ギンさんじゃなくて銀さんだった件   作:くずのは@

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六話

ガープさんの元へ配属されて数年、軍曹だった俺はいつの間にか大佐まで昇格していた。まあ、毎回海賊船にぶん投げられて特攻していたらそりゃ戦果も上げれるし昇格するわな。

 

俺は海軍本部の中を歩きながら感傷に浸っていた。そう、今日でガープさんの配属から外れるのだ。目をつむり思い耽れば昨日あったかのように鮮明に覚えている。

 

ガープさんにしごかれ壁にめり込み、ガープさんに海賊船へぶん投げられ、クザンとやけ酒をする。ガープさんにしごかれ海の彼方へぶっ飛ばされ、ガープさんに海賊船へぶん投げられ、クザンとやけ酒をする。

 

あれ?もしかしてこの配属先ってブラックですか?海軍の闇なんですか?ろくな思い出ねえよ。それはともかく俺はクザンとズッ友と言えるくらいに仲良くなった。話を聞くとクザンもガープさんが最初の上司で同じ経験をもつ先達さんでもあった。そんなクザンのアドバイスと言うありがたいお言葉のおかげで俺が海賊船へぶん投げられる回数は減った。無くなったではなく、減っただ。察してくれ。

 

しばらく歩き続けていた俺はとある部屋の前で足を止める。今日呼び出した相手が居る部屋へである。俺は入室するために扉を叩いた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

コンコンと扉を叩く音が聞こえる。部屋の主センゴク元師は部屋に掛けられた時計を見て今日呼び出した男が来たと察した。

 

 

「誰だ」

 

 

「サカタです。出頭しに来ました」

 

 

「…入れ」

 

 

ガチャっと扉が開く。そこにいたのは白髪頭に死んだ魚のような瞳、見た目はあれだがその堂々たるたたずまいは流石の一言に尽きる。若手のホープとして注目されており、そんな周りの期待以上の成果を上げてくる男。…ただ、毎度のように平然と遅刻しておきながら謝る素振りすらなく注意してもあ、すいませ~んと謝る気ゼロな態度。あ?お前俺の事舐めてるの?拳で上下関係教えてやろうか?お?と何度も何度も思っていた。

 

だが、ある日俺は悟った。これも全てあの馬鹿(ガープ)が悪いと。よくよく思い出せばクザンの奴もたまに遅刻してはあ、すいませ~ん遅れました~と反省ゼロな態度をしていた。つまり全ての元凶はあいつにある。部下の責任は上司に帰結する。つまりそういう事だ。

 

だからと言って第二、第三のガープみたいな奴を産み出していては俺の胃に負担がかかる。そこで俺は考えた。そろそろ配属先が変わる時期もあり性格の矯正をするならこのタイミングしかないと。任せるのはおつるさんが適任だと考えていたがある人物が名乗りを上げた。予想外の人物に驚いたがこの人物もまた矯正に関してはうってつけの人物であり個人的には一番望ましい展開でもあったので直ぐに了承した。

 

 

「今日呼び出したのはサカタ大佐の配属先についてだ」

 

 

「もう決まっていたんですか」

 

 

「ああ、そろそろこちらに来る頃だろう」

 

 

その言葉通りにコンコンと扉が叩かれた。

 

 

「誰だ」

 

 

「わしですセンゴクさん」

 

 

「来たか…入れ」

 

 

ガチャっと扉が開き男が入室した。

 

 

「げっ」

 

 

「ほぅ、随分な挨拶じゃのうサカタ大佐」

 

 

「イヤーオヒサシブリデスサカズキサン」

 

 

堂々たるたたずまいをしていた人物とは思えない変わりようだった。サカタ大佐と目が合い訴えかけてくる。おい、嘘だろ…違うと言ってくれと。だから俺は宣告した。

 

 

「本日をもってサカタ大佐はサカズキ中将の配属へ入れ」

 

 

「…」

 

 

返事がない。サカタ大佐は白目を向いて屍のように動かなかった。

 

 

「今日からびしばしいくけぇのサカタ大佐ァ…それと」

 

 

そう言ってサカタ大佐の腰に挿していた木刀を取り上げそして…。

 

 

「ふん」

 

 

バキッっとへし折った。

 

 

「おどれの得物は今日からこれじゃ」

 

 

サカズキが取り出したのは日本刀だった。それをサカタ大佐の腰に挿して目的を達したからか退出していった。しばらくしてサカタ大佐が目を覚ました。

 

 

「センゴク元師…」

 

 

「…なんだ」

 

 

「チェンジで」

 

 

「そんな制度はない」

 

 

サカタ大佐は膝から崩れ落ちた。

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