カズマとめぐみんをいちゃいちゃさせる小説   作:リルシュ

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この初々しい爆裂デートに応援を!

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「エクスプロージョンッッッ!!!」

 

もはや毎日聞かないと違和感を感じてしまうぐらいには慣れ親しんだめぐみんの必殺…もとい唯一の魔法を叫ぶ声。

ドカンっという爆裂音の直後に感じる肌をなでる暴風は、目を見開いているのも困難なほどであった。

 

「う~ん?」

 

爆裂ソムリエの称号を頂戴した俺から言わせてもらうと、今日の魔法は彼女には悪いが今一つといったところだ。

威勢がよかったのは叫び声だけで、目標であった大岩も完全には破壊しきれていないし骨身にズシンとくる振動も物足りないし爆裂する瞬間の光加減もなんだか暗かった。

 

「…どうでしたか。カズマ」

 

それは本人も自覚していることらしく、パタリと魔力切れで倒れこんだめぐみんはいつもより数段覇気のない声を出す。

 

「30点といったところだな」

 

「うぐっ!しかし妥当なところですね…」

 

何かあったのか?

彼女の今までの人生ほぼ全てをかけてきたといっても過言ではないはずの爆裂魔法なのに。

ここまで低い点数を出したのは、俺が覚えている限りでは初の出来事だ。

 

「めぐみん?腹でも痛いのか?」

 

「我が爆裂魔法の威力は腹痛程度では下がりません」

 

地面にうつぶせになりながらふごふごと言われても説得力はないが、もちろんそんなことは知っている。

 

「そうだよな。お前は腹が痛くてもトイレに駆け込むより爆裂魔法を撃ちながら漏らすことを選ぶようなやつだもんな」

 

「おい。私をなんだと思っているのか話してもらおうじゃないか」

 

「トイレには行かないと豪語していた紅魔族」

 

「いっ、いつの話を引っ張り出してきているんですか!しかも女の子にむかって漏らしながらとかホントに最低ですねこの男は!」

 

どうやらトイレに行かない設定の維持は諦めたらしい。

うつぶせのままで、帽子と髪の間からちょびっと覗いてる耳まで真っ赤にしながら弱々しく足をパタパタさせるめぐみん。

…そういえば心なしか前より髪が伸びている気がする。

 

「そんな最低男を好きになっちゃうめぐみんも相当物好きだぞ」

 

「そうですよ。私は物好きなんです。カズマを好きになるなんて私ぐらいなんですから、もっと優しくしてください」

 

からかうつもりで彼女をおんぶするべく近くにかがみこんだ俺は、遠慮のない大胆な発言にビクリと固まる。

コイツの突然こういうドキッとさせる発言はまだまだ慣れそうにない。

ダクネスは?とか野暮なツッコミも今日はしない。

 

「そ、そうか」

 

「はい。おんぶ係のカズマ」

 

「誰がおんぶ係だ」

 

とか言いつつも二人しかいないので仕方なくおぶってやるが。

手慣れた動きでめぐみんを背負い、その温かさを背中で感じながら俺は本題であった今日の爆裂魔法の出来栄えについて再度尋ねてみた。

 

「それにしても今日の爆裂魔法はどうしたんだよ?正直俺はがっかりした」

 

「うっ…それは…」

 

ぎゅっと首に回されている腕に力を込められて、おい苦しいと抗議を上げようとしたが

 

「久々にカズマと二人っきりの一日一爆裂でしたから…ちょっと緊張して」

 

そんな弱々しい告白に、俺は思考回路どころか足まで止まってしまった。

あれヤバい。

すげー胸がドキドキしてなんかもう胸が苦しいんですけど俺の胸ヤバいんですけど!!!

今日はいつもより遠くの人気のない山奥までわざわざ来ていて、聞こえるのは俺の馬鹿みたいにバクバク高鳴る心音以外は微かなめぐみんの吐息と、風が織りなす環境音だけで…

おぉーよく見たら今日は素晴らしい天気だな。

なんてそんなこと考えてる場合ではない。

 

「お、お前が緊張なんかで俺より大大大好きな爆裂魔法を撃ち損ねるなんてことがあるかよ。今度は一体何を企んでるんだ」

 

「企んでなんてないです。それに私は爆裂魔法よりカズマの方が好きですよ」

 

情けなく緊張で上擦った声を出す俺とは裏腹に、めぐみんは堂々とそう言い放った。

もうやめてくださいそんなたまらんこと言われたら、お前が命名した俺の下半身のエクスカリバーが火を噴くよ?

こんな昼間っから猛威をふるっちゃうよ???

 

「…たぶん…カズマの方が…若干…わずかに…好き…かもしれないです」

 

「そうかよく言ってくれた俺も目が覚めた」

 

まったく…コイツはいつもこうだ。

期待だけさせるだけさせやがって、肝心なところでスタコラさっさと逃げていく。

振り回される俺の身にもなれってんだ。

 

「ところでこの後時間あいてますか?」

 

「あいていません。俺は家に帰ってベッドという名の最高の親友とハグをして一日過ごすのです」

 

「ヒマということですね。ならよかった」

 

何もよくないのだが。

背負っているめぐみんの方に振り返りながら、文句を言って足の動きを再開させようとした俺の耳元にふっと温かい吐息がかかり

 

 

 

 

 

「今日は私とデートしてください」

 

 

 

 

 

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めぐみんにデートです今度こそデートと言われ、仕方なくドレインタッチによる魔力補給によって自力で歩けるぐらいまで彼女を回復させた後、そういえば毎回これ使えば俺がおんぶする必要ないなと言って、隣を歩くめぐみんに意味深なジト目で睨まれながら到着したアクセルの広場にて。

そのジト目に込められている意味を、鈍感系主人公ではない俺がもちろん理解しながら第一声をあげた。

 

「なぁお前俺に襲われたいの?それとも野外の方が興奮する性癖でももってるの?」

 

「なっ!何言ってるんですかこのバカズマ!私たちはまだ仲間以上恋人未満の関係なんですよ!?そういうことはもっとゆっくりじっくり関係を深めてからですね…」

 

バカズマってまた変な呼び名を付けやがったなコイツ。

そんで関係が進めば野外プレイOKなのかそうなんですねだって否定しなかったもん覚えとこ。

 

「だったら俺をあまりドキドキさせるんじゃない。いいか。俺だってなぁお前のことが好きなんだ、好きな女の子にそんな嬉しいこと言われまくったら、いくら屈強な鋼の精神をもつ俺でも…」

 

めぐみんがこちらをポカンと見つめながら頬を染めつつ口をパクパクさせているのを見て、俺も自分が何を口走っているのか自覚し頬が熱くなるのを感じた。

 

「「……………」」

 

あまり人気のない広場に備え付けられたベンチに腰掛けながら、モジモジと手をこすり合わせるお顔まっかっかのめぐみんが隣に座ってるのを、たぶん同じぐらいまっかっかになってる俺はチラチラと盗み見ていた。

というかなんだこれもうカズマさんは甘酸っぱいなんとも言えない心地よい感覚に包まれて安楽死してしまいそうです大変です。

 

「「あ、あの…あっ…」」

 

意を決し声をかけようとすればお約束のハモリイベントを発生させてしまい、あれこれ実際にやると最高に気まずいなとどこかずれた感想を抱く俺に、めぐみんが先手をとった。

 

「カズマがそんなにはっきり好きなんて言ってくれたの…は、初めてですよね?…あ、ありがとうございます…とっても嬉しい…です」

 

最後の方は消え入りそうな声でボソボソと告げる彼女に、胸の高鳴りが抑えきれない俺はもう認めるしかなかった。

あぁ…やっぱり俺コイツのこと、異性として好きなんだな。って。

 

「お、おう…そうか」

 

「…もう。なんですかそれ。もっと気の利いた返しできないんですか?ま、そんなヘタレでだらしなくてかっこつかないところも好きですけどね」

 

「なんだとコラ」

 

おそらくは場の空気をもとに戻すために言って、ニヤリとしためぐみんの頭を帽子ごしにわしゃわしゃといじってやり

 

「そういえばめぐみん髪伸ばしてんの?」

 

とさりげなく聞いてみる。

 

「そうですよ。伸ばしてます」

 

にっこりとほほ笑む彼女に俺は

 

「ふーん。でもめぐみんは髪あんまり長くしない方がいいと思うけどな」

 

そうだ。

わざわざ伸ばすことなんかない。そのままのめぐみんが俺は…

 

「カズマ」

 

…あれ?

なんかひどく冷たい声が聞こえたんですけど?

あれれ?

ここはありがとうと言って照れてうつむくめぐみんを、俺が優しくハグするドキがムネムネなイベントが発生するシーンじゃな…

あら?あらら?爛々と紅い瞳を輝かせためぐみんがあれちょっと待ってそれシャレにならない

 

「ぎゃぁあぁあぁあぁぁああ!!!」

 

「このっ…!私がどんな想いで髪伸ばしてるのか知った上でのその感想なんですか!?こっの…!」

 

「いだいいだいいだいいだい!もちろん知ってますめぐみんが俺の好きなタイプ聞いてきた時からなんとなく察してましたなにせ俺は鈍感系主人公ではないので最近甘やかしてくれることも増えてるのだってちゃんと分かってたしでもめぐみんは短い方が似合うと思うしおっぱいはどうにもならないと思ってあっ痛いですいたいいたいいたたたあぁぁぁぁ!!!!!」

 

その日、自分よりも筋力のステータスが高いアークウィザードが放った渾身のアイアンクローを受けて、街中に一人転がされた俺にまた一つ不評が増えた。

 

 

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