教え子が、昔頻繁に家に来ましてね……。当時、中学生の俺にこれを覚えろと……。父さんが趣味で買った、人型サイズのでっかいボコ人形相手に、これを覚えるまでやらされたんですよ…………」

 

 また、クマの人形相手ってのが酷かったなぁ……。

 

「……口説いてみた感想いいっすか?」

 

 「……どうぞ」

 

「かいちょーが、一番チョロかったです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ…危なかった……」

 

 隆史ちゃんを先に帰した。「片付けしないと」とか言っていたが、正直顔見るだけで恥ずかしい。

 隆史ちゃんの歓迎会なのだから、主賓は帰りなさいと無理やり帰した。というか追い出した。

 

 河嶋が、まだうなだれている。

 

「結局、聞きたい事の半分も聞けなかった……」

 

「もー! 会長一体、何がしたかったんですか~。すっごい恥ずかしかったですよ!」

 

「コノワタシガ……コノワタシガ……」

 

「三人揃って、えらい恥ずかしい姿見られちゃったねぇ~。まいったまいった」アハハ

 

「お嫁に行けなくなる所だったじゃないですかぁー!!」

 

「まぁ~まぁ~。さすがにあの量と度数だ。記憶も飛んじゃうと思うよ?」

 

「ナニカノマチガイダ……ソウダ……コレハユメダ……」

 

 河嶋が壊れてる。まぁうちの子、男性に免疫ない子多いからねー。……ワタシモフクメテ。

 まぁメインは、西住ちゃんとの関係の詳細だったんだけどね。教えてくれなかったし。

 

 ただなぁ~……ちょっとまいった。

 

「隆史ちゃん。あの子、自分が女の子から好かれるわけがない。自分を好きになる子が好き…みたいな事、言ってたよねぇ」

 

「あの~…会長。私思ったんですけど……」

 

「あー私も」

 

 ある意味一番危険かもねぇ……。なるほど西住ちゃんも大変だ。

 

 

 「「隆史ちゃん(君)が、一番チョロイ」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……帰ってきた」

 

 夜22時頃。

 

 丁度、私の部屋の真下に彼の部屋がある。

 

 さっき確認したら、部屋に電気がついている事に気がついた。

 ……30分置きに見に行ったとか、気になって仕方が無かった訳では無い。決して違う。

 

 お母さんとの事。ちゃんとお礼が言えていなかった。お姉ちゃんとの事も。

 今日、戦車専門店で見たテレビ中継されていたお姉ちゃん。

 何だろう。どこかスッキリとした感じで、私はうれしかった。隆史君のおかげだと思う。

 

 ちょっと、夜遅いけど声を掛けてみよう。お礼を言っておこうと、気がついたら部屋のインターホンを押していた。

 

『みほか? 空いてるから勝手に入ってきていいぞー』

 

 ちょっと、男の人の部屋に入るのは緊張する。部屋に入ると彼は奥で、引越し用ダンボールの上に座ってた。

 何か……酷くだるそうだけど大丈夫かな?

 

 彼に近づいて気がついた

 

 ……臭! この臭い……まさか会長! よりによって彼に?

 

「あーみほタン。何か久しぶりにまともに話しをする気がスル・・。」

 

「みほたん……。ハッ! 違うよ! 全然まともじゃないよ!?」

 

 彼は中学の時。地元のお祭りで、水と間違えて飲んでしまった事がある。その…お酒を。

 

 ……その後が酷かった。お姉ちゃんが特にヤバかった。

 二度と近づけまいと、お姉ちゃんと協力して遠ざけていたのに……。

 

「ヒャ!」

 

 気づいたら持ち上げられていた。お姫様抱っこ……。写真と同じ。

 これで追いついたぞ、お姉ちゃんめ。

 

 いや、違う。そうじゃ無い。

 

「あー……みほ」

 

「な…なに?」

 

「……良くがんばったな」

 

「……」

 

 この不意打ちは卑怯だ。泣きそうになる。

 

 あぁ。この人はちゃんと、私を見ていてくれた。考えていてくれた。

 

 逃げ出した後、追いかけてきてくれた。お母さんを説得して…もしかしたら敵対したのかもしれない。

 

 お姉ちゃんから、本家での出来事は聞いていたけれど……昔みたいに、体張って無茶して……。

 

 

 ズダンッっと、そのままベットに倒れた。……ぅえ!? え? 押し倒された!?

 

「アーミホノニオイガスル……」耳元で囁かれた。

 

「ヒゥ!////」

 

 え? え? どうなってるの!?

 

 倒れたショックで、服装も乱れてしまった。傍から見れば、はだけて下着も見えちゃってるだろうし。

 え? 何!? この状況!? まだチョット心の準備が! ヤッ!

 

「ちょ! まっ……隆史君?」

 

「ZZZzzzz……」

 

「……」

 

 寝息が聞こえた。

 

「……昔見たなぁ……少女漫画とかで、この展開。フフッ」

 

 何か笑えて来ちゃった。

 

 彼に布団をかけて部屋を出よう。この状態ならもう大丈夫だろう。

 

 

 会長にはアトデイウコトガデキチャッタナァ。

 

 

「……」

 

「…………」カシャ

 

 

 このくらいはいいだろう。彼の寝顔を携帯に撮って、私は部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 プルルルル……

 

「もしもし会長? 西住です」

 

「こんばんは、西住ちゃん。電話が来たって事は、隆史ちゃん。家にちゃんと着いたみたいだねぇ」

 

「……飲ませましたね? 会長。よりによって彼に」

 

「ア……西住ちゃんは知ってたか……。あ~ひどい目にあった……」

 

「…………そんな会長に絶望をプレゼントします♪」

 

「……へぇ、面白い。なにかなぁ……」

 

 

「隆史君。どんだけ飲もうと、「しっかり記憶に残る」タイプですから♪」

 

「……え?」

 

 

 

 

「明日楽しみですね♪」

 

 




はい。閲覧ありがとうございました。
恥ずかしい文章は自分で書いても恥ずかしデスネ。

覚醒とはなんぞや

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