「なあ、銀二」
「なんだ?恵遊」
「何で俺達ってゼルダやってんの?」
「協力プレイがやりたくなったからだ。デュエルより疲れないからな」
「お前が疲れのことを考えるのか?」
「ひどい言い分だな……」
エキセントリック・テンスとしての部屋ではない学生寮の部屋。
銀二の部屋の中にはゲームが多数ある。
そのほとんどがゼルダである。
「飽きた」
「俺も飽きた」
ゲームは時間が過ぎるのは早いが、ある一点を超えると飽きるものだ。
「真司は普段来ないからな。誘えるのはお前だけだ。恵遊」
「悲しいことを言うやつだな」
「買収が簡単だからな」
「自覚している」
しているのか。と銀二は少し心配になった。
「あ、ハンバーガーがなくなった。それじゃあまた明日」
「……ハンバーガーがないとお前は活動できないのか?」
「たまに本当にそうなんじゃないかって思うことがある」
手遅れである。
★
休日の過ごし方と言うのはいろいろあると思うが、恵遊の場合はいつもと変わらない。
単純にハンバーガーを買いに行くだけだ。
「新商品が出ていたな。ラッキーだ」
ほくほく顔でハンバーガー店から出て来る恵遊。
その手には大量のハンバーガーが入った袋がある。
周りからいたい視線が向けられるが、それは仕方のないことだ。
近くのフードコートに入って、テーブルにハンバーガーを大量においた。
近くで大型のディスプレイがニュースを流している。
『
綴統一、と言う名前が脳を貫通して、思わずむせそうになった。
「どうしたんだ?人の名前を聞いただけでいきなりむせやがって」
声をかけられたので振り向くと、先ほどニュースに乗っていた張本人、綴統一がカツ丼が乗っているトレイをもって立っていた。
黄緑色のラインが入った短い黒髪。
獰猛な印象を隠そうともしないイケメンである。
恵遊と身長は変わらないだろうが、それでも、やたら風格があった。
「統一。久しぶりだな」
「おう、久しぶりだな。お互いに相変わらず見たいだぜ」
そう言ってにやりと笑う統一。
「で、合席いいか?」
「ダメって言って座らなかったことないだろ」
「その通りだな」
クックックと笑いながら座る統一。
そして、カツ丼を食べ始める。
思いだしたように話し始めた。
「ボーダーでのデュエルは聞いてるぜ。銀二と真司は既に倒して、エキセントリック・テンスも倒したみたいじゃねえか」
「情報が早いな」
「はやいんじゃねえよ。お前が自分の評価に興味がないだけだ」
カツをバグッと食べて、もしゃもしゃ言わせながら統一は頬張る。
「そう言えば、プロになったんだったか」
「ああ。アマチュアから入って、そこから勝ち上がってきた」
食べ終わった統一はゲフッとげっぷして、箸を置いた。
「このあたりにあるデュエルスクールは二つ。
デュエルスクールは二つある。
ただ、もともと、どちらが実力主義なシステムなのかと言われると、それはエクソダスの方だ。
名家や名門など、色々存在するのだが、それらはボーダーの方が多いし、エクソダスにはほとんどいない。
「ま、そればかりは俺にもね……で、プロの世界はどうだ?」
「張り合いのないやつが多いぜ。過酷さを知らない新米のほうが挑んでくる奴が多いくらいだ」
「……そうなのか?」
統一は頷く。
「ランキング上位に入って得られる特権って言うのはすさまじいもんだが、その時点で多くの奴が気が付くんだ。俺たちは、『与えられるために勝ちとっているんだ』ってことに」
世の中にある様々な権利と言うのは与えられるものだ。
物を買うには金が必要だが、その金だって、自分の欲望に打ち勝つことで勝ちとったものである。
料理を作ることも、服を作ることも、家を建てることもできず、デュエルしかできない者は、実力だけで勝ちとる必要がある。
「その時間が長いと、多くの者がその椅子にすがろうとする。わざわざ裏に金を流して、マッチングを操作するやつまでいる始末。おかげで、アマチュアからプロになるまでかなり長い時間がかかったぜ」
「そういうものか?」
とはいえ、小学校卒業とともにプロの世界に入ったのだ。
小学校上がりのガキに負けたとは言いたくないだろう。
「誰にでもスランプってもんがある。情熱には休憩がいるからな。だが、見てる側はやっている側のことなんて気にしないからな」
デュエルする側がいつでも妥協する必要がある。
そうでなければ、認めてくれない。認められない。
そういう現実があるのだ。
「最近本気でデュエル出来てねえんだよな。不完全燃焼って言えばわかるか?」
「まあ何となく」
そう言えば……。
「今は休憩時間なのか?」
「そんなところだ。三十分くらいしたらマネージャーが来るだろうぜ」
そうか。
「で、恵遊。一回デュエルやろうぜ」
「本気で?」
「勿論だ。お前だって、そんな本気出してねえだろ」
「全力が出せないだけだ。エンジン的な問題で」
「同じだろ」
統一はカツ丼が入っていたトレイをもって、返却口に出してきた。
「一回だ。ま、近くに広場があるし、そこでデュエルやろうぜ」
「プロなのにいいのか?」
「推奨されないだけだ。世論なんぞ知ったことか」
そう言うと歩き始める。
「……変わらないな」
ハンバーガーを片付けると、恵遊も後を追った。
近くの広場には誰もいなかった。
まあ、いたとしても、統一は普段から険悪な雰囲気を持っているので逃げるかもしれないが。
「さあ、はじめようぜ」
「ああ」
お互いにカードを五枚引いた。
「「デュエル!」」
恵遊 LP4000
統一 LP4000
★
「銀二!」
「ん?どうしたんだ真司。ゼルダをやりに来たのか?」
「違う。ネットを見ろ。恵遊と統一のデュエルがライブ映像で流れている」
「……統一が?」
プロになったはずの同級生を思いだして、銀二もデュエルディスクの映像機能を付ける。
「ふむ、確かにやっているな」
「統一の顔がイライラしているところを見ると、ストレスがたまっているみたいだが……」
「……プロの世界で何かあったのか?」
「わからないが……今はデュエルを見よう」
「うむ」
★
実際のところ、この映像はプライバシーブレイカーが扱っているサイトに上げられていたものだ。
プライバシーブレイカーを良く知っているデュエルスクールの生徒は、その多くが確認している。
「美咲様」
「今はデュエルを見ましょう」
神代美咲と鹿島朱里も、気になっていた。
鹿島朱里は、プロの世界でランキング100に達する綴統一の実力を見ようとして。
神代美咲は、自分を叩きつぶし、神代家すら否定したことがある。彼の強さを測ろうとして。
★
「先攻は俺だな」
恵遊は自分のターンランプが光っているのを見て、そうつぶやいた。
(デッキが変わっていないとするなら……)
そんな思考が流れた後、恵遊は自分の手札を見て、そして並べていく。
「俺は『おろかな埋葬』で『カードガンナー』を落として、『クレーンクレーン』で釣り上げる。カードガンナーの効果を使用して、三枚を墓地へ。二体でダンテをエクシーズ召喚して、また三枚を墓地に。これでターンエンドだ」
彼岸の旅人 ダンテ DFE2500 ★3
「ダンテか……俺のターン。ドロー!」
統一はドローしたカードを見て、そして微笑む。
「いいねぇ。良い感じにエンジンがかかってる。俺は『覇王眷竜ダークヴルム』をセッティングして、ペンデュラム効果で『覇王門零』をセッティングだ」
ドラゴンと門が出現。
「ペンデュラム召喚。『ジャンク・シンクロン』『シンクロ・フュージョニスト』『ゾンビ・キャリア』」
ジャンク・シンクロン ATK1300 ☆3
シンクロ・フュージョニスト ATK 800 ☆2
ゾンビキャリア ATK 400 ☆2
「ジャンク・シンクロンとゾンビキャリアで、『水晶機巧-ハリファイバー』をリンク召喚。効果で『ジャンク・シンクロン』を特殊召喚だ」
水晶機巧-ハリファイバー ATK1500 LINK2
ジャンク・シンクロン DFE 500 ☆3
「そして、レベル2のシンクロ・フュージョニストにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング。『転生竜サンサーラ』をシンクロ召喚」
転生竜サンサーラ DFE2600 ☆5
「シンクロ・フュージョニストの効果で『簡易融合』をサーチして発動。『ドラゴンに乗るワイバーン』を融合召喚扱いで特殊召喚」
統一 LP4000→3000
ドラゴンに乗るワイバーン ATK1700 ☆5
「レベル5のサンサーラとワイバーンでオーバーレイ。『No.5 亡朧竜 デス・キマイラ・ドラゴン』をエクシーズ召喚」
No.5 亡朧竜 デス・キマイラ・ドラゴン ATK0→2000 ★5
「そして、『モンスターゲート』を使って、デス・キマイラをリリース」
『オッドアイズ・グラビティ・ドラゴン』『カゲトカゲ』
そして見えたのは、『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』だった。
オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン ATK2500 ☆7
「……そろったか?」
「だな。『強欲で貪欲な壺』を使い、十枚除外して二枚ドロー。俺は『ミラクルシンクロフュージョン』を発動。オッドアイズ、サンサーラ、デス・キマイラ、ワイバーンを除外して融合」
四体の竜が混じりあう。
「融合……いや、統合召喚!『覇王龍ズァーク』!」
覇王龍ズァーク ATK4000 ☆12
現れる巨大なドラゴン。
綴統一が絶対的に信頼するエースモンスターだ。
そして、このドラゴンの登場で、周りも騒ぎ出す。
これほどのモンスターをワンターンで出せるものは、手札の関係上、そうそういないからだ。
「チッ……昔から変わらないか」
「当然だ。覇王龍ズァークの効果。相手フィールドのカードを全て破壊する!」
ダンテが消し飛んだ。
「チッ……」
「バトル。覇王龍ズァークでダイレクトアタック。『アークファイブ・ストリーム』!」
ズァークが口の中にエネルギーをため込んで行く。
(ズァークの耐性は、相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。だったか)
恵遊は墓地のカードを一枚除外した。
「俺は墓地の『ネクロ・ガードナー』を除外、攻撃を無効にする!」
「だろうと思ったぜ」
ズァークのブレスを、ネクロ・ガードナーが受け止めた。
守備力にしたって1300しかないモンスターであることを考えると、よくかんばるカードである。
「俺はカードを一枚セットしてターンエンドだ」
統一の手札がなくなった。
とはいえ、あそこまで展開するのだ。手札消費は多くて当然である。
「俺のターン。ドロー!」
カードを引いた恵遊。
なんだかんだ言って、面倒だと思っていた。
普段の統一ならば、数ターンを経由させることで、魔術師を集めたり、エクストラデッキのモンスターをためることが多い。
ドローした時の言葉から察するに、今日に関しては統一としてもいい手札だったのだろう。
だからといって覇王龍ズァークまで行くかどうかとなると話は別だが。
あと、カードガンナーが墓地肥しの潤滑油だとか言っている恵遊がいうのもなんだが、モンスターゲートと言う不確定要素に頼ったコンボをよく実行したものである。
「俺は手札から、『儀式の下準備』を発動。デッキから『ハンバーガーのレシピ』と『ハングリーバーガー』を手札に加える」
「揃えてきたか」
「そして、ハンバーガーのレシピを発動。手札のサクリボーと、墓地のディザーズ、プレサイダーを除外、『ハングリーバーガー』を儀式召喚!」
ハングリーバーガー ATK2000 ☆6
恵遊のフィールドにも出現するエースモンスター。
小学校卒業までで何回もデュエルしたが、その頃は何度もお互いに破壊し、破壊されていたものである。
それを思いだしたのだろうか。
ハングリーバーガーは機嫌がよくなり、ズァークも雰囲気が変わった。
「サクリボーの効果で一枚ドロー。さて、今度はどっちが勝つかな?」
「お互いに自分だと思っているのは確かだな」
「違いない」
恵遊はにやりと笑った。
そこまでは良かったのだが……。
恵遊を知らないデュエリストも、外野の中にはたくさんいる。
そんなデュエリストの中には、あの綴統一と戦っているデュエリストが『ハングリーバーガー』などというふざけたモンスターを出していると、陰口を叩いているものも多い。
とはいえ、そんな空気はすでになれているので、恵遊たちは気にしないし、統一としても恵遊が使うハングリーバーガーは警戒すべきモンスターなのだが。気が散って仕方がない。
「デッキトップを一枚墓地に送ることで、『アームズ・ホール』を使う。『最強の盾』をサーチして装備、さらに、墓地から『スキル・サクセサー』を除外して効果発動!」
ハングリーバーガー ATK2000→3850→4650
ほとんどのモンスターなら真正面からぶっ叩ける化け物になった。
先ほどまで陰口を叩いていたもの達が青ざめる。
さすがに、攻撃力4650になるというのにバカにしていたのはヤバいと思ったようだ。
「一ターンで超えてきたか」
「そういうことだ。バトル!ハングリーバーガーで、覇王龍ズァークを攻撃!」
「甘いぜ。『虚栄巨影』を発動して、攻撃力を1000ポイントアップさせる!」
覇王龍ズァーク ATK4000→5000
「やべ……」
「反撃しろ。覇王龍ズァーク!」
ハングリーバーガーがブレスに包まれる……が。
「クリクリ~」
「……サクリボーか」
「その通りだ。除外して戦闘破壊を無効にする」
恵遊 LP4000→3650
しかし、少々面倒なことになった。
「バトルフェイズが終了するのならズァークの攻撃力はもとに戻るぜ」
「ああ。そうだな」
覇王龍ズァーク ATK5000→4000
「俺はカードを一枚セットして、ターンエンドだ」
「俺のターン。ドロー!」
統一はドローしたカードを見て、『ヒュウ』っと口笛を吹いた。
「俺は手札から『貪欲な壺』を発動。ジャンク・シンクロン、シンクロ・フュージョニスト、ゾンビキャリア、グラビティ・ドラゴン、カゲトカゲをデッキに戻して二枚ドロー。そして、スケール0と5でペンデュラム召喚!」
覇王眷竜ダークヴルム ATK1800 ☆4
紫毒の魔術師 ATK1200 ☆4
「今のドローで引いたのか……」
「だな。俺はこの二体でオーバーレイ。『覇王眷竜ダーク・リベリオン』!」
覇王眷竜ダーク・リベリオン ATK2500 ★4
「そして、バトルだ。覇王龍ズァークでハングリーバーガーを攻撃!」
「墓地の『超電磁タートル』を除外する!」
「ほう、いつもより使うのが早いな」
うるさいな。ダーク・リベリオンにだって攻撃されたくないんだよこっちは。
「俺はターンエンドだ」
「俺のターン。ドロー!」
さーて困ってきたな。
「俺は『リビングデッドの呼び声』を使って『カードガンナー』を特殊召喚。効果を使って三枚を墓地に送る」
カードガンナー ATK400→1900 ☆3
「そして、墓地の『カーボネドン』を除外して、デッキから『ガード・オブ・フレムベル』を特殊召喚だ」
ガード・オブ・フレムベル DFE2000 ☆1
「二体でシンクロ召喚。『アームズ・エイド』!ハングリーバーガーに装備させる」
久しぶりのパントマイムである。
ハングリーバーガーの方が下手くそなのだが。
「……なんだそれは」
「……さあな」
とはいえ、である。
ハングリーバーガー ATK3850→4850
ちょっと油断できない攻撃力になってきたのは間違いない。
「攻撃力、4850だと……」
4000くらいまでならまだ見たことはある。
ぶっちゃけ、『巨大化』一枚で達成できる数値だ。
だが、ここまでの数値はあまり見ないのである。
「バトル!ハングリーバーガーで、覇王龍ズァークを攻撃!」
パントマイムナックル!
……とでもいうかのような勢いで、ハングリーバーガーとアームズ・エイドは動く。
そしてアームズ・エイドは、ズァークを倒した。
実際問題、効果の対象にならず、効果で破壊されない攻撃力4000など、普通はいろいろと無理があるだろう。
対象を取らない除去としても、破壊を選ぶデュエリストは多いのだ。
リリースとかもあるのだが、それはおいておこう。
「アームズ・エイドは本来、破壊して墓地に送ったモンスターの攻撃力分のダメージを与えるんだが……」
「覇王龍ズァークはペンデュラムモンスターだからな。あと、ダメージ計算をした後二モンスターが破壊されるから、零の効果でダメージはなしだ」
墓地ではなくエクストラデッキに行く。
アームズ・エイドの効果の都合上、ここまで攻撃力が上がっていると一撃必殺なのだが、一部のモンスターは破壊しても意味が無い。
とはいえ、この攻撃力そのものに意味が無いわけではないが。
「まあいいか。一枚ドローして、『マジック・プランター』で『リビングデッドの呼び声』をコストにして二枚ドロー。ターンエ――」
「ハリファイバーの効果で、『波動竜フォノン・ドラゴン』をシンクロ召喚だ」
波動竜フォノン・ドラゴン ATK1900 ☆4
「……ターンエンドだ」
「俺のターン。ドロー!三体目の『覇王眷竜ダークヴルム』を召喚して、フォノン・ドラゴンをチューニング。『覇王眷竜クリアウィング』をシンクロ召喚!」
覇王眷竜クリアウィング ATK2500 ☆8
「クリアウィングか……」
「効果発動。相手フィールドの表側表示のモンスターを全て破壊する!」
「手札の『エフェクト・ヴェーラー』を使って、効果を無効にする!」
「ならば。バトルだ!ダーク・リベリオンで、ハングリーバーガーを攻撃!」
「墓地から『タスケルトン』を除外する!」
悉く止めていく恵遊。
「ターンエンドだ」
「俺のターン。ドロー!」
……おっ。
「カードを一枚セットして、ターンエンドだ」
「俺のターン。ドロー!」
統一はドローしたカードを見て表情をゆがめる。
「バトルだ!」
「させんよ。俺は『スキルドレイン』を発動!」
恵遊 LP3650→2650
「チッ……二体のドラゴンを守備表示にして、カードをセット、ターンエンドだ」
覇王眷竜ダーク・リベリオン ATK2500→DFE2000
覇王眷竜クリアウィング ATK2500→DFE2000
「俺のターン。ドロー!」
さてと……。
使うべきだろうか。これ。
「1000ポイント払って、『旧神の印』を使ってセットカードを確認する」
恵遊 LP2650→1650
統一のフィールドに伏せられていたのは『ダメージ・ダイエット』だった。
突っ込むことにしよう。
「バトル!ハングリーバーガーで、ダーク・リベリオンを攻撃!」
「罠カード『ダメージ・ダイエット』を発動!」
統一 LP3000→1750
「俺はこれでターンエンドだ」
「俺のターン。ドロー!」
統一は顔をしかめた。
「俺はカードをセットして、ターンエンドだ」
「俺のターンだ」
恵遊もドローする。
一体何を伏せたのかわからない。
だが、このまま動かないとじり貧だろう。
「バトルだ!ハングリーバーガーでクリアウィングを攻撃!」
クリアウィングは破壊された。
「バーン効果で……」
「いや、チェーンして『ヘル・ブラスト』を発動!」
「何!?」
「自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが破壊され墓地へ送られた時に発動。フィールド上の攻撃力が一番低い表側表示モンスター1体を破壊し、お互いにその攻撃力の半分のダメージを受ける」
一体しかいないハングリーバーガーの攻撃力が参照される。
よって……。
「お互いに、2425のダメージだ!」
恵遊 LP1650→0
統一 LP1750→0
お互いのライフが吹き飛んだ。
あたりは静寂に包まれていたが、デュエルが決着すると、拍手が飛び交い始める。
「なんていうか、お互いに強くなったのか。お前が相変わらずなのかわからんな。恵遊」
「どうだろうな。ただ、楽しかったぞ」
「まあ、またやろうか」
統一はそう言うと去っていった。
(強くなる……か)
恵遊は、強くなっているというより、信じ続けているだけのようにも思うのだが……。
まあ、それは今は置いておくことにしよう。