「和人だ」
特に何もないので第55話…どうぞ!
俺が白玉楼に来てから二週間が経とうとしていた。
何故紫が俺に幽々子を紹介したのか…俺はよくわからないままだった。俺が悩んでいると、紫が廊下を通っているのがわかったので、声をかけた。
『紫〜』
「どうしたの?師匠」
『なんで俺に幽々子を紹介したんだ?』
「…これから言うことは幽々子には伝えないでね」
『なるほど、真剣な話なんだな。了解した』
「幽々子を紹介した理由はね?庭にある大きな桜の木があるでしょ?あれにある呪いのせいで死んでしまうかもしれないの。でも私の実力では救えない…だから師匠にお願いしたいのよ」
『……わかった。弟子の頼みだ。…どうやらあの桜の木には能力があるようだぜ?』
「本当に!?」
『あぁ。って言ってもあの桜の下で死んだ人間のせいで、だけどな』
「…」
『あの桜の下で一番最初に死んだ奴は西行法師。幽々子の父親だ』
「ッ!そんなことが…」
『彼が死んだ後、何故か彼を慕っていた家臣たちは次々とあの桜の下で死んでいった。その時はまだ、あいつの能力は"死に誘う程度の能力"だった。だが、今のあいつは死を吸いすぎた。もはやあいは、"死"
そのものだ』
「そんなのって…」
『だが俺はあらゆるものを司っている絶対神だ。微塵の抵抗も許さない』
「誰も被害を出さずに勝てる確率はどれくらいなの?」
『あいつの攻撃を少しでもかすったら死ぬ。そんな中、誰も死なないなんていくら俺でも無理だ』
「そんな…」
『だがそれは俺という存在が一つだった場合だ。あいにく俺は分身できるからな、やれるところまではやらせてもらおう』
「師匠…ありがと!」
その時は俺らは気づいていなかった。隣の部屋に幽々子がいて、俺らの話が聞こえていたことに。
「…」
〜2日後〜
俺は妖忌と庭を散歩していた。
『なんとも見事なものですな。流石妖忌殿が手入れをしただけはある』
「いやはやお褒めに預かり光栄の至り。この景色は、先代、幽々子様のお父上が気に入ってらっしゃったので、残しておきたいと思い、手入れをしているんだ」
『…では妖忌殿は知っているか?幽々子の父親の死後について』
「…」
『野暮なことを聞いたな。忘れてくれ』
「いや、話しましょう。儂は知っていた。だが、誰にも言わないでいた。緋凶殿になら話せましょう。」
『話さんでもいい。俺はこのことに関して全てを知っているからな』
「どこでそんな話を…」
『秘密だ。それよりも…あの桜の名前は西行妖か?』
「そうですね」
『西行妖の妖力が少しずつ高まってきている。俺はあれを封印するつもりだ。いいか?』
「そうしないとまた誰かが死ぬというのであれば、ぜひやってくれ」
『了解した』
どうもアリスです。
「和人だ」
死闘は次回です。
「戦うことには変わりないな」
そうですね。
「次回!奴が、奴こそが死である」
お楽しみに!