――ダンジョンワールド
ゲートを10分ほどかけて通り抜けた先には、のどかな風景が広がっていた。
ギアゴッド「ダンジョンワールドニ到着シタ。ココカラ東ニ2032m進ンダ場所ニライナノ生命エネルギーヲ確認シタ。」
蒼「そんなことまで分かるのか。凄いな、お前。」
ギアゴッド「凄イ。ソノ評価ハ間違イダ。」
蒼「え?」
ギアゴッド「正シクハ、トッテモ凄い、ダ。」
プラグ「ハハッ、お嬢がお前に言った言葉だな。」
なるほど、ライナのことを気に入ってるんだな、コイツ。
ギアゴッド「故ニ、現状バディファイトヲ辞メテシマッタライナヲ残念ニ思ッテイル。」
プラグ「・・・・・・。」
蒼「・・・なあ、こっから2キロもあるんだよな?」
ギアゴッド「ソウダガ?」
蒼「なら、歩きながら話してくれないか?何があったか。ついでに銃奈って子のことも。」
プラグ「・・・俺は辰馬に聞けって言ったぞ。」
蒼「当事者って意味なら、多分2人も一緒なんだろ?それに、2人が言わないぐらい重大なことを、ライナを大事に思ってる辰馬が話すわけないだろ?プラグ、そのこと分かって自分に言ったんだろ?」
プラグ「・・・、バレてたか。お前のその察しが良いとこ、時々嫌だな。」
ギアゴッド「・・・。了解シタ、蒼ヲ信用シ話ソウ。」
プラグ「そもそも、俺が辰馬と高校なりたての頃にCBSNで会って、その頃お嬢は1歳になるかどうかってぐらいだったんだ。」
蒼「あー、なんか想像できる。あの二人兄妹ってより・・・。」
ギアゴッド「親子ニ見エタカ。」
蒼「そうそう、ギアゴッドもそう思ってたんだな。」
プラグ「んで、小さい頃から俺たちのバディファイトとハッキングの技術をずっと近くで見ていたお嬢は育っていくにつれ、ハッカーとしての才能を開花させ、6歳で天才と言えるまでのハッキング技術とバディファイトのデッキビルド能力を持っていたんだ。」
あのハッキング技術は子供の頃から本人たちも知らぬ間に与えた英才教育の結果だったんだな。
ギアゴッド「ソンナライナニ私ハ興味ヲ示シタ。私ハ、彼女コソガ私ノ真ノバディデアルト確信シ、接触ヲ図ッタ。」
プラグ「知らぬ間にお嬢はギアゴッドとバディになってて、前の学校で一番のバディファイターだったんだぜ?」
蒼「ほうほう。で、何でそれがあんなグレート引きこもり娘になってしまわれたんですか?」
プラグ「ま、強くなり過ぎたんだ。お嬢は、巷でたまに使われてる、俺も使ってる<逆転殺>を2回使う方法に気づいたり、色々な方法で自分のデッキとギアゴッドを強化してったんだ。」
蒼「・・・まさか?」
プラグ「気づいたか。強くなりすぎて、クラスいや、学年全体の壮絶ないじめの標的になっちまったのさ。」
クラスどころか、学年全体かよ。
そりゃ、ひどいで済む話じゃないな。
ギアゴッド「昔カラ自分ノ研鑽ヲタダ行ッテキタライナニハ友人モナク、孤立ヲ深メテイッタ。」
蒼「・・・。」
プラグ「それで、いじめに気づいた俺たちや親父さん。あの兄弟の両親はお嬢を別の学校、絆ヶ丘学園に転校させることに決めたんだ。」
蒼「それで、次の学校でも同じことになること恐れて、バディファイトを辞めたのか?」
ギアゴッド「違ウ。コノ話ニハ続キガアル。」
プラグ「ああ、お嬢はバディファイトを辞めようかと考えてたらしいのは事実だ。けど、まだバディファイトをする気はあった。だが・・・。」
――2年前
司会『まさかまさか!なんと小学生、下田ライナちゃんが勝ち上がり!決勝戦にコマを進めたー!』
お嬢は、優勝賞品も知らずに無茶苦茶大掛かりなバディファイトの大会に参加したんだ。
俺たち18歳以上が保証人になる必要があったけど、俺たちもまあ、只の大会じゃないって知ってたが、あれだけの優勝賞品がある大会だ。
良いバディファイトが出来ればお嬢の冷めかけたバディファイト熱も戻るんじゃないかって俺たちはどうにか無い知恵絞って大会に参加させたんだ。
・・・けど。
ライナ『C・デルタでとどめ。』
デルタ『ひゃはっはー!』
対戦相手『がはっ!?』ライフ2➡0
司会『なんということでしょう!歴戦の大人たちが、一人の少女に倒されてしまいました!優勝は下田ライナ選手!』
俺達の想定を超えた事態が発生した。
それはお嬢が軽々と優勝したこと。
そしてもう一つ。
対戦相手『ぐ、ううっ、な、納得いくかああ!?』
対戦相手のオッサンが大人げなく、お嬢に襲い掛かったんだ。
対戦相手『こんなちびっ子に俺が負けるなんて!あっていいはずが!って、何だお前ら!は、放せ!』
警察『警察だ。障害未遂の現行犯で逮捕する。』
対戦相手『ふ、ふざけん・・・ぐぶっ!?』
又木『ふざけてんのはお前さんだ。大人げないと思わんのか!』
・・・結局、又木さんがお嬢への暴行を止めてくれたんだが、後数メートルのとこまで大男が迫ってきた、バディファイトをしたせいでな。
その時、たった7歳の女の子がどんだけ怖かったろうな。
けど、それ以上に。
大会から3日後。
辰馬『ライナ、俺とバディファイトをしてくれ!俺が勝ったら、もう一度向き合ってくれ。お前が勝ったら好きにして構わない!』
辰馬はお嬢に、バディファイトを嫌いになってほしくなかったんだ。
それで1回だけバディファイトをした
なのに、お嬢が引きこもる最大の原因となった、あの事件が発生した。
ライナ『こ、れ。』
お嬢は、辰馬にその必殺技を使うべきか、悩んだ。
けど、もうバディファイトを辞めたかったお嬢は、プレッシャーに潰されながら、使ったんだ。
ライナ『きゃ、キャスト、「神槍C・×天バスター」!』
辰馬の愛用のフィニッシュブロー。「雷槍×天バスター」
それとよく似た必殺技でお嬢は勝利し、辰馬の倒れる姿を見て、お嬢の心は限界を迎えた。
それで、さっきの優勝賞品として、お嬢はあるテナントの持ち主になったんだが。
ライナ『好きに使って。』
それだけ言って引きこもった。
俺たちは、お嬢の好きなもので気を引き、引きこもりを解消しようとした。
んで、パソコンとかが好きで、CBSNにダイブも時々してたからネットカフェアンダーズを開店して、外の様子が気になったら、顔出してくれるんじゃないかって思ったんだ。
だが、お嬢は用意周到でな。
ダイブ用機器も、優勝時の賞金でそろえてやがった。
それに気づいた俺たちは、次の手が無くて、困りはてた
蒼「手札少なすぎだろ、もうちょっとドローソース用意しとけ。」
うっさい。
ともかく、困ってた俺たちに、開店当初からのバイトちゃんだった花陽ちゃんが。
花陽『友達に相談してみたら、もっとよくその子のこと観察してみたら?って言ってました。』
正直、神棚みたいに毎日ライナルームの前でお祈りをささげる店長を見ていられなかったそうだ。
蒼「店長・・・。」
花陽ちゃんのアドバイスで、お嬢の観察を続ける中、
お嬢が、触りもしてなかったカードを、手に取りだしたんだ。
少しすると手を放しちまってたらしいけど、そういう変化があった。
しかし、カードを触っていたからといって、どうすればいい。
バディファイトに未練があったとしても、それを俺たち引きこもらせた当事者が言ったってカードを触ることすらやめるかもしれない。
んで、困ったときの花陽様だった。
蒼「・・・・・・。」
それで、今度は花陽ちゃんの仲間、μ’sにも意見を求めた。
そしたら、リーダーの穂乃果って子が。
穂乃果『だったら、カードがいっぱいすぐ近くにあったらいいんじゃ!?』
海未『そんなの無理でしょう。』
真紀『カードを集めるのも一苦労だし、一時的なものだとすぐにまた引きこもるでしょ?』
辰馬&プラグ『それだ!?』
μ's『えっ!?』
んで、その言葉をヒントに、俺たちはライナルームのすぐ横にあった、テナントの使っていなかった部分をカードショップにした。
蒼「ということは?ネット&カードアンダーズは、引きこもりお嬢の天岩戸だったのか。」
プラグ「ああ、それからしばらくしてお嬢は外に少しずつ出るようになって、食卓に姿を現したとき、辰馬がどんだけ泣きじゃくったと思う?お嬢に抱き着いて、俺110番しかけた。」
蒼「へえ、じゃあ何でも屋は?」
プラグ「あれは、元々俺と辰馬がやってたのをお嬢が手伝いたいって言って、しばらく休業してたのを復活したんだ。まあ、お嬢は結局今もバディファイトはしないけど、反動でカードコレクター&改造マニアになっちまったんだ。」
蒼「なるほどな。」
ギアゴッド「残リ、10m右方向ダ。」
おい、ギアゴッド。
カーナビみたいなナビゲーション止めろ。
そう思いながら右の方に顔を向ける。
そこには巨大な城があった。
プラグ「って、デッカイ城だな。此処に居るのか?」
ギアゴッド「ソウダ。他ニモ、微弱ナモンスタート人間ノ生命反応ガある。」
プラグ「モンスターは知らんが、人間は銃奈だろうな。」
蒼「・・・入るか。」
プラグ「おう。」
ギアゴッド「私ハココデ待ツ。」
城内は、なかなか入り組んでいた。
最上階に行くのに20分もかかった。
蒼「ライナー。助けに来たぞー!」
ライナ「あ、蒼。プラグも。」
銃奈「おっそーい!もうデッキ完成してんのよ!?」
恐らく、黒いモンスターの横に居る銃刀法違反が銃奈なんだろうが、ライナが、普通にしてる?
蒼「・・・ライナって、コミュ障じゃ?」
プラグ「慣れるもんなんだよ、お前の時みたいに。」
蒼「なるほど。」
銃奈「そんじゃ、誰かバディファイトして!」
プラグ「誘拐やらかした奴の言うセリフじゃねえな、仕方ねえ。俺が・・・。」
蒼「いや、自分が行く。」
プラグを静止して自分が前に出る。
プラグ「蒼?」
蒼「ひとまず完成したデッキを試してみたいんだ。」
プラグ「それなら任せたぜ。ほれお嬢、こっちで観戦しようぜ。」
プラグがライナを手招きし、ライナはそれに応じる。
銃奈「あんたがあたしの相手すんの?」
蒼「ああ、そうだ。」
銃奈「あんま強そうに見えないけど、本当にあんた主人公?」
蒼「何の話だ・・・?」
銃奈「こっちの話、とにかくあんたを倒せば主人公の座が手に入る!」
何そのルール。
自分を倒せば主人公になれるなら既に夜剣が主人公だっての。
?「すまんな、吾輩が興味を持った人間が頭の残念な人間で。」
横に居た黒いタキシード?っぽい服を着たモンスターがため息をつきながら言う。
銃奈「ちょっと!あたしが残念みたいに言わないでよ。デスタール!」
デスタール「事実だろう。さて、バディファイトを始めよう!」
蒼「了解。」
コアデッキケースを取り出す。
蒼「データの海にダイビング、電脳竜とって、あ・・・。」
…やっべぇ、トンデモナイ事実に気づいちゃった。
どうしよう。
プラグ「どうした?蒼。」
蒼「プラグ、驚かずに聞いてくれ。」
プラグ「どうした?」
蒼「グレーがスタッフルームで留守番してたの忘れてた!」
グレー「そんなー!?蒼ひどいよ!僕を置いて異世界にレッツラゴーなんてさ!」
凛「まあまあ、これ見て落ち着くにゃ。」
グレー「これ絶対蒼が借りてきた映画じゃん!嫌だよ!」
プラグ「あ、そういや一言もしゃべんないなと思ったら、居なかったのか。」
蒼「・・・どうしよ?」
ライナ「今回はバディ無しでやれば?」
それは無いでしょー。
・・・バディゾーンのカードが無いんじゃバディファイトそのものが成立しないしな。
?「ナラバ、私ノ持ツデッキヲ使エ。」
蒼「・・・え?ギアゴッド。どっから声が?」
ギアゴッド「ヌウウウウウ!!」
突如、後ろから轟音が鳴り響き、砕けて瓦礫となる壁をぶち抜いて、ギアゴッドが姿を見せた。
ライナ「え、ぎ、ギアゴッド?何で。」
プラグ「お嬢が心配だったんだよ、コイツもな。」
ギアゴッド「私ヲバディトシタデッキヲ使エ。」
ギアゴッドから射出されたデッキを手にする。
ライナ「そ、そのデッキは。」
蒼「すまんライナ、今は使わせてくれ!ルミナイズ、ギアゴッドのデッキ!」
銃奈「地獄が天国に思えるくらい、ズタボロにする、んであたしは主人公に!ルミナイズ、銃奈ちゃんイン・ザ・ヘル!」
蒼&銃奈「オープン・ザ・フラッグ!」
銃奈「灼熱地獄!」
銃奈
灼熱地獄
深紅の契約者デスタール
ライフ8 手札6 ゲージ4
銃奈「これが銃奈ちゃんの最強フラッグ。灼熱地獄!ぶっ倒してやんよ!」
デスタール「やはり、目的を果たした暁にはお前から再教育だな。」
銃奈「だから!再教育なんて必要ないって。あ、そっち早くフラッグ開けて。」
蒼「そんじゃ、the Chaos!」
蒼
the Chaos
Cの超越者 ギアゴッド ver.Ø99
ライフ10 手札4 ゲージ2
自分の後ろに、とても巨大なモノが現れるのを感じた。
フラッグだと、すぐに気づいた。
銃奈「何そのフラッグ!銃奈ちゃん見たことねーですぞ!」
蒼「知らん!」
とにかく、バディファイト開始だ!
次回、地獄VSカオスっす。
感想&活動報告待ってるっす。
デスタールはダークネスドラゴンワールドのモンスターなんすけど、ダンジョンワールドに居る理由は次回っす。
情報を更新しました。
天王銃奈
年齢、13
性別、女
■アンダーズが最も警戒しているブラックリストの銃刀法違反。
■一人称、あたし
■バディのデスタールに、「全世界地獄化計画」の最初の再教育対象者に選ばれている。
■主人公になるため、色んなことをやらかす。
■異世界へのゲートを創れる特異能力者。
■容姿は、朝霧アサギを参照。
■使用ワールド、灼熱地獄