「そんで?これやって見たいの?」
「そう!私もやって見たいです!」
「口調崩れてるぞ」
「……んんっ、我が契約者。その力は母君より賜りし力か?」
「まあそうだな、母さんが俺にも血の繋がりがあるからって説明したな。ずいぶん前に」
「やっぱり羨ましいです!私も魔法使いたい!」
だから口調。
「でもいいことばっかりじゃねえよ。人に言えない秘密ができるんだぞ。しかもバレたらモルモット行きもあり得る。ストレスも掛かるぞ」
「禁断の秘密……良い」
「だめだこりゃ」
そう言い立ち上がる。そもそも帰ってきてそのまま蘭子と話していたから腹が減ってきたのだ。
「どこへ赴くのだ、契約者よ」
「飯食いに行ってくる」
「我も付いて行く!」
「金持ってるのか?」
「んー、……貸して「じゃあな、また明日」ちょっと待って!」
後ろから蘭子が付いてくるが無視してファミレスに向かう。いくら可愛くてアイドル候補だろうが金は貸せないのだ。後ろからトコトコ付いてくる蘭子を眺めながら歩いてるとファミレスに着いた。
「2名で」
「申し訳ございません。現在大変混んでまして、相席になりますがよろしいですか?」
「構いませんよ」
まあおっさんが目の前で汚くがっついてるとかじゃなければ特に文句はないが。相席とはついてない、時間ずらせばよかったか?
「こちらになります。それでは注文がお決まりになりましたらそちらのボタンからお呼びください」
「「「……」」」
中二病、なのか?黒を基調としたあちこちにファーやファスナーのついた服を着てる少女が先客だった。髪にはエクステを付けている。そんな少女が目の前でコーヒーを飲みながらメニューを読んでいた。
「……とりあえず蘭子、さっさと決めよう」
「う、うむ。そうであったな」
「…………」
「まあどうせハンバーグだろうし、何かけるかとサイドだけきめてくれ」
「ま、待つのだ我が契約者よ。シヴァの息吹に晒された氷晶を頼んでは」
「………………」
「成り行きだからもう諦めたけど、ここ俺持ちなの忘れてないか」
「ちょっとだけ、ちょっとだけだから!」
「………………ふふっ」
「「?」」
「いやなに、ずいぶん楽しそうだったものでね。釣られて笑ってしまったんだ。すまない」
こりゃ中二病臭いなあ。言動が蘭子と方向は違うけど似てるぞ。
「ふむ、我が契約者は我との相性はとても良い。創造神話のアダムとイヴの如く。紡がれし絆は強化に結び合っているのだ」
「いいね。そういうのは大切にするものだよ。目に見えるものが全てではなく、また見えなくとも感じ取れる、確かにそこにあるというものは」
「おお!我の言わんとすることが分かると!」
「そうだね。ここまで話の合いそうな人に会うのは初めてで、年甲斐もなく舞い上がってるみたいだ」
あーあ。中二病同士が共鳴し始めたぞ。というかいい加減腹減って来たから何か腹に入れたいんだが。
「そろそろ注文していいか?」
「君は何をしにここに?」
「晩餐をしに。禁断の果実を食しに来たのだ」
「そうか、僕もおおよそ同じだよ。これだけあると目移りしてしまうのさ」
「もう頼むぞ?」
「実に分かる。書物に記されし貨物の数々は誘惑に駆られてしまうものだ」
「さて、ペペロンチーノでも頼もうかな。和に生まれても、たまには洋に触れたくなる時もあるのさ」
「あっ、すみません。デミグラスハンバーグ、ペペロンチーノ、海鮮ドリア一つ」
「では召使いの召喚の儀を行うとしよう」
「そうだね、では彼等を呼ぶとしようか……どうかしたかい?」
「……我が押す」
「席が遠いだろう?無理をしなくていい、僕が押してあげよう。何些細なことさ」
「我が押したい!」
「デミグラスハンバーグ、ペペロンチーノ、海鮮ドリアですね?かしこまりました」
「では折衷案といこう。2人で押す、というのはどうかな?」
「ふむ、双翼での作業ということか。ならば共に押すとしようか!」
「そうだね。このような事を2人でやることなんて無かったから、新鮮だよ」
「では押すぞ。我が契約者は何にするのだ!」
「すまん、もう頼んだからいいぞ」
「「…………」」
追加でパフェを二つ奢らされた。