バディファイトは、ちょおッとお預けっす。
・・・これバディの小説のはず・・・。
蒼&プラグ「トリプルディーおじさん?」
時刻は朝8時。
ライナが週に2日登校する日なのだが、
ライナが店を出て1分後、辰馬の口から出た言葉を自分とプラグは反芻していた。
辰馬「ああ、トリプルディーおじさんだ。」
プラグ「イヤイヤ、突然なんの話だよ?」
蒼「そうだぞ?いきなり知らない固有名詞を言われても、頭の中で変なおじさんしか浮かばないっての。しかも、ライナが学校行ったのを見計らって・・・なんで。」
自分たちの反応に辰馬は頭を掻き、少し思案した後、椅子に座った。
辰馬「実は、ライナが通う学校は絆ヶ丘学園って言うんだが・・・、昨日そこに出た不審者の名前なんだ。」
誰かがつけたあだ名なのだろうが、不名誉極まりない名前だ。
プラグ「えーっと、そのトリプルディー、おじさん?どんな奴なのさ?」
辰馬「聞いた話では、幼女にバディファイトを仕掛け、負けたら誘拐し緊縛・・・その友達を緊縛した写真でおびき寄せ、同じことを繰り返すという不審者だそうだ。」
蒼&プラグ「それガチの変態じゃねえか!?」
プラグ「え、ソレをどうすんの!捕まえろっての?」
辰馬「いや、そういうわけじゃない。一応学園から依頼が来たんだ。そいつに関する情報を、壊されていた監視カメラからサルベージしてくれってな。だが・・・。」
蒼「用意周到だなその変態。・・・どうした?」
辰馬「不審者トリプルディーおじさんが出没した学校が自分の通っているところだとライナにばれるのが時間の問題なんだ。もしそれを知ったらライナはそれを理由に学校に行く日数をさらに減らすのではないかと思っている!」
蒼&プラグ「!」
その言葉に、自分たちは重要なことに気づいた。
ライナがこれ以上出席日数を減らしたら・・・。
プラグ「ちょっと待て、いくらお嬢が天才でも進学校なんだろ!?」
蒼「ライナの成績が下がる可能性は、確かに潰しておかないと。」
辰馬「ということだ。このままでは不味いんだ。トリプルディーおじさんが居ないという確実な安心を届けなければならない。」
蒼「了解!」
プラグ「それなら俺と蒼でサルベージだな。辰馬はその後のおじさん出現地域を洗ってくれ。」
辰馬「ああ。必ず、トリプルディーおじさんを殲滅する!」
・・・だめだ、辰馬の思考回路がヤバい方向に
時々こんな感じで暴走するんだ。
プラグ「いやいや、待ってくださいお願いします!何で殲滅!?確保か痛めつけるで良いだろ!?」
辰馬「何を言ってる!ライナの出席日数と変態の命。どっちが大事なんだ!?」
プラグ「え、えーっと。・・・いの、命は粗末にするもんじゃありません!?」
辰馬「ふざけるな!トリプルディーおじさんの守備範囲は幼女なんだぞ!ライナも例外じゃない。これは見せしめだ、二度とそんな不届きを働かないようにする!殲滅がダメなら指を詰めさせる!」
プラグ「そのハチキューサン的発想やめろよ!とにかく、殲滅禁止!指詰め禁止!特にお前のバディの砲撃が絶対禁止!」
そういえば辰馬のバディを見たことがない。
そんなどうでもいいことを考えてしまった。
プラグ「とにかく、変なことするなよ!?」
辰馬「分かっている・・・!」
辰馬の歯がギシリと鳴り、腕がミキリッと音を立てる。
顔の方にはくっきりと額に青筋が浮かび、眼光は鋭く光っている。
絶対分かってない・・・!
プラグ「イヤイヤ、その顔で言われても説得力0どころかマイナスだっての!良いか、お前は情報を集めるだけ!お前がバディコールしたらマタギさんが飛んでくるって!」
怒りが満ちて若干漏れている顔から怒りが抜けるのにしばらくかかったが。
辰馬「・・・・・・、・・・・・・。分かった。」
沈静化した。分かってくれたらしい。
プラグ「宜しい。そんじゃ、行くか。絆ヶ丘学園だったよな?」
辰馬「・・・ああ。」
プラグが歩いていく。
・・・辰馬が緊急停止した機械のようだ。
蒼「大丈夫か?」
辰馬「大丈夫だ。」
蒼「なら行こうぜ。」
自分もプラグを追って歩き出す。
しかし、この時自分は気づくべきことに気づけなかった。
辰馬の目に、竜のごとき光が宿っていたことに。
腰のコアデッキケースを強く握りしめていたことに。
――絆ヶ丘学園
小田川「初めまして、アンダーズの皆さん。今、教頭や校長などが会議中でして私、小田川拓郎が対応させていただきます。」
若く見えるが小太りの先生が出迎えてくれた。
プラグ「はい、それで依頼内容は監視カメラの情報サルベージでよろしいでしょうか?」
プラグがいつもとは別種の笑顔で絆ヶ丘学園の教師と話している。
これが営業スマイルか・・・。
小田川「それなんですが、件のトリプルディーおじさんに関する情報が出来るだけ多く欲しいので、生徒たちにも聞いてくださいませんか?実際に会ってなくてもウチの生徒、千歳百花ちゃんを誘拐するところを見ている生徒が居ると思うんです。」
辰馬「そちらで聞き込みできないのか?」
小田川「先生が生徒たちにトリプルディーおじさんについて教えると混乱を招くというので、ストップがかかっているんです。私達が教壇で言うよりも、それについて調べてる人から確定でない情報として聞いた方が生徒たちも不安がらないと。」
プラグ「なるほど、拝承しました!」
蒼「じゃあ、監視カメラってどこにありますか。」
小田川「こちらです。」
辰馬「じゃあ俺は子供たちに聞き込みをしてくる。」
蒼「まかせたぞー。」
小田川「では、これ全部お願いします。」
プラグ「え、え?あー、はい、かしこまりました!」
若干ひきつったスマイルを修復したプラグが、小田川さんが部屋を出た後、目の前の監視カメラを見る。
想像以上に多かった・・・。
25個もあるとか、この学園警備が厳しくないか?
蒼「この監視カメラ全部、おじさんに壊されたのか?」
プラグ「らしいな。あー、一旦辰馬も呼び止めときゃよかった。」
蒼「言っても仕方ないし、始めるか・・・。」
プラグ「そうだな・・・。」
カメラから壊される1時間ほど前の情報を抜き出しそれを早送りにして流しで見ていく。
一つにつき、大体15分。分担しても最短4時間半はかかるだろうな。
地獄が始まる、はずだった。
プラグ「おい、これ見てみろよ、バディファイトしながら告白してるぞ!あ、フラれた。」
蒼「こっちは、マッチョが小学生追いかけてるぞ!?持ってるのは・・・、入部届か?振り切ったっぽいな。」
プラグ「この子、メチャクチャアクロバティックじゃん!?突然テンション跳ね上がったみたいだけど大丈夫か?」
この学園、監視カメラの内容が面白すぎるのだ!流しで4倍速のはずが倍速に落として確認する羽目になった。
なんと恐ろしい罠だ。
これがトリプルディーおじさんの策略か!?
蒼「ん、ライナ?」
プラグ「え、お嬢!?」
自分が見たカメラの中にライナが映っている。
入った建物の中にも監視カメラが確認できる。
蒼「プラグ・・・。」
プラグ「分かってる、これは。」
もう調査そっちのけでライナが映ってるやつを選別し、上映会を開催することにした。
蒼&プラグ「ライナ(お嬢)の、思春期の記録大公開!!」
ライナ「させるわけないでしょ!」
辰馬「誰がさせるか!」
突如ライナと辰馬の蹴りが自分たちに襲い掛かる。
蒼&プラグ「ぐべえ!?」
プラグ「な、なんで、辰馬とお嬢が・・・。」
ライナ「お兄ちゃんが聞き込みしてるのを見つけたの。それで、トリプルディーおじさん?の話を聞き出したの。」
蒼「え、じゃあ。学校は・・・。」
ライナ「私、そんなに信用無いの?一応行くって。」
プラグ「じゃあ、俺たちの苦労って、何だったの・・・。」
自分とプラグは落胆して肩を落とす。
って、ん?
カメラが壊れる直前に・・・。
辰馬「映像を見て遊んでただけだろう。」
プラグ「そうだけどよ、事前に聞いてた片側だけ丸眼鏡付けた執事服の奴なんて映ってないぞ。ほんとにその被害者の子が言ったんだよな?」
ライナ「もうちょっと探してみなよ。案外映ってるかもよ?」
蒼「・・・・・・もしかしてコイツか?」
辰馬「何!?」
ライナ「居たの!?」
プラグ「ちょ、どこどこ!?」
発見報告ノータイムで、3人が一気にのしかかってくる。
蒼「重い重い!全員自分の上から退去しろ!?」
って聞いてないし。
辰馬「間違いない、コイツだ!」
ライナ「抱えてるの5年生の人だ!」
プラグ「まさかの犯行現場抑えちったぞ!?」
小田川「見つけましたか!?」
辰馬「お、ああ、ついでにそれらしい人物が事件以降も時々目撃されていた情報も確認できた。」
スタンバってたらしい小田川さんが躍動感ある腹を揺らしながらアクロバティックに部屋に突入してくる。
というか辰馬、それついでじゃなく最初に自分たちに伝えろ!
小田川「分かりました!」
小田川さんはスマホのカメラで映像を写真保存し、それをどこかにメールで送ったらしい。
すぐに着信音が鳴った。
『お兄ちゃん、メールが来たよ!・・・早く、見て?』
小田川「YES!・・・校長からです、追加でトリプルディーおじさんの出没地域の特定をお願いしたいそうです。」
アンダーズ『・・・・・・。』
その依頼、多分辰馬は引き受けるだろう。
最後まで仕事をするのが辰馬だしアンダーズだから。
だが、その前に。
・・・その着信音何とかしろよ!
byアンダーズ一同
勝手に絆ヶ丘学園に教師が就任したっス。
キャラが少し濃いかもっす。
小田川拓郎
年齢、男
性別、28
■絆ヶ丘学園の教員で生粋のオタク。
■走る速さはそこまでではないが、コ〇ケで鍛えられた小回りの躍動感が凄まじい。
■一人称、今は私と言っているが本来は拙者
■使用ワールド、?