劇場版・序章への蛇足。
本編へは、駄女神等、クロスオーバー系はさせないつもり
はい、短いですけどエリリン
> 逸見 エリカの場合 <
「…は?」
突き出された手を、呆然と見ているエリリン。
「ん! …何してんの? 早く」
その手を、急かすように前に突き出した。
あれ?
今更だけどもマジで? エリリンとも、そういった関係…。
「じょ…冗談でしょ?」
「何がよ」
「私が!?…この軽薄な…男と……はっ!! あ…ありえないわ!!」
あくまで可能性の……まぁ。
うん…なんで、俺…エリリンとそういった関係になったのかも想像できねぇ。
顔を見ようとすると、思いっきりそっぽ向かれるし…。
「なら何で、お母さんは、ここにいんのよ」
「いや…なんか、未来の夫と子供が、どうのとは聞いてたけど…」
「んじゃ、合ってるわよ。さっさとして」
「いやいや! 相手ってこいつ!?」
思いっきり刺し殺す勢いで、俺に指を突き出した。
…なんて聞いたんだろ。
「いや…軽薄って…」
「はっ? 寧ろ、アンタのどこに軽薄じゃない箇所あるのかって聞きたいわよ。この状況見て、なおさら思うわ」
腕を組んで、後ろを振り向いてしまわれました。
はい…まぁ…。
後ろに並んでいた、あんこうチームを見ているのだろうかねぇ?
……。
あ、うん。
「……うっわ……本当に、こんな感じだったんだ…」
あ…あれ?
黒髪の女の子が…なんだ? ドン引きしてる。
なんだ? 信じられないと言った表情だ。
顔がめちゃくちゃ引き攣ってる…。
あ~…うん。エリリンそっくりだ…。
久しぶりに熊本港で、出くわした時と似てるなぁ。
取り敢えず…。
「あの…ごめんね? 君、名前は?」
いつまでも謎の女の子では悪いし、何より名前を知っておきたい。
その俺の問いに、顔を逸らした。
なんで?
そういえば、さっきから目を合わせてくれねぇ。
「…尾形…エリナ」
うっわぁ…すげぇぶっきらぼう…。
まぁ、どういった心境か何て分からないけど…え? なに?
お父さんお嫌いですか?
「そもそもね! 私が、33歳の時の子供って聴いてるわよ!? 貴女、大きすぎるわよ!」
あ~…うん。
まぁ間違いじゃない。
俺とエリリンって同い年だしね。
…この体なら。
「そういや…エリナ…ちゃん? 君今いくつ?」
「ちゃん付け……キモッ」
「」
…今度は、吐き捨てる様に言われた…。
年齢聞いただけなのに…。
「ま…いいわ。今私、14だけど?」
「「 」」
せ…静寂が…走った……。
黙って静観していた、周りのみんなもすぐに気がついたんだろう…。
だから共に、悪寒が凄まじかった…。
…14歳!?
俺とエリリンが、33歳の時で…って事は…。
単純計算で…この子…生んだのって…
じゅ……きゅ……
ぉ…みほさん。
可能性の話です。
睨まないで下さい。
まほちゃん。
可能性の話です。
その殺気を収めてください。
「はっ…はぁぁぁーー!!!」
エリリンの悲鳴にも似た声が…。
いや…まぁ…。
「お母さん達、高校卒業したら、すぐ結婚したって言ってた」
「「 」」ケッ…
「くそ親父は、見た目殆ど変わってないのが、キモイし…」
「「 」」キモ…
「取り敢えず、お母さんがまったく違う人みたいに見えて…ちょっと怖いわ…」
くそ親父呼ばわりは…まぁいいとして…。
え…なんで?
高校卒業すぐ!?
「エリナ…と言ったな」
あ…ま……まほちゃん…。
なんで…こっち来たの!?
足音一つ、しなかったけど!?
「…む」
なんで、俺とエリリンの間に入ったの!?
「ふむ…そうか。では、聞かせてもらえないだろうか? 君の中の母親はどんな、お人かな?」
「あ…家元……? わっか!!」
「…ふむ。まだ私は違うのだが…将来はやはりそうなっているのだな」
少し遠くを見る目をしたが、すぐにいつものまほちゃんに戻った。
というか、なんで俺を見る時は睨むの!?
「そうか、私の事を認識できるという事は…」
「あ…はい。正確には、次期家元ですが…。私、黒森峰の中等部で…その…戦車乗ってます…」
やはり、まほちゃんは、そっちに進むか。
…中高一貫で、師範として面倒を見ているとの事。
若干、エリナちゃんの顔に、怯えが見える…。
「ふむ。そうか…未来の黒森峰……か……」
また、ちょっと遠い目をしたなぁ…。
高校生のする目じゃねぇなぁ…どうしよう…。
俺…置いてきぼり…。
「…というか、まほちゃんにはエリナちゃんは、敬語で話すんだな…」
「うっさい、くそ親父。キモイから、ちゃん付けすんな」
「……」
ひ…ひどい…。
パパ、なんで嫌われてんの?
「若いけど、西住師範の前だと萎縮しちゃうの! というか、この頃から西住師範もちゃん付け? っっと、キモイ!!」
「……」
「…なんでアンタ、項垂れてんのよ」
エリリンまで、引いてる…。
「では、エリナ」
「はっ、はい!」
俺の手を離し、姿勢を正した…。
なに…? この差…。
「エリカハ ドンナ カンジ ニ ナッタ?」
「た…隊長!?」
「お母さんは…くそ親父…要は、アレにべったりで…」
「!!??」
「正直最初、あそこまで、アレを邪険にする事に…違和感しか感じませんでした…」
「ぇ…ぇ……!?」
「「 ク ワ シ ク 」」
みほ!?
いつの間に!?
「だって! 人目も憚らず…昔っから、ベッタベッタ…イッチャイチャとぉぉ……」
「「「「 」」」」
もはや最初のちょーと、ミステリアスな感じは……微塵もねぇ!!
もはや、先生に対して愚痴を聞いてほしいという風にしか見えない!!
「いや…ちょっと待て。それは、エリカからか?」
「そうです!!! お母さんからです!! お母さんの甘え方が、人様に詳しく言えないくらい、尋常じゃないんです!!」
胸に握った手を添えて…何とか言ってやってください! と、嘆願し始めた…。
「なにが、行ってきますのチューよ!! なにが、お帰りなさいのチューよ!! 新婚気分も、いい加減にして!!!」
いや…あの…。
「なぁぁにが、ラブラブよ! 死語よ! 死語!! なにが日曜デート行ってくるよ!! バカじゃないの!!??」
支配者のポーズ…とでもいうのだろうか?
手を開いて…ワナワナと怒りに震えている…。
歳考えろ、歳!! って、叫んでますね。
「こちとら、思春期真っ盛りなのよ!? 娘の前でくらい、自重しなさいよ!!」
あ~…なんか…溜まってたんだなぁ…って感じしかしない…。
「な…ぁ……なぁ!?」
エリリン、顔の色がすっごい事になってんなぁ…。
両手何て、何を掴むつもりなのか…ワキワキと動かしてる…。
「う…っ、嘘言わないで!!! 私が!? はぁ!!??」
「…私も信じられないわよ。若い頃と今、ぜんっっぜん違うから。…別人にしか見えない」
スッ…と、いきなり冷静になって、遠い所を眺めだしましたね…。
それがまた、真実味を帯びさせた。
「」
絶句。
あぁ…なる程。
エリリン。
鯉みたいに、口をパクパクと動かしてるなぁ…。
「エリカ…ちょっと」
「エリカさん…ちょっと…」
「」
あ、エリリンが拉致られそう…。
両腕を、西住姉妹から掴まれたねぇ。
「あ、みほさん…。いつの間に…」
「え!?」
あら、みほの事も知っている…。
まぁ…うん。この世界のみほは、どうなってるんだろ…?
「みほさん!!」
「はい!?」
あ、なんだ? 今度は、みほに絡み始めた…。
「みほさん! 昔…といっても…今か…」
「えっ!? えっ!?」
「お母さんから聞きました!! このクソ親父と、付き合ってたんですよね!?」
「「 」」
か…過去形にされてる…。
というか…。
「エリリン…娘に、なんつー事を言ってんの?」
「し…知らないわよ!」
「親の交際歴…しかもあの様子じゃ、未来で親交ありそうだけど…」
「だから、知らないわよ!!!」
あ…みほの目から、久しぶりにハイライトさんがお出かけしてますね…。
この現在の人間関係をかき回す様な事、言わないでくださいよ…娘さん。
「正解ですよ! 正解!! このクソ親父と別れて、正解です!!!」
「」
「待て、エリナ。みほとエリカは、未来で親交があるのか?」
「え? …えぇ、みほさんも戦車道の師範を兼任してますし…お母さんの友達ですし……。あぁ、後、自衛隊員です」
「「「 」」」
じ…自衛……
「そう言えば、それでなんか吹っ切れたって、言ってましたけど…なんの事だろ…?」
「……」
みほさん…あの…。
「あぁ、そうだ! でっ!! ですね!! このクソ親父!! 未来で何て、言われてると思います!?」
「」
いかん…俺でも分かる。
みほさんのHPが、そろそろ限界だ…。
泣きそ…とは、違うか……。
色々と……あぁぁ…。
そしてエリナの…恋愛がらみの現状に対して。この無頓着さ…。
「…さすが、隆史の娘だな…エグイ…」
まほちゃん!!
「西住キラーですよ!? 西住キラー!!」
「「「「 」」」」
「日本戦車道連盟に所属してるから、変に色々と私の学校とも交流あるからです!!」
「「「「 」」」」
「…黒森峰って、西住流じゃないですかぁ…。西住師範が、クソ親父にすっごい甘いから……それが変に好意的に、取られているらしくて…。っっとに、先生口説くわ、師範口説くわで…」
「「「「 」」」」
「毎回毎回…、完全に女性口説いてるって感じにしか見えないのに……自覚がないってのが……また、それが頭にくるし…」
「「「「 」」」」
「というか、私の先輩とか!! 友達とか!! 無意識に口説くな!! ロリコン!!」
「「「「 」」」」
「クソ親父、私の世界じゃ、…変に若く見られるし、…女子高だから年上に憧れある人達とか…多くて…」
……。
若い頃、老け顔の人は……年取ると若く見られて、年相応に見られなくなる人いるって、聞いた事ある…けど…それか?
というか、俺…死んだほうが良いじゃ……?
「なんだ隆史…。お前、未来でもさして変わらんな」
やめて…娘の前で、やめて下さい…。
「え…今も、そうなんですか!?」
「そうだ。あまり変わらんな。その…西住キラーとやらも、この前の決勝戦後にも言われていたな…」
「え? なに? この頃から!? ……うっっっわ。死ねばいいのに……」
娘にゴミを見る目で、見られました…。
いや、虫を見る目かな?
わー…未来の生き残れるかも知れない俺。
…頑張れ。
……超ガンバレ。
自身の娘に…一通り、ゴミを見る目で見られた後…。
その娘様が、背筋を伸ばして、気持ちよさそうに…。
「ふぅーーーーーーーー……すっきりした!!!」
今まで、溜まりに溜まった鬱憤を吐き出した事に、随分と晴れ晴れした顔をなさっていた。
腕を組んで、こちらを向きましたね…はい、貴女はエリリンの娘さんだと、すぐに分かる出で立ちです。
《 ―― 》
「あ~…時間かぁ…催促された…」
…あの女神とやらから、電波を受信でもしたのだろう。
一コマ目と二コマ目。
漫画で言えばそんな感じ…。
一瞬で、表情が変わった。
「はい! んじゃ、すっきりした所で、さっさと終わらせるわよ!!」
いや…こっちはすでに瀕死ですけど…。
崩れ落ちるってのを、最近良くやるなあ…。
「…ふむ。あれだけの事を言っておいて、結局、助けるのか?」
「まっ、これでも親ですからねぇ」
ちゃっちゃと、済まそうと…エリナがエリリンを引きずってくる。
完全に意識が、シャットダウンされたエリリンの手を掴んでいるね。
引きずられるって…。
「…ほら。お父さん」
そのまま、俺の手を取りあげた。
…何故か、普通に呼んでくれた。
手だけ差し出してくる…。
なんだろうか、言う事言えたから、もう帰る…そんな感じか。
俺と目を相変わらず合わせない…反抗期かなぁ…。
お…。
一瞬目が合った思ったら、すぐに逸らしてまほちゃんとの会話を続けた。
「……本当にクソ親父、死んじゃうと…まぁ…うん」
「はっ…。なる程、さすがエリカの娘だな…」
俺とエリカ。
「なにがですか?」
「…素直じゃないな」
「……同じこと昔、西住師範から言われました」
…そして、エリナの体が発光した。
「さ、んじゃ私も、帰りますかね…で、お母さん」
「」
「…お母さん」
「はっ!? えっ!?」
あ、お目覚めになられましたね…。
完全に意識が飛んでいたのか、顔をキョロキョロと、見渡す様に回している。
目が合うと…あぁ…すげぇメンチ切られてます…。
顔は真っ赤ですけど…。
「まぁこんな、しょうもないクソ親父だけどさ」
「……」ショウモナイ…
「嘘か本当かは知らないけど…浮気はした事ないんだって」
「…………」
すげぇ、疑いの目で見られてますね。
…母娘から…。
「まっ。だからさ…私の世界線ってのも、存外悪くないと思うよ?」
「!?」
「少なくとも、お母さんは幸せそうだし」
「なぅ!?」
「はっはー! 気が向いたらでいいからさ!」
…光が強くなった。
もはや、言い逃げだな。
エリカと、話をする間も無かった。
先程見た…消える寸前。
「………またね」
最後の一言と共に…。
目つきの悪い、黒髪の女の子が…エリカと共に、消えていった。
閲覧ありがとうございました
次回、大洗
次 まほちゃん…と、もう一人
の予定!
ちょっと執筆状況に変化ができまして…。
すいません、PINK少しの間書けないかも…だから暫く健全……だと、思いたい本編