バディファイト@サイバーダイバーズ   作:辻 逆月

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けっこう変更が多くなってしもうた。


炎の龍と豪砲竜(アンダーズside)

カードショップアンダーズ。

二人の男がその店の大きなモニタに映る映像を見ていた。

 

画面に映る男は項垂れ、しかし強い目をしている。

 

『キンメ、お前の思いは受け取った…。メラル、サシミ、一気に行くぞ。……変形だ!』

 

『その言葉、待っていた!』

 

『サシー!』

 

男が声をかけた一人と一匹がその声に応える。

そして、巨大なイワシの形をした戦艦ロボットが変形していく。

船体をぶち破り、足が生え、腕が姿を現し、イワシのカシラに巨大なグラサンが鎮座する。

さっきまで船が沈んでいた黒い海がイワシの如き色に変わっていく中、そのロボットは腕組みをしたまま浮き上がる。

 

盟友(とも)の謂いを鱗に刻み…無限の闇を、光に変える…!』

 

血涙を流し、盟友の死を、生き様を胸に刻み、男は怒りを、その力に変える。

 

『天上海下、一匹当神!』

 

その力の名は!

 

『大銀河 イワシガラン!!!』

 

『イワシの力、見せて、やるぜ!』

 

 

 

蒼&デスタール「うおおおおお!!」

 

プラグ「うるせえよ!店のモニタ使って何やってんだ!」

 

アホ2人が店のモニタの前で叫ぶのを見て傍にあった空の段ボールを投げつける。

 

蒼「アダッ!いや、テレビ版再放送「限海突破イワシガラン」の25話を見てただけだろ。」

 

デスタール「そうだ、何もおかしなことは無い!」

 

プラグ「いやおかしいだろ!夏休みの昼過ぎで忙しい時期に、店員がアニメ見てサボるとかおかしいだろ!あとお前銃奈どうした!」

 

夏休み、子供たちは皆宿題ほっぽり出してここに来る。

こんな忙しい時期に何してやがるコイツら。

 

デスタール「学校で補修を受けている、バディポリスからの特別ペナルティだ!」

 

プラグ「そいつは良かったけど見張っとけよ!」

 

デスタール「しかし、再放送もいいものだ。再放送ではゴーグルの掛け方が変わるのだな。BGMも良い。」

 

蒼「ああ、やっぱ自分はこのシーンは劇場版よりアニメ版の方が好きだ。」

 

華麗に俺の言葉をスルーしやがる。

 

プラグ「俺の話を聞け、手が空いてるなら手伝え!」

 

響「よっしゃ100円ダークネス、3BOXっすね!えっと、9480円になるっす!」

 

辰馬「大会の点呼を取る!用意は良いか!」

 

子供達「おう!」

 

辰馬の点呼は統制されてんな。

けど、気にしてる暇がねえ!

 

グレー「貸出デッキもあるよ!」

 

グレーは辰馬の横で貸出デッキ配ってんな。

んでこっちの相手はこの行列だよ!

 

プラグ「5world build masters、4780円になります!」

 

デスタール「仕方がない、手伝ってやろう。スリーブ3点で計2472円だな。」

 

蒼「2パックで、324円になります!」

 

響「6パックで648円っす!」

 

 

 

 

 

 

――40分後

 

響「…ぶはー。こんな忙しかったのいつぶりっすか。」

 

蒼「7月入ってすぐの頃の新ブースター発売日だなー。」

 

デスタール「接客がここまで精神をすり減らすものだとは…再教育の内容に加えようか。」

 

プラグ「大会の方は、今日は誰が勝ったんだろうな。」

 

って、決勝か。

机一つに子供が密集してるな。

 

少年「あ、プラグ!いま決勝でケンちゃんとファイトしてる奴凄いぞ!」

 

プラグ「へー、ケンの奴が決勝に来て追いつめられるなんて久しぶりじゃないか?」

 

1ヶ月半に一回は大会で優勝してるケンがまさかな。

 

?「行くぜ、クリムゾンブルグで攻撃だ!」

 

ケン「キャスト、忍法 半殺し!攻撃を無効化してクリムゾンブルグのソウルを全部ドロップだ!」

手札2➡1 ゲージ4

 

?「まだ2回攻撃があるぜ!」

 

ケン「ああ、くらっちゃった!」ライフ9➡5

 

?「ファイナルフェイズ!キャスト、ブルグボルグ・アルティメット炎斬!!ダメージ8だ!」ライフ5➡1

手札3➡2 ゲージ5➡1

 

ケン「負けたーー!!?」ライフ5➡0

 

少年「すごいっしょ!?」

 

プラグ「ああ、すげえな。打撃4の2回攻撃とかどうなってんだ?」

 

少年B「俺がファイトしたとき、必殺モンスターがどごーんってコールされたんだ!それを見てたケンちゃんは影縫いの術とかでクリムゾンブルグをスタンドしないようにしたり、手札を回させないために絶命陣で星砕き使ったのに、さらに攻撃してきて今知らない必殺技使ってた。」

 

プラグ「辰馬がしごいたお前らが、押し負けたのか・・・?」

 

このショップのガキ共は全員辰馬が鍛えた精鋭?といってもいいぐらいの奴らだ。

そのせいでグレーが全然勝てず、ウチのショップ大会には参加しなくなって他の店に行くようになったほどだ。

 

?「このショップどうなってんだ?他のショップで戦った連中とは明らかにレベルが違うんだが・・・。」

 

優勝したやつもそれには違和感を感じたらしい。

 

辰馬「俺が鍛えた。」

 

子供A「鍛えたじゃねえよ!」

 

子供K「全然鍛えるってレベルじゃないよ!ドラガオン砲で俺たち何度撃たれたと思ってんだ!」

 

辰馬「お前らは強くしてくれって俺に言ってきただろう。ドラガオン砲の事も何度も説明したし、過程がお前らの思い通りでなくとも結果的には強くなったんだ。文句あるか?」

 

子供A.K.D「うっ!?」

 

他のこども「納得できるか!?」

 

実際辰馬の特訓は厳しくて賛否両論に別れてるんだ。

あのデッカいドラゴンにドラガオン砲撃たれるぞって事前に説明してるが、それを甘く見て多くの子供が結局涙目になる。

 

?「あんたがか?」

 

辰馬「そうだ。それがどうした?」

 

?「じゃあ、俺とファイトしてくれ!」

 

その場の全員「!?」

 

ケン「は、話聞いてた!?」

 

少年B「僕たちボロ雑巾にされたよ!なんでそれ聞いてそんなこと言うの!?」

 

デスタール「若人、命を無駄に散らすでない。イワシでも食って落ち着け。」

 

生で差し出すんじゃねえよ。

つーかいくつイワシ持ってんだ、さっきはサイリウムみたいに振ってたし。

 

?「俺は冷静だ!…どうしても倒したい奴が居るんだ…!」

 

辰馬「…話だけでも聞いてやる、名前は?」

 

炎斬「焼野炎斬だ。」

 

 

 

 

 

 

辰馬「なるほど、倒したい奴がいると…。」

 

炎斬が話したのは倒したい奴がいることと、そのために強くなろうと武者修行中と言うことだった。

 

炎斬「そいつをぶっ倒そうとしたんだが、完敗だった…。」

 

辰馬「ソイツを倒したいのか。」

 

炎斬「そうだ!頼む、今は強くなるために強い奴とファイトしたいんだ!」

 

プラグ「辰馬、どうする?」

 

辰馬「…。」

 

響「店長?」

 

辰馬はどう答えるんだ?

 

辰馬「断る。」

 

炎斬「は!?」

 

予想外の答えに炎斬の顔に焦りが浮かぶ。

多分、ホントに強くなりたいんだな。

 

辰馬「お前は、何の為に強くなりたいんだ。」

 

炎斬「そりゃあいつを…。」

 

辰馬「倒したいのは何でだ?」

 

炎斬「ソイツは…。…あいつは俺の仲間たちを--。」

 

辰馬「違うな。俺がお前の頼みを断るのはそこを履き違えてるからだ。」

 

炎斬「!?そんなことは!っつか、じゃあアンタは何が理由だって言うんだ!」

 

辰馬「簡単な話だ。強い壁を倒したい、その強さを同じモノで勝って自分が上に立っていると思いたい。その一点だ。」

 

炎斬「な!?そんなことは」

 

辰馬「なら、なんでバディファイトを選んだ?恨みを晴らしたいならバディファイトでなくともできる。」

 

炎斬「…!、アイツはあんな事までしたのに、俺はそんな自分勝手な…!」

 

辰馬「自分勝手だろうが!」

 

炎斬「な!?」

 

辰馬「自分の気持ちを他人の為のものだと偽ってる時点で自分勝手の何者でもないだろう!」

 

炎斬「おれは…。」

 

辰馬「バディファイトを選んだってことはそういうことだろ!そのくせ内心ビビってるんだろう!」

 

炎斬「ビビッて!?」

 

辰馬「ああ!そもそも多少ファイトをした程度で相手を倒せる程強くなれると思っていることが間違いだ、勝ちたいなら、まずビビっている現状をなんとかして、遠慮も躊躇も慈悲も無く、全力で叩き潰す気構えを持て!」

 

炎斬「…。」

 

響「俺、バディファイトがそんな恐ろしいカードゲームだって知らなかったんすけど…。」

 

プラグ「辰馬の持論だ、気にすんな。」

 

辰馬「ふぅ…。目的もハッキリ見えずに強くなれば強くなればとがむしゃらにファイトするだけでもカードを集めるだけでも駄目だ。負けてからまずやるべきは自分を見つめ直すことだ。」

 

辰馬は心臓の辺りを強く叩いて言う。

 

炎斬「見つめ直す…。」

 

辰馬「……話はこれで終わりか?」

 

炎斬「……いや。」

 

辰馬「何?」

 

炎斬「俺を鍛えてくれ!」

 

プラグ「おいおい、また突然何言って。さっきことわ…。」

 

辰馬「良いだろう」

 

プラグ「良いのかよ!さっきは断るって言って、あ。」

 

響「え?あ、ってどうしたんすかプラグ。」

 

プラグ「あー、そういうことね。ファイトするだけなら断るけど鍛えるならオッケーってか。」

 

辰馬「プラグ、悪いが潜らせてもらう。店は任せた。」

 

プラグ「へーいへい、とっとと行けよ。」

 

炎斬「ありがとな!」

 

辰馬「感謝なんてするな。お前、CBSNのアカウントは持ってるか。」

 

炎斬「いや、持ってない。」

 

辰馬「ならすぐ作ってアクセスしろ。横のネカフェから出来るからフロントエリアに来い。」

 

炎斬「お、おう!」

 

炎斬はネカフェの方に走って行った。

 

プラグ「…お前も大概甘いよな。」

 

辰馬「余計な世話だ。」

 

 

 

 

 

 

--2時間後

 

俺たちが接客したり、カードの買取をしている中、性懲りも無く蒼とデスタールはイワシガラン見てやがる。

 

デスタール「そういえば、かれこれ2時間経つが、奴らは戻ってこないのか?鍛えるというのが何をしているかは知らんが。」

 

蒼「案外、炎斬だっけ?アイツにドラガオン砲ずっと連射してるとか!?」

 

プラグ「そりゃ無え。……よな。……よな!?」

 

蒼が変なこと言うから心配になってきた。

辰馬、変なことしてねえよな?

 

響「俺、見てくるっす。」

 

プラグ「おう、頼む。」

 

ライナ「あ、だったらこのカードをその人の居るブースに置いといて?」

 

お嬢が突然ライナルームからでてきた。

 

ライナ「ついさっきカードの進化を確認してデータを盗み見て。面白かったからそれを元に創ってみた、カードデータも渡して。」

 

響「了解っす。」

 

お嬢も面白いこと好きだよな。

 

 

 

 

 

 

ヒビキ「ここっすよね?」

 

今俺はCBSN内の玄関口、フロントエリアにいるっす。

さっきここで待つって店長が言ってたっすよね。 

 

炎斬「辰さん、俺とファイトしてくれ!」

 

お、炎斬の声。

あっちっすか。

 

ドラッへ「ああ、コッチも熱くなってきた所だ!お前の手に入れた力、試してやろう!」

 

店長、服脱ぎ捨てて筋肉露出。

まさかの。

 

炎斬「行くぜ、ブルグ!」

 

クリムゾンブルグ「おお!」

 

ヒビキ「お、おーい!」

 

ドラッへ「ん?どうした響!」

 

ヒビキ「炎斬、君にお届けものっす!」

 

持たされたカードを投げ渡す。

 

炎斬「何だこりゃ?フラッグ…。は!?コイツは!」

 

フラッグを見てすごく驚いてるっすね。

 

炎斬「コイツは、新しいデッキを組まねえとな。辰さん!ちょっと待ってもらうぜ!」

 

ドラッへ「ああ、待ってやる。」

 

 

 

 

 

 

--10分後

 

炎斬「出来たぜ、コイツが俺の新デッキだ!」

 

ドラッヘ「なら俺も本気を出してやろう!」

 

炎斬「硬い信頼、熱い絆!俺たちの旗印、燃え上がれ!ルミナイズ、ぶっ込み炎頼隊!!」

 

ドラッヘ「俺の前に立つ、豪砲をものともしない猛者ならば本気で喰ってやる!ハックスタート、雷砲謳歌ああああああ!!」

 

で、でか、!?

音量デカいッス…。

 

システムボイス『ルミナイズを確認。サイバーバディファイト。承認します。バディファイト・・・』

 

?「むむむー!ちょっと待ったー!」

 

ドラッへ&炎斬「…あぁん!?」

 

ファイト開始しようとしたところで誰かが横槍を入れて来たっす…って何かこの声どこかで?

 

?「うひゃあ!怖いけど、そのファイトボクに実況させてよ!面白そう!」

 

金髪のツインテールに碧い瞳、外国人の子だとはわかるんすけど、あのフリフリの服、…。

あ!

 

ドラッへ「…どうする。」

 

炎斬「…別に良いだろ?」

 

ドラッへ「勝手にしろ。」

 

店長たち知らないのか!

 

響「もしかしてベリルチャンネルのベリルちゃん!?」

 

ベリル「そうだよ!今をときめく友チューバー!ファイトに実況いっぱいやりますベリルチャンネル!見てくれてるんだね!」

 

CBSNで話題の友チューバー、ベリルちゃん!

こんな所で会えるとは!

カメラをスタンバイして。

 

ベリル「みんなー! 元気ー? ボクは今日も元気だよー!皆お待ちかね、ベリルチャンネル、生放送の時間だよ!」

 

空中に大量のモニターが浮かんでそこに人が映ってる。

数え切れないっすね。

モニターの数=視聴者数っすから、ベリルちゃんの人気の高さが分かるっすね。

 

観客『うおおおお!!』

 

観客『ベリルちゃんこっち向いてー!』

 

炎斬「…なんか初陣なのに調子狂うな…。」

 

ドラッへ「CBSNはこういう所だ、気にしたら負けだ。」

 

ベリル「今回はファイター達のファイトを実況!対戦するのは!各地のショップ大会で頭角をみせてるファイター焼野炎斬と、CBSNの凄腕ファイター、豪砲のドラッへのファイト!炎斬さんはアカウント持ってたんだってボクも驚きだよ!」

 

そりゃついさっき創ったばっかっすから。

 

ベリル「そんじゃ、映ってない所でルミナイズは済んじゃってるんで、皆掛け声行くよ!バディ〜…」

 

観客『ファイッ!!』

 

ドラッへ&炎斬「オープン・ザ・フラッグ!!!」

 

ドラッへ「竜牙雷帝!!」

 

ドラッへ

竜牙雷帝

雷砲豪天竜ドラガオンモガミ・ブラスターノ

ライフ11  手札7 ゲージ1

 

炎斬「炎軍侵龍」

 

炎斬

炎軍侵龍

炎頼機龍 クリムゾンブルグ・/(スラッシュ)

ライフ9 手札7 ゲージ3

 

ベリル「おお!?特殊フラッグ同士の対決だ!とても珍しい竜牙雷帝に見たことない特殊フラッグ!これはどうなるか目が離せない!」

 

ドラッヘ「久々に見せてやるか…。俺の大逆天を…!」




ついに炎斬登場ッス!
次回は響が来る2時間前からお届けッス。

そんじゃ、感想&活動報告お待ちしてるッス。 

以下の情報が更新されました。

焼野炎斬
年齢、17
性別、男
■強盗に両親を殺され、現在は中卒の熱血漢。
■短気で自分が間違っていると思ったことはハッキリと言う。
■バトルジャンキー予備軍
■少しずつ人間離れが進んでいるという噂も…。
■一人称、俺
■使用フラッグは炎軍侵龍でバディは炎頼機龍 クリムゾンブルグ・/
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