・・・なかなか難しいっすね。
人の作品のキャラを間借りするのって。
バディポリスの依頼
ある日の昼下がり、店の備品の買い足しをしていると辰馬が突然呼び出しを掛けたので、買い物をすぐ済ませてアンダーズに戻った。
辰馬「戻ったな。」
星空「おそいよ~!ちゃんと備品買ってきたにゃ?」
スタッフルームにはカードショップ側のバイト、星空凛が居る。
ハッカーではないが、アンダーズの理解者の一人だ。
ん?今日は凛しかバイト来てなかったはず。
蒼「凛、何でこっちに?ショップの店番は・・・」
凛「プラグに任せてるにゃ!ネカフェの方はかよちんにヘルプ頼んだ~。」
今日は日曜だから、大会ラッシュが来る忙しい日。
・・・プラグには後でジュースでも奢ろう。
蒼「じゃあ、何で居るの?」
凛「それは・・・。」
辰馬「それはこれから来る依頼が星空の知り合いだからだ。」
凛「ぶー、それ凛が言いたかったのにー。」
辰馬「どちらが言っても同じことだ。先方の情報は仕入れておいて損はない、相手がこちら側に、つまり《ハッカー》についてどんな印象を持っているかも分からないうちは特に、な。」
ハッカーに対して悪い印象を持っている人は少なくない。
しかし、そのスキルに頼らなければ事態を打開できない人は稀にアンダーズに依頼を頼んでくる場合があるのだ。
今回はそういう可能性がある依頼ということだろう。
無論、凛からはあくまで相手の性格を聞いているだけで情報の補足の為だろう。
蒼「なるほど。でも、依頼に2人以上を駆り出すってことは大きい仕事なのか?」
凛「え?二人って、一人だよ。」
蒼「?、じゃあなんで辰馬が自分を呼んだんだ?」
辰馬「・・・、ライナにアカウントを止められた。そのせいで丸一日アクセス出来ん。」
蒼「へ!?何で。」
凛「ライナちゃんの楽しみにとってたお菓子。プラグが食べちゃったにゃ。」
蒼「それで、何で辰馬のアカウントが?」
凛「プラグが、自分が食べたのがライナちゃんのおやつだって気づいて、慌てて新しいの買いに行ったんだけど、お菓子の袋をそのままにしてて・・・。」
辰馬「俺がその袋を見て捨てたら、捨てたところを見たライナが、犯人を勘違いしてアカウントを停止させたんだ。ライナルームは立ち入り禁止になっていて、弁解も出来ん。」
蒼「・・・。」
辰馬にも後でジュースを奢ろう。
凛「だから今回は蒼しかダイブ出来ないにゃ。プラグはヘトヘトになって戻ってくるだろうし。」
蒼「なるほど・・・。」
納得した瞬間、スタッフルームの外から声が聞こえる。
?「ごめんください。アンダーズに依頼をした者なんですが。」
辰馬「依頼人の到着だな。入ってくれ!」
?「失礼します。」
?「失礼します・・・。」
凛「久しぶりにゃー!サツキくん!」
サツキ「久しぶり、凛ちゃん。初めまして、盛谷サツキです。」
辰馬「こちらこそ、俺は下田辰馬だ。・・・そちらは?」
入ってきた二人の内、凛に手を振った男性の方は辰馬と握手をする。
辰馬は後ろのもう1人に目を向ける。
サツキ「美奈ちゃん?」
星野「・・・・・・星野美奈です。」
少し暗い顔をした少女の方はこちらに目を向けずに名乗る。
・・・さっき辰馬が言ったことが、本当になったかな。
辰馬「早速で悪いが、何があったかもう一度聞かせてもらえないか。」
サツキ「ああ、掲示板でも見たと思うんだが――。」
――2日前、バディモンスターを利用した銀行強盗が発生したんだ。
犯人「ハハハ!捕まってたまるかよ!」
逃げ回っていた犯人を追いつめたんだ。
ところが・・・。
サツキ「もう観念しろ!逃げ場はどこにもない!」
犯人「くそ、こうなったら・・・戻れ!」
犯人はバディをカードに戻すと、後ろにあったアクセスポイントからBCSNに意識を飛ばしたんだ。
犯人「体の方はくれてやる、あばよ!」
サツキ「待て――!」
サツキ「そうやって、まんまと意識だけに逃げられたんだ。」
辰馬「なるほど、体だけってわけには行かないからな。・・・しかし、電脳の中はまずいな。」
蒼「何でだっけ?前に聞いた気が・・・。」
辰馬「CBSN内での犯罪が警察の管轄だからだ。もうわかったと思うが盛谷達はバディポリスだ。警察は電脳空間に入ってきたら、自分たちの管轄だって主張する。犯罪を犯したのが外でのことでもな。」
サツキ「そういうこと。それで、僕たちは警察の方に掛け合ったんだけど取り次いでもらえなかったんだ。それで、電脳犯罪対策課って部署に行ってみたんだ。そしたら・・・。」
辰馬「・・・いかつい顔したオッサンに、又木さんにここを紹介されたか?」
サツキ「うん――。」
――昨日
又木「わざわざご苦労だったな、おれは凩又木って言うんだ。この窓際部署の、一応課長だ。」
僕の前に座ったは60代位、いや、それより元気に見える人物だった。
サツキ「盛谷サツキです。突然なのですが・・・。」
又木「電脳空間をバディポリスの管轄に変えろってのはさすがに俺でも出来ねえぞ。上が何しだすか分かったもんじゃないしな。」
サツキ「そう、ですか。」
又木「・・・だが。」
又木は組んでいた腕をほどいてサツキに顔を近づける。
又木「民間人がそいつを捕まえて、バディモンスターを使った犯罪を起こしたからって理由でバディポリスに引き渡す。そういう形なら上も矛を収めると思うんだよ。」
サツキ「・・・え?」
又木「おれにはそういう当てがある。このサイトの掲示板に貼っ付けとけば対応してくれるはずだ。」
そういって又木さんは僕にURLが書かれた1枚の紙きれを渡してくれたんだ――。
サツキ「頼む、犯人を、唐沢を捕まえてくれ!正式なバディポリスが直接捕まえると警察と軋轢を作ることになる。」
辰馬「・・・了解した。又木さんの紹介を断るわけには行かないしな、蒼。」
蒼「あ、はい?」
辰馬「お前は星野と組んで唐沢を捕まえろ。俺は盛谷の権限で、その犯人の肉体のあるアクセスポイントで待機しておく。バディポリスが管理してるはずだからな。」
蒼「えー。了解・・・。」
美奈「サツキさん、私!」
サツキ「美奈ちゃん。」
美奈「!?」
サツキ「頼んだよ!」
美奈「・・・はい。」
辰馬「ログアウトポイントとアバターの位置情報は後で送るからな。行くぞ。」
サツキ「分かってる、二人とも任せた。」
辰馬とサツキが出て行った部屋は、気まずい空気が流れ始めた。
蒼「えっと、ダイ――。」
美奈「お構いなく、方法は知ってます。」
星野ちゃんも出て行った。
凛「店長の言ってたこと、当たってたにゃー。」
蒼「そうみたいだな・・・。」
――CBSN内
美奈「唐沢の位置は分かるんですか。」
蒼「いや、いつもならライナ、仲間にアカウントを調べ上げてもらうんだけど、今日は拗ねてるから辰馬からの情報を待つしか・・・。」
美奈「分からないんですか、ハッカーなのに。」
多分この子、ハッカーのこと・・・。
蒼「・・・ハッカーのこと、嫌いか?」
美奈「嫌いですよ、みんなの情報を奪って好き勝手して。そんな人ばっかりの集団になんで依頼なんて・・・。」
蒼「・・・・・・狭いな。」
美奈「何がですか。」
むっとした顔を無視する。
蒼「視野と見識だよ。君が知ってるのは、『テレビで見たような悪い人たち』だろ?」
美奈「?」
蒼「ハッカーの中で犯罪行動をしてるやつは3割、残りの7割はそいつらを抑制してるか、ただ自分の技術を磨きたいだけの奴だ。」
美奈「・・・え?」
そう、ハッカーの大体は、コンピュータの専門技術を持っているだけの人だったりする。
といっても、ハッカーについては言葉だけでは分かるわけがない。
だから・・・。
蒼「ちょっと寄り道するか。」
美奈「ちょ、ちょっと!?」
星野ちゃんの腕を引き、移動ポータルに乗った。
行き先は、下だ。
美奈「ひゃあああああああああああああああ!!?」
最初はびっくりするよな。
暗いところに引っ張られてる感覚で。
しばらくすると下に向いていた頭が反転して、地に足がつく。
蒼「ほいっと、着いた。」
美奈「ここ、どこなんですか!」
蒼「ハッカーの巣窟。」
美奈「はあ!?」
自分たちが居るのはディープジュール。
ハッカーたちがたむろする、『たまり場』だ。
美奈ちゃんはハッカーに対する世間の印象、を付ける為にこんな感じのことを言ってもらったっす。
ちょっとすんません。
凩又木(こがらし またぎ)
■年齢、62歳
■性別、男
■警察の窓際部署の課長で警察内でも煙たがられているが、彼を慕う警官はとても多い。
■容姿はサイスルとハカメモの又吉刑事と同様で、真実を追うしつこさは日本一。
■バディファイトはルールすら知らない。
■アンダーズに何度も依頼をしたりしている。