バディファイト@サイバーダイバーズ   作:辻 逆月

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今回の話で登場するはずだったのにな…。
デッキが出る話は早めに投稿しますんで、お待ちくださいッス。


戦闘直前の飛行

10分前

クラバーアジトから少し離れた場所で響はあぐらをかき、チビは今日の晩飯は何か想像しながら響に座り、二人の目の前にいる人物はポーズを決めていた。

 

?「お久だなヒビキィー!!」

 

ヒビキ「おう、久しぶり。…本当に変わったな、山田」

 

白塗りメイクに肩の部分がギザギザに切り裂かれたパンクな服。

そう、奴こそが、音楽チャート現在4位のギタリスト、デイモン☆山田である。

 

デイモン☆山田「ヒャハー!俺には「っす」って付けないのかよ!?」

 

ヒビキ「高校時代の友人にあの口調使えると思うか?」

 

デイモン☆山田「ハハー!そのとーりだなー!!お前変わったなー!」

 

ヒビキ「……。」

 

デイモン☆山田「アー?どうしたよ。」

 

ヒビキ「いや、やっぱ違和感が。」

 

デイモン☆山田「ナレナァ!これが俺様だ。」

 

ヒビキ「…はあ。」

 

チビ「響ー。どしたの?」

 

ヒビキ「なんでもない。それより、なんでここに連れて来たんだ?」

 

デイモン☆山田「ハハハ!ずいぶんご無沙汰してたから挨拶しようと思ってなー!」

 

山田はチビに目線を移す。

 

デイモン☆山田「ツーカー!このチビ竜!お前のバディだったのかよー!」

 

ヒビキ「そうだ、俺の相棒だよ。」

 

デイモン☆山田「ハ!昔のお前みたいで面白いじゃねえの!?んでバディファイトはどんだけやった!?」

 

ヒビキ「まだ一回。」

 

デイモン☆山田「ハハ!たった一回かよ!」

 

デイモンは大きな声で笑う。

 

ヒビキ「悪かったな、まだチビと出会ってそんなに経ってないし大学の期末にバイトやらハッカー座学で地獄見てたんだよ。」

 

デイモン☆山田「ホーウ!ならお互いのことはまだ知らない感じか!?」

 

ヒビキ「…。」

 

確かに、とヒビキはチビを見下ろしながら思案する。

思い返してみれば、あまり時間がなかったとはいえチビの事情を何も知らなかった。

ライナルームでもオーナーが気づいたチビが弱っていた理由も気に留めなかった。

今ならチビが、あの二人に追われていたことが分かる。

チビは過去をあまり振り返らないタイプで引きずらないから1日経って気にしなくなったのだろうが、ヒビキは気にするべきだった。

 

ヒビキ「なぁ、チビ」

 

チビ「気にしなくてもこれから知ってくはずだよー。」

 

チビが発したのはヒビキが予想だにしなかった。けれどヒビキにとって心地よい言葉だった。

 

ヒビキ「!」

 

チビ「2人の人が襲いかかって来て、あの時響が僕を拾って唐揚げくれなかったら僕はニンゲンフシンにおちいってたと思う。響が居たからそうならなかった、だから僕は君の申し出を受けたんだ。一緒にいようって思ったんだ。」

 

ヒビキ「チビ…、唐揚げなんだな。」

 

ヒビキ「うんー!あれすっごく美味しいんだもーん!僕の大好物ー!」

 

チビがヒビキの膝の上で両手をバタバタさせる。

 

ヒビキ「ハハ、じゃあ帰ったら目一杯唐揚げ食べるか!?」

 

チビ「当然!」

 

ヒビキ「…山田、ありがとな。ある意味お前のおかげだ。」

 

デイモン☆山田「……。」

 

ヒビキ「山田?」

 

ヒビキがデイモン☆山田に目を向けると、デイモンの視線は響とは反対の方向に固定されている。

 

?「心地良いなぁ、敵意が向けられるなんて久々だ。」

 

そこに居たのは、赤い鎧。

赤い鎧が響達のほうに向かって歩いてきていた。

 

ヒビキ「え…?あんた誰?」

 

チビ「!響…。」

 

ヒビキ「どうした…チビ?」

 

チビ「逃げよう…?」

 

ヒビキ「……え?」

 

チビ「なんで来たのか知らないけど、あんなのが来るなんて…。」

 

恐らく以前チビが会っている人物、しかも過去はあまり振り返らないタイプのチビが怯えている。

その事実がヒビキにも不安を与える。

 

赤い鎧「……そのテントの中か。」

 

鎧はヒビキ達を軽々と飛び越える跳躍力でテントに接近し、テントを破壊した。

中から悲鳴が聞こえると同時、鎧は元の位置に降りる。

また歩きはじめ、そして叫ぶ。

 

赤い鎧「見つけたぜ、アルファード!!」

 

アルファードという単語が何を意味するのか、ヒビキには分からない。

だが、後ろを振り向き誰のことを言っているのか何となく気づいた。

 

ヒビキ「まさか、蒼のことか…?」

 

赤い鎧が近づいてくる。

恐らくは自分達ではなく蒼の居る場所に向かっている。

 

デイモン☆山田「ヒビキィ、あれテメェの知り合い…じゃねえんだよな。」

 

ヒビキ「多分…仲間の蒼って奴の…だと思う。」

 

グレー「……久しぶりだね、ロード。」

 

ヒビキ「…え?あ、グレー!?なんで。」

 

いつの間にかグレーがヒビキの横に居た。

 

グレー「彼は僕の同胞なんだよ、僕に話させて。」

 

チビ「デリータ・ロードのはらから…?それって。」

 

赤い鎧、デリータ・ロードが立ち止まる。

 

デリータ・ロード「久しぶりだな、ドランザー。つっても俺からしたらさっきお前と…アイツを見かけて以来だがな。」

 

グレー「僕がサイバーワールドを通り抜けた時か…。迂闊だったよ、君なら…アルファードの居場所を知ったら突進してくると分かってたのに。」

 

デリータ・ロード「ああ、お前らのスキューバ見るのは面白かったがアイツが…アルファードが居るってのは見過ごせねえよ。」

 

グレー「どうするの?」

 

デリータ・ロード「何度も殴って吐かせる、8年間も何してやがったのか全部だ。」

 

グレー「認められない、そもそも彼は答えられない。」

 

デリータ・ロード「ほう…?だがお前が認めなくたって俺はアイツに確かめなきゃいけないことがある。闘ってどっちが言い分通すか決めるのが手っ取り早そうだが、やるか。」

 

グレーは顔に僅かな怒りを滲ませる、イライラしているらしい。

 

グレー「冗談言わないでよ。僕と君が闘って、サイバーワールドの地形を変えたことをもう忘れたって言うの?」

 

サラリと恐ろしい事を言うグレーの目はいつものグレーの目ではなかった。

先程の、ドランザーとしての目だった。

 

デリータ・ロード「あー、確かにそれで聖上に怒られたんだったな。つまんねぇなー…、ここで闘ってもどうせ来るんだろ。」

 

グレー「当然だよ、ユグド・オメガ様はあんな惨状を2度とお許しにならない。今度こそデリータ・ロードがデリートされた・ロードだよ。」

 

デリータ・ロード「……言ってくれるじゃねえか。なら被害が出なきゃいいんだろ。」

 

デリータ・ロードは空中に手をかざす、するとそこにデッキが現れた。

バディファイトで決着しようということだ。

 

グレー「それしか無いね、蒼。もういっせ…

 

グレーが蒼を見ると。

 

蒼「ちょま、けがに…ぐべ、おご、がふ!?」

 

夜剣、CODE、ドラッへの3人が蒼を蹴っていた。

 

ドラッへ「すまん、コイツは戦闘不能だ。別の誰かに頼りたい。」

 

夜剣「蒼くん駄目じゃないかこんな所で寝ていたら。」

 

CODE「とっととログアウトさせるぞー。」

 

蒼は恨みがましい目をしながら、しかし一言も発さずに運ばれていった。

 

デリータ・ロード「……何やってんだ?」

 

チビ「……。」

 

ヒビキ「チビー…今のうちに。」

 

デイモン☆山田「ヒャハー!なら、適任が居るじゃねえか!」

 

今まで黙っていたデイモン☆山田が、逃げようとしていたヒビキを指差す。

 

ヒビキ「え…。」

 

デリータ・ロード「ほー…。コイツが代役か?」

 

デリータ・ロードが顎に手を当て、首を傾げる。

 

ヒビキ「おい!なんで自分なんだよ。」

 

チビ「響…。ゴメン、ファイトしてもらっていい?」

 

ヒビキ「チビ!?」

 

さっきは逃げようと言っていたチビが何故か逆の発言。

ヒビキは目を白黒させる。

そしてヒビキの驚愕をよそに、チビがグレーの方を向く。

 

チビ「響のシンゾーがさっき、強くなりたいって感じにバクバクしてたから、良いよね。」

 

グレー「オッケー、といってもデッキは大丈夫?」

 

ヒビキはチビの言葉に更に驚いた。

え?心臓の音で決めたの?と

 

ヒビキ「ちょっとま」

 

チビ「それに…ちょっと前から凄いアガる音がしてるんだー。」

 

ヒビキ「チビ?なんの話」

 

チビのマイペースは今に始まったことではないが、今回は本当に訳がわからない。

 

チビ「とにかく聞きたい!ヒビキの鼓動は間違い?それとも正解?」

 

正解か間違いか。

正直な話、ヒビキにはチビの言うバクバクがいつ鳴ったのか分からない。

けれども、久しく忘れていたものを思い出しそうな気がした。

それを思い出せる、思い出したい、そんな気がしたヒビキは答えた。

 

ヒビキ「……間違いなんかじゃない、正解だ!」

 

デリータ・ロード「……おい、ドランザー。」

 

グレー「うん…よく分からないけど、何か凄いのが来そう。」

 

デイモン☆山田「ハー!?何だこの、エッグいのは!?」

 

ヒビキ「だから何が!」

 

デイモン☆山田「上だ!」

 

ヒビキは上を向く。

そこには、異世界へのゲートが現れている。

 

ヒビキ「……へ?」

 

そのゲートは少しずつ壊れていき、割れる。

空間に穴が空いている、そう言うべき状態になった。

 

システムボイス『おめでとうございます、ID635183、ヒビキさんがクロスワールドに招待されました。』

 

ヒビキ「え、俺!?ちょっちょ!」

 

ヒビキの体が浮いて空間の穴に吸い込まれる。

体が空中で回転し、目には走ってくるバンドメンバー最後にが映っていた。

 

穂乃果「ハァ、ハァ!何これ!」

 

ゲン「響…!」

 

玲時「あれ、ゲートなのか!?」




今回はここまでッス。
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