考えろ考えろ考えろ。
全て凡て統べて。
僕にできることはそれぐらいだから。
筆記試験は全く問題なく終わった。
経営科に関しては、ヒーロー科との併願を優遇する制度があり、内申点での条件を充分に満たしていた僕は、
かっちゃんと一緒に行った自己採点では、満点こそ逃したものの、二人ともかなりの高得点が見込める手応えだった。
入試から一週間がたち、僕の家でいっしょに夕食を食べながら、かっちゃんと入学後の事を話している。
「かなりの確率で入試の成績一位だからさ、新入生代表の挨拶を考えときなよ、かっちゃん。」
カレーライス……かっちゃんが来ている時は彼の好みに合わせて辛い料理を母さんは作ってくれる。
まぁ、僕も辛い料理が嫌いな訳じゃないけどね。
「そーだなー。がっつり
「あぁ。かっちゃんが、爆豪勝己が来たっ!て知らしめてやるといいよ。」
僕達二人の掛け合いを、母さんがニコニコと笑って眺めている。
「二人とも、合格通知はまだでしょ?気が早いわよ。」
ほっそりとした、僕が幼い頃からほとんど変わらない容貌。世間的に美人の部類に入るんじゃないかな?
かっちゃんのお母さんも若くて美人だけど。
「とは言ってもさ、僕らの中では確定事項だしね。」
「そうだぜおばさん。もう俺らの視点は入学後さ!あ、お代わりいいっすか?」
さて問題は唯一つ。
僕をどう判断した? 雄英教師陣。
翌日の事。
雄英から送られてきた手紙。
それを母さんの前でゆっくりと開ける。
書面と……投影装置?
えーっと、スイッチは……ポチっと。
「私が投影された!!!」
うおっ!オールマイト!?
なんで?雄英からだよね?
濃ゆいなぁ、相変わらず。
「なぜ私が!?と思っているかな緑谷少年!君とこの街で出会ったのも他でもない。雄英に勤めることになったからなんだ。」
なるほどね。
「あの時の少年が雄英を受験するとはね。こういったことも縁……ゴホッ。ん?何だい!?巻きで!?」
何か拳が横から突き出されてクルクルしてるね。
……オールマイト、ところで今の咳、音が良くないよね。肺を患ってるのかな?
「筆記はトップクラス!だが、実技試験でのポイントは18ポイント……。これでは不合格だ。」
引っ張るなー。
あ、母さん大丈夫だよ。これ、
「
……オールマイト、さっきから突き出た手がクルクル回ってますよ。ほら、マキでって声も聞こえちゃったし。
「他の受験者を助け、フォローした行動も審査制で評価していたのさ!
ふむ。やはり、ね。
なら、かっちゃんも少しは加点されたかな。
「そして!緑谷少年!君だけがとった行動も我々は評価した!受験者への指示!指揮!
せんどう、ね。
煽動かな、それとも先導?
「初めて出会うもの達をまとめ上げ、巨大な敵を撃ち破った判断力!リーダーシップ!実に素晴らしい!」
手放しで誉めちぎる、か。
あえて伝えない裏側があるよね、絶対。
「レスキューポイント25!特別評価ポイント35!」
ほら。
「経営科でヒーローコーディネーターを目指す進路も考えていたようだが、我々は君はヒーローになるべきと判断した!……合格さ。」
それは、貴方も同じ考えですか?
僕がヒーローになるべきと、思っていますか?
「来いよ緑谷少年!ここが君のヒーローアカデミアだ!」
お母さん、泣かないでよ。
やっとスタートラインに立っただけなんだから。
さて、オールマイトが雄英で教鞭を執るとは、ね。
ステキだ。
存外にステキだ。
オールマイトが赴任した年代の新入生ってだけでも注目の的じゃないか。
かっちゃんや、これからの3年で手に入れる戦力の価値がワンランク上がると考えても良いくらいだ。
ただ、平和の象徴が雄英に来た理由はなんだ?
次代の平和の象徴の育成?
歩くように人助けをして、呼吸をするようにヴィランを制圧する男が?
引退した後ならば分からなくも無いけれど。
引退しなければならない日が近いのに、勝手に世界を背負い込んでいるのかな? オールマイトがいなければ、次のオールマイトがいなければ、一日とて世界は廻らぬとでも思っているのかな?
好都合だ。
まったくもって好都合だね。
なら謳おうじゃないか。
僕達がいると。
僕達に任せてくださいと。
笑って人を救っちまう化け物に、貴方はもういらないと笑顔で引導をわたしてやろう。
サンタさんが僕に言ってくれたように、笑顔で
もう大丈夫 僕がいるって さ
あ、かっちゃんとチーム緑谷(仮)のみんなに連絡しなきゃ。
え?お母さん?カレーカツ丼作ってくれるって?
あはは。僕らのお祝いメニューだもんね。
この二次創作では緑谷君のお母さんは、ストレスからの過食が無かったのでスマートな美人さんです。
かっちゃんもちょくちょくご飯食べに来てるみたいですな。