遊戯王Fool ~バーガー中毒者の黙示録~   作:レルクス

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第十六話

 エキセントリック・テンスの全員と知りあって、それぞれの特徴を把握した恵遊。

 

 青芝恵遊  【ハングリーバーガー】

 神代美咲  【青眼の白龍】

 久我昇平  【方界】

 猪八重銀二 【エルフの剣士】

 神楽真司  【ロリシスターズ】

 西条剛毅  【ギャラクシー】

 PB    【ピーピングハンデス】

 菊地昴   【プラネット・フォーカス】

 聖野理央  【レッド・デーモンズ・ドラゴン】

 天塚吉野  【ワイト】

 

 という感じになるだろう。

 すごく特徴的だが、実力は確かだ。

 何かと面倒なことになる可能性が高いが……大丈夫なのだろうか。これは。

 

 とはいえ、今更どうにかできるものではない。

 

 ボーダーの学生は、『多分これから、ボーダーは変態の巣窟として続いて行くんだろうな』と諦め始めていた。

 

 ★

 

「辻デュエル事件?」

「うん。ボーダー周辺でいろいろあるみたいだよ」

 

 茜から話を聞いている恵遊。

 どうやら、そういう事件が発生しているようだ。

 

「辻デュエルが起こっている……というのはいいが、負けるとどうなるんだ?」

「意識不明になってるって私は聞いてるよ。ただ、ダメージが実体化したとかそういう話じゃなくて、外傷がないみたい」

 

 茜からの情報を聞いて考える恵遊。

 

「恵遊君は何か知ってる?」

「いや、分からん」

 

 一瞬、精霊力のことなのかと恵遊は思った。

 デュエルモンスターズのオカルト要素にかかわっている粒子であり、機密事項ではあるが、デュエルディスクのソリッドビジョンシステムにもかかわっていると父さんが言っていた。

 だが、精霊力はそもそも、急激に減ったとしても身体に影響が出ないのだ。

 

(抜き取られているものがないとすると……何かを埋め込まれている可能性があるが……)

 

 結局のところ、分からないということである。

 

「そういえば、最近欠席している生徒が多いような気がしたが……」

「うん。その被害者が多いんだよ」

「それなりに被害件数が多いみたいだな……組織的なものか」

「私もそう思ってたところだよ。だから、若干警備が厳しくなってるみたい」

 

 チラッと窓の外を見ると、確かに、警備員が増えている。

 

「一応気を付けるか」

「恵遊君はハンバーガーがあったら罠ごと踏み抜いてでも進むからね……」

 

 ちなみに今も食べながら話している。

 恵遊は咀嚼しながらでも普通に喋れるのだ。すごいことだが行儀が悪い。

 さすが、ボーダーの中でも五指に入る変態である。

 

「エキセントリック・テンスの中でも被害が出る可能性もあるからなぁ……気に掛けるくらいはしておくか」

 

 ★

 

 恵遊は放課後、新発売のハンバーガーを買いに行っていた。

 ……人を話を覚えていないのだろうか。この男。

 

「美咲にも電話くらいはしておくか」

 

 電車を降りた恵遊だが、ぶっちゃけそれなりに店まで距離がある。

 暇つぶしと言うわけではないが、連絡しておこう。

 

「美咲」

『お兄ちゃん。どうしたのですか?』

「いや、辻デュエルの影響で意識不明になってるやつが多いみたいだからな」

『辻デュエル……あ、はい。そうですね。私も気に掛けておきます』

 

 ……?

 美咲の言い分は、なんというか、今知ったような感じだ。

 

「美咲。今、知ったのか?」

『はい。確かにネット上ではそう書かれていますから、それを確認しました』

「そうか。まあいいけど、気を付けろよ」

『問題はありませんよ。朱里もいますから』

「どういうこと?」

『フフッ。神代家の長女である私の側近ですからね。朱里はボディーガードとして訓練を積んでいるのですよ』

 

 ……。

 ちょっと前に死ぬほどビビっていたような気が……。

 

『オニイサマ。ナニヲカンガエテイルノデスカ?』

「いや、なんでもない。まあ、用心するに越したことはないから気を付けろよ」

 

 そういって、恵遊は通話を終了した。

 どこからどう見ても逃げている。

 

「……ボディーガードとかいるのか?」

 

 オベリスクを思いだして青い顔になる恵遊。

 すっかりトラウマである。

 とはいえ、店についたのも事実だ。

 

「さて、新商品が出るって話だったが、どんなものなのかはお楽しみだったからな。楽しみだ」

 

 そういって店に入る恵遊。

 

「客が少ないんだな……」

 

 かなりガラッとしている。

 テーブル席に一人の男が座っているだけだった。

 その男がこちらを向く。

 そして、驚いたような表情をした。

 

「まさか。本当にかかるとは……」

「え?」

 

 男が指をパチンと鳴らすと、いきなりシャッターが下りた。

 出入り口の向こうでおろされているため、例え自動ドアが開いたとしても意味はない。

 

「何!?」

「残念だが、ここで貴様を倒させてもらうぞ。青芝恵遊」

「へぇ。俺のことを御存知か」

「エキセントリック・テンス序列一位。と言う点もそうだが、貴様を倒せば、膨大な量の精霊力を手に入れることが出来るからな」

 

 膨大な精霊力を狙ってきた。

 と言うことは……。

 

「……シークレット・アライアンスか」

「その通り」

 

 男はデュエルディスクを構える。

 すると、見た目が変わり始める。

 普通の中年男性だったのに、紫色の体の悪魔のようなものになる。

 ところどころ機械的なものになっているため、サイボーグ的な何かを感じる。

 

「な……何だお前は」

「シークレット・アライアンス序列五位。サーガ。さあ、デュエルだ。私を倒さない限り、貴様はここから出ることはできない!」

「……一応聞いておく。最近発生中の辻デュエルは、お前たちか?」

「そうだ。と言ったら?」

「お前が作戦のトップなのかどうかは知らんが、こっちは学園対抗戦の準備で忙しいんだ。片づけさせてもらおうか!」

 

 恵遊もデュエルディスクを構える。

 お互いのカードを五枚引いた。

 

「「デュエル!」」

 

 恵遊  LP4000

 サーガ LP4000

 

「先攻は私だ。まず手札から『名推理』を発動。さあ、レベルを宣言するといい」

 

 先攻の一ターン目に『名推理』

 恵遊はそのカードの存在に、界人の姿を幻視したが、アイツほどの理不尽な戦術を持つデュエリストはいない。

 ならば、ここは王道に乗ったものがいいだろう。

 要するに、1か4か8だ。

 多くのデッキに投入できることを前提とするならば、そのあたりのレベルのモンスターが該当するだろう。

 無論、何を宣告されてもあまり関係のない【インフェルノイド】のようなカードの可能性もあるが。

 

「4だ」

「いいだろう」

 

 サーガはカードをめくっていく。

 

『安全地帯』『メタル・リフレクト・スライム』『闇次元の解放』

 

 そして……『暗黒の召喚神』

 

「暗黒の召喚神……まさか、三幻魔」

「その通りだ。レベル5のモンスターのため、召喚神を特殊召喚する」

 

 暗黒の召喚神 ATK0 ☆5

 

「そして暗黒神をリリース。現れろ。『神炎皇ウリア』」

 

 神炎皇ウリア ATK0→3000 ☆10

 

「私は『失楽園』を発動し、カードを二枚ドロー。ふむ、一枚セットしてターンエンドだ」

「俺のターン。ドロー!」

 

 驚いたが、別に致命的な部分はまだない。

 

「俺は『ジャンク・フォアード』を特殊召喚して、『カードガンナー』を召喚、デッキからカードを三枚墓地に送って攻撃力を上げる。二体でダンテをエクシーズ召喚して、さらに墓地肥しだ」

 

 彼岸の旅人 ダンテ DFE2500 ★3

 

 ここまではいつも通りの恵遊の潤滑油だ。

 

「『儀式の下準備』を発動して、バーガーセットを手札に加える。そして、レシピを発動。手札の『サクリボー』と、墓地のプレサイダー。ディザーズを素材に、『ハングリーバーガー』を儀式召喚!サクリボーの効果で一枚ドローして、『最強の盾』を装備する!」

 

 ハングリーバーガー ATK2000→3850 ☆6

 

 降臨するバーガー。

 『お、今度は幻魔か』と言った表情でウリアを見ている。

 

「フフフ。相変わらず、ふざけた攻撃力だ」

「幻魔使いのお前がそれを言うのか……バトルフェイズ!ハングリーバーガーで、ウリアを攻撃!」

「罠カード『和睦の使者』を発動。これで、私のウリアは破壊されない」

「……ターンエンドだ」

 

 おそらく、戦闘と言う意味では無事だと思われる。

 幻魔は実際問題、出すのが面倒なモンスターだ。

 全てを使っているのかどうかがいまいちよく分からないのだが、視えたカードの中には『暗黒の召喚神』をどうにかして出すギミックが入っている。

 あのカードのデメリットを考えると、いろいろと可能性は高い。

 

「フフフ……私のターン。ドロー!さらに『失楽園』の効果で、カードを二枚ドローする」

 

 ただ、この『失楽園』が面倒と言えば面倒なのだがな……。

 

「私は『おろかな埋葬』を発動して、『ヘルウェイ・パトロール』を墓地に送り、除外することで、二体目の『暗黒の召喚神』を特殊召喚する。リリースし降臨せよ。『降雷皇ハモン』!」

 

 降雷皇ハモン DFE4000 ☆10

 

(……守備表示?)

 

 確かに、他のモンスターを守る効果があることは知っている。

 『失楽園』はすべての幻魔に適用されるので、それらを考えると強固なものだ。

 だが、何かが薄い。

 

「さらに、墓地の召喚神の効果。このカードを除外して、デッキから『幻魔皇ラビエル』を手札に加える」

「ラビエル……!まだ、召喚権が……」

「その通りだ。私は『幻銃士』を召喚してトークンを生成、そして、悪魔族モンスターを三体リリース。現れろ。『幻魔皇ラビエル』!」

 

 幻魔皇ラビエル ATK4000 ☆10

 

「こ……こんな簡単に三幻魔が……」

「だが、召喚神の効果で攻撃はできない。私はカードを二枚セット、ターンエンドだ」

 

 いろいろ向こうがそろって来ているな……。

 

「俺のターン。ドロー!」

「スタンバイフェイズ、『サンダー・ブレイク』を発動。手札の『グラヴィティ・バインド-超重力の網-』を捨てて、ダンテを破壊する!」

 

 消し飛ぶダンテ。

 

 神炎皇ウリア ATK3000→4000

 

 そして上がるウリアの攻撃力。

 なかなか悪いし、しっかりと覚えている。

 ディザーズを素材にしたハングリーバーガーは、罠の効果を受けない。

 サンダー・ブレイクをハングリーバーガーに使っていたら何も影響はなかったのだが、そんなことはなかった。

 

 三幻魔は現在、失楽園に寄る耐性を持ち、そもそもハモンにしか攻撃できない状態だ。

 

「『ADチェンジャー』を墓地から除外して、ハモンを攻撃表示に変更!」

 

 降雷皇ハモン DFE4000→ATK4000

 

 ハモンを攻撃表示に変更すれば問題はない。

 さらに言えば、ADチェンジャーの効果は対象に取らないのだ。

 

「そして、『捕食植物サンデウ・キンジー』を召喚!」

 

 捕食植物サンデウ・キンジー ATK600 ☆2

 

「サンデウ・キンジー……なるほど、そう言うことか」

「そういうことだ。俺はサンデウ・キンジーの効果で、このカードとハングリーバーガーを素材に、融合召喚!『捕食植物キメラフレシア』!」

 

 捕食植物キメラフレシア ATK2500 ☆7

 

 攻撃力4500以下であれば容赦なく殴り倒す魅惑の花。

 『失楽園』の影響を受けた幻魔であろうと、このモンスターなら怖くない。

 

「バトル!キメラフレシアで、ハモンを攻撃!そして攻撃宣言時、キメラフレシアの効果発動!……な、なんで、キメラフレシアが攻撃しないんだ……」

 

 キメラフレシアは、恵遊我命令しても、何も反応しない。

 

「残念だが、私は『威嚇する咆哮』をバトルフェイズに入った時点で発動していた。攻撃宣言は、行え無いのだよ」

「カードをセットして、ターンエンドだ」

 

 カードをセットしたとしても、スタンバイフェイズでも発動できるようなフリーチェーンのカードでなければウリアに破壊されてしまう。

 ので……。

 

「私のターン。ドロー!」

「スタンバイフェイズ。『針虫の巣窟』を発動!デッキから五枚を墓地に送る!」

「構わん。『失楽園』の効果で、さらに二枚ドロー。『禁じられた聖杯』を発動、対象はキメラフレシアだ!」

 

 捕食植物キメラフレシア ATK2500→2900

 

「バトルフェイズだ!ウリア、ハモン、ラビエル、攻撃しろ!」

「チッ……」

 

 恵遊は墓地から、三枚のカードを除外する。

 ウリアの攻撃を『ネクロ・ガードナー』が。

 ハモンの攻撃を『タスケルトン』が。

 ラビエルの攻撃を『SR三つ目のダイス』が。

 

 全て、相手の攻撃を止めるカードだ。

 しかし、確実に限界が来る。

 

「なかなかしぶといな。私はカードを二枚セットして、ターンエンドだ」

 

 捕食植物キメラフレシア ATK2900→2500

 

「俺のターン。ドロー!」

 

 恵遊はドローしたカードを見る。

 そして、愕然とした。

 恵遊の手札は二枚。

 だが、この状況を打破する手段を、有してはいなかった。

 

「ば……バカな。こんなこと、今までなかったのに……」

「『手札事故』と言うわけではなく、単純に『力不足』といった状況でしょうね」

 

 サーガは笑う。

 

「今のあなたは、あのブープの精霊力のすべてをとりこんでいる状態」

「そうだ。あの精霊力は、俺の糧になった。俺が『ハングリーバーガー』を中心としたデッキを組んでいる限り、パワー不足なんてことは……」

「それは間違いですよ」

「え?」

 

 恵遊は驚いた。

 

「あなたはブープの精霊力を糧にしました。あいつが持っていた力を、デュエルと言う儀式の中で調理し、体内に取り込むことで奪ったあなたには脱帽ですよ……ですが、それによって、あなたはとある特性を無視できなくなった」

「何?」

「ブープの精霊力を得たあなたは、その力の特性に支配されるしかない。私が持つ力は、ブープに対して好相性なのですよ」

「何?」

「まあ力と言っても、力と言う名の『波長』のようなものですがね」

 

 クックックと笑うサーガ。

 

「さて、どうします?」

「俺は……カードを一枚セットして、キメラフレシアを守備表示にして、ターンエンドだ」

 

 捕食植物キメラフレシア ATK2500→DFE2000

 

「私のターン。ドロー!」

「この瞬間、『ダメージ・ダイエット』を発動。俺が受けるダメージを、このターン全て半分にする!」

「なるほど……まあいいでしょう。『失楽園』で二枚ドローします……フフフ。私は三体の幻魔を除外!」

 

 サーガの宣言と共に、三体の幻魔が交わる。

 

「まさか……」

「その通り。降臨せよ『混沌幻魔アーミタイル』!」

 

 混沌幻魔アーミタイル ATK0→10000 ☆12

 

「……このタイミングでアーミタイルを……」

「魔法カード『『守備』封じ』を発動。さあ、攻撃表示してもらいましょうか」

「しまっ――」

 

 捕食植物キメラフレシア DFE2000→ATK2500

 

「さらに、1000ポイントのライフをはらい『ソウルドレイン』を発動!」

 

 サーガ LP4000→3000

 

「ソウルドレインだと!?」

「アーミタイルで、キメラフレシアを攻撃!」

「キメラフレシアの効果発動!」

 

 捕食植物キメラフレシア ATK 2500→3500

 混沌幻魔アーミタイル  ATK10000→9000

 

「その程度、減った内に入りませんよ!」

 

 キメラフレシアが破壊される。

 

 恵遊 LP4000→1250

 

 恵遊は衝撃で吹き飛ばされて、シャッターに激突した。

 

「グッ……」

「ダメージ・ダイエットが効いていますねぇ。まあいいでしょう。私はカードを二枚セットしてターンエンドですよ」

 

 混沌幻魔アーミタイル  ATK9000→0

 

「俺のターンだ……」

 

 そういってデッキトップに触る恵遊。

 

「ド……ロ……」

 

 アーミタイルが保持する精霊力。

 それは、数値としてのライフポイント以上に、恵遊の精霊力にダメージを与えた。

 

 さらに言えば、恵遊は現状、ブープの精霊力をとりこんだことで、本来の人間よりも、体を構成する精霊力の比率が高くなっている。

 精霊力に対する影響。

 

 それは、恵遊の意識を消滅させるのには、十分だった。

 

 糸の切れた人形のように、床に倒れる恵遊。

 

「フフフ。フハハハハハハハハ!デュエル前から、こうなることは分かっていましたよ。ブープの力がある故に、私が勝つとね!」

 

 高笑いするサーガ。

 

「デュエルが続行不可となったことで、あなたの負けですよ。青芝恵遊!」

 

 そう宣告した。

 デュエルディスクも、そう宣告しようとした。

 

 しかし……。

 

 このとき……。

 

 ハングリーバーガーが、ある『許可』を出した。

 

「やれやれ、なんで僕がマスターの尻拭いをするハメに……」

 

 倒れたはずの恵遊が、何事もなかったかのようにおきだした。

 サーガは驚愕する。

 

「ば、バカな。アーミタイルの攻撃を受けて、ブープの精霊力をとりこんだお前が立っていられるはずがない。本来ならば、命すらも消し飛ばす一撃だぞ!」

「あ、殺す気満々だったの?まあ、別にそれはいいさ」

 

 起き上がり、自分の状態を確認する恵遊。

 いつからか、彼の青いメッシュは、紫色になっていた。

 

「僕のターンだ。ドロー!ふむ、『貪欲な壺』を使って、ジャンク・フォアード、カードガンナー、ダンテ、サンデウ・キンジー、キメラフレシアをデッキに戻して二枚ドロー。あと『強欲で貪欲な壺』も使っておこう。あ、これは勝ったね」

「な……ふざけるな!永続罠『宮廷のしきたり』『スピリットバリア』を発動。アーミタイルは確かに、貴様のターンでは攻撃力が0になるが、これで私は――」

「いや、僕にはあまり関係のない話だよ」

「は?」

 

 理解できない状況になったことで焦り始めたサーガに対して、何ともなさそうに話す恵遊。

 

「僕は『カードガンナー』を召喚。効果でデッキトップ三枚を墓地に送ろう」

 

 カードガンナー ATK400→1900

 

 今までと変わらない。

 そんな恵遊のデュエルに、サーガは困惑する。

 

「どういうことだ?」

「さらに『至高の木の実』を使って2000回復だ」

 

 恵遊 LP1250→3250

 

「そして、『契約の履行』を発動しよう。戻ってくるんだ。『ハングリーバーガー』」

 

 恵遊 LP3250→2450

 ハングリーバーガー ATK2000 ☆6

 

「な、なんだ、そんなカードを出したところで、意味などないぞ!」

「これを見てもまだそんなことが言えるかな?僕はライフを2000払って、『レジェンド・オブ・ハート』を発動!」

「なんだと!?」

 

 恵遊 LP2450→450

 

 発動とともにハングリーバーガーも消えていく。

 

「そして、カードガンナーで落とした(・・・・)三枚の魔法カードを除外。デッキから、この三体を特殊召喚するよ」

 

 伝説の騎士 クリティウス ATK2800 ☆8

 伝説の騎士 ティマイオス ATK2800 ☆8

 伝説の騎士 ヘルモス   ATK2800 ☆8

 

「馬鹿な。伝説の騎士だと!?」

「三体の効果発動。君のフィールドの『失楽園』『スピリットバリア』『宮廷のしきたり』を除外する」

 

 伝説の騎士たちが走っていき、それぞれのカードを切り裂いた。

 

「ば、馬鹿な……」

「ま、こんなものだよ。僕は伝説の騎士たちで、アーミタイルを攻撃。戦闘破壊はできなくても、ダメージは受けてもらう」

「う、うああああああああ!」

 

 サーガ LP3000→200→0

 

 サーガはライフが消し飛ぶ。

 だが、別にブープのように奪ったわけではない。

 彼はまだ、彼のままだ。

 

「ま、まさか、この私が……」

「君の着眼点はいいんだけどね。僕のマスターのデッキは、良くも悪くも精霊力に頼りすぎた。ブープを相手にする以上、仕方のないことではあるけどね。その精霊力を狙った君の作戦は悪くない。でも、意味はないよ」

「お、お前はいったい何者なのだ」

「僕かい?僕は青芝恵遊というデュエリストの、『融合召喚の才能そのもの』だ。まあ詳しい話は今は置いておこう」

 

 シャッターが上がっている。

 ここから出られるのだ。

 

「君としゃべるのも悪くはないかもしれないが、デュエルが終了した時点で、僕が活動できる時間は長くない。帰らせてもらおう」

「ま、待て……」

「それは無理な相談だね」

 

 恵遊はその場を離れていった。

 最後に残ったサーガは、オーバーキルをかました伝説の騎士の影響もあったのか、意識を失った。

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